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誰かのツッコミ待ちであってほしい



 起きたら窓の向こうに春が来ている気配があって、だから窓を開ければ風に乗って春がやってきてくれた、と感じた朝。

 月末恒例の、片道一時間ほど使って行って5分ほどで終わる病院の日だったのだけど(書類を出すだけ)、いつもの堤防沿いの道が道路の補修工事をしていたのでやたら大回りに走らされていつも以上に時間がかかり、病院についても駐車場がどこも満車でしばらく待たなければならなかった。待つ間はカバンに入れておいた又吉さんの『Perch』を読む。都会に住むフォロワーさんにわざわざ買ってもらって郵送してもらったありがたい一冊。そこそこ薄い本なのだけど、隅から隅まで又吉さんのセンスが光りまくっていて嬉しい。自由律俳句の楽しさを知ったのは又吉さんが初めだった。せきしろさんの共著『カキフライがないなら来なかった』や『まさかジープで来るとは』がほんまに楽しくて自分もたくさん作って、せきしろさん主催の『自由律俳句を鑑賞する夜』の第二回に初めて応募して読み上げてもらった日がわたしにとっての今の所最高地点だった。
 又吉さんにも鑑賞してもらえたし、今では短歌でひそかにいい歌人だと思っている鈴木ジェロニモさんもいた。ジェロニモさんは特に、わたしの伝えたかった、イメージしていた世界を汲み取ってもらえた上でコメントをしてもらえたのが嬉しかったことを覚えている。自分の自由律俳句がスクリーンに映っているとこをスクショして、写真で印刷して飾っている。なんて貴重なことだろうか。本当に嬉しかったな。自由律俳句は最近あまり作っていなかったので、これからはちょこちょこ合間で作っていきたいな。メモにはあるのだけど。

 やがて駐車場が空き、院内で用事を済ます。ここでも5分で終わるはずが待ち時間が長かった。その間に『Perch』の続きを読んだ。
春めいた雰囲気ではあったが患者たちの服装はバラバラで、春っぽい服装をしている人はいなかった。わたしもまだ冬の延長、上着を脱ぐか脱がないかくらいの違いしかなかったので、もう少し暖かくなったら明るい色のトレンチコートを羽織りたいな、とぼんやり思う。動きやすいパーカーを着たい。シャツとベストを着たい。買う予定はないけれど欲しい。春は新しいものがどんどん欲しくなるな。

 
 終わってからブックオフへ行った。ブックオフは29日にブックの日という会員限定のクーポンが発行されたり何かしらの特典があったりする日で、今月は28日までしかないからと今日がブックの日だった。うきうきで帰り道にあるブックオフ行ったものの、なんと会員限定300円オフのクーポンは徳島全店対象店舗から外れていた。そんなことあるんすか。ねえ。なぜですか。最寄りは香川県だった。この日を目掛けて買うのを我慢していた人たちみんなが肩を落としていただろうに。せっかくの春の暖かい日にやんわりとした絶望。でも買う。買った。

 梨木さんのこの作品は初めて目にしたのでお迎えした。淡い表紙がなんとも可愛い。ヘミングウェイの『移動祝祭日』はやっと読める…といった感じ。一旦は積むけれど。
 棚をぐるぐる回っていたけれども、クーポン対象外というボディブローが(お得に買えて損はないので)じわじわ効いていて、読みたい本を見つけることができなかった。でも正直今買いたい本は新刊に多い気がする。小説もだけれど、詩集や歌集も欲しい。今日寄ったブックオフには悲しくなっちゃうほど詩集も歌集もなかった。わかりやすくがっくりした。またルヌガンガさんでたくさん買おう。

 久しぶりに長時間外で過ごしていたら本当に暖かくて、じんわりと背中が汗ばみそうだった。日光を浴びただけでちょっと元気になれた気がする。単純。


そうして夜、もう寝る時間になっているというのに短歌は生まれず。いや、もうやべえよ。本当にね。がんばりましょう。わたしの心とピッタリくっついた短歌を作りたい。


そんな日でした。

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