【※深め考察】韓国人って信心深いの?韓国社会と宗教について。
韓国社会の中で切り離せないものの一つ、宗教。
あまりイメージがなかった、という意見もあるかもしれないが、韓国に行ってみると、教会やお寺、なんだこれというような宗教組織の建物が多いことに気づく。
2017年調査では、全体の約47%が宗教を信じており、20%が仏教、27%がキリスト教を信じているとのこと。
仏教に関しては、アジア全土に浸透しているので、不思議ではないが、キリスト教への信仰が仏教を超えて、ここまでとは驚きである。
今回は、数少ない日本人の身を削ったキリスト教組織体験話をもとに、韓国社会での宗教、特にキリスト教の関係について話していきたい。
かなり真面目で長い内容であるが、きっと新たな韓国社会の一面が見えてくるはず。
宗教とは何なのか
日本人にとって、宗教とはなんかよくわからない、入教したら怪しい、と思う方も少なくない。
実際、日本でのキリスト教徒の人口は全体の1%と言われており、私自身、日本人でキリスト教の知り合いを見つけるのは容易でない。
しかし、韓国では3割がキリスト教徒。韓国で出会う友達は、キリスト教徒が必然的に多くなる。
もちろん、私はキリスト教徒です、と見せびらかしているわけではないが、話をしていくうちに예배(礼拝)に行っている、성경(聖書)の中で~、といった言葉がでてくるので分かる。
そして、彼らはだいたい親切だ。もともとキリスト教には、他者に手を差し伸べるという考えから学んだのか、もともとの人柄なのか、外部の者にも礼節がある。
あくまでも個人的に考える宗教の意味としては、宗教上の考えをもとに、正しく生きる知恵を授ける、もっと言えば、生きる指針を教えてくれる、ものだと思う。
どういう行いをしたら天国、極楽に行くのか。
どういう考え方、行動をしたらいいのか、正しく生きられるのかを説教をするのが宗教施設(教会、寺、モスク等)であり、そこで神や仏とつながると考えている。
そして、「神流幸せになるための生き方ハウツー本(規律あり)」が聖書、経典、コーラン・・・である。
韓国でキリスト教が多いわけ
なぜ韓国でキリスト教が爆発的に増えているのか、個人的な見解をもとに挙げてみる。
〇コミュニティ化
韓国人の特性の一つが仲間意識だ。これは以前記事でも触れているが、あるコミュニティのなかで、「우리=私たち」というくくりで仲間である安心感や信頼性を持つ。
キリスト教徒は、一般的に教会でミサやスクールを行ったりするが、その集まりで仲間ができ、宗教繋がりでコミュニティが作られていく。そしてこの繋がりは強い。
ソウルの人口は今、約1000万人ほど。韓国の人口が、5100万人なので、5分の一が集まっている。そして特徴的なのが、ソウルに住む半数が地方出身ということだ。
一極集中型の都市なので、仕事や学校を求め、地元を離れて孤独感を感じる人も少なくない。そういった人の拠り所として、重要な場所となる。
〇競争社会の中での救い
韓国は競争社会、というのは有名だが、これは事実。会社、学校、塾で圧迫されているのはもちろんだが、何よりも家庭での圧迫が強い。
いい成績、いい大学、いい仕事、いい家・・・小さいころからこういわれて育った子供は、心が疲弊する。
私は、ごく普通の家庭出身ではあるが、理解のある両親であったせいか、家族に愛されているね、と韓国でうらやましがられる。
韓国家庭に愛がないとは思えないが、愛のムチが強いのである。
その中で、「あなたは何物でもない、あなた自身であることが、完璧で、神に愛されている」という聖書の言葉はささる。苦しい気持ちを持つ人ほど救われる言葉である。
この競争社会については別記事で書こうと思う。
〇歴史上、圧迫されていない
日本では江戸時代、キリスト教禁止令があったことでキリスト教が広まりにくかった。
韓国でも、仏教は広まっていたが、儒教の教えが強かったせいで、影響力はあまり大きくはない。
韓国でのキリスト教は、完全なる規制がなかったとは言い切れないが、比較的信仰がじわりじわりと国民に浸透していった。
韓国宗教団体での体験談、と危険性
私自身、キリスト教徒でもなんでもなく、あくまで日本的に八百万の神がいると思っている。ただ、韓国社会の深部を見るためキリスト教を見るべきだろうと思い、キリスト教を学ぶある組織に潜入した。
友達の紹介だったので、特別怪しいというわけでもなく、数か月勉強をしたが、最終的には、別の友達の助言もあり、脱退することとなった。
この団体は、聖書の教えをどう日常に反映させるか、心理的な話をする場であった。明らかに怪しそう、と思っている方もいるかもしれない。
週2回3時間ほど、講師の授業、伝道師のコーチング、しかもMPで音声まで聞けるという至れりの内容だった。
韓国語の勉強にはちょうど良く、かつ韓国人が学ぶ授業を日本人が受けられたのは貴重で、経験として得るものはかなり大きかった。(韓国人向けの授業は韓国での社会問題を前提に話をすすめるので、韓国の予備知識がものすごく培われる)
ただここで、私が言いたいのは、こういう授業を受けろということではない。むしろ受けることはおススメしない。
この授業を聞いて関心したのは、講師(牧師)は、話がうまい、ゆえに受講者は信じざるを得なくなる。信仰が全くなく、人に対して疑いを持つ性質の、しかも韓国語も片言な日本人の私にとってでさえ、聖書の教えが魅力的に感じで、どこか力をくれるとさえ思わされた。
実際に受講している韓国人の年齢層はアジュンマから大学生まで100人ほど。ただ誰しもが積極的にアーメン、と声に出し、牧師の話にもまるで軍隊のように耳を傾けていた。キリスト教でないのは私だけだっただろう。
何が危ないのかというと、キリスト教が危ないというのではなく、本当に正しい組織かを見分けられないことだ。どこの教会のどの牧師がしているのか、やはり日本人では信用できる組織なのか判断がつかない。
にも関わらず、気持ちが入り込んでしまうと、のちのち、考えが自分の行動におよび、金銭的なこと、もしくは悪質な行為にまで発展してしまう可能性がある。
思ってた100倍以上に心に入り、そして信仰心を芽生えさせる、これが受講をしてみた一番の驚きであり、気づきだった。
2020年のコロナパンデミックで話題になったが、人を神とする、キリスト教と見せかけた新天地のような悪質信仰組織が存在する。彼らの信仰心は根強く、感染が広まったあとでも、みんなで乗り越えようと集まっていた人もいたようで批判の対象となったが、要注意である。
最近、日本人、留学生を狙った悪質組織が多いとも聞くので、何か悩みごとは?、解決しますよ、といった声掛けには極力無視しよう。
絶対に彼らには解決はできないし、道端通りがかりの見知らぬ人に、にっこり愛想よく手助けをしようとする韓国人は、まずいない。
まとめ
韓国社会の中で、影響力があるキリスト教。日本社会よりももっと人々の身近で、信仰されている宗教である。
人それぞれ生きる指針も様々だけれど、キリスト教を自分の道と考える人と話をするのも、自分の生き方をもう一度見直すいい機会になるかもしれない。海外では心を少しオープンにしてみることが鉄則である。
ただし、勧誘には近づかないように!!!(危なかったら絶対逃げること)
ちなみに、韓国の町を訪れたら、ぜひ聖堂を訪れてみるのもいいかも。ソウル・明洞には明洞聖堂がある。この地下にあるパン屋さんのシュガートーストがおいしすぎるのでぜひ!
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