マガジンのカバー画像

400字日記(リニューアル版)

402
400字日記をリニューアル 日記に通底するテーマ 「すべては作家人生のために」 400字に入れること➡︎日々に見た感じたもの(具象) 四百字をどのような形式で見せるか? ➡︎「第…
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

800字日記/20221128mn/142「構想何年」

起きる。寒い。ニュースでいう寒気は明日からか。いま二日前の日記を書いている。写メはあるが室内のみ、記憶はない。メモ紙を見、ゴミ箱に抛っていく。 物干し竿は向こうにあるか? あけなこ(大分弁、ざっくばらんに)に、11:28ようやく起きる、疲れとれない、13秒で90秒の音楽、構想何年、希死念慮について、クリストファー・ノーラン、 昨日はシンギュラリティで簡単に書いた。疲れていた。レジュメも記憶もない。日記はかけない。 構想何年で書く。 僕が上京して初めて観た映画は渋谷パルコ

800字日記/20221127sun/141「シンギュラリティに驚く」

目覚める。部屋は温かい。が寒気がある。寝返る。日向でネコが寝ている。起きあがる。冷蔵庫を開ける。空だ。でも今日は外出しない。机はメモの山なのだ。そうじを始める。 そうじを終え、机に座る。ため息をつく。まる三日こねくりまわして、段落ひとつしか書いていないが接着剤としてはいい着想だ。書き進めよう。 一服だ。気晴らしにYouTubeを見る。度肝を抜かれた。「シンギュラリティ」という言葉を初めて知った。「絵を描くのは好きだが絵を描くのに一時間かかる。その時間がない。だからいまはす

800字レジュメ/20221126sat/140「両子寺方面」

本日はレジュメで御免。 快晴、暖か、モンシロ、モンキチョウが交差して飛ぶ、畔にはタンポポ、紫色のオオイヌノフグリ、まるで春だ。河原の藪から大きな鳶が、翼を広げる姿は二メートル弱。立ち止まる。鳶はぼくの頭上を、ゆっくりと旋回する。向かい風に乗りあげ、またくるりと追い風に乗って滑空。それをくり返す。五分ほど時間をかけて自らの威厳をぼくに見せつけ、去っていく。 右手の川に浮く鴨の家族、海手から飛んできた一羽が川面に着水すると、周りから鴨が集まってくる、まだまだ沢山いた。対岸から

800字日記/20221125fri/139「千曲(ちくま)の元ヤン」

目覚める。快晴だ。夏の陽射しだ。体調はいいが頭がまわらない。ネコは基地から起きたぼくを見ている。 そうじをして執筆に取りかかる。一息ついて部屋を見わたす。年内はまだ居るが、部屋に物がない。いますぐ夜逃げができそうだ。 昨夜はネコの移動を調べた。フライトであればぼくは快適だが、ネコのゲージは貨物あつかいで氷点下になる。却下だ。鉄道はコスパがわるい。ペット可の長距離バスに落ちつく。 三年前のGW前、ぼくは長野の松代にいた。そこに腰を据えるつもりだった。ぼくの部屋の世話をした

800字日記/20221124thu/138「冬晴れとうろこ雲と冬の夕焼け」

目覚める。昼前。快晴だ。が、体が重い。部屋探しの疲労が取れない。かれこれ四日も本稿にふれていない。シーンは頭にあるが、書けるか不安だ。そうじをしてネコと遊ぶ。今日は投げる綿棒に食いつく。洗濯機をまわす。 恐る恐るパソコンをひらく。書けた。驚くべきことだった。レジュメは引き返せないポイントまで詰めておく。急病や別の仕事で中断されてもすぐに再開できるとはこのことか。だが、すっかり安心したとたん、筆がとまった。三時をまわっていた。 米を研いでいると、電話がきた。富山のアパートの

800字日記/20221123wed/137「やど探し・エピローグ」

ネコの鳴き声が聴こえる。朝の四時だ。雨音が聞こえる。ネコの鳴き声はガラス戸を隔てて聴こえてくる。ハッと目覚め、慌てて戸を開けると体を濡らしたネコが部屋に入ってきた。タオルで拭いて暖房をつける。寝ぼけたぼくに締め出されたようだ。ネコが餌を食べる音を確認して、戸を閉めた。 目覚める。八時過ぎ。今日は勤労感謝の日だった気がする。体育の日も天皇誕生日も名が変わった。ググる。まだあった。国民の祝日を祝う法律によれば「勤労をたっとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」を趣旨とする日

800字日記/20221122tue/136「やど探し迷走録(後編)」

起きた。八時。外は曇りだ。また部屋さがしか。ゆううつでR。布団に寝そべって下巻に突入した文庫本をぱらぱらとめくる。窓から射す日が、手紙をにぎりしめるぼくの顔にあたる。膝をネコに小突かれたのを潮に、立ちあがる。 「舞ちゃんもYOASOBIを聴くんだってよ」 ネコは年甲斐もなく嬉しがる主人の姿を無視して餌皿へと向かう。 「あれナニ君。もしかして、焼いてんのぉ? 」 しゃがんで文通仲間の手紙をネコに鼻の前でひらひらとさせる。 ネコは固まったまま主人を見あげている。 「朝のオアソビ

