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家っていつまでもつの?「家の寿命」について

私の専門は建築と不動産です。

家を買う時、「この家いつまでもつんだろう?」と思ったことはありませんか?
新しい家からは、古くなった姿は想像がつかないものです。
超長寿命化に伴い、家の寿命が先に来て困るケースも見てきました。
中古の家を買う時には、特に注意が必要です。
今日は、家の「寿命」についてお伝えしたいと思います。


ローンと家の「寿命」


私が「家と暮らし」相談アドバイザーをしていた時、こんな相談がありました。
築25年の家を30年ローンで買った。
・住み始めて10年過ぎた頃から床が傾きはじめ、あちこち傷んできた
ローンの月々返済はこれ以上は無理。
 しかもまだ20年近く返済しなければいけない。
・別に手持ち資金はない

こちらのケース、ローン完済時は家が築55年です。
簡単に言ってしまうと、昔建てられた木造住宅は築55年までもちません
(詳しくは後述します)

家の寿命がローンの借り入れ条件に考慮されていない。
そもそも、これが問題ですよね。

それで、どうしたか?

築35年を過ぎ「床が傾いている」という状態などから
少しくらいのリフォームでは済みません。

建替えや大規模リフォームをするとして
その費用を現状ローンにプラスして借りられるか?
物理的には可能です。
しかし、元のローンが支払い能力いっぱい
もしくは実際問題として払えない場合
新たに借入は出来ませんよね。

リフォームや建替えは出来ないということです。
ボロボロになっていく家で我慢するか
売るしかありません。

購入時は築25年です。
30年後の家がどんな状態になるのか?
ローンが終わる前に建替えが必要になるとは思わなかったんですね。

購入時にこのようにしておくべきでした。
⇒建替え時期を想定し、それまでに完済できる借入額に抑える。
そうなると、予算が少なくなり、この物件はあきらめざるを得なかったでしょう。
戸建てではなくマンションになったかもしれません。
もっと立地の悪い築浅戸建てになったかもしれません。
家は大きな買い物です。
色々な角度から検討し、長期的に安心な選択をしたいものです。
残念ながら、不動産屋さんは「家の寿命」まではアドバイスしてくれないものです。


築50年の家


築が進むと家がどのような状態になるのか
イメージが付かないかもしれませんね

アドバイザーをしていた時、リフォームや建替え相談で色々なお宅へ訪問しました。
リフォーム相談で伺った築50年の家は、このような状態でした。

窓枠が歪み、雨戸と窓の開け閉めができない。
・窓枠と壁の間に隙間ができ中から外が見える。
断熱材は無し、室内は外気温とほぼ同じ。
床が傾いている
配管が破損し、お風呂に入れない。
屋根が破損し、雨漏りしている。

もちろん元の作りやメンテナンスにもよります。
築50年でもしっかりした家はあります。

しかし、総じて昔の家は材料や技術面が今よりレベルが低いです。
特に更新やメンテナンスをしないでいるとこのようになります。

こうなると、どこをリフォームする?となります。
実際は建替えですよね。

でも、
「(家を)〇年位には建替えしないといけない。」
という心づもりがない方が多いのです


家の寿命と自分の寿命


30歳で新築の家を買ったとします。
超長寿命な時代です。
90歳まで生きるとしたら家は築60年です。

ここで注釈しておきたいのですが。
今現在の新築の家は総じてロングライフになってきています。
・プラスチック系や塗装などの質が上がり高耐久になっている。
・施工技術が上がっている。
・スクラップ&ビルドから、リフォームしながら長く使う考え方になっている。

しかしどうでしょう。
築60年となると、今の新築であっても、結構微妙ではないでしょうか。

築40年、70歳頃に生活のダウンサイジングを含め
マンションへの住み替えを想定しておくと良いかもしれません。
70歳くらいであれば生活の変化にも適応できます。

実際、長寿命化に伴い、80代になっていよいよ家が崩れかけ
「でも家を離れたくない」という相談は多かったです。

長寿命な時代だからこそ
「自分の寿命」と「家の寿命」を想定し
ライフプランに組み込んでおきましょう。

最期までお読みいただき、ありがとうございます!

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