読書まとめ『自分の小さな「箱」から脱出する方法』→自己正当化より、何かしてあげる方がラク

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』 アービンジャー・インスティチュート

一言でいうと

自己正当化より、何かしてあげる方がラク

どんな人にオススメしたいか

・組織の縦割り文化に悩まされている人
・周りに協力してもらえないと感じる人
・自分の行動が正しいという自信がある人

概要

高橋ひろあき | 学びのアウトプット士 さんの投稿で紹介されていた本。とてもわかりやすく要約+αされていて興味を持ち、自分でも読みたくなった。


本書では、人間関係がうまくいかない理由を「『箱』に入っているから」として、「箱」の秘密を解き明かしていく。架空の会社を舞台にしたストーリー仕立てでサクサク読めるが、強烈なメッセージも多い。太字強調や章まとめは載っていないので、適宜メモ・マーキングした方がよさそう。

箱に入った状態の例を見ると、仕事でもプライベートでも、思い当たる節が結構ある。最近のトレンドたる、匿名での批判・中傷、あおり運転なども箱の中にいることが原因だと説明できる。箱の外に出るには、まず箱の存在を認識し、なぜ箱に入ってしまうかを理解することが必要。以下3点にまとめた。

① 箱に入った状態:自己正当化の視点で世界をゆがめて見る状態

・何をしようと自分は正しい、自分には特権がある、と思い込む。
・成果よりも、自分を正当化することに集中する。
・箱の内外で、取れる行動に差はない。箱の外≠常にソフトな行動。

② 箱に入る原因:他者にするべきだと感じたのに、背いたから

・自分の感情への裏切りに対して、他者の欠点を挙げて批判することで、正当化する。
・他者を批判するのは、自分への裏切りが発生したあと。
・他者がミスをすると、自分の批判が正当化されるので、実は安心する。箱の中にいる人は、他者のミスがなくなることではなく、他者がミスし続けることを願っている。
・相手がひどいことをしているとお互いに非難しあっている=お互いが箱の中で自己正当化するための「共謀」関係。居心地は悪くない。

③ 箱から出る方法:他者を人間として見て、受け入れること

・他者をありのままに見る。自分と同じようにまっとうなニーズを持っている人間であり、モノではない。
・箱の中で自己正当化に苦労するより、自分を裏切らずに、他の人に何かしてあげる方がずっとラク。
・他者が箱に入っていると批判しているうちは、自分は箱から出ていない。まずは自分が箱から出ること。


批判的視点からも…

箱から出るための方法はかなり抽象的。文中の例(席を譲るとか)を参考にして、具体的なアクションを自分で考えて実践する必要がある。

また、「人間は、同じ人間である他者のニーズを無意識に認識・理解できる」という前提に頼っている気がする。原書の刊行は2001年だが、今は価値観が多様化したと言われる時代なので、その前提が通用しない場面もあるかもしれない。手軽に持ち歩ける自己正当化の箱として、スマホ・SNSも登場している。

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いつも図書館で本を借りているので、たまには本屋で新刊を買ってインプット・アウトプットします。