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日々是短歌、ひりだす哉。 3/31(日) / 5


市街地をそんなに急いでどこへ行く
郡馬七七 日産マーチ


昨日の運転中に思いつきました。運転中に追い越された車をそのまま描写です。レジュメはありません。
この歌での工夫は「郡馬七七」「日産マーチ」は架空のことばです。
実際見た車種は「ホンダ」の「シルバー」の「アコード」だったかな。
それだと語呂が合わない。
俵万智さんの有名な「七月六日はサラダ記念日」のくだりは本当は七月六日ではなかった。というのは有名です。

短歌は小説や盆栽や日本庭園の美などとおなじ「人工物」です。荒々しい自然のありのままの姿ではなく「そこに人の手(ことば)でさらに美化された風景」がそこにあります。
芸術とはいかがわしいものだ。
と誰かが現代アートについて言っていましたね。
まさに正鵠を得ています。


今日の二首

組み伏せられ横たわりたる昨晩のことあそびのような記憶の中で

短歌研究 2021 6月号(64ページ)
作品20首
盤上

■ミニ解説(個人の感想)
タイトルが「盤上」だから省略された主語は「将棋の駒」のようにも感じますが、ぼくはタイトルなしで「思春期の淡いあの頃」みたいなノスタルジック(感傷的)に受け取って、胸に打たれました。



男ではなく大人の返事をする君にチョコレート革命起こす

俵万智
「チョコレート革命」

■ミニ解説
この名歌を解説する必要があるだろうか? 笑。 チョコレート革命って、どんな革命だよ! っていう読み手のツッコミはまさに十人十色。君は不倫相手なのか? 同級生なのか? 元カレなのか? 息子なのか? 解釈の扇の要に「チョコレート革命」なる「俵万智の独特の造語」がピタとハマって歌はマスターピースに。



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