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ヨーロッパ・オーケストラ巡りの旅-2002/2/25~2002/3/17-

本記事は2002年、大学院修了時にサークルの後輩と行った卒業旅行日記になります。記載している内容と現在が異なる場合もあると思いますがご容赦ください。

2/25-初の海外旅行へ-成田~コペンハーゲン~ロンドン

実は管理人Conductor(以下C)、海外旅行は初めて。その初めての海外旅行でいきなりドキドキしてしまった。新宿発9:40発の成田Express、新宿駅に着いたのは出発の10分前。しかもこの電車を逃すとほぼ絶望的に飛行機に乗れなくなる。何とか一安心。

電車の中に入ると、既に池袋から乗ってきたレコ芸編集委員Y.N(以下Y)がいた。Yにあやうく乗り逃すところだったと言うと、Yも池袋に出発の3分前に着いたらしい。う~ん、最初からすごい。

まぁ成田に到着。実はC、初めての成田(羽田はあるんだけど・・・)。とりあえず搭乗手続きを済ませて、中に入る。大荷物がなくなると機動性が増す。すこ~しお腹が空いたのでうどんを食べる。キムチうどんを頼んだつもりが、なぜかけんちんうどん・・・まぁ値段は変わらないから良いか。

食後、テラスへ行って写真撮影。あと飛行機の中で読む用の本を買い求める。これまでトライしたいと思っていた英語版『ハリー・ポッター』と小室直樹氏の『日本人のための経済原論』を購入。

そんな余裕をかましているうちに時間が過ぎてしまい、出国手続きのところへ急いで行ったら長蛇の列。う~ん、ヤバイぞ、これは。と思ったとおり列は遅々として進まない。搭乗時間はもう残りわずか・・・・と、そこに放送でCとYの名前が呼ばれた。これまでデパートとかで迷子になったこともないので、放送で公共の場で呼び出しを食らったのは人生初。なかなか貴重な(かつ恥ずかしい)体験をしてしまった。

まぁとりあえず飛行機には乗れた。飛行機に乗るのは人生2回目。1回目は八丈島へ行ったときの往復。つまりジャンボジェット機は初めて。「でかいね」とC。「いや、スカンジナビアのは少し小さいですよ」とY。なるほど、これで少し小さいのか。

離陸の時のスピード感は、車スピード狂のCにはたまらない。いいなぁ。飛んでしばらくの間は景色が見えて楽しかったが、日本海へ出てしまい海しか見えなくなったので、映画を見始める。『アトランティック』を見た。研究室の後輩に『不思議の海のナディア』にそっくりですよ、と言われていたので興味津々(Cはナディア・ファン)。途中まで日本語があることを知らずに、無謀にも英検2級の語学力で頑張っていたが、Yに日本語があることを教えられ、降参。日本語に切り替えた。なるほど確かにストーリーはオリジナリティーがあるが、所々でナディアを連想させるシーンが多い。ブルーウォーターのようなものも出てくるし。洪水の場面もナディアそっくり。でも『アトランティック』は面白い。

スカンジナビアは機内食がなかなかおいしいことで有名らしい(Y氏談、地球の歩き方にも書いてあった)。確かによく言われるように、機内食=まずい、という感じはしなかった。いや結構おいしい。食事をしている間にロシアの上空を通過。冷戦中はロシア上空なんて飛べなかったんだろうなぁ、と冷戦終了の感慨に耽る。

食事が終り、さ~て買ってきた本でも読むか、と思い小室直樹の『経済原論』を読み出すが、全然進まない・・・ダメだ、寝よう。と機内ではほとんど寝ていた。特に飲み物にスコッチ・ウィスキーを頼んでしまい、軽~く酔いが回っていたのでスヤスヤ。後でYに「寝過ぎですよ」と言われてしまうほど寝ていたようだ。

そうそう席に関しては、エコノミーはエコノミーでも、エコノミー・エキストラというところが運良く回ってきて、普通のエコノミーより広めだった。足を伸ばしても前の席にぶつからないので、まったく足に負担を感じなかった(帰りは違った・・・)。

予定より遅れてコペンハーゲン国際空港へ到着。コペンハーゲン国際空港は、デンマークの首都コペンハーゲンのある島の隣の小さな島にある。滑走路は海岸に近い。海岸線に風車の列が見える。かなりでかい。上空から見たデンマークは思い描いていたとおりの町並みだった。到着して飛行機から出たは良いが、どうやら手配した飛行機は到着が遅れたために乗れなくなった。よって振り替え便に乗ることに。それにしても、コペンハーゲン国際空港と、国際という文字があるにも関わらず何とも閑散としている。あとスカンジナビア航空の本拠地(ハブ)だけあって、飛行場に見える飛行機のほとんどはSASだった。

振り替え便のゲートへ行ってみたが、まだ搭乗を開始していない。待つこと20分強、搭乗が始まった。振り替え便なので、元のチケットの座席では座れないだろうと思っていたら、なぜかゲートでそのまま無修正でチケットを渡される。「はて?席は大丈夫なんだろうか?」と不安げに飛行機へ。入り口のところで、フライト・アテンダントのおばさんに「この番号の席はどこですか」と聞いたら、「後ろの方」と言われて、後ろへ後ろへ・・・・後ろへと行ってみたら、ない!席がない!

後ろの方へいたもう一人のフライト・アテンダントのお姉さんに英語で聞く。いまいち通じていない、アンド聞き取れない。同じような境遇の日本人女性二人組も途方にくれている。ゲートの人に電話で聞いて、空いている席を確保。いや~SASのフライト・アテンダント(若い女性)は、結構かわいいと思うんだけど、縦も横もでかい。

今度の飛行機はコペンハーゲンとイギリス・ヒースロー空港との間を結ぶ便なので小さめ。エンジンは翼の下ではなくて、飛行機の後部左右についている。しかもCとYの座った席は、そのエンジンのすぐそば。ヒースローにつくまでの2時間弱、騒音と格闘することになる。
ここでも機内食が出た。サラダのような不思議なモノが出てきたが、いまいち正体不明。味はそれほど悪くない。ちょっと酸っぱかったが・・・席をきいたお姉ちゃんがチラチラとこちらを見る。気に入られたのか・・・Yと詮索。さて、どちらが気に入られたのか{^^;}

予定到着時刻を過ぎてもなかなか着陸態勢をとらない。というより、ヒースロー上空にはついているようだが、ずっと同じ所を旋回している。天候が悪いようで、機体が結構揺れる。ようやく着陸態勢に入る。雲を抜けると、ロンドンの町並みが!素晴らしい!!綺麗すぎる!!香港の100万ドルの夜景は見たことがないが、これも100万ドルの夜景に匹敵するほど美しい。どう美しいかと言えば、まず町全体のライトが、東京みたいに色とりどりのネオン・サインではなく、灯油ランプのようなオレンジ色をしており、それが町全体の輪郭を浮き出ている。これには感動した。

着陸も無事済み、荷物も無事に着いた。破損もなし(ただ後で分かったことだが、この時点で成田空港で購入したオペラグラスがバッグの中から無くなっていた・・・)。それにしてもヒースローはでかい。到着ゲートからかなり歩いて、荷物到着ロビーまで来た。入国審査も無事通過。さて、もう6時過ぎ。ホテルへ急がねば。ヒースローからロンドン市内へは、地下鉄とヒースロー・エクスプレス(特急券が必要)のどちらかで行ける。今晩泊まるホテルはヒースロー・エクスプレスの終着駅パディントン(Paddington)の近く。飛行機での長旅の疲れもあるし、いきなりでかい荷物を持って夜の地下鉄も・・・ということでヒースロー・エクスプレスに乗った。車内はガラガラで、乗っている人のほとんどはビジネスマン風。そうか、やはり一般の旅行者はあまり乗らないようだ。

パディントン駅へ到着。もう真っ暗。とりあえずヒースロー・エクスプレスをパシャっと1枚写真におさめる。さ~って宿探し・・・と言いたいところだが、全然見つからない。下は雨で濡れているので仕方なくかつぐ。これでバックパッカーの出来上がり。う~むそれにしても見つからない、ということで現地の人に聞こう第1弾。親切そうな英国紳士に英語で質問。「多分あっちのほうだと思うよ、でもちょっと正確でないかもしれない」とおじさん。ありがとうを行って、そちらへ行ってみるがホテルだらけで見つからない。しょうがない、1回駅に戻って、Hotel Reservationの受付の人に聞こう、と考え駅に戻って聞いたが教え方が雑。「あっちの方だよ」と言われた。そんなもんこっちも分かってるんだよ、と言いたくなるが我慢。もう1度ホテル探し再開。とようやく見つかる。よく見てみれば、このホテルの前を1回通過した。どうやら見落としていた・・・ホテルに着いたら着いたで、フロントの人が無愛想。ポーターのお兄さんはシニカルな笑いを唇に浮かべている。部屋にようやく着いて荷物から解放される。ふぅ~~~。長い1日だった。部屋はまぁまぁで予想していたような感じ。

せっかくイギリスに着たんだから、PUBに行こう、と思って外出するもホテルの近くにあまり良い店を発見できず。仕方なくパディントン駅構内にあるコンビニWHSmithで水とタバコを買った。どのタバコが有名なのか分からなかったので、目に付いた"MY FAIR"というタバコを買ってみた。それにしてもタバコ1箱(20本入り)で4.7ポンド(約1000円)とは・・・・研究室の同期から聞いてはいたが、こんなに高いものだとは。

とりあえず、飛行機の疲れもあるし明日からの観光にも備えて・・・ということでシャワーを浴びて寝た。

2/26-初・海外オーケストラ体験-ロンドン


イギリス観光の日。というか明日にはフランスへ行ってしまうので、実質今日しかロンドン観光できない。

時差のせいか5:30ごろに目が覚めてしまい、眠れない。Yも同様寝れないらしい。しかたなく2人で6:30に起床して、7:00に朝食へ。あんまり期待していなかったが、朝食はいたってフツー。セルフサービスでパンとかハムとかチーズを取ってくる。いわゆるコンチネンタル・ブレックファーストという形式らしい。ただ朝食中にぞろぞろと日本人が現れてきた。どこぞの団体客が宿泊していたらしく、「これじゃ日本と変わらん」。特に「サークルの合宿で朝食を食べているみたいだ」とYと話していた。

朝食後、観光へ出発。パディントンの地下鉄駅で1日乗り放題パスを購入しようと思ったら、パス売り出し開始時刻が9:30、あと1時間弱もある。しょうがない、とりあえず歩いて行こう。まずはパディントン駅から南へ行ったところにあるロイヤル・アルバート・ホールを目指す。ハイド・パーク(Hyde Park)を歩いていると雨がポツポツと降り出した、しかも風がピューピュー冷たい。うちらは寒がっているが、イギリス人は全くフツーの様子、まったく気に介していない。

ロイヤル・アルバート

これが噂のロンドンの天気か・・・と思っているうちに、ロイヤル・アルバート・ホールへ到着。ホールの正面、ハイド・パークの入り口にアルバートの像が建っている。アルバートは人の名前だったのか・・・と初めて知る。とりあえず、チケット・オフィスへ行って今日のプログラムを確認すると、歌劇『カルメン』。しかも原語ではなく英語で上演らしい。まぁ一応の候補に入れよう。散歩を続行。

地図を見ながらバッキンガム宮殿を目指していたが、はて道の脇に工場らしき建物が・・・と入り口まで行ってみるとなんとインペリアル・カレッジではないか!うちの研究室の指導教官の仲の良い先生がこの大学にいるので、ちょっと構内を散歩。いや~それにしても広い研究スペースだ、うらやましい。学校の研究室というより、企業の研究所といった方が良いかもしれない。

地図に載っていなかったインペリアルを通り抜けて、再びバッキンガム宮殿を目指す。さて歩いていくとなにやらかっこ良い建物が。地図で確認すると、自然史博物館らしい。建物の美しさにうっとり。まだ1日乗車券の有効時間には時間があるので歩き始める。

