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奈良と東京と札幌で暮らしたことがある23歳。旅好きで本好き。2週間に1回更新したいと思…

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奈良と東京と札幌で暮らしたことがある23歳。旅好きで本好き。2週間に1回更新したいと思っているが、それを実現できるほどの努力をしていない。

マガジン

  • 【完結済】就活さんに襲われています

    2023年3月卒業予定の平凡大学生による、赤裸々を極めた就活記録。95%の闇と5%の希望で成り立っている、脆い随筆です。 前編は大学3年4月頃から9月頃まで、後編は大学3年10月頃から大学4年4月頃までの話になります。特にタメになる話はありませんが、就活生に寄り添える文章にはなっていると思います。 あの頃の私のような、不安を抱える就活生に届きますように。

  • 旅先の写真と140字

    旅先の写真1枚に140字の文章を添えて、写真の裏にあるちょっとした世界観を紹介するマガジンです。つぶやきをタップすると日本各地で撮影した写真を見ることが出来ます。日本国内で旅をしてみたいという方におすすめします。

  • 忘れたくない「旅」の話

    今まで僕が経験してきた旅の記録です。東北巡検シリーズなど、数話にわたるものの場合は、本編と番外編それぞれ1話目のみをマガジンに収録しています。 以下、noteに残した場所の一覧です。 小笠原諸島 (日本の果てに旅したあの日) 瀬戸内海西部 (夏、瀬戸内、一人旅) 瀬戸内海東部 (海を越えて) 支笏湖 (冬だけの景色を心の中に) 冬の道東 (死ぬほど寒い道東旅行)

  • 道具箱の中

    どのマガジンにも入らない雑多なやつは、大体ここに入ってます。

  • ただ褒めまくる書籍紹介

    私が読んだ書籍(小説・新書・文芸誌など)の感想を、いち大学生なりに書き連ねています。毎月はじめに更新する予定です。

最近の記事

何時間でも話そう

今年のゴールデンウィークは、割と充実していたように思う。特に、どこか遠くへ出かけた訳ではないし、会社員になった割にはあまりお金も使わなかった(楽しいライブには行った)。けれど、会いたい人と会って、それぞれまとまった時間を取って話すことが出来たから、個人的には満足しきっている。 私は昔から友人と一対一で話すのが好きだ。なぜなら、互いが「この人にならここまでは言える」という範囲で自由に話すことが出来るから。 私の場合、3人になった瞬間、「この人にはここまで言えるけど、この人に

    • こちら、書いてます。読み返して思ったけど、自分の文章は自分が書いたってすぐ分かるね。良ければぜひ。 2000年生まれのド新人編集者、新人作家と本を出す|集英社文芸・公式 https://note.com/shueisha_bungei/n/n8d81bf4fcac3

      • 黄金の卒業

        昨日、北海道大学を卒業した。僕らはこれから、学生という身分によって守られた澄んだ湖から放たれて、悩みという得体の知れない生き物が泳ぎ回る無限の海へと漕ぎ出していく。 *** 大学生は人生の夏休みと言うが、その名に違わず大学の4年間は疾風のように過ぎ去った。疾風は時に予想外の出会いを巻き込んで、時にしばしの別れを生み出し、僕という人生の4年間を形成していった。その始まりは2019年の3月にまで遡るが、そもそも僕は北海道大学に進学する予定ではなかった。 3月上旬に第一志望の

        • 就活さんに襲われています(下)

          『就活さんに襲われています(上)』の続きです。こちらを読んでいた方が理解しやすい内容になっています。 ※1 この文章には、一部の業界・企業に対して、就活生の私が抱いた感想が記載されています。その中で、一部不快にさせる表現が含まれている可能性があります。あくまでも一個人の感想として捉えて下さい。 ※2 この文章では、企業のインターンシップに参加した感想が出てきます。ただ、インターンシップの詳細は、企業秘密の公開に抵触するため記述しておりません。また、内容を訊かれても答えるこ

        何時間でも話そう

        • こちら、書いてます。読み返して思ったけど、自分の文章は自分が書いたってすぐ分かるね。良ければぜひ。 2000年生まれのド新人編集者、新人作家と本を出す|集英社文芸・公式 https://note.com/shueisha_bungei/n/n8d81bf4fcac3

