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ヘアドネーションから始める社会貢献

私が唯一誇れることを活かしたい

大学生のとき受講した授業をきっかけに、一生のうち一度でも社会貢献をして誰かの役に立ちたいと思った。しかし社会貢献といっても漠然としていて、自分に何ができるのか、なにをしたらいいのか分からないまま卒業した。

社会貢献といえば食品ロスを無くすとか被災地のボランティアとか、日頃からできることもあれば参加型のものある。
初対面の人と関わることが少々苦手な私は、ボランティア系に参加するには勇気がいった。かといって食品ロスを無くすことやリサイクルなどは当たり前になっていて、社会貢献をしている実感がない。いったい今の私に何ができるのかと考えていたとき、私が唯一誇れることを思い出した。

それが髪の毛だった。

私の地毛には染めたようなこげ茶っけがあり、髪質が細い。そのため、ありがたいことに学生のころから髪の毛だけは同級生や家族から羨ましがられ、美容院でも感心されてきた。
それなのに、美容院でカットしたあと床に落ちた大量の髪の毛は捨てられてしまう。だったら誰かのために役立ってほしいと思い、ヘアドネーションすることを決意した。


ヘアドネーションとは

ヘアドネーションとは寄付された髪の毛を医療用ウィッグにして、必要とする人に無償で提供する活動のことである。現在、日本では3団体(NPO法人 JHD&C/NPO法人 HERO/株式会社グローウィング つな髪プロジェクト)がヘアドネーションを主催している。

流れとしては主に ①美容室を決める ②カットする ③発送する
の3段階である。


1.美容室を決める

「ヘアドネーションの賛同美容室」もしくは、行きつけの美容室でドネーションカットが可能である。ただし、賛同美容室以外にかかる場合は対応できないもしくは料金が発生する可能性があるため
予約の時点で「ドネーションカットが可能か」「ドネーションカットに料金が発生するか」を事前に確認しておきたい。

また、ヘアドネーションの賛同美容室の場合でもドネーションカットは基本的に0円であるが、カット後のスタイリングは別途料金が発生する場合がある。

※ヘアドネーションの賛同美容室は各団体のホームページで検索ができる。


2.カットする

カットする場合、基本的に31cm以上の長さが条件とされている。

髪の毛を半分に折り返してウィッグの地肌となる生地に植え付けるため、31cm未満の髪の毛では医療用フルウィッグを作ることができない。
目安として、
・31cm →ショートウィッグ
・40cm →ボブウィッグ
・50cm →ロングウィッグ
・60cm →スーパーロングウィッグ
になる。

https://www.jhdac.org/hair.html

切るときはいくつかの小さい束にしてゴムで強く結び、結び目の少し上をカットする。また、菌の繁殖を防ぐために髪の毛は完全に乾燥している必要があるため、シャンプー前にカットしなければならない。

ブリーチをしている人、くせ毛の人、パーマをしている人など自分の髪の毛は寄付できるのか?と疑問に思う人もいるかと思う。
絶対にできないわけではなく、送り先の団体によって求める髪の条件が異なるのだ。そのため、詳細はホームページで確認しておきたい。


3.発送する

封筒やレターパックに入れて発送する。発送後、団体からの到着連絡はないため追跡機能があるレターパックで発送することが推奨されている。また、着払いや料金不足があると受け取ってもらえないため注意したい。
NGな発送方法については各団体のホームページに書かれているため、こちらも発送前に確認した方がよさそうだ。

寄付先:
NPO法人 JHD&C
(https://www.jhdac.org/hair.html)
NPO法人 HERO
(https://hairdonation.hero.or.jp/hair/)
株式会社グローウィング つな髪プロジェクト
(https://www.organic-cotton-wig-assoc.jp/14664921933134)


ヘアドネーションで社会貢献はできるのか

約2年間伸ばし続けた私の髪の毛は気づけば長さ60cm以上、重さ約140gになっていた。
私の場合、賛同美容室ではなく一般の美容院にお世話になったためヘアドネーションに使った金額はカット料金と発送料金で、合計4500円以内に収まった。カット料金は今までも定期的に発生する費用であり、発送料に関しては募金だと思えば苦しい料金ではなかった。

ただ大変だったことは、シャンプーやリンスといったヘアケア用品の使用量は2倍以上、ドライヤーの時間は3倍に増えたことだ。夏は暑いし、髪の毛が引っかかるのもかなり大変だった。抜け毛が多く見えてドキッとしたこともある。
なんでヘアドネーションしてるの?と周りから言われるたび、自分がやっていることに意味があるのか何度も迷った。

なぜなら一度寄付したら終わりではないからだ。一つのウィッグを作るためには約30〜50人の髪の毛が必要とされている。かといって髪の毛さえあればいい訳でもなく、製作工場を運営する費用など他にも必要なことがある。一回のヘアドネーションで社会貢献をしたとは言い難かった。

〈ウィッグになるまでの流れ〉
①事務局に届いた髪の毛を開封する
②髪の毛の長さを計測し、仕分けする
③仕分けした箱の重さを計量する
④トリートメント工場に出荷される
⑤ウィッグ製作工場に出荷される
⑥事務局に届いたウィッグを最終チェックする
⑦レシピエントに発送する

https://www.jhdac.org/flow.html

それでもヘアドネーションをする側の大変さを知ったし、ウィッグになるまでに多くの職人さんが関わっていることを知れた。私はそれだけでも価値があったと思っている。だからこれからも、自分にできることをやっていきたい。

そしてこの記事が、社会貢献って何をすればいいの?と迷っている人や、ヘアドネーションに興味があるけど自分にもできるの?と不安に思っている人の手助けになることを願って。


参考サイト:
NPO法人 JHD&C
(https://www.jhdac.org/hair.html)
NPO法人 HERO
(https://hairdonation.hero.or.jp/hair/)
株式会社グローウィング つな髪プロジェクト
(https://www.organic-cotton-wig-assoc.jp/14664921933134)

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