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砂の城(創作大賞投稿作品)

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6年前に小説家になろうで書く予定だった消された恋愛話を改稿して纏めております。【創作大賞2024初参加】 暗い部分も多いですが、人の感情揺れ動きとリアル重視。 ハッピーエンドです…
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#彼女

【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城「第2話 3年間の空白

【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城「第2話 3年間の空白

「しかし驚いたな……まさかこんな近くに『彼女』が住んでいたなんて」

「そうだよ、今までずっと一緒に居たんだから……」

 そう。私が大学に入学するまでは、忍とずっと一緒だった。
 私は精一杯の笑みを浮かべ普通に振舞った。忍は昔から勘のいい男なので、少しでも言動や態度に疑問があるとやたら追求してくる。

 マンションのロックを解除し、エレベーターに乗り、自室の前に立ってもまだこれは夢なのだろうかと

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【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 「第4話 心の支え」

【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 「第4話 心の支え」

  弘樹さん達が店を出た後、見計らったようにミカが近寄ってきた。これはいつもの事だ。

「ねぇーマキちゃん〜。弘樹さん紹介してくださいよぉ〜、センセー達来た時に、ゼッタイ私の事呼んでくれないじゃないですかぁ〜」

  ミカをヘルプとして呼ぶのは大変だ。指名には料金制度があるので、彼女をただ隣の席に置くだけでも結構高くつく。
  料金が高いからという理由だけならば、ミカは弘樹さんに近づきたい人間

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【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第6話 忍sideー 葛藤

【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第6話 忍sideー 葛藤

 退院した後のリハビリで俺が日課にしている事がある。人間は太陽の光を一日に20分くらい浴びるといいらしい。
 ボケ防止にもなるし、それで刺激になれば俺の欠けた記憶がぽっと復活するかもしれない。
 そんな淡い期待を抱いて毎日寮から出て、30分ほど青梅街道付近をランニングしていた。

 雨の日はだりいなと思い、傘をさしていつもの道を歩いていると、電動自転車をのんびり進む女性を見つけた。
 女って、髪の

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【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第18話 忍sideー 麻衣

【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第18話 忍sideー 麻衣

 飯以外で澤村とこうやって出るのは初だったが、蒼空があいつの事を気に入ってくれたお陰で俺は気兼ねなくタバコを吸ってのんびり出来た。
 弘樹は今も俺から奪ったマルボロを吸っている。止める以前は散々俺にバカになる、とか勃たなくなる、とか言いまくってたくせに。

「な? 久しぶりだと美味いだろ?」

「お前さ、こんな不味いやつよく長年吸ってるよな……」

 流石に過去を吟味して考え直したのか、短くなった

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【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第26話 忍sideー 地雷

【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】砂の城 第26話 忍sideー 地雷

 俺は集中治療室で歩行練習をさせられ、午前中のうちに一般病棟へ移された。
 外科病棟の病室が空いてないとのことで、偶然にも自分の勤務先である内科病棟の一人部屋に移された。

「くっそぉ、ここの部屋代金高いから、早く普通の四人部屋にしてくれって言いたい……!」

 俺は4本のドレーン管をポシェットみたいな袋にそれを入れて自由に歩けるまで回復している。
 しかし働いている職場。スタッフはニヤニヤしなが

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