        • 黄金の卒業

        • 就活さんに襲われています(下)

        マガジン

        • 【完結済】就活さんに襲われています
          2本
        • 旅先の写真と140字
          1本
        • 忘れたくない「旅」の話
          8本
        • 道具箱の中
          11本
        • ただ褒めまくる書籍紹介
          0本
        • 【完結済】道東-20℃紀行録
          3本

        記事

          就活さんに襲われています(上)

          プロローグ生きづらい社会だなと常々感じています。13歳頃からずっとそう思いつつ、本や旅やゲームといった娯楽に逃げて、何とか生きてきました。そうして気づけば大学受験を目の前にした私は、将来したいことも特になく、何となく興味のあった大学の、何となく興味のあった学部に進学することになります。運のよいことに、それまで生活していた土地から離れて過ごした新天地の大学生活は、学びも遊びも充実していましたが(コロナで諸々消えた気もするようなしないような)、相変わらず将来したいことなど無いまま

          就活さんに襲われています(上)

          千歳烏山を許すな

          こんにちは、調布育ち札幌在住のAnzです。今から書く話は全てネタとして読んで下さい。高校時代、世田谷区民に「出身どこ? あ、調布? そっか『市民』か笑」と言われたことは決して許していませんが、この話は全てネタとして読んで下さい。 皆さんは調布という街をご存じだろうか。東京の区部に入りきれず、「都下」といういかにもランクの低さを感じる括りに入れられている街で、最近やたらと道路が陥没していることで話題の街だ。このままだと印象が最悪なので一応良いところを言うと、新宿まで京王線の特

          千歳烏山を許すな

          高校受験

          駅は「未知への入り口」だ。 *** 中学3年生の夏、どう足掻いても高校受験を意識する頃。私は中学校がとにかく嫌いだったため、学校という施設に飽き飽きしていた。とても高校選びを積極的に出来る精神状態ではなかったが、高校に行く以外の選択肢があるわけでもなかったので、とにかく同じ中学校の生徒が少ない、遠くの高校に行こうと決めた。そんな可哀想な理由で選ばれたのが、私の母校である。 しかし、消極的な理由で選んだ高校に対して、受験のやる気が出るわけもなく、何の対策もしないまま受験当

          高校受験

          姓名占い

          ごく平凡な苗字に、ごく平凡な名前を授かり、平均的な体重で誕生した。それから20年、徐々に平均的な体重とは遠ざかっていったが、姓名が変わることは今のところ無く、未だに名前を読み間違われたことは無い。名前とは人を区別するためにつけられるものだが、それが機能しているかと言われれば、僕の場合は微妙なところだ。 ―――――――――――― 春休みに入ってから、怠惰な大学生はより怠惰になった。起床したら既に午前は吹き飛び、世間はランチタイム真っ只中なのは当たり前の事だ。生活リズムは社会

          姓名占い

          無人駅と灯り

          時の流れは早いもので、鈍行列車だけを使って東京に帰ったあの日々は、もう1年近く前のことになってしまった。時間的距離は科学の進歩で日に日に近くなり、今では新千歳空港から羽田空港まで2時間足らずで着いてしまう。それをわざわざ5泊6日かけて行くのは時代に合わない話かも知れないが、僕はその地域の人々が使う鈍行列車で、場に根付く雰囲気を読み取るのが好きだったりする。赤字路線だと定期利用客が学生しかいなかったりするので、自分以外本当に誰も乗ってないということもあるけれど。 帰省を兼ねた

          無人駅と灯り

          新世界

          20歳になってから半年、そこまで期待もしていなかった成人式は案の定消えた。僕は行く気が起こらなかった成人式だったが、他の人は友人と会いたかったとか振袖を着たかったとかで、成人式が消えたことに対して違う面持ちかもしれない。例年なら成人式は行くか行かないかを選ぶことが出来たので、行きたくなければ行かなくていいし、行きたいならば行けばよかったが、今年はそういう選択ができるほどの余裕が無い年だった。 一人暮らしをしている自分から見ると、今年一番変わったのは「誰かといる時間の長さ」か