自然史博物館(Natural History Museum)

次に目に入ってきたのが、ゴージャスな建物。1階のショーウィンドウを見ると、どうやらデパートらしい。これがハロッズか。すごい!確かにデパートだけど、観光スポットとしても行く価値がある。でも、当然のことながら早朝なので、まだ開店時間にはなっていない。入らずにそのまま素通り。

ようやく9:30を過ぎたのでハロッズの近くにあったケンシントン駅(Kensington)で1日乗車券を購入し、地下鉄でバッキンガム宮殿の近くにあるヴィクトリア駅(Victoria)で下車しよう。イギリスの地下鉄はどんな感じかなぁ~と思っていたら、それほど汚くなかった。でも思っていたよりは狭い。あと驚いたことは、ほとんどの人が新聞かタブロイド紙を読んでいたこと。ペーパーバックを読んでいる人はあまりいない。

ヴィクトリア駅到着。地下の駅から地上へ出たは良いが、どっちの方向へでたのかさっぱり分からない。地図を頼りに歩き始めるが迷う。トコトコ歩いていくと、でかい教会が見えてきた。「あれウェストミンスターじゃない」とC。「え~」とY。地図で見てみると、果たしてウェストミンスター寺院だった。バッキンガム宮殿の後で見ようと、Yと計画していたが予定変更。先にウェストミンスター寺院を観光しよう。

ウェストミンスター寺院に入る。ここは確か故・ダイアナ妃の葬儀をした場所だった気がする。世界史の授業で、写真とかで教会を見たことは多々あったが、やはり自分の目で見ると違う。信心薄い私でも何か敬虔な気持ちにさせられる。入場料が無料だったので、寄付金箱に50ペンスを入れた。ウェストミンスター寺院を出て、寺院の写真を取ろうと思うがでかすぎる。カメラにおさまりきらない、仕方なく一部のみを撮影。

バッキンガム宮殿

さて、現在地が分かったところで次はバッキンガム宮殿だ。歩いていくと、目の前に馬に乗った2人の人が。どうやらバッキンガム宮殿の周りを巡回しているらしい。ほどなくバッキンガム宮殿に到着。どうやらヴィクトリア駅から方向を間違えなければ、すぐに到着できたようだ。宮殿の正面に周って写真をとる。それにしても、宮殿の柵のところに人がたくさん座っている。何をしているんだろう?分からん。

セイント・ジェイムズ・パーク(St Jame's Park)

宮殿を背にして見ると、まっすぐな綺麗な道が走っている。道の脇にあるセイント・ジェイムズ・パーク(St Jame's Park)を通っていく。ちょっと池の水は汚いけど、綺麗な公園だ。日本の自然を生かした美とは違う美しさがある。公園にいるハトはいいとしても、なぜかリスがいる。これにはビックリ!

ホース・ガーズ・パレード(Horse Guards Parade)

セイント・ジェイムズ・パークを抜けると何やら広場らしきところへ出た。人だかりができている。何だろう~?と思っているうちに、正面の門から馬にまたがった兵隊が7名ほど出てきた。隊列を整え終わると、そのまま静止。何もしない。また何だろう~?と思っていると、今度は歩いてきたセイント・ジェイムズ・パークの方から今度は10名ほどの兵隊が馬にまたがって来た。来ている服の色が反転している。う~ん、なんだこれは?兵隊が向かい合って、しばらく待っているが・・・・何もしない。20分ほど待ったが・・・・何も起こらない。しょうがないので、Yと「行こう」ということで次の観光スポットBig Benへ。

後で調べたら、この広場はホース・ガーズ(Horse Guards)という場所で、兵隊が向かい合っているのはホース・ガーズ・パレード(Horse Guards Parade)というものらしい。1日にこれをやる時間が決まっているらしく、ホテルに置いてあった観光ブックには「ロンドンに来たら見るべきもの」リストに含まれていた。時間も気にせず、適当に行って見れたのでラッキー。

さて広場から5分ほど歩くとBig Benが見えてきた。想像していたよりも小さい。隣の寺院っぽい建物は何?とYに聞くと、あれは国会議事堂ですよ、と返答。なるほど、あれが国会か。かっこ良いな。テムズ河を渡ってBig Benおよび国会議事堂の写真をとることにして、橋を渡ることに。それにしてもテムズ河・・・・確か中学校の英語教科書で出てきた気がするが、汚い。結構ショック。Big Benを背にして河の対岸を見ると観覧車とLondon Aquariumという文字の入ったビルが見える。水族館かな?ビルの前に着たが水族館の入り口らしきものは見当たらない。まぁ入り口が見つかったとしても入らなかったと思うが・・・

止まっている観覧車を横目にテムズ河を上流へ歩いていき、ロイヤル・フェスティバル・ホールに到着。綺麗なホールだ。本当は昨日ここでブリュッヘン指揮のヨーロッパ室内管を見る予定だったのに。そろそろお腹が減ってきた、ここらで昼食にしますかとYと話し、ロイヤル・フェスティバル・ホールの1階(Ground Floor)にあるカフェでランチを取ることに。さすがの観光客でも、こんなホールのカフェでランチする人はいないだろうなぁ。普通のサンドウィッチとメキシカン・サンドウィッチ、とカフェ・ラテを頼んで合計7.7ポンド。高い!ランチごときで1500円も使ってしまった。

タワー・ブリッジ

次に向かうはロンドン・ブリッジ。明日乗る予定のユーロスターのターミナル駅であるウォータールー駅(Waterloo)から地下鉄でロンドン・ブリッジ駅へ。期待しながら橋へ行ったら何てことないフツーの橋。テムズ河の上流を見ると・・・あ!あれだ!そうです。CとYはタワー・ブリッジとロンドン・ブリッジを間違えていました。あとタワー・ブリッジの近くになぜか軍艦が。なぜテムズ河に?不思議に思いながら川岸をタワー・ブリッジ方面へと歩いていく。

Tower of London

タワー・ブリッジの近くまで来たら、何やらお城らしきものを発見。地図で確認するとTower of Londonとある。入ってみようかな~と思って入場料を確認すると何と20ポンドもする。Yと相談してやめ、柵の外から写真撮影することに決定。

次なる目的地はバービカン・センター。ロンドンの大きなホールと言えば、ロイヤル・アルバートとロイヤル・フェスティバル、そして今度向かうバービカンの3つ。あと歌劇場としてコヴェント・ガーデンがある。今回の旅行の目的は海外有名オケを聴くことももちろんだが、海外の有名なホールを見るのも重要な目的。

Tower of London近くのタワー・ヒル駅(Tower Hill)から地下鉄でバービカン駅(Barbican)へ。駅から地上へ出たのは良いが、またしても方向が分からない。案内板の方へ歩いていってみると・・・・どうやら違う。全く正反対の方向に来ていたようだ。逆向きに行くと、バービカン・エキシビジョンというところに出た。でも展示会ホールとコンサート・ホールは違うからなぁと迷っていると、案内板発見!バービカン・センターはどうやら会社のオフィスや住宅も入っている大きなセンターらしい。地図を頼りに、図書館とかに迷い込みそうになりながらも何とかバービカン・ホールへ到着。チケット・オフィスを探す。今日はゴトーニ指揮のイギリス室内管で、プログラムがオール・ベートーヴェン。さて、カルメンにするかこっちにするか迷った挙句、結局イギリス室内管を見ることに。チケットは6ポンド。N響の学生席とほぼ同じ値段。

大英博物館

今晩のコンサートを決定して次なる目的地は、やはりイギリスといえば大英博物館!バービカンから地下鉄でラッセル・スクウェア駅(Russel Square)へ行き、駅から歩く。大英博物館の近くには地下鉄の駅はなく、3つぐらい最寄の駅があるがどれも徒歩10分ぐらいはかかる。お決まりどおり迷いながらも、大英博物館へ到着。いや、すごい。入り口ですでに感動。しかも入場料いくらかなぁ~と思っていたら、無料!さすが。でも入り口のところには3ポンド入れてくださいねという箱が置いてあった。けどほとんど誰もお金を入れていない。入り口でもビックリしたが、入るともっとビックリ。でかい!こりゃ1日じゃ到底見切れない。まだ観光するところが残っているので、とりあえずロゼッタ・ストーンだけは・・・とアフリカ・コーナーへ行ったら、ない。結局入り口から入ってすぐ左側のところのエジプト・コーナーに置いてあった。大英博物館ともなると日本人観光客もかなり多かった。記念に大英博物館の英語のパンフレットを購入した。

次は本日最後の目的地コヴェント・ガーデンへ。これでロンドンの有名なホールは全て制覇。コヴェント・ガーデンにはマーケットもあるが、うちらの目的は歌劇場。どこだ~と探していると入り口らしきところ発見。何かやばそうな雰囲気だけど侵入に成功。中へ入ってみるとゴージャス。やはりコンサート・ホールと歌劇場の差は大きい。シャンデリアもスゴイ。テラスへ行って、マーケットを写す。さ~て帰るか、と思って同じところへ来たらドアが閉まっている。はて?と悩んでいるうちに係員のおじさんが、出口はあっちだよ、と教えてくれた。実はそこが本当の入り口で、うちらが入ったのは入り口ではなかったらしい。ということは不法侵入?まぁ、許してもらえるでしょう。

正面入り口の脇にコヴェント・ガーデン・グッズを売っているいる店があったので、オペラのパンフレットを擬した葉書を購入。さ~てロンドン観光は終了。コンサートへ正装していくために一旦ホテルへ戻る。

身にスーツをまとい、いざバービカンへ。確かバービカンの所にバーがあった気がするんで、そこで夕食を取ろうとYへ提案。バーだと思いきや軽食はなく、ピーナッツなどお酒のつまみ程度のものしかない。サンドウィッチを売っている店もホール内にあったが、昼とかぶるので、コンサート後にパディントン駅近くで夕食を取ることで決定。バーでは本場のギネス・ビール(Stout)を堪能。日本で売っているギネスよりもかなりさらりとしている。どちらかと言えば薄味。

ビールを飲みながらロビーで待っていると、高校生らしき女の子がたくさん。かなりはしゃいでいる。まさかこの子達もコンサートか?と思っていたら、併設されているホールでやるミュージカルを見に来たようだった。

ロビーをぶらぶらして、今日のプログラムを2ポンド(約400円)で購入。プログラムを見たら指揮者がゴトーニからジャスティン・ブラウンへ変更になっていた。しかもゴトーニは現在イギリス室内管の首席指揮者であることが分かった。なんと、知らなかった・・・そうこうしているうちに変なベルが鳴った。どうやらこれが開演の合図らしい。

2月26日のコンサート・レポート
ジャスティン・ブラウン(指揮)、セルゲイ・クリュコフ(バイオリン)、ピアース・レイン(ピアノ)、タリス室内合唱団

Program
ベートーヴェン(1770~1827)
 ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.61
 「コラリオン」序曲 Op.62
 合唱幻想曲 Op.80

当初予定されていた指揮者ゴトーニ(イギリス室内管の音楽監督)に代わり、若手のジャスティン・ブラウンが振る(今でこそ注目されているが当時はそれほどではなかった)。イギリス室内管といえば、ブリテンが振ったり、最近ではジェフリー・テイトが内田光子とモーツァルトのピアノ協奏曲で名演を残しているので、結構期待していたのだが・・・出来は普通。ジャスティン・ブラウンの指揮は結構エネルギッシュであるがオーケストラにそのエネルギーが伝わっていない。まぁ急遽登板という事で練習不足だったのかな・・・

☆参考リンク
イギリス室内管
バービカンセンター・ホール

コンサート後、Yとなかなか満足。というかあまり期待していなかったのが良かったのかも分からない。観客は年配層が多くて若者はあまりいなかった。おそらく日本人はCとY以外いないだろう。さすがにイギリスまでわざわざイギリス室内管を聴きに来る人はいないと思う(イギリス室内管に失礼かなぁm{--}m)。

