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ここ1年に行った旅行をまとめてみた

先日20歳になった。思い返せば大抵の記憶は10代の記憶といえる。その中には沢山の良い思い出と微量の嫌な思い出があって、何だかんだ自分なりに充実した10代を過ごした。そんなこんなで気づけば北海道に移り住み、大学生活を日々謳歌しているわけだが、正直中学時代より遙かに楽しかった高校時代、より今は楽しいもので何なら今が一番ティーンエイジャーの気分かもしれない。この1年の間には両手の指に収まらないどころか、手足の指を合わせても足りない数の都道府県を縦横無尽にまわり、自分なりの大学生活の楽しみ方が出来ている。一応成績も良好なので学生の本分も忘れているわけではない(ここ大事)。僕はこういう学生である。



はじめに

20歳になったからと言って何かが大きく変わるわけではない。9歳から10歳になった日など一切覚えていないし、多分19歳から20歳になった瞬間も「普通」は忘れてしまうだろう。僕は折角のことならこの日を忘れたくないなぁと思い、普通じゃないことをしようと思った。実は僕の誕生日は夏至(1年で1番日が長い日)で、さらに今年は部分日食が被るという天体イベントデーである。夏至と言うことは1年の中で日の出がトップレベルに早い。だったら日本で1番早い日の出を見に行くべきではないか。そう思った僕は本土最東端の根室・納沙布岬へ弾丸で行くことにした


だが、先ほど大学生活を謳歌しているとは言ったものの世界は未だ本調子に戻ったとは言えず、今は社会の歯車の噛み合わせから根本的に変えていると言った段階だ。コロナウイルスが流行らなければ北大祭の季節だったが、もちろんこの社会の空気の中で祭は自粛に追いやられ、何なら授業もパソコンの向こうでゆっくり話す教授陣の声を聞くだけになった。6月中に日本海側を縦断したいなと思っていたのだが、社会の雰囲気以前に列車が減便している影響で上手く予定も立たなさそうだし、これも中止せざるを得なかった。


この根室突貫旅もあまり好まれないと思うが、一人で行ったことやマスクを常に着用していた事などに免じて許して欲しい。正直この先も泊まりがけの旅行は憚られそうなので、キリの良いこのタイミングで大学進学後から今回の根室突貫旅までに僕が行った全ての旅行(日帰りではないもの)を簡単に振り返ってみたいと思う。去年使っていた手帳を引っ張り出して、1つの旅行につき600字程度で簡単にまとめてみた。色んな所に行ってそうだけど、どれくらいお金かかってんの?みたいな素朴な疑問の答えになるようなデータも用意したので、これを読んで僕の旅行スタイルに興味を持ってくれると嬉しいなと思ったり思わなかったり。


僕の旅行スタイルについて(そんなんどうでもいいわって人は読み飛ばしてもらって)
僕がしている旅行の多くは、旅行会社でパック商品として売られているような、有名観光地に時間を割いて巡るという感じではない。1つの街をじっくりと観光するというより、いくつもの街を転々としながら、その移動も含めて楽しむようなスタイルが多い。移動費を抑えるため極力普通列車を使っており、途中の乗り換えにおける待ち時間で知らない街を歩いてみる、ということも含めて旅を楽しんでいる。そのおかげもあり、鉄道に関してはこれが何系で...みたいなことはあまり分からないが、路線図がほぼ頭のなかに入っているくらいの知識はある(これは元々地図好きなことも理由としてある)。 趣味がこれくらいしかないので、本来食事やゲーム、サークル等にかけるべきお金をほぼ旅行に注ぎ込んでいる。ここまで律儀に10年以上貯めてきたお年玉は、自由になった今こうして湯水のように使われている。



1. 夏の瀬戸内旅

怒濤の1学期を乗り越えてようやく生活が落ち着いた頃、入学祝いで貰ったお金を使うならこのタイミングしかないと考えた僕は、瀬戸内国際芸術祭が開催されている瀬戸内海を旅することにした。瀬戸内国際芸術祭はいくつもの島を舞台にして行われ、船を移動手段にした非日常な旅情が味わえるのが特徴だ。


