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800字日記/20221116wed/130「無二のアイデア」=青い田を刈る、Vol.6

ドアを開けて部屋に入る。トイレがある壁にロードバイクを立てる。

キッチンの時計を見ると十九時。夜だ。

「帰ったよ」と部屋をのぞく。奥で丸くなったネコは頭をもたげる。寝ぼけまなこだ。

シャワーを浴びようか迷って明日にまわすことに。冷蔵庫を開けると朝つくった卵サンドがあるが、さっき図書館のベンチで食べたので夜食にするとして、冷蔵庫の中は、納豆、豆腐、味噌と牛乳しかない。インスタントラーメンの袋を破って茹で、生卵を割って食べる。

机に座る。ほぼ一年書かずじまいだったことをここで整理しようと書き始める。

noteを初めて最初に衝撃を受けた作品がある。純文学だった。そのシュールな作品の設定はぼくの固い頭を砕いた。いまでも脳裏に鮮明に焼きつく。

タイトルを忘れ、いま検索できない。が、また読みたい。そう思わせる物語を書くことは物書き冥利に尽きるんだろうな。思う。

下記は筆者のnote

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探したらありました(探してから書けっての!自分へツッコミ)。

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筋は簡単だ。うろ覚えの筋を書く。間違いはご容赦をねがう。

それと、当人が不快に思ったらこの日記は削除する。


主人公は毎日、横断歩道に寝そべる。通勤する通行人に踏まれる。顔、体、手(だったか顔だけだったかは忘れた)筆者の文体が小説の世界を彩る。ラスト、主人公の憤懣とともに身体は爆発する。

ぼくの記憶ちがいかもしれないが、主人公は「顔を踏まれる」を仕事でやっている。出勤前のロッカーで着替えるシーンがあったと思うが、ぼくはそこに惹きつけられた。シュールさを際立たせるために日常描写が巧みだった。それとこれは彼の無二のアイデアだと感心した。

半年間ぼくはプロの作家に弟子入りした。貴重な体験だ。原稿五枚の「主人公は元カノが経営するカフェに訪れる」という物語を見てもらった。そのときに師匠に彼の道で顔を踏まれるアイデアを褒めた。

「決着で爆発は惜しい。主人公はなぜ道路に寝そべるのか。主人公はなぜ毎日横断歩道に出勤するのか。そこで物語の花を開かせる」

ぼくは頷いた。

(800文字)



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