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出発

8月15日。ついに、出発の日が来た。台風の影響で出発できるか、そんな不安も数日前にあったが運良く成田空港発の飛行機は何もなく出発することができた。

今この記事はコペンハーゲンに向かう飛行機内で書いている。
(バタバタしており投稿は到着して2週間たってからとなってしまいました‥)

たくさんの友人、先輩後輩、家族に別れを告げ飛び立った今、正直ワクワク感より寂しい気持ちが強い。

私は大好きだった大学の学科と部活の皆に別れを告げてデンマークへと飛び立った今、わざわざ自分で新しい道を選んだのだから絶対に成長して帰ってこようという思いでいる。

なぜ私が、この時期に、デンマークという国へ留学を決めたのか。

それは
・自分自身がギャップイヤーを取りたかったから
・大学の授業で感じた日本の教育の課題を違う国の教育を見ることでもう一度深く考えたかったから
・子どもたちがやりたいことに夢中になれる環境を作りたかったから

大きくいうとこの3つである。

1 ギャップイヤーをとる
私は、小学生から高校まで、決められた枠組みの中で頑張ることが得意だった。それが正しいとも思っていた。周りに合わせて行動し、その中で真面目に取り組む。文字通り、優等生だったといえるだろう。

当時はそれで褒めてもらえたし、満足していた。だが、自分は気付かぬうちに自己表現の機会と自分らしさを失ってしまった気がする。〇〇がやりたい、そんなことを思うことなくここまで来た。自分の想いを表現をすることが苦手で、将来特にやりたいこともない。

でも、将来やりたいことがなくたって、時は勝手に進む。気づけば一般的には就活を始めなければならない大学3年生になった。

やりたいこともまだ明確ではないのに、みんな黒髪・スーツで、学生時代頑張ったことをちょっと美化してみたり、そんなに興味がなくてもそれっぽくES書いてみたり、それで上手くいったら就職が決まる。そんなことなら就活はしたくなかった。

教育学部で、教員になる選択肢ももちろんある。だが、教員になるとしても、私が生きてきた学校の世界、教育の世界だけでなく、もっと広い世界を見せてあげられる人になりたい。
そんな思いで大学3年生というタイミングで留学をすることに決めた。

後に書く、私がつくりたい教育ややりたいことは、何歳でもできることだと思う。だが、就活を始める前に自分と一度向き合う機会が欲しかった。大好きな部活に離れる決断をしなければならないのは辛かったが、部活を引退してからでは遅いと思ったのだ。

2教育を追究する
 大学の授業で、R・Pドーアの「学歴社会 新しい文明病」という本を読んだ。この本は1978年に書かれた本である。今から約45年前に書かれた本。それなのに、今の課題を書いた本であるかのように感じた。就職のために、学歴をめぐって他人との競争ばかりが重視される。私自身、特にやりたいことがなかったのにも関わらず、何となくネームバリューのある大学に行きたかった高校時代。そして、それがかなわず今の大学に通うことになった自分。
なんで学歴を意識しなければならないのだろう。勉強ができなくても他に得意を持っている人がたくさんいる。それを評価できる教育が学校教育に必要なのではないか。勉強や、学校生活で成功させることばかりに目がいき、将来やりたいことや自分が好きなことやりたいことを見つけられない。そんな教育ではなく、もちろん知識等を身に付けながらも、もっと自分と向き合う時間や広い世界を知る時間が教育には必要なのではないか。

私は教育には正解がないと思っている。だからこそ、海外の教育を知り、日本との違いを知り、どんな教育がこれから必要とされるのか。自分が教育者として社会に出るときにはどんな教育を目指したら良いのか、考える時間が欲しいと思った。

私が通う学校には世界約30か国から生徒が集まっている。1つの国に行くだけで、本当にたくさんの国の人に出会うことができる。

デンマークだけでなく、いろんな国の教育を知って、多角的に教育を考えてみたい。

3子ども達がやりたいことに夢中になれる環境をつくる

これは私がトビタテ留学JAPANに応募をしたときの留学テーマである。

将来に希望をもてない。将来やりたいこともない。何のために学校にいって勉強をするのかわからない。そんな子どもたちに出会ってきた。

私自身もそうだった。なんとなく先生という存在に憧れた小学生時代。中学高校でも多くの先生にお世話になってきた。この経験から何となく教員免許がとりたい、そういう想いはあったものの本当に教員になりたいのかはわからない。教育大学に進学したものの、周りの教師になりたい人達の熱に押され、教育が嫌いになったこともあった。趣味は何、という質問は苦手で、将来何になるんだろう。大学を卒業したらどうしているんだろう。という葛藤を抱えることもある。

もちろん、やりたいことが明確でなく、私のように悩む時間も何かの糧になるという考えもあるだろう。

将来なりたいものが言葉にできるものでなくたっていい。やりたいことを明確にできなくてもいい。

でも。
子どものうちに広い世界を知って、好きなことを探究してみて、もっと知りたいと思ったらその分野をきわめたり、違うなと思ったら他の分野を調べてみたり。

そんなふうに、好きなことを追いかけていいんだよ。

周りの目にとらわれすぎず、勉強勉強、成績成績、という風に人と比べるんじゃなく。

自分の中で好きなこと、面白いなって思ったこと。
それを追究できる学びを、子どもたちに経験してほしい。

規模は大きいし、抽象性の高いことだが、やりたいことがなかった私が、今熱意をもって実現したいと思えることはこれなのだ。

子ども達がやりたいことを見つけ、追究できる場を作る。

そのためにデンマークでの、ギャップイヤー時に通う教育施設への入学、ボランティアを通して何が必要なのか、考えていきたいと思う。


おわりに

 長期での海外経験がなく、英語力も高いとは言えない。そんな私にとって、この留学は大きなチャレンジです。
 それでも、自分自身が信じた道を、応援してくれているすべての方と、支援をしてくださった方々への感謝を胸に、いつか必ず社会に恩返しができるよう、自分なりに全力で過ごしてきたいと思います。

 ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。留学の様子や学んだことをシェアしていきたいと思っておりますので、見守っていただけると幸いです。

きり

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