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400字日記(リニューアル版)

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400字日記をリニューアル 日記に通底するテーマ 「すべては作家人生のために」 400字に入れること➡︎日々に見た感じたもの(具象) 四百字をどのような形式で見せるか? ➡︎「第…
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記事一覧

六章 三 ファミリーズ白馬店、その一 / 20240723tue(15931字)

三 ファミリーズ白馬店、その一  親子ツバメが店の裏手の勝手口から入ってきた。業務用冷蔵庫の上にとまる。あら、ツバメじゃないの。厨房内に巣を作られたら困るわね。とはいえ追い出すのもね。ウェイトレスはほうきの柄をにぎって構えた。キッチンでウェイトレスはツバメと対峙する。ツバメはバサバサと調理場を抜けて、麻ののれんをくぐって店内に侵入してしまった。  レジの前に白木でできた大きなカッコー時計があって、ツバメはそのからくり時計の上に止まった。するとからくり時計の扉はひらいてなかか

執筆オンラインサロンはできるのか? / 20240722mon(2024字)

日記のストックが十日あったが切れた。 二日連続で東京の赤坂に行っていた。 ホリエモンのスタジオだ。 二度も場所を間違えたのと遅刻。 初日は赤坂から新橋まで歩く。 警察官に、 「あの建物なんですか?」 「総理官邸です」 「え! 写真撮っていいですか? 」 「どうぞー」 トランプ暗殺未遂事件の直後だったがそれほど物々しい感じではなかった。 それと二、三、道を尋ねた。 「東京、楽しんでくださいねー」 僕はお上りさんにみえたようだ。 初日ともに足が棒だった。 さて、本題。 帰りの

言葉はたかが言葉だ。 / 20240721sun(400字)

「ふりむくな! 」 「なんで? 」 「もし、ふりむいてそれがアイツだったらどうするんだ! 」 このセリフは「上陸者たち」を象徴している。 キャラがふりむけば「また別の文脈」が生まれる。それを暗に示している。 「スーパーマーケット白馬事件」の首謀者である「暴漢たち」を僕は銃声のみで表現した。それが「物語の文脈」だからだ。 前々日の記事。 あの原稿はぼくが進化した原稿だった。 ぼくの小説の地平(ことばの扱いかた)がガラリと変わった。 登場させたキャラどうしの因果(因縁)が平

謎のスーパーマーケットハクバ事件の伏線を回収するための六章その二 / 20240720sat(6192字)

第六章 白馬岳山麓八方尾根交差点前十字路 二 首謀者、九山那由多  スーパーマーケットハクバの駐車場の東側、敷地の国道に面した出入口。信号が青になった。並んでいた黄色いツーシーターや紫色の乗用車は南に向けて走りだした。  ナユタは赤松の並木が浮世絵の波濤のように国道に迫りだしたレンガの歩道を走ってきて、足を止めた。 「だめだ。やっぱり解けない」  ナユタは膝に両手をついてうな垂れる。 「なにが解けないの? 」  チナツは訊ねた。後ろから黒服の声が聞こえる。ひっはっひっはっ

謎のスーパーマーケットハクバ事件の伏線を回収するための六章その一 / 20240719fri(7436字)

第六章 白馬岳山麓八方尾根交差点前十字路 一 飛来してきたオオルリ  長野県南アルプス。白馬町。  白馬岳山麓八方尾根一丁目交差点前十字路。   白馬町の真ん中に立つファミレスの屋根に、風に乗ったちいさな物体がひゅるひゅると飛来してくる。ひゅるひゅるり、ひゅるりひゅるりら。ちいさな物体は蒼色にかがやく鳥、オオルリだった。  オオルリはファミレスの屋根の上に止まった。オオルリの腹部は通常は白色のはずだ。しかし、そのオオルリの腹部は血で真っ赤に染まっていた。  屋根のてっぺん

優れたフィクションの力 / 20240717wed(1619字)

下記のエッセイは批判しない。 読んで、思ったことを書く。 つまりこれもエッセイだ。 二十五年前。先輩が主宰する劇団公演の打ち上げで。 「古代ギリシャ悲劇やシェイクスピアとかでドラマや名台詞って語られちゃっているんじゃないですか? もしそうだとしたら、いまのぼくらになにか語れることってあるんですか? 」 ぼくは、日頃思っていた微かな疑問を言ってみた。 飲みの場はシーンとなった。 主宰で演出家Aが、ぼくを嗜(たしな)める。 「蒼井。それをどこで知ったんだ」 「最近ぼくが頭でつね

「上陸者たち」登場人物、一覧表 / 20240716tue(8000字)

第一部のあらすじ(四百字) 日本海に北の工作船が浮かぶ。作戦は十個の原爆を東京に運び爆破させる。浜まで四十キロの地点で海保巡視艇が近づく。漁師になりすましていると指令がとどき襲撃。巡視艇は蜂の巣に。仲間ひとりに原爆五個を残して浜へ急ぐ。人質を見て兵士たちは驚く。日本語を学んだ日本人教官と瓜二つだ。教官との別れが浮かぶ。「私はアンジョ・ナオではない。サエキミカ」なんと人質は教官の妹。船で無線相手の土台人に裏切り疑惑がわく。ボートに原爆四個を積みこみ罠を仕掛けた。荒れる海。最後の