さて、夕食をバービカンで食べれなかったのでパディントン駅について、近くのステーキ屋に入る。Yはイギリスらしくフィッシュ&チップス。私はステーキを食べようと思っていたのに、なぜかチキンを頼んでしまった。Yに「イギリスは狂牛病発祥の地ですよ」と言われて、潜在意識が牛肉を避けたらしい。ケンタッキー・フライドチキンのお化けのようなものが出てきた。味はまぁまぁ。値段もまぁ普通だから良しとしよう。イギリスの飯はまずい、とよく言われるがそんなに不味いとは思わなかった(イギリス料理を食べていないからかも)。

今日はロンドン中を、地下鉄も使ったが、ほとんど歩きっぱなしだったのでクタクタ。風呂に入って就寝。

2/27-ユーロスターでフランスへ-ロンドン~パリ

イギリス最後の日。昨日のような時差ぼけによる早起きはなく、8時ごろ起床。朝食後、荷物をまとめて地下鉄に乗りウォータールー駅(Waterloo)へ。ウォータールー駅からはフランスのパリ北駅(Gare de Nord)とベルギーのブリュッセル南駅(Gare du Midi)へ高速国際列車ユーロスターが出ている。

10:40発のユーロスターに乗るのだが、少し時間が余っているのでインターネット・カフェでも探して時間をつぶそうと試みるも、駅近くになく断念。まぁパリに行ってから探せば良いか。

ユーロスターに乗るときも飛行機に乗るときと同じぐらい厳重な荷物チェックがあった。大荷物・手提げバック(リュックにもなるバッグ)は良かったが、コートの中にカメラを入れたままゲートをくぐってしまいベルがピーっと鳴る。ポケットからカメラを取り出すと、係員の人に白い目でジロリと睨まれた。やはり海外旅行慣れしていないとダメだなぁ。

さてゲートの中に入ったが、まだプラットホームには上がれないらしい。地下の待合室でブラブラ。Yはポンドをユーロへ換金しようと思っていたようだが、レートの悪さに断念。

さて乗車時間になり、待合室にいた人がいっせいにプラットホームへと移動を開始し。車内へ入るとなかなかゆったりとしていてゴージャス。日本の新幹線を豪華にした感じだ。10:40を少し過ぎて出発。もうロンドンともお別れか、と感傷的になる。

しばらくしていたらランチタイム。研究室の先輩の話では、イギリスからユーロスターに乗ればイギリス料理だが、フランスからユーロスターに乗るとフランス料理が出るらしい。うちらはイギリス料理。まぁフランス料理はフランスに着いてからでも食べられるさ、と思っていた(が、結局食べられなかった)。スチュワートがプレートを持ってきたが、プレートの上にはパンとオレンジの切り身、あとジュース。あれれ・・・これだけか?と思っていたら、どうやらメインがあるらしい。メニュー表のようなものが付いてきた。ワインも何種類からか選べるらしい。パンフをしっかり読んでいなかったので、スチュワートの人の質問にたじたじ。結局チキンと赤ワインを頼んだ。昼から赤ワインを片手にイギリスの田園風景を楽しむ。う~ん、豪華だ。

なかなかトンネルに入らない。ロンドンからドーバー海峡まで結構距離があるんだなぁ、と感じた。そういえばNHKのプロジェクトXでドーバー海峡トンネルについて放映していたのを見たなぁ。な~んて思っていたらトンネルへ。もっと長く感じるかと思っていたら、あっという間にフランス側へ。もちろん列車の速度が速いこともあるだろうが、関越トンネルを車で通過するよりも短く感じた。始めは畑ばかり。ちらほらと家が見えてきて、イギリスとの家の感じが違うことに気づく。

フランスに入って1時間半ぐらい走って、ガール デュ ノール(Gare de Nord)に到着。とうとうフランスか~。駅の大きさにビックリしながら、列車内でトイレにいっておけば良かったと後悔。とりあえず列車の先頭まで行ってユーロスターを写真におさめる。さて、電車の切符も買わなければいけないが、ちょっとトイレ、ということでYに地下鉄路線図の前で待っていてもらい、その間に駅の地下にあるトイレへ。何と有料トイレで値段は1ユーロ。フランスについたばかりでユーロは紙幣しか持っておらず、小銭はなし。しかも紙幣を小銭へ両替する機械もなかったので、しぶしぶ諦める。まぁホテルまでは大丈夫だろう。

さて地下鉄路線図の前で待っているYのところへ戻り、今晩泊まるホテルのあるエッフェル塔の近くの駅を探す。イギリスよりも地下鉄路線図が複雑だ・・・と、そこへ英語が話せるおじさん登場。「エッフェル塔の近くに行きたいんだけど。。」と言うと、「4番線に乗って、サン・ミッシェル駅(St Michel)で10番線に乗っていけば、エッフェル塔の近くまで行けるよ」と非常に聞き取りやすい英語で答えてくれた。あと「チケットは向こうの機械で売っているよ」と併せて教えてくれた。

Yと2人で、いい人だなぁ・・・と感動。まぁ地下鉄の切符を買う前に少し駅の地下でも散歩するか、とブラブラしていると再びおじさん登場。「これだよ、これ。この機械でチケットを買うんだよ」と再び教えてくれる。とりあえず切符を買うか、ということで券売機の前で右往左往して、『地球の歩き方 ヨーロッパ』を開いて必至に券売機と格闘していると、今度は違うおじさん登場。これまた英語ができる。「切符を買いたいのか?」と聞いてきたんで、「そうだ。パリには2日間いるから、できれば2日分の乗車券が欲しいんだ」というと、何やらボタンをチャカチャカ押して、なぜか自分のカードで支払いをしてしまった。ここら辺で気づくべきだった・・・・さっきのおじさんとこのおじさんグルで、うちらを引っ掛けているんだと・・・

でも、このときはユーロスターで飲んだワインで少し酩酊状態にあったので、英語でまくしたてられているうちに何かその気にさせられてしまった。それで2人の合計金額が120ユーロと出た(ちなみに1ユーロ=120円で計算すると、120ユーロは14400円!!)。1人の2日乗車券が60ユーロ(=7200円)もするなんて異常なことに気づくべきだったのに、初めてのユーロとワインで頭が混乱状態。払ってしまった・・・

まぁ、とりあえず切符は手に入ったから、地下鉄で行くか、と改札へいってみると、改札のところにごついバリケードがある。そのバリケードを黒人の若者が乗り越えていく。あきらかに違反行為だなぁと分かる。う~ん、こんな光景はイギリスでは見なかった。フランスでは気を引き締めねば・・・と思ってホームへ下りていくと、丁度良く電車が。まぁ乗ってしまえ、とこれまた酔いの勢い。電車の行く方向を確認せずに乗った。

電車に乗ったら、まず目の前に明らかに物乞いと分かるおじさん。次にすぐそばのドアには流しのおじさん。物乞いのおじさんはこちらをニヤニヤ見ているが、Yと一緒に無視。流しのおじさんの方も無視。
さて席に座って外の風景を楽しんでいたのもつかの間、おかしいことに気づく。この電車、まったく駅に止まる気配がない。どこ行きなんだ?と電車内の路線図と通過する駅の名前を照らし合わせていくと・・・・なんと!この電車はシャルル・ド・ゴール空港に向かっていることが発覚。全く逆方向!!しかも、シャルル・ド・ゴール空港駅までノン・ストップらしい・・・

しょうがない、と2人で腹をくくっていると車掌が切符を確認しにきた。さっきおじさんに買ってもらった切符を見せると、怪訝な顔。どうやら違うらしい。とそこで、Yがユーレイルパスを提示したら、O.Kだった。どうやらこれは地下鉄ではなく、国鉄らしい。地下鉄の駅に国鉄も一緒に走らせるなぁーーと叫びたいところだが、何も考えずに飛び乗ったうちらも悪い...

シャルル・ド・ゴール空港駅に到着し、いったん駅を出る。せっかく空港駅まで来たんだから、空港でも見ていくかとおもったが、駅の前からバスでいかないとダメらしいので断念。それではインフォメーションでホテルの最寄駅と地下鉄路線図をもらおう、ということでインフォメーションへ。

対応してくれたお兄さんは非常に親切で、ホテルの名前をつげると必至に探してくれた。あと乗るべき地下鉄の番号、乗り換え駅を書いた紙までくれた。親切さに感動。今度はさっきの切符のときのようにしらじらしくなく、本当に親切だなぁと感じる。

改札へ戻ると、感じの悪い若者数名がたむろしている。車掌が若者達に何か言っていたが、一体何を言っていたんだろう。若者達は聞いていない様子。フランスの電車はかなりガラが悪い、イギリスより車内の雰囲気が良くない。「こりゃ夜は地下鉄に乗れないね」とYと話す。インフォメーションのお兄さんの書いてくれた紙を頼りに再び電車に乗り、まずサン・ミッシェル駅で下車。サン・ミッシェル駅と地下通路でつながっているクリュニー ラ ソルボンヌ駅(Cluny La Sorbonne)から10番線でエッフェル塔方面へ向かう。この地下鉄10番線の車内の雰囲気はさっきの電車よりは和やか。どうやら感じの悪いのはパリの中心を南北に走っている路線が主らしい。

インフォメーションのお兄さんの調べてくれたホテルの最寄駅シャルル・ミッシェル駅(Charles Michels)へ到着。イギリスと同じで地下鉄の駅から出たのは良いが、どちら方面へ向かえばよいのか分からない。とりあえず、駅から少し離れたところにエッフェル塔が見える。Y曰く「エッフェル塔の近く」、しかもホテルの名前はホテル・フランス・エッフェルときた。さ~てホテル探し開始。

研究室の同期が言っていたように、道にはところどころに犬の糞らしきものがある。しょうがない担ぐか、とイギリスに続きバック・パッカー第2弾。なかなか見つからない。しょうがない、店の人に聞くか、ということで近くに日本語の看板がかかっている店があったので、そこのおじさんに聞く。おそらく中国人だと思われるおじさんが教えてくれようとしているが、僕より英語ができないようだ。単語が浮かんでこないらしい。必死に教えようとしているんだけど・・・そこへ、店の中にいた日本人女性登場。おじさんがフランス語でその女性へ内容を伝え、日本語で僕に教えてくれる。英語→フランス語→日本語、という回りくどいやり取り。

さて店の人が話していた方向へ歩いてみるがホテルは見つからない。30分ほどうろちょろするがダメだ・・・仕方ない、もう1回違う人に聞こう。銀行の前で立っていたガードマンの強面のおじさんに聞いた。英語で聞いたのにバリバリのフランス語で返される。こういうときは!筆談!!ペンと紙を取り出し、現在地とホテルのある方向をペンで教えてもらう。なるほど、さっき店の人が言っていた方向とはまったく逆だ。おのれ~と思いながら、再び逆方向へ・・・とまだ見つからない。もうヤダ、荷物の重さに背骨が痛くなってきた。

もう~しょうがない、交差点の所にあった地図でもう1度確認しようということになり、改めてホテルの住所を吟味すると、ようやくホテルの位置を突き止める。な~んだ結局ガードマンの言っていた方向じゃなくて、店の人が言っていた方向じゃんと意気揚揚と歩き出す。ドンドンあるいていくも、住所を表示するプレートがホテルの住所の番号に近づかない、というよりも通り(フランス語でルーエ)の名前が違う。あ!!!!!!分かった!!!!!