          新世界

          北海道という田舎で

          北海道一の大都会札幌に移り住んでから1年半が経った。今まで一度も行ったことがない街に住むと決まった時から、北海道へ期待を寄せていた。 実際、札幌の環境はこの期待に応えてくれた。周囲の友人にも恵まれた。北国の広い大地を、初心者マークのついた車と、国鉄時代の風情を残す列車で端までまわった。 こうしているうちに、僕は札幌以外の北海道がどのような場所なのか、うっすらではあるが段々と分かるようになってきた。ガイドブックで「広大な自然環境」と銘打たれる場所は、そこで育つ子どもにとって

          北海道という田舎で

          朝と海、旅の萌芽

          午前5時。愛媛の空はまだ白みだしてもいない。晩秋らしく冷え込んだ街を歩き、松山駅へと向かう。鉄道の朝は相変わらず早く、煌々と光る蛍光灯のおかげで遠くからでも駅舎は認識できた。 往年の雰囲気を残す有人改札を通る。印の押された切符を見ながら跨線橋を渡って、2番線に停まる宇和島行きに乗った。 列車に揺られること1時間、僕は瀬戸内海を眺む下灘駅で降りた。小さな無人駅には僕以外誰もいない。 僕は一人で広がる海を眺めた。簡素な屋根の下にあるベンチに腰掛け、ただ眺めた。 しばらくの

          朝と海、旅の萌芽

          帰省先は別世界だった

          札幌駅を出てから特急と新幹線を乗り継いで8時間、9ヶ月ぶりに訪れた東京は「都会」だった。 高校在学時、週3で校舎の屋上から見ていた新宿の高層ビル街。当時の東京は自分が住んでいる街であり、それ以上でもそれ以下でもなかった。大学2年生になってからその風景を見て抱いた感想は「うわ、めっちゃ都会じゃん......」だった。月3回は新宿に訪れていた高校2年生の僕に「3年後の君は新宿を異世界だと思っているよ」と伝えてあげたい。ついでに「実家の部屋番号間違えるよ」とも伝えてあげたい。

          帰省先は別世界だった

          北陸逃亡作戦

          カードキーを金属光沢の眩しい手すりにかざして、シックな高級感を漂わせる扉を開けると、自分の実家よりも絢爛かつ広大かつ優雅な空間が広がっていた。日々節約に勤しむ男子大学生3人がスイートルーム級の部屋に泊まるなど、僕自身が一番予想していなかったものなのだが、これは賛否両論巻き起こった例のキャンペーンのおかげである。結果特に何か良いことをしたわけでもないのに、CMか家電量販店でしか見たことがない壁掛けの薄い液晶テレビに、自宅にあるものの2倍は横幅があると思われるベッドと、到底1泊2

          北陸逃亡作戦

          "充実してる風"夏休み

          8月も下旬に入り、暑いと言っていた日々も過去のこと。特に大学に通うこともなく、長い1学期がようやく終わった。Instagramには僕より早く夏休みに突入した人々の夏を謳歌する投稿であふれかえっていたが、その頃僕はレポートに次ぐレポートの波にのまれていた。つらい日々を乗り越えて、ようやく夏休みが始まるとなると感動もひとしおで、苦労して手に入れた30単位に愛着さえ生まれる......わけではない。今期の授業はマジで授業感がなかったし、課題あり得んほど多いし、Twitterとか見て

          "充実してる風"夏休み

          川縁の桜並木につられるように歩くと、その先に爆心地があった。今は広場のようになっていて、小さな子供が風船を持ってはしゃいでいる。僕もその子も当時を体験した世代ではない。それでも僕はあの日のことを覚え続ける。 長崎に原爆が投下されてから75年。亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

          川縁の桜並木につられるように歩くと、その先に爆心地があった。今は広場のようになっていて、小さな子供が風船を持ってはしゃいでいる。僕もその子も当時を体験した世代ではない。それでも僕はあの日のことを覚え続ける。 長崎に原爆が投下されてから75年。亡くなった方々のご冥福をお祈りします。