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直島の夕景


この旅は僕の都合上2泊3日しかできず、さらに3日目は朝一番で札幌に帰る必要があったため、かなり行きたいところを厳選した旅になった。訪れる島は直島・女木島・男木島の3島に絞ったが、それでもなお弾丸気味の旅程というあたり、大学生活一発目の旅行から限界が見え隠れしている。ただ、一人旅だったので自分のペースで気兼ねなく楽しめたし、あまり旅程に関する後悔はしていない。


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男木島での展示作品


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女木島での展示作品


初日は午前の便で神戸空港へ向かい、新幹線と在来線を乗り継ぎ高松へ移動。夕方の船で高松港から直島に渡り2時間強の僅かな滞在を楽しんだあととんぼ返りとなった。2日目は高松港から男木島・女木島の順に渡り高松に帰還、3日目の早朝(5時台に高松駅を出る始発列車に乗った記憶あり)に岡山空港から帰るという感じ。スピード感がコンコルド並み


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直島での展示作品と飛行機雲


DATA
日程 2019.8.19-21(2泊3日)
天気 8.19-晴れ, 8.20-曇り, 8.21-曇り
往路 9:00新千歳/11:00神戸(AIRDO)
復路 8:15岡山/10:20新千歳(ANA)
旅先での移動手段 主にバス, 鉄道
宿泊地 TENtoSEN高松(連泊)
費用 全部込み込みで60000円くらい(そのうち飛行機代だけで40000円)。お盆直撃のタイミングに行ったせいで日程が短い割に費用が異常に高い。なぜこの時期を選んだお前


TIPS① 旅費を抑えるには?
この旅程で最も後悔したことは旅費が高すぎたことである。この旅を終えたとき次からの旅は金額を限界まで抑えると心に決めた。旅費を抑えるためのポイントとしてまず挙げられるのは、飛行機代を安くすることだ。幸い新千歳空港は規模が大きいためPeach・JETSTARといったLCCや、AIRDO・スカイマークのような比較的廉価な航空会社の便が多い。これらの飛行機に乗ることを前提として早くから綿密な計画をたて、2ヶ月前くらいに予約を取ってしまいたい。というのも予約が早ければ早いほど飛行機の値段は安くなるからだ。そして次に安く出来るのは宿代である。ひとり旅の場合どうしても部屋に泊まると割高な場合が多く、僕はよくゲストハウスを利用している。ゲストハウスは個室ではなくカプセルホテルのような形態が多くプライバシーもある程度確保され、1泊3,000円前後で宿泊でき、大体オーナーさんが優しく街のことを何でも教えてくれるという魅力がある。漫喫に泊まるほど限界にはなりたくないが、ホテルに泊まるほど金がないという時におすすめだ。



2. 灼熱京都旅行

9月初めに東京に帰省することが決まっていたのでその前にどこか行きたいなぁと思い、僕と同様に大学進学を機に一人暮らしを始めた高校時代の友達に、泊まらせてくれないかと相談した。そしたら快諾してくれたのでいざ京都へ。理想としては友達が地方の大学に進学しまくってどこ行くにも泊まり放題が嬉しかったが、悲しいことにほぼ全員東京に残った。1Kの我が家に6人泊めたことはあるのに、誰かの家に泊まったことは結局この時以外にない。今からでも良いから誰か東北もしくは西日本に移住してくれ


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3日目、南禅寺にて


9月になり札幌の夏は終わろうとしていたにもかかわらず京都は灼熱で、僕はこの夏初めての猛暑日を体験した(札幌で猛暑日は基本無い)。この旅では照りつける暑さというものを久しぶりに身をもって思い知りつつ、ややマイナーな寺社仏閣を巡りまくった。暑さはともかく天気には恵まれ、滞在した4日間はずっと晴れていた。ちなみに最終日、僕が京都を脱出した1時間後に雷付きのゲリラ豪雨が京都を襲ったそうで、相変わらず天気に関する運だけはあるなと思った。


