忘却の空に
きみとの時間なんて、あっという間に過ぎていくのだろうな。
楽しかった思い出も、色褪せていくのかな。
大きな声で「ヤッホー」と手を振る、きみに笑顔で答え続けた日々を想う。
手が届かない、きみを抱き抱えて、落ちてしまわないかハラハラしたよ。
最初は、一人では登ることも、くぐることも出来なかったのに、今じゃ余裕になったね。
☆
公園に来ることも、段々と少なくなってきた。
そしていつしか、全く来なくなるんだろうな。
楽しかった思い出が、色褪せてしまわないか不安になる。
大事な時間を忘れてしまわないか怖くなる。
それでも、かけがえのない今という時間を大切にしたい。
例え、色褪せようとも、新しい思い出を作り続けたい。
そんなことを考えながら、空を見上げる。
「ママ、帰ろう」
「うん、帰ろうか」
手を繋ぎ公園を後にする。
とてもとても、幸せな時間。
企画参加記事です。