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#短編小説
#6 raindrop-揺れる心
--揺れる心
「いってきまーす」
父親に挨拶をして家を出るその姿は、以前のような暗い雰囲気とは一転していつもの明るい彼女に戻ったようだ。
今日は休日、彼女はデパートに洋服を買いに行こうとしていた。
楓にも以前この日、デパートに買い物をしに行くから付き合ってほしいと連絡したが別件で行けないと断られてしまった。
以前の彼女だと落ち込んで悲しい表情を見せるが、楓と買い物をした一件以降悲しい表情は
#5 raindrop-呼吸
その時、この世界の時が止まった。
周りの音等聞こえなくて、目の前も見れなくて。
まるで、世界は私を否定しているようで。
---------------呼吸
朝起きるのが億劫になる。
布団の魅力がより一層強くなり、父親に開けられた自室の窓から流れ込む空気が
肌を刺す様な痛みで朝が来たと脳が認識する。
クリスマスも終わり、年が明けて三学期に入ってまもない頃、まだ冗談半分で年始の挨拶をしてい
#4 机上妄想論-END
ーーー妄想、理想。
夢を見た。
春花にとっては、現実かと錯覚するかのような、妙にリアリティのある夢。
楓と、見知らぬ女の人が手を繋いで、仲良さそうに遠くへ歩いていく夢。
まって!楓ちゃん!
私を置いていかないで!私、どうしたらいいのか、、、!
楓ちゃん!
行っちゃ嫌だ!
わたしを、一人にしないで。
もう、一人になりたくない…
ハッと目が覚める。
体から滲むように出て
#3 机上妄想論-感情
-----疑問
電話で夏祭りの日を決めてから数日
梅雨も本格的に始まり、道浮く人が傘をさしている。
最近は晴れの日も少ないからなのか、全体的に空気も重く感じる頃
春花は一人、授業終わり、昼休みの教室の窓際で外を眺めながら窓に当たる滴の流れを追いながらボーッとした表情を浮かべていた。
雨は嫌い、だけど少し嬉しい。
楓ちゃんの部活が休みになる事が多いから、 一緒に帰れる事が増える。
今日
#1 空を夢見る少女
———空を夢見る少女―――
—-----プロローグ
「…おはよう、ございます。」
— — — —
放った言葉に対して何も返事は帰ってこない。
いつもなら父が横でパソコンをカタカタ打ちながら返事してくれるのだが
最近はその頻度も減っていっている。
「…」
少女は少しだけ悲しそうな顔をしてベッドからゆっくり降り始めた。
だからといって特にやる事はない、少女が暮らしているその部屋は真っ白