800字日記/20221121mon/135「やど探し迷走録(前編)」

やっとこれで宿探しは終わりだ、と全身の力がぬけて机に突っ伏す。目の奥がいたむ。丸二日、パソコンのディスプレイを見つめ、新潟、長野、西東京全域の賃貸をさがした。フリーダイヤルにかけると不動産屋に転送される。あるいはクリックするとすぐに電話がくる。いまの時代は顧客と不動産屋をつなぐ業者が一枚かんでいる。 いっぺんにこんな人と話したのは何年ぶりか。たくさんの人と話をした。自分が正しい前提でぼくの意見を鼻で笑う人、カワボ、イケボ、おっとり系、ベテランセールス巧者、滑舌が悪い若い女、

800字日記/20221120sun/134「UKのペンパルへの返信」

Pastiesは「ミートパイ」でいいのかな? beans on toastはハリウッドの西部劇でよく食べているのを観ます。僕も映画は好きです。25年前、僕は大学生だった。その当時は年間200本の映画を観ました。毎日映画館に通いました。当時はアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、ジョン・トラボルタ、ジョディ・フォスターなどがスターだった。その頃、ディカプリオの「タイタニック」が日本で大ヒットしました。 映画はなんでも観る。 サスペンス、SF、サイコスリラー、ヒューマン、ラブコメ

800字日記/20221119sat/133「嫌な客からのメール」

まぶたを開く前に判る。雨か曇りにちがいない。からだが異様に重い。畳に手をついて上半身を起こしてカーテンを開ける。外は曇っていた。十一時前。体調が悪いときはいつもこの時間だ。 ネコが頭をこすりつけにくる。昨日から食餌を抑えた。ネコの腸活検査キットを使った。じゃっかん太りぎみらしい。これ以上動きまわられたら野に放ちたい気分だが。ベンガル種だから仕方ないのか。購入した後に調べたら成猫の姿はまるでジャガーだった。むしろこのまま太らせておいたほうがいいんじゃないか、と思う。 そうじ

800字日記/20221118fri/132「素材百ありゃ筋百万ある」

昨晩、家主さんと下の駐車場で初孫の話で盛り上がった。それを書こうと思い執筆をしていて先ほど「プロット」について思いあたる。日記に切りかえた。 師匠だった作家は記者出身でレジュメと取材を重視した。彼は文章(小説)をよく料理にたとえた。何かを料理をするときは、 ⑴ 素材を見つけ(集め)る。冷蔵庫を開けて、ぬか床を見るとか。☞レジュメ ⑵ 下ごしらえ。切り出し、下茹で、調味料、お皿の準備など。☞プロット ⑶ テーマを決める。トマトパスタにするか、カレイの煮付けにするか。☞ジャン

800字日記/20221117thu/131「引越し黙示録」

目覚める。十時過ぎ。部屋が明るい。朝に一度、起きたか。心配しているほど体調はわるくはない。これはぼくの経験則だが、向かうべき壁が具体的になると体調はあがる。執筆ピッチもあがる。 この波は追い波だ。乗らなければ。ぼくは二十歳ではない。人生の残りの時間は少ない。 ネコが基地に潜り込んであそぶ。一旦、どいてもらって部屋のそうじを始める。 11時。放送が始まった。 「これはJアラートのテストです。これはJアラートのテストです。こちらはクニサキ防災センターです。こちらはクニサキ

800字日記/20221116wed/130「無二のアイデア」=青い田を刈る、Vol.6

ドアを開けて部屋に入る。トイレがある壁にロードバイクを立てる。 キッチンの時計を見ると十九時。夜だ。 「帰ったよ」と部屋をのぞく。奥で丸くなったネコは頭をもたげる。寝ぼけまなこだ。 シャワーを浴びようか迷って明日にまわすことに。冷蔵庫を開けると朝つくった卵サンドがあるが、さっき図書館のベンチで食べたので夜食にするとして、冷蔵庫の中は、納豆、豆腐、味噌と牛乳しかない。インスタントラーメンの袋を破って茹で、生卵を割って食べる。 机に座る。ほぼ一年書かずじまいだったことをこ

800字日記/20221115tue/129「本当の冬、始まる」

目覚める。朝八時。鼻にネコの息を感じる。がまた眠りに落ちる。九時に起きる。枕元にネコはいた。カーテンを開ける。畳が温まって、そこにネコは寝そべる。 調子は悪くない。湿度がないせいか判らないが。書けるときに書いておく。だ。 そうじを終えて、音楽を止める。ネコが赤ん坊のように甘えてくる。鉛筆立てに入った綿棒を、押し入れに投げ、猫じゃらしをキッチンへ放ったりして、騙しだましネコの注意を逸せる。膝に乗ってくるネコに犬の唸り声をあげる。 筆が進み始めると不思議な体験をする。筋立て