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4日目、京都駅にて


この旅の総括としては、初日に行った下鴨神社でやっていたチームラボの展示とか言う陽キャイベントより、しっとりと日本庭園を眺める陰キャ生活が僕には似合うなと知った。京都はこの世の残酷さを教えてくれる街だったのだ。これからも僕は京都に行く度日本庭園にお世話になること間違いない


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1日目、下鴨神社にて


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2日目、圓光寺にて


DATA
日程 2019.9.1-4(3泊4日)
天気 9.1-晴れ, 9.2-晴れ, 9.3-晴れ, 9.4-晴れ(奇跡的な晴天率)
往路 12:00新千歳/14:10関西(Peach)
復路 17:40神戸/19:30新千歳(スカイマーク)
旅先での移動手段 主にバス, 鉄道
宿泊地 友達の家(連泊)
費用 全部込み込みで25000円くらい(Peachの安さに感動し信者になりかける)


メモ① 友達が色んな所にいる人が羨ましい話
僕は東京の高校を卒業していることもあって、大学進学に伴い地方に出る人が極端に少ない。そもそも東京にある私立大学の多さから、国立大学は初めから射程外で私立大学を狙う人が多く、残念ながら京都以外に泊まれるような友達は住んでいないのである。もし、九州大学とか東北大学とかに仲の良い友達が進学してくれていたら超安上がりで泊まれるのになぁと何度も思っている。



3. 瀬戸内リベンジ旅

前期にかなり多くの単位数をゲットしたためがら空きになった後期の時間割を見た僕は、5連休を錬成できることに気づいた。金曜日と火曜日の授業がないので、月曜日が祝日のタイミングで長期の旅が出来る。僕は滞在期間が短く満足しきれなかった夏の瀬戸内旅のリベンジを果たすため、再び瀬戸内に向かうことにした。


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直島、地中美術館周辺


この旅で主に巡るのは瀬戸大橋よりも西側の島々(粟島・高見島・佐柳島)である。夏に訪れたのは東側の島々だったが、近い場所でありながらも東西で印象はかなり異なっていた。東側よりも観光地化されておらず、瀬戸内の原風景をそのまま残す島に訪れる僕ら観光客の群れ。これを見て現地の人々はどのように思うのだろうか。この特殊な空間で4泊5日の長い旅をしたのは不思議な経験だったなと、今になって思う。


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佐柳島にて、海と猫


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高見島に張り巡らされた細い路地


相変わらず天気には恵まれ、今回も雨は降らなかった。僕は自分が晴れ男だと言うことを確信し、ついに旅で傘を持っていかなくなった。移動が多く毎日宿泊地を変える人として、荷物は極力まで減らしたいものである。最終日に広島を訪れたあと新千歳に帰った僕は、何事も無いかのように翌日から授業を受けたのだった。


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最終日、呉線にて


DATA
日程 2019.10.11-15(4泊5日)
天気10.11-曇り, 10.12-曇り, 10.13-晴れ, 10.14-晴れ, 10.15-晴れ(10月10日は台風で大雨&暴風という神回避)
往路 9:00新千歳/11:00神戸(AIRDO)
復路 17:50岡山/19:45新千歳(AIRDO)
旅先での移動手段 主に船
宿泊地 1泊目-TENtoSEN高松, 2泊目及び3泊目-ザ丸亀ゲストハウスふくふく, 4泊目-サルホステル
費用 全部込み込みで45000円くらい(飛行機代25000円, 宿代12000円, その他諸々7000円)。夏の瀬戸内よりも2泊長いのにかかったお金は15000円安いという謎。やっぱりお盆に旅など行くものでは無い。家でおとなしく扇風機と会話すべき。