なんと地図の北と南を間違っていた。結局合っていたのはガードマンのおじさん。すいません、疑ってしまって・・・

ホテルは、シャルル・ド・ゴール空港駅のインフォメーションで聞いた最寄駅シャルル・ミッシェルからかなり離れていた、というよりもっと近い駅があるよ・・・トホホ・・・でも、必至に調べてくれたから感謝。フランスではホテル探しに2時間ぐらい費やしただろうか・・・汗をかいてしまった。背骨も痛いし・・・「そんあことじゃバック・パッカー失格ですよ」とYに言われる。確かにそうだ、まだ旅行3日目だというのに・。

ホテルのフロントのお姉さんは細身でキュート。がたいの良いイギリス女性ばかり見てきたので見とれる。耳にピアスをしている。はぁ、やっと着いたと安堵感が。部屋について久々の一服。疲れ果てた。ホテルに着いたらエッフェル塔でも見に行こう、とYと話していたが疲れ果てていたのでやめた。とりあえず今晩のパリ管のコンサートを見るために、サル・プレイエルに行かなくては。サル・プレイエルが凱旋門の近くにあるとY。しかし詳細な位置までは分からないとのこと。それじゃ、キュートなフロントのお姉さんに聞こう!ついでに、モヤモヤしていたあの疑惑の切符についても聞こう!!もう時間も時間なので、スーツに着替えてそのままコンサートへ行くことに。

フロントでお姉さんに聞いたら、早速インターネットで探し始めてくれる。ちなみにブラウザはNetscapeだった。「通信速度が遅いのよねぇ~」とこぼしながらも、必至に探してくれている。今晩のプログラムとチケットの値段リストをプリントアウトしてくれた。あと、ホテルに置いてあった地図を取り出し、サル・プレイエルの位置を書き込んでくれる。ちなみにこのお姉さんはサル・プレイエルに行ったことがないので、住所から「だいたいこの辺だと思うわ」と言っていた。

「So, and one question. Someone, strange someone bought us these tickets. He said these tickets are used for two-days. Are they used?」とかなりメチャクチャながら必至に切符のことを聞こうとしたら・・・・お姉さんの顔が曇っていく・・・あ~~、やはり騙されたのか・・・

「これはただの片道切符よ」とお姉さん。ある程度予想はしていたが、怒りがムラムラと込み上げる。騙された自分と騙したあの連中に!!Yは淡白。もう既に諦めていたようだった。「一応、駅のインフォメーションに言って、今言ったことを言った方が良いと思うわ」とお姉さん。チクショー、インフォメーションで全額とはいわなくても半額ぐらい取り返してやる!と燃える。

でも後で思えば、やはりおかしい。そんなに親切に切符を自分のカードを出してまで買ってくれる人はいない。親切すぎるのも怪しまなければ・・・と痛感・・・・今度パリ北駅に行った時に、もしもいたら絶対ぶん殴る!!!

さて話を戻して。駅の最寄駅はデュプレックス(Duplex)というところで、ここから6番線に乗り、終着駅のシャルル・ド・ゴール・エトワール駅から2番線に乗って次のテルヌ駅(Ternes)で下車すれば凱旋門。地下から地上へ出ると凱旋門が。さすがにでかい。時間もちょうど帰宅ラッシュ時だったので凱旋門の周りは車の往来が激しい。凱旋門をバックに写真をとる。

さ~てサル・プレイエルは~、とフロントのお姉さんの記した所を目指す。あまり迷わずに到着。でも周囲のビルと同化してしまっていてかなり分かりにくい。ビルの正面入り口の上にSALLE PREYELと書いていなければ、ちょっと見分けにくい。ちなみに正面玄関入り口の脇にはCDショップがある。チケット売り場のところを見るとすでに人が10人ぐらい並んでいる。Yと相談し、もう今日は観光はできないので、ここで並ぶことに決定。うちらの前にいるのはおそらく70歳前後のおじいさん。その前に日本人女性2人がいる。時間は過ぎどんどん列が長くなっていく。並んでいるのがほとんど学生風の若者かおじいさん・おばあさんなので、学割&シルバー割引でもあるらしい。

前の前に並んでいる女性2人のところへ(おそらく)パリの大学に通っていると思われる日本人男性が来た。この男、やたら声が高い。「きっとアルトだ」などとYと談笑。その日本人トリオがなにやらチケットの値段について話している。なになに8ユーロぐらいで買えるって?う~ん、これはいい情報だ。ただでさえ60ユーロなくなっていたので、少しでも節約せねば。

開演時間(午後8時)の1時間前になってもチケット売り場は開かない。というより、割引なしのチケット売り場は開いているが、割引の方はまだらしい。開演40分ぐらい前になって、ようやく列が進み始めた。チケットを1人ジャスト8ユーロでゲット!安い!!ドホナーニ指揮で、ブレンデル・ピアノを1000円程度で見られるなんて♪

ロビーへ入っていくとなかなかゴージャス。昨日のバービカン・ホールよりもずっと派手だが、ロビーはかなり狭い。クロークはロビーの正面向かって右側にあったが、経費節約のため省略。コートは席に置くことにする。階段を上がっていくと・・・これがサル・プレイエルか。何かNHKホールに似ているなぁと感じた。お姉さんがプログラムをくれる。ここでは買わなくて良いみたいだ。あと席も分からなかったので案内してもらう。いや~、このお姉さん美人。またまたうっとり。

席はかなり前の方だったが、ステージに向かって右端。上を見ると反響板がある。どうなんだろう音響は、とちょっと不安になる。でも前なのでドホナーニの指揮を堪能できる。いや~学生割引に感謝!

コンサートプログラムはというと、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番にブラームス交響曲第2番というのは知っていたが、もう1曲現代曲がある。しかも4楽章構成で25分ときた。おいおい、すごいプログラムだなぁ{^^;}インタミをはさんだら絶対に終演は22:00過ぎだ。晩飯をコンサート後に食べようと決めていたので、夜遅い中スーツ姿で歩き回るのが大丈夫か不安を感じる。

コンサート開始。ドホナーニ登場。いや~、綺麗な白髪。1曲目の現代曲はわけ分からず、2曲目のピアノ協奏曲へ。写真で見たまんまであった。かなりヒョロヒョロとしていた。歩き方も何かひょろっとしている。ピアノ協奏曲の演奏が終わると拍手の嵐。ブレンデル、いったい何回カーテンコールしただろうか。何回目かのカーテンコールで会場の拍手が1つにそろった。猛烈にアンコールを要求している。すごいな、パリっ子は、とYと感心。結局アンコールはせずに前半終了。インタミでロビーへ出たら、やはりロビーの狭さのために人がごった返している。ワインを飲んでいる人もいれば、アイスクリームを食べている人もいる。なぜアイス?と疑問に思うが、結構売れ筋商品のようだ、老若男女問わず結構食べていた。

インタミが終了し、後半戦。もう既に21:00は過ぎている。こりゃ確実に終演は22:00過ぎだ。後半は楽しみにしていたブラームス交響曲第2番。何が良いって第4楽章♪もう最高。

2月27日のコンサートレポート
クリストフォン・ドホナーニ(指揮)、アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)

Program
トーマス・アデス(1971~) Asyla
ベートーヴェン(1770~1827) ピアノ協奏曲第1番 Op.15
ブラームス(1833~1897) 交響曲第2番ニ長調 Op.73

ホテル探しでヘトヘトになっていたが、超有名海外オーケストラ初体験という事でかなり期待していた。しかもピアノはブレンデルだし♪1曲目は現代曲なのでよく分からない・・・2曲目からようやく落ち着いて聴けるようになったが、不覚にも第2楽章途中から寝てしまった・・・あぁ~。演奏が終わると凄まじいカーテン・コール。5回か6回ぐらいステージに呼ばれていた、がアンコールはなし。やっぱり超一流ピアニストだからね。インタミ後、大好きなブラームス♪曲が始まった。パリ管でラテン系だからかもしれないが、音色が非常に明るい。ブラームスの暗さが良い意味で消され、交響曲第2番の持っている勢いが前面に感じられた。ドホナーニの指揮も好きだ。それにしても閉演時間10:30は遅すぎるだろう・・・(泣)

☆参考URL
パリ管弦楽団
サル・プレイエル

やっぱり予想通りコンサートが終わったのは22:00過ぎ。今日は水曜日だっていうのに、明日はちゃんとこの人たち仕事するんだろうか?そうだったらタフだなぁ、とYとまたもや感心。

さて夕食、夕食。夜道は怖いのでさっさと食べて帰りたいが、あまり丁度良い店もなく、昼間60ユーロぼったくられたこともあり、2人の足はマクドナルドへと・・・・結局、夕食はマック。せっかくフランスに来たんだからフランス料理と思っていたのに{;;}

今日は一日中、じゃなくてホテル探しで疲れた。重い荷物を背負って歩いたのが効いた。疲れた・・・

2/28-寝台で音楽の都・ウィーンへ-パリ~ウィーン

昨日はホテル探しで午後がつぶれてしまい、観光といっても凱旋門ぐらいしか見れなかったので、今日はパリ観光。ちなみに今日あたりから日記をしっかりつけなくなっていく・・・

パリ観光するためにちょっと早めに起きて朝食。イギリスと何ら変わらない、普通の朝食だった。ただ飲み物がいつもコーヒー、というのも芸がないので、たまには紅茶にでもするかとおもって紅茶のティーパックが置いてあるところへ行くと"Green Tea"がある。久しぶりに飲んでみるか、と飲んでみたら何かスースーする。よく見たらハーブ入り・・・ハーブ入りの緑茶は微妙な味わい。それほどまずいものではないが、おいしくはなかった。

さてフロントへ荷物を預け、まずはエッフェル塔へと向かう。ホテルの近くを流れるセーヌ川の岸のところにある売店でタバコを購入。買ったタバコはROTHMANS。ブルーの箱に金色のラインが縁取ってあり、真中には何か王族らしきものを感じさせるマーク。ちなみに値段は4.4ユーロ(=550円くらい)。

セーヌ川を横目に歩いていくと、エッフェル塔到着。観光シーズン・オフなので修理中。これまで写真とかで見たよりも小さく感じた。またあまり近くで見ると綺麗ではない。現物を見ると幻滅してしまう典型的なパターンだった・・・よってエッフェル塔の上には行かず、写真撮影のみで終わる。

さて、次は・・・と昨晩練った観光ルートを見るとノートルダム大聖堂。エッフェル塔からはさすがに歩けないので、エッフェル塔の近くにあるシャン ド マルス トゥール エッフェル駅(Champ de Mars Tour Eiffel)の窓口で1日乗車券を購入し、C線でその名もサン・ミッシェル ノートルダム駅(St Michel-Notre Dame)へ向かう。やはり1日乗車券は60ユーロもせず(当たり前・・・)、5ユーロで買えた。

ホームで待っているとひどく汚い電車がきた。明らかに電車の清掃をしていませんという感じだ。まぁ中はそれほどではなかったが、所々に落書きが・・・

サン・ミッシェル ノートルダム駅について地上へ出ると、セーヌ川の間に浮かぶシテ島に巨大なノートルダム大聖堂が・・・いや~綺麗だ・・・観光客もたくさん来ているし、大聖堂も周りの道には観光バスが多く止まっている。橋を渡り、シテ島へ。この大聖堂は建設されてから800年もの間、パリの町を見続けてきた中世建築の代表作ということ。中に入ると、さらに美しいモザイクが。いや~、ウェストミンスター寺院も感動したが、やはりこちらの方が綺麗だ。お金を払えば塔の上にも行けるらしいが、まぁこれだけでも大満足。

さて次は・・・とセーヌ川を上っていきリヨン駅の近くにあるオペラ・バスティーユ。今、名指揮者の1人であるチョン・ミュンフンがかつて音楽監督を務めたオペラ座だ。現在の音楽監督は・・・と2人で考えたが浮かばず。まぁいいや。セーヌ川岸を歩いていると、若い女性が河原で太極拳をやっている。それにしても、パリの道には犬の糞が多い。何度も踏みそうになる。町並みは綺麗だけど・・・とちょっとガッカリ。

地図を頼りに裏道を通っていくと、大通りへ出る。通りにはパン屋や飲食店が並んでいる。Yと「こういうところで買い物して、広場で昼食も悪くないね」と話す。しばらくするとオペラ・バスティーユ到着。なかなか現代的な建物だ。「あれ、想像していたのと違うな~」と言ったら、Yが「それはオペラ座(オペラ・ガルニエ)じゃないですか?」。そうか、バスティーユとオペラ・ガルニエを間違えていた{^^;}。しかし!開いていない!!何かパンフレットとか・・・と思ってチケット売り場を探すも、開いていない。しぶしぶ写真に取ってオペラ・バスティーユを後にする。

