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30年後は今の常識が変わっているのでは?:老後の計画

これからさらに進む「個」の時代
本当に最後まで「自分らしく」生き切るために。
私たちは、どうすればいいか?
考えてみたいと思います。


浴槽に穴


「家と暮らし」相談アドバイザーをしていた時
こんなことがありました。

50代半ばの男性が、お店に入ってきました。
「お風呂を直したいんだけど」
「お風呂のリフォームですね?」
と言うと、
「いや、リフォームというか、、浴槽の修理。」
「浴槽の修理??」

浴槽に穴が開いていて
一か月ほど風呂に入れない状態なんです。」

浴槽に穴、、?

浴槽に穴が開いているのは、自宅ではなく、男性の両親の家。
両親は84歳と86歳。
二人暮らしをしている、とのことでした。

浴槽に穴が開くって、、
まさか木の風呂じゃあるまいし。。
しかも、一か月もお風呂に入れないでいるなんて。

えーと、、

お風呂はタイルではなく、プラスチックの様なもの、とのことでした。

「プラスチックの様なもの」であれば、
詳しい素材はわからないものの、
工場で作られた一体ものの「製品」です。
私も建築業界に長くいますが、
そんな「浴槽の修理」は、聞いたことがありませんでした。
そんな業者いるのかな、、?

答えに窮していると、

「修理はいくら掛かりますか?」
イライラした様子で、男性は聞きます。

えーと、、

水というのは、ほんの少しの隙間でも漏れます。
しかも水を「溜めて」使う場所です。
補修業者がいるとして、無理な工事をして、
「なんだ漏れるじゃないか」
と言われる姿が目に浮かびます。

「築何年ですか?
通常でしたら、お風呂全体のリフォームか、浴槽の交換ですよね、、」

浴槽に穴が開くというからには、
築は20年や30年では無いはず。
穴が開いているということは、
水が漏れ土台も腐っているはず。
それを浴槽の穴をふさぐだけで終わらせる?
色々な考えが巡ります。

「築は50年は過ぎてます。
(リフォームとか)お金をかけるつもりは無いです。
親が、あと何年生きるかわからないから。
前も穴をふさぐ工事したんですよ。」

前も穴をふさぐ工事をした、、

築50年も過ぎているのであれば、
一度はお風呂のリフォームをするのが通常です。
前に穴が開いたときにリフォームか、
せめて浴槽の交換をしておけば。。

お店のあるエリアは、ちょっとした高級住宅地です。
男性も決してお金に困っているようには見えません。
いや、実際は分かりませんが。

「でも、浴槽って一体ものですから
穴をふさいでもまた漏れますし。
今まで漏れていたのであれば、土台とかどうなっているか、、」

「もういいです。」
男性はお店を出て行ってしまいました。


家の寿命


以前、家の寿命について書きました。

今現在、築50年を過ぎているこの年代の家は、
相当に老朽化した状態と想像できます。

結論から言えば、築40年くらい、おそらくは70歳くらいまでに、
大きなリフォームか建替えをしておけば、
最後まで快適に住めたのに、と思います。
まだ動けるうちに、
今後の何十年かを快適に住める整備をしておくと良かったですよね。

今は長生きですからね。

80代で、いよいよ家が崩れかけ、住み替えしたお客様もいました。
娘さんが、新しい家の購入や自宅の売却の進め方から契約、
引っ越しの手配から、母親の「気持ちの持って行き方」まで含め、
全部動いて、出来たのでした。

しかし、こんな「良い娘や息子」ばかりではありませんよね。
「浴槽」の男性のように。


「迷惑かけない」と言いながらも、あてにする


80代になると、「社会的手続き」が難しくなると言われます。
「社会的手続き」とは、何かを比較検討したり、手配したり、
契約書を読み込み理解したりすること。

今の時代は、高齢になり支障が出ても、子供が動いてくれます

友人が、高齢の義理の両親の食事やら訪問介護の手配やら、
手を尽くしていました。
でも、義理の両親は
「大丈夫だから。自分で何とかするから。」
と言う、と言っていました。

別の知人も同様に、義理の両親の生活上のあれこれを手伝っていました。
そして同様に、義理の両親は
「大丈夫だから。自分で何とかするから。」
と言う、と言っていました。

でもこの知人は、こうも言っていました。
「本当に自分で何とかするつもりなら、自分で施設を探すと思う。」
と。

「迷惑かけない」 と言いながら、結局は頼っている。
最後は何とかしてくれると思っている。
自覚があるかどうかは、別として。


30年後の常識


でも、私たちの世代はそうはいきませんよね。

結婚しない、結婚しても離婚する人が増えている話は、
こちらで書きました。

高齢になったとき、本当に一人の人は増えているでしょう。

また、私は「家族に頼る」という常識が、
いつの間にか無くなっているのではと思います。

私たちの親世代、「皆婚」世代が、
30年後こんなに「生涯独身」が普通になると想像したでしょうか?
更に30年後です。
より「個」の時代は進んでいるのではないでしょうか?

昔、妻が夫の「着るもの」一式を
何の疑問も持たず、タンスから出していた。
(うちはそうでした。うちだけ? 笑)
それが、
「自分の着る物ぐらい、自分で出すの当たり前でしょ。」
と、いつの間にか常識が変わったように。

子供がいても「本当にあてに出来ない」
そんな時代に突入しているのではないでしょうか?

本当に誰にも頼らずに最後まで、
自分の思うように生き切ろうと思ったら。
今回の「住む」は一例です。
出来る限りの自分の「計画」をしておく
高齢期、自分の状態がどうなるかを、ちゃんとイメージして

それが、
風呂に入れない状態になっても、
「お金がもったいない。」
なんて言われない、
「自己防衛」になります。

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