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800字日記/20221118fri/132「素材百ありゃ筋百万ある」

昨晩、家主さんと下の駐車場で初孫の話で盛り上がった。それを書こうと思い執筆をしていて先ほど「プロット」について思いあたる。日記に切りかえた。

師匠だった作家は記者出身でレジュメと取材を重視した。彼は文章(小説)をよく料理にたとえた。何かを料理をするときは、

⑴ 素材を見つけ(集め)る。冷蔵庫を開けて、ぬか床を見るとか。☞レジュメ
⑵ 下ごしらえ。切り出し、下茹で、調味料、お皿の準備など。☞プロット
⑶ テーマを決める。トマトパスタにするか、カレイの煮付けにするか。☞ジャンル、テーマ、枚数を決める。
⑷ 沸かした湯に、素材を入れていく。料理開始。☞執筆(決まった期間に部屋に缶詰)
プロの日常(仕事)はこれだけ。シンプル過ぎる。

それで先ほどぼくは下記を思いついた。
⑴ 一万個のレジュメがある。九割省かれても千個の言葉だ。
⑵ 逆説的にいえばこの時点ではプロットは無数に広がる。素材や調味料が多いほど作る料理がひろがるわけで、小説であれば冒険、ロマンス、SF、サスペンス、パニックなどだ。
⑶ 「テーマは一つ」に絞るべき。だが、モチーフと舞台は無限大に広がる。
⑷ 執筆の期間は不安定になる可能性はあるが。

簡単にいうと、ひとつの小説世界を構築するとき、千個の破片と一万個の破片で構築するのとではディティールとリアリティとレイアー(層)がまるで違ってくる。

ひとりの女性軍医のプロットを描いていたら「これってもしかして全員ぶん書くのかな? 」項垂れた矢先、アイデアが浮かんだ。

ボツ案だから書くが「じつは十人の北朝鮮兵士みなそれぞれが脱北を図っていたら?」「軍はそれを知って彼らを召集し、自爆テロ作戦を命じた」陰謀論めいたプロットだが、一瞬、某海賊マンガのプロットのようで心躍った。

本筋は「超小型原子爆弾を背負った十人の兵士が新潟の浜に上陸して東京を目指す」これだけだ。レジュメが豊富にあればプロットは百万通りもあることに気づいた。

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