次は世界でも屈指の美術館"ルーブル美術館"。オペラ・バスティーユの近くにあるバスティーユ駅(Bastille)からパレ ロワイヤル ミュゼ デュ ルーヴル駅(Palais Royal-Musee du Lovre)へ。今度乗った地下鉄1番線はなかなか綺麗。新橋~お台場間を結ぶ"ゆりかもめ"のような感じ。また車内に流しのおじさんがいる。

パレ ロワイヤル ミュゼ デュ ルーヴル駅に到着。この駅は直接ルーブル美術館につながっている。駅の構内も美術館チックで壁の絵が芸術的。ほどなくメインエントランスへ到着。さて、とりあえず真中のインフォメーションに置いてある「見学のための手引き」を手にとる。おぉ、日本語版もある。日本人観光客がさぞかし多いという証拠だろうな。やはりここに来たら「モナリザ」と「フランス革命の女神(正式な絵のタイトルを忘れてしまった)」は見なければ・・・とりあえず、入場券購入(7.5ユーロ)。

ルーブル美術館はコの字型になっていて、それぞれリシュリュー翼、シュリー翼、デゥノン翼と呼ばれている。有名な「モナリザ」や「サモトラケのニケ」、「フランス革命の女神」はデゥノン翼にある。とりあえずリシュリュー翼から入っていく。1階(日本でいう1階とは違う)は彫刻がメイン。"マルリーの中庭"と呼ばれているところで、彫刻をデッサンしている人がいる。1つ上の階に行くと、今度は工芸品。ナポレオン3世の居室を見て、さらに1つ上のドイツ・フランドル・オランダ絵画を堪能。知っている画家の名前はルーベンスとレンブラントぐらい。少しは絵も勉強しなくては・・・と恥ずかしくなる。それにしても生でレンブラントを見るとすごい。陰影の画家と呼ばれているが、写真で見るよりも、実際見ると非常にリアルに描かれている。絵心薄い僕でも感動。それにしても、美術館がでかい!これじゃ1日あっても絶対に見切れない!

次に「モナリザ」を求めてシュリー翼を通ってデゥノン翼へ。結局、シュリー翼の展示品はほとんど見ることができなかった。

ルーブル美術館

デゥノン翼に入るといきなり「サモトラケのニケ」がお出迎え。やはり生で見ると違う・・・・首がないだけに余計に想像力が掻き立てられる。次にイタリア絵画が置いてある通路を進んでいくが、さっきのドイツ・フランドル・オランダ絵画に比べると、非常に色使いが明るい。やはりラテン系とゲルマン系の違いなのか、と思った。また絵画道具を持ち込んで、模写している人がかなりいる。こういうのって許されるんだ、とYと感心。日本の美術館ではこういう人を見たことないんだが(実はいるんでしょうか?)・・・デゥノン翼の先の方に「モナリザ」があった。さすがに大英博物館のロゼッタストーン張りに人だかりができている。なぜかモナリザのある部屋は照明が暗い。"フラッシュ禁止"と書いてあるのに、みんな平気でフラッシュをたいている。それでは・・・と付和雷同してフラッシュをたいて撮影。すいませんm{-_-}m

あと1回見ておきたいのが、「フランス革命の女神」。来た道を戻って、フランス絵画の大作というゾーンへ。あった!でかい!!私の身長の3倍ぐらいの高さがある。よくこんなでかい絵が書けたものだ・・・またまた感心。

さーて、まだまだ見たいところだが、昼食もあるし電車の時間もあることだし・・・ということでルーブル美術館を出ることに。しか~し、出口が分からない。まぁ一番下の階へ行けば何とかなるだろう、と2人して下のほうへ進むが出口(Sortie)の表記がなかなか見つからない。そのうち見たことのある像の前に到着。これは・・・「ミロのヴィーナス」だ!迷ったが、災い転じて福と成す。結局、半地階の中世のルーブルの壕を見て、シュリー翼からロビーへ。

外に出ると、プチ凱旋門が。う~んかわいい。プチ凱旋門とは勝手に2人でつけた名前で、本当はカルーゼル凱旋門と呼ばれている。ルーブル美術館の中の展示品も美しいが、外から見たルーブル美術館も美しい。この建物だけで1つの美術作品だ。しかも、美術館前に広がる広場がこれまた美しい。

さて次はオペラ・ガルニエへ。ルーブル美術館から北へ行ったところで、歩けない距離ではないので徒歩で移動。お、見えてきた。自分で想像していたオペラ座が見えてきた。オペラ座の前の階段には何人かが腰掛けてサンドウィッチを食べている。なるほど、なれがパリっ子風か。オペラ・ガルニエの中に入ると、これがまた美しい。やはりオペラ座はゴージャスの一言に尽きる。中に入って右にお土産店があったので、コヴェント・ガーデンと同じくオペラのパンフレットを擬した葉書を購入。

さ~て、そろそろお腹も空いたし、ということで昼食。近くにあった軽食屋に入る。フランス語が分からないので、ウィンドウの中にあるのを指して、「これとオレンジジュースをください」と頼んだ。さて、食べようとするが、あれ?固いぞ。焼けていないのか?Yのも固いらしい。あたりを見回すとレンジ発見。これを使って自分で温めるようだ。Yがまずチャレンジ。つづいて僕も。うん、なかなかいける。ラザニアだった。そしてオレンジジュースもまたうまい。オレンジ100%ですっ、というオレンジジュースだった。

ちょっと量は少なめだったが、おいしかったので満足。さて、ウィーン行きの寝台列車が出る時間にはまだ十分すぎるほどあるが、ホテルに荷物を取りに行かなければいけないので、ここで一旦ホテルへ。荷物を受け取り、しばらくロビーで一休み。受付が昨日親切にしてくれたあのお姉さんだったので、思い切ってメールアドレスでも渡して「メル友になってください」と頼もうとしたが、なにやらスタッフの女性3人で話がもりあがっているらしく、渡す機会を逸した・・・残念、結局メル友にはなれず。

さて、ウィーン行きの寝台列車はパリ東駅(Gare de l'Est)から出る。ちくしょー、北駅だったら昨日うちらを騙した奴を見つけ出してぶん殴るのに・・・

地下鉄を乗り継いでパリ東駅に到着。あれれ、かなり汚い。というか、今までのパリの町並みとは一転して、町全体が暗い。地域ごとに幹事が変わるもんだということを実感。列車出発までまだ2時間ぐらいあるので、駅の周辺をぶらつくことに。それには大きいバッグが邪魔なので、駅の荷物預かり所へ預けることに。普通のコインロッカーかと思いきや、なぜか入り口には怖そうなおじさん2人。空港の荷物検査張りに荷物にスキャナをかけられ、人間のチェックまでされる。ここでまた引っかかる。どうやらタバコの箱に入っていたライターのせいらしい。英語が分からなくて向こうが少し切れ気味。チクショー!しょうがないだろ!!しかも、バッグの中に梅干を入れていて、「何だこれは?」と聞かれて、「日本の食べ物だ」と答えると、「食べ物は預けることができないから、抜き出せ」と言う。梅干は保存食だから大丈夫と言いたかったが、英語でとっさに言えなかったのと、言っても分かってくれないだろうなぁと思い渋々と手荷物の方へ移す。

駅の周辺をぶらつき始めたが、何もない。インターネットカフェでも・・・とロンドンと同じことを考えたが・・・ない。しょうがないので、その辺をぶらりと一周散歩して、寝台列車の中で食べる夕食を買う。フランスパンにハムと野菜をはさんだサンドウィッチを2本。これで5.5ユーロとは安い。駅周辺には何もなかったので、駅の構内にあったキオスク・RELAYで水購入。あとは腰掛けて人間観察をしていた。

さて、列車が来たので乗ろうか、と荷物を取りに行く。またあの怖いおじさんだ・・・さて、荷物をゴロゴロところがしホームへ。うちらが乗る1等寝台列車はどれかなぁ~と前の方へ、前の方へと進んでいくがなかなかない。しかもこの列車異常に長い。20両は言い過ぎかもしれないが、15両ぐらいはある。かなり前の方へ来て列車に 1 という文字があった。でも外見が汚いので、「違うだろ~」とさらに前に行くが見つからず・・・さては、と引き返して 1 の電車の前にいるおじさん(車掌だった)に尋ねたら、まさにこの外見が汚い列車が1等寝台列車だった。フランスのホームは低くて、列車の床との差がかなりある。おじさんが荷物を上げるのを手伝ってくれたが、もう1人うちらに着いてきた変なおじいさんが僕の荷物を上げるのを手伝おうとしている。それを車掌が振り払う。はぁ~、怪しい人はどこにでもいるものだ。

客室の中に入ると、なかなか綺麗。外見では判断できないものだ。それにしても車掌さんがごつい。やっぱり怪しい人が侵入したときのために、がたいの良い人を選んでいるのかなぁ。

だいたい定刻どおりに出発。出発してすぐに壁に落書き発見。壁には"SEX SEX SEX"と書いてある。どこの国民も考えることは一緒らしい・・・さらばフランス、さらばパリ。あんまり良い思いはできなかったけど・・・

出発してしばらくすると、車掌のおじさんがチケットおよびパスポートを取りに来た、と同時に明日の朝食を選ぶカードを置いていった。このリストの中から6つの項目にチェックをつけるらしい。やはり寝台だけに、あまりメニューはない。とりあえず飲み物にホット・チョコレートとコーヒー、あとパンにハム、チーズ、ヨーグルトにチェックをつけた。しばらくYと話していたが、あんまりやることもないので寝ることに。しかしベッドの作り方が分からない。そこで車掌さんを呼びにいき、車掌さんにベッドをこしらえてもらった。なるほど、こうやってこしらえるのか。Yは上に、Cは下に寝た。なぜなら管理人Cはかなり寝相が悪いことで有名。上のベッドにはもちろん落下防止用の柵があるが、そんなのは役に立たないほど寝相が悪い。ということで、下になった(下にせざるをえなかった)。

続きは、明日の日記へ・・・

3/1-迷子!?-ウィーン

寝台列車でゆらゆら揺られながら、午前7時ごろ起床。7:30ごろ車掌のおじさんが朝食を持ってきてくれた。

YとCでちょっと違うものを頼んだのだが、変なパン(何か穀物を練り固めたようなパン)があったので、それにトライしたら、これがまずい!動物のえさではないか?と思うほどまずかった。でも栄養が豊富そうなので、Cは完食。しかし、Yは途中で断念。いや~、それにしてもあのパンみたいなものは何だったのか・・・

朝食後、しばらくすると電車が止まった。ウィーン到着の予定時刻は午前8:42。もう8時過ぎ。あと40分ぐらいで着くのかな~なんてYと話していたら、列車がいっこうに出発しない。30分ぐらい待っても出発しない。どうやらトラブル発生らしい。Yが車掌のおじさんに一体何があったのか聞いてくると、次の駅で何かがトラぶっているらしい。詳細な原因は教えてくれなかった。

みんな列車の窓から外を見ている。そのうち、列車から降りて写真撮影を始めた。それでは、とうちらも列車を下りてパシャリ。それにしても、この列車は長い。外に出て見るとその長さを実感。あれれ?後ろの方を見ると、人が荷物を持って、降り始めている。列車の後方に小さな駅があり、その駅に止まっているローカル線に乗り換えるようだ。いや~、それにしても全然進む気配無し。

結局、1時間半ぐらいそこに止まっていた。列車が出発すると、次の駅のところに貨物列車がいた。さては、この貨物列車が原因か?と思うが、真相は分からずじまい。ウィーン西駅に着く直前に窓から宮殿らしきものが見えた。「あれがシェーンブルン宮殿かな」と独り言を言っていたら、車掌のおじさんが「そうだよ」と教えてくれた。ウィーン西駅についたのは11時前。あらら、予定が大幅に遅れた。