猫親失格 / 20240715mon(400字)

猫が膝から太ももの毛を舐めて禿げた。肌のピンク色が剥きだしになった。 どうぶつ病院で診てもらうとストレスだそうだ。 そのどうぶつ病院に連れて行ったのは母だった。猫親、失格。 最近、家でぐったりと一日を潰してしまうのが怖くてカフェで書くことが多かった。パパッと着替えて出かけていた。 おかげで執筆は進んだ。なにせ六章の舞台がファミレス(周辺)だったのだ。 そういえば、最近の猫の鳴き声が変だった。 「ミャオ! 」 最後の、ャオ! を強く鳴いていた。 「ぼくをかまってよ! 」 「

一章から五章へつなぐ文脈の伏線と回収 / 20240714sun(10315字)

一章 八 北陸つばめドライビングスクール  午後の授業が始まるチャイムが鳴った。食堂にいる生徒らは立ち上がり、ぞろぞろとドアから出ていく。先月、六十四歳を迎えた柏崎康徳は柱時計をみあげた。もうこんな時間か。柏崎は窓際の席から海をながめ、今年度はじぶんは雇い止めになるのか。それを考えていた。そんなこといくら考えても仕方のないことだった。  柏崎康徳は海のない地元の工業高校を出たあと、朝の塵芥収集車と犬猫探しのバイトをしながら理容師の免許を取った。就職した高前崎の職場で妻と出

見積もりのご相談。Ver.2819文字

見積もりのご相談。 ◉○◉社の「◉◉◉◉◉◉◉◉賞」の応募用の小説を執筆しています。 SFメタフィクション。合計九百枚の作品。 第一部のあらすじ(四百字) 日本海に北の工作船が浮かぶ。作戦は十個の原爆を東京に運び爆破させる。浜まで四十キロの地点で海保巡視艇が近づく。漁師になりすましていると指令がとどき襲撃。巡視艇は蜂の巣に。仲間ひとりに原爆五個を残して浜へ急ぐ。人質を見て兵士たちは驚く。日本語を学んだ日本人教官と瓜二つだ。教官との別れが浮かぶ。「私はアンジョ・ナオではない。

「上陸者たち」の筆者の筆名につながる「解説」 / 20240711thu(4090文字)

 解説: 池袋直樹   おっぱいがいっぱい。から始まる小説は初めてだった。人それぞれ見方があると思うが、その作家が優れているかどうかを考えるとき、ぼくは、どのくらい海外作品の豊かさを恥肉、いや血肉にしているかを見る。物語やキャラクターはひとつの役割ではなく多面的な複雑な人物像になっているか、である。それはひとことで言うならば、どのくらい海外作家の影響を受けているのか、ということになるのだろうけれど、ただ影響とひと口餃子を咥(くわ)えたまま餃子臭い口で述べても、作家はなかなか

小説新人賞では賞金が出、出版権は出版社に帰属とありますが、一般的に新人賞でもらえるのは、賞金だけなのでしょうか? 印税は2作目から発生するのでしょうか? / 20240710wed(980字)

Yahoo!知恵袋から引用 出版社によって、考え方とルールが違います。 「印税」=「出版権の使用料・契約料」とするのが一般的だと思うのですが、受賞作の場合は賞金にその使用料・契約料が含まれると考える出版社もあります。 (印税を払う気がある賞は「出版に際しては規定の印税が支払われる」…みたいな文言が最初からある) 実際の所は、受賞後にサインを求められる契約書の内容次第ですね。 企業側は著者との間で出版契約を結ばないと本にできないので、そこはちゃんと書面でやり取りされま

グシの頭痛のタネ / 20240709tue(2674字)

一 グシの頭痛のタネ   重油の匂いに溢れかえった浜に黒い波が寄せては返す。カモメの代わりにカラスが群れている。陽光が虚無を放っている。風が踊り狂っている。辺りには人っ子ひとりいない。いや、誰かがいる。娘だ。そうではない、少女だ。穢れた砂の上に横たわっている。全裸だ。おれはひざをつく。まじまじと顔をのぞき込む。知らず知らずくちびるに迫っている自分に気づく。気配を察した少女は肩を小刻みに震わせる。「寒いか」と訊く。相手は黙って頷く。上着を掛けてやる。しばしの沈黙が重苦しい。目

「第三部」の挑戦、「エントロピー小説」 / 20240708mon(1605字)

現在、6月24日(月)だ。 ネットで調べたが、下記のすごろく小説が見当たなかった。 「こっちは文字を唯一の武器として生きてる(闘ってる)わけだ。簡単に映像化なんかされてたまるかってんだ! 」 この考えは一流の作家とは思わない。だが、ぼくが私淑する作家たちはきっとみんなこう思って文字と格闘しながら物語と対峙している。とぼくは思うのだが。(でも、実際には、目の前に映像化、映画化の大金を提示されたらば「是非、どうぞどうぞ! ご自由に! 」なのかな〜。笑)。ガルシア=マルケス、