TIPS② 学割について
JRには学割があり、使用すると片道100km以上の切符に限るが2割安くなる。これは特急券とも併用が出来るのでまあまあ融通が利いて便利。この旅では三ノ宮駅から高松駅までの切符に学割を使用している。100kmは案外短いもので関西空港駅から京都(嵯峨嵐山駅)まででも学割を使えた。発券するときは大学で学割を発行し諸々を記入したあと、駅の窓口に学割を持って行くだけ。結構簡単に取れる。



4. 厳寒道東旅行

季節は流れて2020年の2月。北海道は限界突破の寒さを記録し、僕は冷凍庫よりも寒い街を歩いてバイトに行く地獄の生活をしていた。あまりの寒さに身が堪えたので一度東京に帰省という名の避難をして体を暖めたにもかかわらず、北海道に戻ってきた直後クソ寒い道東に行くという全てを無に帰すムーヴだったが、旅が終わってから思い返せば楽しさを極めた旅だった。


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北浜駅から見たオホーツク海


日程は2泊3日、男6人、冬の網走・知床・釧路でアクティビティをしつつ楽しむという考えのもとで計画を立てていた。結果道東にいる間は吹雪に襲われることも無く、砕氷船に乗ったり、流氷の上に乗ったり、凍った湖で釣りをしたり、SLに乗ったりと、結果かなり充実した旅になった。基本的に僕が主体で計画を進めていたので、実際に旅を終えてからの満足感はひとしおだった。


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湖上に建つワカサギ釣りのテント


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流氷の上を歩く


唯一想定外だったのは3日目、つまり最終日午後の釧路の天候が大荒れだったこと。釧路空港から飛行機で帰る予定が欠航になる恐れありということで、急遽JR北海道の特急「スーパーおおぞら」に乗って4時間かけ札幌へ帰ることになり、これが想像以上につらかった。単純に時間が長いし、日が沈んでいるので車窓も楽しめない。一人だったら虚無になっていた。あと飛行機より鉄道の方がお金がかかってしまうので、やや予想外の出費となった。トマムあたりで飛行機の情報を確認したら欠航していたのでこの判断は正解だったが、もしこのまま釧路空港に向かっていたらどうなっていたのだろうか。氷点下の町で野宿とかいう最悪のパターンが待っていたかもしれない。


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SL冬の釧路湿原号


DATA
日程 2020.2.20-22(2泊3日)
天気 2.20-晴れ, 2.21-曇り, 2.22-晴れのち雪(北海道は死ぬほどデカいので地域ごとの天気予報を確認しような(自戒))
往路 7:30新千歳/8:15女満別(JAL)
復路(欠航) 17:50釧路/19:45丘珠(JAL)
復路(変更後) 16:00釧路/20:00札幌(JR北海道)
旅先での移動手段 主に鉄道, バス
宿泊地 いるかホテル(連泊)
費用 全部込み込みで50000円くらい。アクティビティにまあまあの課金を重ねたため金額がやや重め


メモ② 旅の計画を立てるときの話
ひとり旅は自分の行きたいところを巡りまくればそれでOKだが、誰かと行く場合はそうでは無い。そもそも1人と数人では楽しめるものが違う。僕が計画を立てる場合はかなり早めにかつ綿密に計画を立てた上で共有している。最近は旅をきっかけに齟齬が発生し仲が悪くなるケースも多発しているらしいが(そんな些細なことで機嫌を悪くする人の性格がどうかと思うが)、皆さんはそういうことにならないよう。



5. 東北縦断紀行

3月が始まると同時に開始した自分史上最長の旅行札幌から実家のある東京までひたすら鈍行列車で辿るという、かなり人間味を失っている旅だったが、自分の体がそれに適応しつつあるのもまた怖い。正直なところ、鈍行列車で日帰りできるくらいの距離(札幌からだと帯広や名寄くらい)なら遠くないのではと思い始めている。


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