Yと一緒に「まずはシェーンブルン」と決めていたので、ウィーン西駅のコインロッカーに荷物を預けて、地下鉄でシェーンブルン宮殿へ向かう。駅に着いたは良いが、人気がない。ここかな?と大通りへ出て行くと、観光バスがたくさん並んでいる。どうやらここらしい。正面入り口へ行くと・・・・でかい!淡い黄色の壁の宮殿、シェーンブルン。いや~、すごい・・・とりあえず、写真をとり宮殿内へ向かう。入り口で、チケットを購入する。意外と高い。チケット・オフィスから少し進んだところで、音声ガイド用のヘッドホン(というか、テープレコーダーのようなもの)を受け取る。当たり前ながら日本語はないので、英語を選択。

ここの音声ガイドはなかなか親切。イギリスやフランスで英語に慣れてきていたので、結構聞き取れる。それにしても、大きな宮殿だ。本当にここにマリア・テレジアが住んでいたのかと思うと、不思議な感覚に包まれる。マリア・テレジアがいた宮殿と同じところに、自分がいる。

宮殿内を見終えて、宮殿の後ろにある丘(グロリエッテ)へ向かう。近そうで遠い。しかも低そうで高い。ヒーヒー言いながら上まで到着。ウィーンの町が一望できる。いや~、いい眺めだ。それにしても、ウィーンはあまり高いビルがない。結構田舎だね、とYと話す。

さて、そろそろお腹が空いた。シェーンブルン宮殿の近くで昼食・・・と思ったが、なかなかいい店が見つからないので、とりあえずホテルにチェックインすることに。

ホテルがあるのはウィーンの中心街シュテファン・プラッツ。ウィーン西駅から地下鉄でシュテファン・プラッツ駅へと向かう。地下道に入り、券売機を探す。あった、あった。列に並んだが前のおばさんがトラぶっている。どうやら小銭がうまく入らないらしい。小銭を壁でこすって入れているが、それでもうまく機械が認識しない。ウィーンっ子はどうやら小銭がうまく入らないときに、小銭を壁でこすって入れるようだ。

そのおばさんが何とか買い終えて、自分の順番になったが、確かに小銭の認識率が悪い。ちゃんと入れているのに、認識されない。四苦八苦してようやく切符購入(1日乗車券:5ユーロ)。シュテファン・スプラッツ駅へと向かう。

ウィーンの地下鉄はフランスに比べると、非常に清潔。しかも、改札は無し。国民がちゃんと切符を買うと信頼しているせいかな。いきなり国民性の違いを垣間見た。

ホテルはシュテファン・プラッツ駅から徒歩10分弱のところにあった。シュテファン・プラッツはシュテファン寺院を中心とした、町の中心にある広場。店もたくさんあり繁華街。かなり人の往来も激しい。ホテルについたら、フロントのお姉さんがなかなか美人、しかし薬指を見ると指輪が・・・既婚者だ。しかも髪を赤く染めている。う~ん、すごい・・・

ホテルの部屋は、『地球の歩き方』に紹介されていた通り狭い。すごい感じは良いのだが、部屋全体が小さく、洗面所・風呂も心なしか狭い。ちょいと休憩した後に、まずは昼食。さすがにお腹が減っている。シュテファン・プラッツ広場へ繰り出して、近くのホット・ドッグ・スタンドでランチ。飲み物はビール。昼間っからビール。Yはお腹があまり減っていない、ということで食べない。

さ~て、まず日本のJALワールドプレイガイドで予約した明日のウィーン・フィルのチケットを取りに行かねば。JALの入っているビルは、シュテファン寺院からすぐそば。チケットを受け取ると、Yは1階席。Cのは2階の席。一緒に座席表をもらい、それで席の位置を確認すると・・・・あぁ~、Cの席は正面にあるパイプオルガンの脇の席。どうやら指揮者とオーケストラは見えないようだ・・・・くそ~、ムジークフェラインにいってチケットがまだあったら買ってやる、と心に決める。

とりあえず、今晩あるウィーン放送響のチケットを購入するために、ムジークフェラインに向かうことに。地下鉄でカールス・プラッツ駅へ。地下鉄から降りて、エスカレータに乗る。YとCの間に夫婦と子供3人が割り込む。Cはそのままエスカレータに立っていたが、Yはエスカレータを歩きながらドンドコ上へと歩いていく。さて、地上に出た。Yは、Yは・・・・と探してみても・・・・いない!!はぐれた!!

齢24。(おそらく人生)初の迷子!とりあえず、こういうときの鉄則は一人が動かないこと。ひたすら改札のところで待つ。待つ。待つ。待つこと・・・・30分。いない・・・ありゃ~、どうしよう~。地図は全てYが持っていたので、ムジークフェラインがどこにあるか、大体の場所しか覚えていない・・・・う~ん、こりゃ参った・・・

しかたない、歩き出そう。と、外に出てみたもののムジークフェラインがどこにあるかさっぱり分からない。ひたすら歩く。頭の中でおぼろげに覚えているムジークフェラインを思い出しながら、建物を見ていく。と、工事中の建物に出会う。これがムジークフェラインか?と思うが、いや~こんな汚くないだろうと歩き去ってしまう(実はこの工事中の建物がムジークフェラインだった{;;})

歩いて、歩いて大通りへ出ると何やら豪華な建築物が。あれがムジークフェラインだ!と思って、行ってみるとそれはシュターツ・オーパー(国立歌劇場)だった。う~ん、どこだ。とりあえず、もう1回駅に帰ってYを探してみるが、やはりいない。

しょうがない。ホテルの位置は分かっているから、ホテルで合流すればいい。とりあえず、今晩のチケットをゲットしなくては!と、ムジークフェライン探しを再開。結局、さっき行った工事中の建物がムジークフェラインであることが分かり、まず失望。自分の中の綺麗なムジークフェライン像がガラガラと崩れていく。ムジークフェラインのチケット売り場へ行って、今日のチケットがあるかどうか聞いてみる。ついでに学生割引があるかも聞く。学割でチケットは8.5ユーロ。席は2階のバルコン(バルコニー)。

Yとはぐれたが、まぁチケットは手に入ったんでホテルに戻るか・・・

ホテルに戻って、テレビを見ているとポケモンが。ポケモンは一回も見たことがないので、内容全く分からず。ドイツ語も聴き取れず。聞こえた単語は"ピカチュー"のみ{;;}そんな感じでテレビを見ていたら、Yが帰ってきた。Yはムジークフェラインでチケット購入後に観光していたらしい。2人とも旅行開始からずっと一緒だったので、はぐれてたまには別行動も良いねということに落ち着いた。

さて、そろそろ時間なんで夕食を食べてムジークフェラインに行くか、という話になる。夕食をどうするか、とYに聞くとウィーンではヴィーナー・シュニッツェルという仔牛のカツレツが名物らしい。それを食べたいと言う。幸いにシュテファン寺院の近くに有名なシュニッツェルの店があるので、そこへ行く。『地球の歩き方 ウィーンとオーストリア』にも紹介されているFiglmuler(フィグルミュラー)というお店。『地球の歩き方』に書いてあるとおり、頼んだら本当に皿からはみ出すほど大きなシュニッツェルが来た。こりゃ食べがいがある。結構、お腹が空いていたので早めに完食。Yはなかなか食べ終わらない。

食後、会計をしておじさんを呼んだが、これまでチップを払う場面にあまり出くわしてなかったので、勘定どおり支払う。おじさんちょっと不服そう。まぁ、ここは勘弁してもらいましょう・・・・

シュテファン・プラッツ駅とカールス・プラッツ駅はそれほど遠くなかったので、歩いてムジークフェラインへ行くことに。

なかなか綺麗な通りだ。でも、たま~に犬の糞or馬の糞が落ちている。パリ同様、綺麗なんだか汚いんだか分からん。夜になってライトアップされたシュターツ・オーパーを横目に見ながら、ムジークフェライン到着。やっぱり工事中のムジークフェラインはあまりかっこ良くない・・・

中に入ると、もう結構人がたくさん来ている。さてと、コートをクロークに預けなくては。いくらだろうと覗くと、荷物1つにつき0.85ユーロ。ということはチップも同時に払うとなると、1ユーロぐらいが相場かな。Yは1階席、Cは2階席。ホールへ入る前にプログラムを買う。2.3ユーロ。さて、椅子はというと普通の木の椅子。しかも、固定されている椅子ではなく、ただの椅子を置いてあるだけ。まぁ、安いから許すか。後でYに聞いたところによると、1階席も木の椅子で座り御心地はあまりよくないらしい。

演奏は1曲目のハイドンの交響曲を除いて、コルンゴルトのピアノ協奏曲とルトスワルスキの交響曲第3番という現代曲プログラム。ムジークフェラインのしっとりとした残響を楽しむことはできたが、曲自体を楽しむことはあまりできなかった。

3月1日のコンサート・レポート
ペトリ・サカリ(指揮)、ガリー・グラフマン(ピアノ)

Program
ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809) 交響曲第93番ニ長調
コルンゴルド(1897~1957) ピアノ協奏曲ハ長調 Op.17
ヴィトルド・ルトスワフスキ(1913~1994) 交響曲第3番

ずっと憧れていたムジークフェラインへ!明日ウィーン・フィルだが、その前に1回聴いておこうということでウィーン放送響のコンサートへ。プログラムはご覧の通り、現代曲がメイン。管理人は現代曲はあまり聴かないので・・・そのうちウトウトzzz

オーケストラも別にそれほど驚くほど上手いということもない。コンサートホールの響きも思ったほどではない(それは明日のウィーン・フィルで覆されるが)

☆参考URL
ウィーン楽友協会(ムジークフェライン)

コンサート後、ムジークフェラインは良かったので満足。明日のハイティンク&ウィーン・フィルを楽しみにしよう。

3/2-ウィーン・フィル初体験!!-ウィーン

昨日の迷子によって個人行動の重要性を認識にした2人。今日は昼食後にウィーン・フィル開演まで個別行動をすることをYと決める。

朝、普通どおりに起きて朝食。今までの朝食よりも、すこ~し豪勢かな。というより、朝食を取ったレストランの雰囲気が良い。歴史を感じさせるアンティーク調のつくり。

朝食後、まずはず~っと行こう、行こうと決めていて行けなかったインターネットカフェへ行くことに。あらかじめYがウィーンにあるインターネットカフェを調べておいたので、そこへ向かう。そこのインターネットカフェの名前は忘れてしまったが、シュターツ・オーパーから少し離れたところで、シュテファン・プラッツからシュターツ・オーパーへ向かう大通り(ケルントナー通り)から少し入ったところ。日本語もインストールされているので、良い。満足。コーラを1本頼んで、1時間弱接続して7.7ユーロ。まぁ、妥当な値段。

さて、昼食にはまだ時間があるが、かといって朝食をガッツリ食べたので昼食はまだ食べなくていいなぁ~ということになり、2人でウィーン名物ザッハートルテを食べることに。食べるなら、ちゃんとしたザッハー・トルテを食べたい!ので、シュターツ・オーパーの近くにある、ホテル・ザッハーが経営しているザッハー・トルテの店へ。さすがにザッハー・トルテ生みの店らしく非常に高級感溢れる店内。いや~、いくらスーツを着ているとはいえ(ウィーン・フィルが15:30から始まるので既にスーツ姿)緊張する。コーヒーにザッハー・トルテを頼む。ザッハー・トルテは8ユーロぐらい。思ったより安い。出てきた、出てきた。ちょっと一見しただけでは、普通のチョコレート・ケーキ。食べると、思ったよりも甘くない。べたべたの甘さではなくて、しつこくない品のある甘さ。それに、ケーキに添えてある生クリームを絡めながら食べる。いや~、久しぶりに甘いものを食べた。幸せ。

