碧野むすぶ

レビュー ▶︎ 映画・ドラマ・小説 | エッセイ | 自分のために言葉にしてます

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最近の記事

小説【むき出し】著者:兼近大樹さん

人生は誰と出会うかだと思う。 関わる人や環境で考え方や興味、人格が変わり、この先の人生に影響するのではないだろうか。 この小説に出てくる石山という人物は、ガキ大将でありいたずらっ子であり、犯罪者になっていく。表部分だけを見れば悪者だ。 けれど、ただ悪者という扱いでいいのだろうか。 悪と評される人に対してなぜそうなってしまったのか、どんな人生を歩んでいたのかを知り、社会として改善していくべきなのではないだろうか。 例えば、石山は決して裕福とは言えない家庭で育った。そんな家

    • ヘアドネーションから始める社会貢献

      私が唯一誇れることを活かしたい大学生のとき受講した授業をきっかけに、一生のうち一度でも社会貢献をして誰かの役に立ちたいと思った。しかし社会貢献といっても漠然としていて、自分に何ができるのか、なにをしたらいいのか分からないまま卒業した。 社会貢献といえば食品ロスを無くすとか被災地のボランティアとか、日頃からできることもあれば参加型のものある。 初対面の人と関わることが少々苦手な私は、ボランティア系に参加するには勇気がいった。かといって食品ロスを無くすことやリサイクルなどは当た

      • ドラマ【ディア・シスター】親愛なる姉へ

        兄弟が結婚するって複雑だ。 喜びたいけれど、寂しいし ほっとするけれど、心がサワサワする。 私には姉がいる。幼少期はケンカが絶えず、進学するにつれて会話することも、一緒にいることもなくなった。 しかし姉が就職し一人暮らしを始めてから、驚くほど仲良し姉妹になった。 私は姉の家に泊まって、一緒にお出かけしたりご飯を作ったり、狭いベットで寝たりした。 電話は毎回2時間しゃべり尽くした。 学生のときにできなかった姉妹の時間を取り戻していたのかもしれない。私は嬉しくて楽しくて仕

        • 映画【望み】

          家族が殺人事件に関わっているかもしれないと知ったとき、何を望むだろうか。 これは、一級建築士の父親とフリー校正者の母親、そして高一の息子と中三の娘の ごく普通の家族に起きた物語。 息子はサッカー部に入部していたが、部活中のケガが原因で辞めてしまう。 部活を辞めてから元気がなく、いつまでもふてぶてしい態度の息子に父親は 「何もしなければ、何もできない大人になる」 と将来を諭す。 一方娘は、超一流高校の合格に向けて受験勉強に励んでいた。 ある日母親が息子の部屋を掃除してい

        小説【むき出し】著者:兼近大樹さん

          映画【ファイブ・フィート・アパート】

          この映画は、2019年にアメリカで公開された、嚢胞性線維(のうほうせいせんい)症という難病をかかえる17歳の少女 ステラが主人公。 ステラはYouTuberとして、自身の病気について発信し前向きに闘病生活を送っている。 ある日、同じ病で入院中の青年ウィルと出会う。 しかし彼は治療を真面目に受けていない。 そんな彼に腹が立ったステラは、おせっかいにも治療を受けるように説得し 薬の飲み方や治療のやり方を熱心に教え、サポートした。 しだいに2人は惹かれあい、たがいに大事な存在

          映画【ファイブ・フィート・アパート】

          連続テレビ小説【カムカムエヴリバディ】朝ドラ初!3世代をつなぐ物語

          「カムカムエヴリバディ」は 昭和を生きる1人目のヒロイン “安子”と 平成を生きる2人目のヒロイン ”るい”と 令和を生きる3人目のヒロイン ”ひなた”の 親子3代がつなぐ物語。 身分格差、戦争、容姿、夢、コロナ―― ヒロインの3人は それぞれの時代で待ち受ける試練と向き合い 恋に、仕事に、結婚にと懸命に自分の生きる道を見つけ、 ”On the sunny side of the street =ひなたの道”を作っていく。 そんな強くてしなやかに生きる彼女たちの姿に、背中

          連続テレビ小説【カムカムエヴリバディ】朝ドラ初!3世代をつなぐ物語

          映画【14歳の栞】14歳に栞をはさんで。

          これは、ある中学校の2年生 1クラス35人に密着した映画である。 劇的な主人公もいなければ、ラストに大きなどんでん返しもない。 見知らぬ14歳、35人分の日々を見つめるだけ。 それなのに、どこか過去の自分と重なったり、 ふとクラスメイトを思い出したり、 鮮明に記憶がよみがえってくる。 教室でじゃれ合う子、 休み時間にひとり机に突っ伏して寝る子、 女子に怒られる男子、 恋バナで盛り上がる女子。 そこには見知った光景がある。 一方で、クラスメイトというだけでは気づけなかっ

          映画【14歳の栞】14歳に栞をはさんで。

          小説【明け方の若者たち】著者:カツセマサヒコさん/現代風に言うとエモい。だけどそんな薄っぺらい言葉で終わらせたくない。

          6月11日に一周年を迎えたカツセマサヒコさんのデビュー作【明け方の若者たち】についてnoteを書く。 私は去年の7月にこの本と、そしてカツセマサヒコさんに出会った。 「明け方の若者たち」という題名と表紙に惹かれたのはもちろんだが、 『「私と飲んだ方が、楽しいかもよ笑?」その16文字から始まった、沼のような5年間。』 と書かれた帯を見た時に、心撃ち抜かれた。 「読むしかない。読みたい。」 そう思って即購入。 その本が、2022年お正月に映画化されるそうだ。 なんとも待ち遠し

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          【月々の星々】に選出していただきました

          棚から牡丹餅な話がありました。 【月々の星々】に投稿してみたら佳作に選んでいただけたのです。 1.【月々の星々】とは【月々の星々】って何? と思ってる人もいるかもしれないので少しだけ… 以下、月々の星々さんTwitter(@hoshiboshi2020)から引用 ↓ —————————————— 【月々の星々】とは 月ごとに定められた文字を使った140字小説コンテストです。 参加方法 指定した方法でご自身のtwitterアカウントで呟くだけ!サイトのお問い合わせフォ

          【月々の星々】に選出していただきました