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映画紹介vol.7「かもめ食堂」やりたくないことはしないだけ。

今回ご紹介する映画は

「かもめ食堂」 

2005 日本

荻上直子監督

出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、ヤルッコ・二エミ

空腹でみたらダメなやつ。

おにぎり、シナモンロール・豚の生姜焼き、焼き鮭、、、など美味しそうなものが色々出てくる映画です。

フィンランドの穏やかな冷たい柔らかな空気感に、少しだけカウリスマキ監督の匂いもするような、しないような。

小林聡美演じるサチエからはどこか「陰」の部分も感じるような。

初めて観たのはもう何年も前ですが、何年かおきになぜか観たくなる作品です。

<あらすじ>

サチエはフィンランドのヘルシンキにて「かもめ食堂」という小さな食堂をオープンさせたが、一ヶ月経っても客は来ず、暇な日々が続いていた。

食堂

さちえ

そんなある日、日本オタクの青年トンミ・ヒルトネンが、記念すべき一人めの客として訪れた。

トンミ

サチエはトンミ・ヒルトネンから「ガッチャマンの歌」の歌詞を教えてほしいと言われたものの、「だれだ、だれだ、だれだ~♪」までしか思い出せなかった。

悶々としたまま本屋に行き、たまたまそこに居合わせた背の高い日本人女性「ミドリ」にガッチャマンの歌詞を知らないか尋ねてみたところ、全ての歌詞を知っていたみどり。

ガッチャマンの歌詞を紙に書いてもらってから、身の上話をしていたサチエはみどりに縁を感じ、宿が決まってないという彼女を家に招き入れる。

みどり

ミドリはタダで寝泊まりするわけにはいかないと、かもめ食堂を手伝い始める。

市場

(↑海外の市場は見てるだけで楽しい。)

一緒に市場を回ったり、メニューにイラストを描いてくれたり、ミドリは何とか食堂を繁盛させようと色々試みるが、客はまだトンミ・ヒルトネンのみ。(しかも記念すべき一人目の客なのでコーヒーは無料とサチエが決めたため売上はゼロ)

ある日、サチエの思い付きで2人でシナモンロールを作っていたところ、いつも外から眺めるだけだった奥様3人組が、良い匂いに誘われてお店にやってきた。

毎日コーヒーを飲みに来るヒルトネン、シナモンロールとコーヒーで女子会する奥様たちに加え、少しずつ客が増え始めたかもめ食堂。

そんな中、中年の日本人女性「マサコ」が食堂にやってくる。

彼女は空港で荷物が出てこず、ハンドバッグと身一つでヘルシンキへ降り立ったらしい。

まさこ

翌日マサコは同じ服のまま食堂にやってきた。

荷物が出てこず不安を抱えていたが、自分たちのペースで楽しそうに生きているサチエとミドリを見て、何かを思い立ち

「いつまでも同じ服を着ているわけにはいかないわね」

と言い、意気揚々と買い物に出かけて行った。

そして新しい服に身を包み、マサコもまた食堂を手伝い始めるのであった。

マリメッコ2

その後、徐々にお客さんも増え始める中

夫が家から出て行き意気消沈していた女性と仲良くなったり

コーヒーの美味しい淹れ方を教えてくれるおじさんが現れたり

休みの日に侵入者に入られたりしながらも

「かもめ食堂」は現地の人々の憩いの場となり、そこには豚の生姜焼き、シャケ、から揚げ、と日本の定食を美味しそうに食べるフィンランド人の幸せそうな姿があった。

そしてついに満席となったのであった。

おわり。

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<かもめ食堂 予告編>


<感想>

かもめ食堂は大ヒットしたので、見たことある人も多いと思います。

昔「大ヒットするものには必ず陰と陽の二面性がある」とどこかの研究者が言っていました。

ゆったり流れる空気感の中に、美味しいものや、可愛いファッション、個性的な人達が登場し、なんだか日常の疲れや日々の忙しさを忘れさせてくれる。

その反面、皆どこか悲しみを抱えながら生きていて、それが伝わってくる。

プールで憂いを帯びたような表情をするサチエ

サチエの作る日本食を食べて思わず泣きだすミドリ

「やりたくないことはしないだけです。」と言うサチエの言葉を聞いて、静かにほほ笑むマサコ。

余白や行間を読む説明が少ない映画は、その余白は自分の感性で感じる事だと思うので、見た時の年齢や状況によって感じる事も何となく違う気がする。

話は逸れるが、私はまだフィンランドに行ったことはない。でも3年前フランスに行った際、トランジットでヘルシンキのヴァンター空港に一時間くらい滞在したことがある。

少ししかいられなかったけど、大きなガラス張りから太陽の光が差し込んでいて、静かで、綺麗で、洗練された空間だったのを覚えている。(パリのシャルルドゴールが暗い雰囲気だったので、その反動ですごく良く見えただけかもしれないけど、、)

その時に「死ぬまでに訪れる国リスト」にフィンランドを追加した。

世界中のコロナが早く収まる事をただただ祈る日々。


かもめ食堂がお好きな方は、同じ群ようこ原作のドラマ

「パンとスープとネコ日和」2013年  もオススメです。

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美味しそうな食べ物と、これまた個性派俳優たちが出てくるゆったりとしたドラマです。

長くなりましたが、お家時間が増えた今見ると色々な発見があると思いますので是非ご覧になってみてはいかがでしょうか!

名台詞にハッとさせられることもしばしば。

〈おまけ〉

好きなシーン

アラスカ

雑なアラスカ感が好き笑。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

ではでは。






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