昼食代わりのザッハー・トルテを食べ、いざ個別行動へ。Cは昨日、はぐれてしまいほとんどウィーン観光をしていないので、今日が事実上のウィーン観光初日 &最終日。

ブルックナー像

まずはいろんな作曲家の銅像があるシュタット・パークへ。カールス・プラッツから地下鉄に乗っていく。地上にあがると、これまた困った。方向が分からない。とりあえずトコトコ歩いていくと、公園らしきもの発見。これがシュタット・パークか。公園の入り口に銅像が置いてあるが、聞いたことのない作曲家。Cの目的はブルックナー像なので、ホテルに置いてあった地図を頼りにブルックナー像を探す。もうお昼頃だというのに、あまり人がいない。ちょっと歩いていくとブルックナー像を発見。いわゆる普通の銅像だ。そりゃ、そうだ。とりあえず、写真におさめる。

ウィーンのトラム(路面電車)

次に、トラム(路面電車)に乗ってドナウ運河へ。ヨハン・シュトラウスⅡの"美しき青きドナウ"のドナウ川はどんなものか、と期待しながら行って見たら・・・・汚い・・・ショック。まぁドナウ運河は汚いのかもしれない。主流のドナウ川は綺麗なのかも・・・いや~、これにはショックを受けた・・・

さて、どんどん見ていかないと時間がない。再びトラムに乗って今度はブルク公園方面へ向かう。トラムに揺られること5分弱。シュターツ・オーパー前に到着。ここから歩いてブルク公園へ向かう。ウィーンの町は中心街を囲むようにして、リンク、と呼ばれる環状道路に囲まれている。そのリンクをぐるぐる回りトラム(行き先にRingと書かれている)に乗れば、たいていのところへは行ける。

さてリンクを歩いていると、ブルク庭園の脇にゲーテ像を発見。さらに進んでいくとブルク庭園の入り口。入ると、すぐにモーツァルト像がある。『地球の歩き方』を持った日本人観光客(女性)が一人モーツァルト像の前でたたずんでいる。ブルク庭園の後ろには新王宮と呼ばれる建物。新王宮の正面は、ブルク庭園側ではないが、ブルク庭園側から新王宮を見たときの景色もまた絶品。まだ季節が冬なので、庭園の草木の華麗さを楽しむことはできないが、春・夏になればきっとさらに綺麗になるんだろうなぁと容易に想像ができる。

ブルク庭園を散策して、ゆっくりと一人の世界に浸る。次なる目的地はウィーン自然史博物館と美術史博物館。と、その前にトイレへ行きたい。美術史博物館の背面を見ながらレオポルト博物館と呼ばれるカラフルな建物の方向へ向かっていくと、U-BahnのMuseumquartier駅発見。地下鉄の駅ならあるだろう、と下へ行くと非常に綺麗な駅。まだ出来て間もないか、それとも改装したばっかりなのか。とりあえずトイレを探して見つけるも、有料・・・・いいや、ガマン我慢と結局行かない。そのトレイの対面に本屋がある。本好きのCとしては立ち寄らないわけにはいかない。あんまりお客のいない本屋だったが、店内をブラブラしてドイツ語で書かれた本を購入。世界の国々を簡単に紹介した本。この本が後々大活躍する。

さて地上に戻り、博物館へ向かう。2つの博物館にはさまれた庭園にはマリア・テレジア像がある。時間もないのでそれぞれの博物館には入らず、外から建物のみを鑑賞。マリア・テレジア像は写真におさめる。それにしてもオーストリアにおけるマリア・テレジア、ハプスブルグ家の権勢の強さをヒシヒシと感じる。

新王宮(Neue Burg)

再び大通り(リンク)へ出ると、さきほどブルク庭園から見えた新王宮の正面への入り口がある。またその脇には王宮がある。新王宮の前にはオイゲン公騎馬像があり、さらにフォルクス庭園の方へ目を向けるとカール大公騎馬像がある。時計は何時かな~と見てみると、集合時間の3時まであと15分。そろそろムジークフェラインに向かわねば・・・ということで、ムジークフェラインに向けて歩き出す。

結局、個別行動ではヨーロッパで超一流と言われるブルク劇場や市庁舎、フォルクス・オーパーを見ることは出来なかった。今度ウィーンに行ったらぜひ見たい。また、博物館なども外見をみただけで中に入ったものは皆無!またゆっくりと見れればと思う。

歩いていきシュターツ・オーパーの前まで来る。そろそろトイレもガマンの限界・・・そこでカールス・プラッツ駅でトイレ探し。シュターツ・オーパー前のエスカレーターで下っていくと、すぐ目の前に有料トイレが。もうしょうがない、ということで有料トイレに入る。でもここの有料トイレ。シュターツ・オーパー近くということで、内装もオペラ座風にしてある。でも所詮はただのトイレ・・・

ムジークフェラインへはちょいと早めに到着。Yも5分とおかず到着。とうとうウィーン・フィルだ。クロークにコートを預けて、席へ向かう。Yはボックス席、つまり定期会員の人がこれなくなったので、JALのワールドプレイガイドへ渡ってきたチケット。Cの席は正面オルガンの脇。「何とか指揮者は見えますように・・・」と希望を捨てずに席へ向かうも、やはり見えない・・・まったく見えない・・・ということは、演奏のみを純粋に楽しめるということか。ポジティブに考えよう。隣には日本人と思われる青年。この人もJALワールドプレイガイドで取ったのだろうか。

ちなみにCの座った席の金額はおよそ10ユーロ。つまり日本円にすれば1200円弱。JALワールドプレイガイドからの請求金額は約11000円。つまり席の値段の約10倍の金額が取られた。こんなに手数料ってかかるものなのか・・・

ちなみに今後ヨーロッパへオーケストラ演奏を聴きに行く人へ。チケットは大抵の場合、当日券売り場で手に入る。今回で言えば、ウィーン・フィルは席がほとんど定期会員で抑えられてしまうので、チケットの入手が困難。つまり高い手数料を払ってもJALワールドプレイガイドのようなところへ頼む価値はある。でも、当日コンサートホールへ行ってダフ屋からチケットを手に入れるのでも、十分安い。よっぽどの人気公演でない限り、チケットは手に入ると思って良いと思う。

演奏の詳細は3月2日のコンサート・レポートに書くが、かなりマーラー的なブルックナーであった。他のたとえで言えば、1988年ジュリーニ &ウィーン・フィルのブルックナー交響曲第9番(ドイツ・グラモフォン)のようなかなり金管系を前面に押し出した攻撃的な演奏だった。好き嫌いは個人個人分かれると思うが、Cとしては悪くないと思う。ウィーン・フィルの管や弦の美しさは十分すぎるほど味わえた。でも、ブルックナー演奏という視点からすれば、今回のハイティンクのブルックナーは良くないと思う。というわけで、評価は微妙。でも、満足したことだけは確か。やはりクラシック好きの人ならば一生涯に1度で良いからウィーン・フィルを生で聴くべき!これはCDなどでは味わえない。本当に至福のヒトトキだった。

コンツェルトハウス

15:30開演であるから、18:00前には終わってしまった。さて夜のコンサートはどうするか・・・と、昼にザッハー・トルテを食べた後、シュターツ・オーパーへ行って今晩のチケット(小澤征爾指揮・ヤナーチェク作曲・歌劇『イエヌーファ』)は売り切れだったので、他のコンサートを探さなければならない。コンツェルトハウスではアルバンベルクの室内楽のコンサートがあるらしい。ムジークフェラインではウィーン・キュンストラー管弦楽団(N.T.O)のコンサートがある。とりあえず、Yはアルバンベルク希望。Cはコンツェルトハウスを見ていなかったので、Yについて行く。ライト・アップされたコンツェルトハウスはなかなか綺麗。チケット売り場へ行くも、まだ開いていない。やはり開演1時間前にならないと開かないらしい。

とりあえず、昼はザッハー・トルテしか食べていないので、夕飯を食べよう。昨晩の夕飯に引き続き、また『地球の歩き方』に載っていた店Rosenberger MARKTというセルフ・レストランへ行く。ウィーンにある伊勢丹の目の前という非常に分かりやすいこの店。大皿・中皿・小皿と3つの皿からどれかを選んで、自分で好きな品物を皿に持っていくというスタイル。他にチキンの照り焼きなどといった別料金の個別メニューもある。種類は豊富だし、誰でも気兼ねなく入れるので非常に良い。ここはオススメ。

さて食事中に今晩のコンサートについて検討した結果、コンツェルトハウスではアルバンベルクの室内楽、ムジークフェラインではウィーンキュンストラー管弦楽団のコンサート、そしてフォルクスオーパーでは何かオペラをやるらしい。Yはアルバンベルクへ行くと言う。Cは昼間にフォルクス・オーパーへ行けなかったので、フォルクス・オーパーのオペラでも見ることにする。今晩はウィーン西駅から11:42分発の夜行列車でミュンヘンへ行くので、10:30~11:00までにウィーン西駅で落ち合うということでYと再び分かれる。さて店を出てトコトコと歩き出し、カールス・プラッツ駅に着いたは良いが、電光掲示板によれば電車があと15分もこない。う~ん、15分も待っているとオペラが始まってしまうなぁということで、ここで方針転換。ムジークフェラインへ行ってウィーンキュンストラー管弦楽団のコンサートを見ることにする。

ムジークフェラインの当日券売り場はロビーに入って左側にある。すでに10名ほどの人が並んでいる。まぁそれほど有名なオケではないからチケットはあまっているだろうと列に並ぶ。そこへガタイの良い老紳士登場。どうやらチケットを売りたいらしい。でも格好を見るとダフ屋という感じではない。1階席(PARKETT-パルケット-)の席を30ユーロでどうか、と言ってきた。しかもチケットを見ると額面30ユーロ。つまりダフ屋ではない。目を見ても、人を騙そうという感じはしないので、購入決定。購入を決めた理由には、1つ多分このおじさんはダフ屋ではない、2つ昨晩のウィーン放送響、今日のウィーン・フィルといずれも2階席だったのでムジークフェラインの1階席を経験しておきたかった、から。

コートをクロークに預けて、ムジークフェライン初の1階席へ。プログラムを購入すると、今晩はオール・アメリカの作曲家プログラム。メインはバーンスタインのミュージカル「ウェストサイドストーリー」からのシンフォニック・ダンス。さて、席へ行くと隣には先ほどチケットを売ってくれたおじさんがいる。おじさんの方から話しかけてきた。「今日チケットを売ったのは、妻が風邪を引いてコンサートにこれなくなったからなんだ」と。なるほど、だから額面どおり30ユーロで売ってくれたわけか。

コンサート開始まで30分ぐらいあったので、おじさんと英語でトーク。なかなか充実した時間だ。このおじさん、元・銀行員で日本にも滞在したことがあるらしい。もう15年くらい日本には来ていないと言っていたが、箱根の芦ノ湖は綺麗だとか、寿司や刺身はおいしいと、かなり日本のことに精通している。旅行中、日本人っておそらく一番英語の出来ない民族だなぁとつくづく感じていたので、そのことをおじさんに言うと「君はなかなか上手に話しているよ」と言ってくれた。お世辞でも嬉しい。

さてコンサート。指揮者はなぜか赤い腹巻に赤い蝶ネクタイ。初めて見たな、こんな格好。演奏はというと前半の2曲のクラリネット協奏曲はなかなか良い。クラリネット協奏曲を生で聴くのは初めてだったが、クラリネットの音色の美しさにうっとり。2曲目のクラリネット協奏曲はジャズ風でこれまたなかなか楽しめた。後半はガーシュインの「パリのアメリカ人」とバーンスタイン。どちらもアメリカ人作曲家による超有名曲。どちらもなかなか良かった。でも昼にウィーン・フィルを聴いていたので、さほどの感動はなかった。(3月2日のコンサート・レポートへ)

コンサートが終わったのは10時過ぎ。チケットの30ユーロは少~し高い気がしたが、おじさんと英語で充実したトークが出来たことを考えれば安い。充実感を胸にウィーン西駅へ。

