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生きていくとは、変化していくということ【後編】

前回の続き

不動産会社の担当者から一本の電話が入りました。
「今日お客様宅へ訪問したのですが、一般売りは無理ですね。
(内見の)お客様をご案内出来ません。」

「一般売り」とは、一般のお客さんに基本「そのまま」売る方法です。
当然、案内をし室内も見てもらいます。

男性は鳥を「放し飼い」にしていて、室内は想像の通り。
とてもお客様に見せられる状態ではないとのことでした。

「一般売り」に対して「業者売り」というものがあります。
一旦「業者」がそのマンションを買取ります。
業者はほとんどの場合フルリフォームを掛け、室内を一新してから、
一般の方に向けて販売します。

室内がとても古いとか状態が悪いとか、
「そのまま」では売れそうにない場合には、この方法を取ります。
(他にも、他の物件への買替えで資金を早急に用意したい場合なども活用されます。)

この場合のポイントは、値段です。
通常は、一般売りよりも安くなります。

業者も、物件が最終的に「いくらで売れそうか」
リフォーム代や会社の経費などを想定し、
物件の「仕入れ価格」を逆算して提示します。

「必ず売れそう」なものは良い値段を提示してくれますが、
「売れないリスクがある」ものは値段も厳しくなります。


さて、査定額は?


120㎡、駅1分、築53年のマンション
皆さん、売れると思いますか?

買い取る業者がいるのかが、心配でした。

いたんです。
でも、やはり値段はかなり厳しいものでした。
約2000万円でした。

人気の駅徒歩1分、
新築なら3LDKで8000万ほどもする場所で、
120㎡で2000万円。

男性は深くため息をつきました。

それからしばらくして、男性から電話が入りました。
「やっぱり売るの、やめるわ。
中のものを片付けるの、無理
あんな安い値段で売っても、
お金持ち出さないと次のマンションも買えないし。」

「でも、、どうされるんですか?」
「ここで死ぬからいい。」


良いはずがない


皆さんなら、どうしますか?

掃除もできない手に余る広さの部屋
今の暮らしに合わない大きな家具

男性はまだ60代です。
おそらくこれから20年以上も生きることになります。
過去の遺産に埋もれそんな状態で暮らして、良いはずがありません。

私なら「賃貸」で良いから、すべて処分してスッキリしたいですね。

妻も子どもも、もういない。
いつかは過去と決別しなければいけない。

年金は充分にある方と思われました。
それなら、期待にはそぐわなくても
売却したお金を余裕資金にし、
賃貸で身軽に暮らす方が良い。

とても残念でした。


生きるとは、変化していくこと


長い人生には色々なことが起こります
男性は特に、「妻が先立つ」ことを想定していません
60代という年齢ならなおさらです。
鳥を放し飼いにしているのも、寂しいからに違いありません。

でも、人は生きていかなければなりません
自分がこれからよりよく生きていく環境を整えるのは、
早い方が良いのです。

マンションの取り壊しなど、
いよいよ「住み替える必要」が出たら、そうするのでしょうか。
そのときなら、今まで放置してきた大型家具を片付けるのでしょうか。

自分が死んだら、子どもがやることになります。
いつかはやらなければいけないのです。

それなら、まだおそらく20年以上もある今
やった方が良いのではないでしょうか。

かつてはアメリカに長く家族で暮らし、幸せだったに違いありません。
そんな人生最後の20年が、掃除も出来ない部屋
過去の遺産に埋もれた暮らしで良いのでしょうか。

妻に先立たれたことが問題なのではありません。
ひとり暮らしになったこと
が問題なのではありません。
変化を「想定していなかった」ことが問題なのです。

しかし、生きていくとは、変化していくということです。
長く生きれば、なおさらです。

長く生きるとは、変化する覚悟を持つことなのです。

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