ウィーン西駅へは10時半過ぎに到着。ブラブラしているとY登場。話を聞くと、Yは食後にコンツェルトハウスに行ってみたがチケットが売り切れで結局コンサートは聴けなかったらしい。その辺のカフェで時間をつぶしていたようだ。それにしても夜行列車出発まであと1時間もある。ちょっと暇だなぁ・・・しかも2人ともスーツ姿。この時間帯にウィーン西駅でこの格好でいるのはかなり目立つ。夜になると酔っ払いの集団がたむろしていて、ちょっぴり危険な匂い。2人で話していると1人の酔っ払いがうちらの前で踊りだした。何を求めているんだろうか?ブラブラ、ブラブラしてようやく列車が到着した。

荷物をコインロッカーから出して列車へ。今回はパリ~ウィーンで1回寝台列車を経験しているので、比較的スムーズに列車も発見できた。今度の車掌さんはスラリとした紳士なおじさん。部屋へ入ると例のごとく朝食用のメニュー選択表がある。明日ミュンヘンに着くのが朝の6時ぐらいなんで朝食は何時なんだろう・・・と考える。Cが車掌のところへ聞きに行くと5時20分あたりに運んでくるとのこと。キェ~~こりゃ5時起きだ。というわけで早めに寝なくては。

今日は1日中スーツ姿で動き回っていたので、なかなか疲れた。といっても寝台列車の狭いスペースで着替えるわけにもいかず、スーツを脱いでシャツ1枚、パンツ1枚で寝る。はぁ、明日のミュンヘンもスーツ姿で観光か・・・

3月2日のコンサート・レポート①
ウィーン・フィル@ムジークフェライン・グロッサーザール
ベルナルド・ハイティンク(指揮)

Program
アントン・ブルックナー(1824~1896) 交響曲第8番ハ短調 WAB108

ず~~~~っと聴きたい、聴きたいと思っていたウィーン・フィル!しかも曲がブルックナー!!しかもしかも交響曲第8番!!!トリプルで嬉しい

残念ながら席はオーケストラの真後ろの2F(2Fの第4列目ぐらいであり、席が傾斜していないのでオーケストラが見えなかった・・・(泣))ハイティンクといえばフィリップスからブルックナー交響曲第8番を出している。試聴コーナーで聴いたときに、その端正な音楽づくりが気に入っていたので、どのような演奏をするのかワクワクしていた。

さて、演奏が始まった。なんでこんなにトロけるような音が出てくるんだろう。昨日のウィーン放送響の響きとは、まるで別のホールにいるような雰囲気になる。音楽に浸る、とはまさにこういうことを言うんだろうな。ブルックナーの演奏というよりも、マーラーかな?、と思うような曲作りであったが、こういうブルックナーもありだなと思った。コンサート後、1~2名ほどブーイングをしていたが、拍手の方が圧倒的(でも悪いものは悪いと言えること土壌が素晴らしいと思った)。ウィーン・フィルを生で、しかもブルックナー交響曲第8番を聴いたので、大満足♪

3月2日のコンサート・レポート②
N.T.O@ムジークフェライン・グロッサーザールカルロス・カルマー(指揮)、シャロン・カム(クラリネット)

Program
アーロン・コープランド(1900~1990) ハープおよびピアノを用いたクラリネット協奏曲
アルティエ・シャウ(1910~) クラリネット協奏曲
ジョージ・ガーシュイン(1898~1937) パリのアメリカ人
レナード・バーンスタイン(1918~1990) ウェストサイド物語-シンフォニック・ダンス-

ムジークフェライン3回目。このコンサートは管理人N一人で聴きに来た。アメリカ作曲家ばかりを取り上げたプログラム。指揮者のカルロス・カルマーの服装もアメリカを意識した、ちょっとクラシック音楽の指揮者らしからぬ格好だった。良かったのは2曲目と4曲目。2曲目はジャズを取り入れたクラリネット協奏曲で、所々トランペットが立ち上がりトランペットを左右に振るアクション。クラリネットのシャロン・カムもノリノリだった。おそらく生で初めて聴いたクラリネット協奏曲だったと思うが、非常に良かった。4曲目は言わずと知れたバーンスタインの名曲。ウィーン・フィルとは違い、まだ若い音楽家ばかりを集めたオーケストラであるからか、深みはないが、ノリが良い。今回のようなプログラムでは響きが豊潤なウィーン・フィルよりもこのオケの方が合っているな、と思った。

3/3-ドイツ入国-ミュンヘン

2回目の寝台列車。しかも今回はウィーン~ミュンヘン間と距離が近いために、朝食が午前5時というハード・スケジュール。

眠い目をこすりながら5時に起床。というか、Cは起きれずYに起こされた形。また再びスーツをまとう。しばらくすると、車掌のおじさんが朝食を運んできてくれた。今回の朝食はいたって普通。前回のパリ~ウィーン間のように変なまずいパンは出てこなかった。外はまだ暗い。そりゃそうだ、まだ午前6時にもなっていない。日が昇り始める時間だ。

ヨーロッパの列車は5~10分ぐらいは遅れるのが常なのに、今回は5分ほど早めにミュンヘン中央駅へ到着。ゆっくりと荷仕度をしていたらホームにいた係員の人に早く出ろとせかされた。

いや~、さすがに人が少ない。しかも結構寒い。6時のミュンヘンで何をしろというのだろう・・・・しかもスーツ姿。

Yはとりあえずホテルへ行って、大荷物を預けることを主張。確かにこのまま大荷物を持ってミュンヘン観光をするわけにはいかない。幸いにもホテルは中央駅のすぐそば、徒歩5分。ホテルへ向かう。早朝なので町の危険度チェックも出来ない。酔っ払いもいなければ、日曜日なので一般の人もいない。

ホテルに着いた。フロントのお兄さんはなかなか感じがよい。まだ部屋は空いていないので、チェックインは出来ないが、大荷物は預かってくれると言う。「良ければ朝食を食べていかないか」と誘ってくれた。いや~、気持ちは嬉しいが寝台列車の中で食べてきたので・・・というと、「じゃあ、コーヒーだけでも」と言ってくれたので、お言葉に甘えることに。早朝の寒いミュンヘンを歩いてきたので、温かいコーヒーはおいしかった。さて、一服もしたことだし、観光に出かけるか。ただいまの時刻午前7時。

フロントで地図をもらって観光開始。まずは地下鉄の駅に行き、1日乗車券を購入(4.5ユーロ)。町の中心街であるカールスプラッツ駅へ.ミュンヘンもウィーンと同様に改札という概念はない。切符を買い、1日乗車券なら乗り始めの時に刻印機で、使い始めの時間を刻印する。電車も似た感じで、それほど汚くない。

カールスプラッツに着き、地上に上がった。町の中心街という割にはこじんまりしている。店も開いていないし・・・あっ、とノイハウザー通り(ミュンヘンの大通りで歩行者天国)の方を見ると、通りの入り口にマクドナルド。やはりどこにでもあるものだ。しかも、ここのマクドナルドは看板が6ヶ国語ぐらい書かれている。アラビア語もあればロシア語もある。ミュンヘンが国際的な都市であることを感じた。

バイエルン国立歌劇場

とりあえず店が開いていないので、ここにいてもしょうがない。ガスタイク(ミュンヘン・フィルの本拠地)に行こう、とトラム(路面電車)に乗る。朝だからトラムもなかなか来ない。やっと来た。乗ったら乗客はうちらを含めて数名。トラムに乗って中央駅から離れる方向、つまりイザール川方面へ向かっていくとバイエルン国立歌劇場があった。なるほど華麗な建物だ。それを過ぎてイザール川を渡り、マックス・ウェーバー・プラッツで下車。マックス・ウェーバーと言えば『プロ倫』の著者にして、有名な社会学者。そんな有名人の名前が路面電車の駅名になっているとは・・・

ガスタイク

マックス・ウェーバー・プラッツからガスタイクへ行くには、イザール川沿いに歩いていかなければならない。トコトコ歩いていくと、教会発見。聖ヨハン・バプティストという名前の教会だった。さらにトコトコと住宅街を歩いていく。しばらくして煉瓦造りの現代的な建物が見えてきた。これがガスタイクか、と思ってみたがどこが入り口か分からない。入り口らしきところがある、脇には案内所がある。ここで今日のコンサートについて聞こうと、勇気を出してガスタイクへ。案内所にいたお姉さんに聞くと、ここはコンサートを行うフィルハーモニーの入り口ではないらしい。あちらの方へ行くと入り口があるわよ、と教えてくれた。教えてくれた方向へ行くと、確かにあったフィルハーモニー。でもまだ8時過ぎ。誰もいないし、当日券売り場も開いていない。今日のミュンヘン・フィルのコンサートは日曜日なので11時から。ということは当日券売り場は10時には開く。まだ2時間弱もある。とりあえずガスタイクの前で写真を撮っておく。ちなみにガスタイクとはコンサート・ホールや音楽図書館、スタジオなどがある総合的な文化センターの総称で、その中にあるフィルハーモニーがミュンヘン・フィルの本拠地。

さて時間をつぶさねば。ということで早朝ミュンヘン観光を続行。イザール川沿いに歩いていく。早朝ランニングをしている人や、サイクリングをしている人がいる。しばらくするとでかい建物が。ドイツ博物館だ。もちろん開館していない。あとで『地球の歩き方 ドイツ』で調べたところによれば、何でも実験をさせてくれるらしく、理科の大好きな人にはたまらない博物館、と書いてあった。そこを通過して、再びトラムに乗って中心街へ戻ることに。地図を見て、とりあえずゼンドリンガー門に行こうと決定。このゼンドリンガー門、なぜか『地球の歩き方 ヨーロッパ』には載っているのに『地球の歩き方 ドイツ』には載っていない。そんなにたいした門ではないのか?

ゼンドリンガー門

ゼンドリンガー門についてみたら、写真に写っているように昔の城砦の一部をそのまま残したような門だった。どういう由来を持つのかは分からなかった。ゼンドリンガー門を通り抜けて、商店街をどんどん進んでいくと町の中心部マリエン広場に着く。それにしてもミュンヘンは教会が多い、ということはイコール時計が多い。教会には時計がついているので、定時になるといっせいに町のいたるところから鐘の音が聞こえてくる。ミュンヘンでは時計に困ることはない。マリエン広場に着くと目の前に綺麗な建物が。それはネオ・ゴシック様式で建てられた新市庁舎。ドイツ最大の仕掛け時計で有名らしいが、その仕掛けを見ることは出来なかった。近くにフラウエン教会がある。2つの塔を持つ美しい教会。中に入ろうと試みるも、入り口らしきところを発見できずに断念。

フラウエン教会

この時間になると次第に人も増えてきた。どこぞの日本の高校の修学旅行で来ているのか、若い4~5名ぐらいのグループがちらほら観察される。さ~て、そろそろ10時になるのでガスタイクへ戻ろうか。

ガスタイク・フィルハーモニーに着くと、既にチケット売り場には何名か並んでいた。中には日本人女性らしき人もいる。ミュンヘン在住かな~と勝手に想像。チケットはまたもや学生割引により約10ユーロ。しかもなかなか良い席だ。まだ開演には1時間弱じかんがあるので、クロークにコートを預けてガスタイク内を探検。といっても探検するほどの広さではないが、階段のところにチェリビダッケの銅像を発見。やはりチェリはミュンヘン・フィルにとって偉大な人であるようだ。時間になり、会場内へ足を踏み入れると・・・近代的なホールが目の前に。壁や反響板は全て木製。席の配置はベルリンのフィルハーモニーと似ており、どこからでもステージが見やすい配置となっている。さて、音響はどうなんだろうと楽しみにコンサート開始を待つ。

今日のコンサートはアーサー・フィッシュ指揮で、チャイコフスキーの幻想曲「フランチェスカ・ダ・リニミ」とラフマニノフのリストの主題による狂詩曲、ニールセンの交響曲第5番。コンサート開始。まずはチューニング。長~いチューニング。しかもまだやるか!というぐらいしつこくチューニング。これもチェリビダッケの薫陶なのかな。音響は・・・すごい、デッドだ。こりゃNHKホールもビックリ。全然響かない。その代わりにオーケストラの音が塊として耳に届く。しかも不思議に個々の楽器の音も聴こえてくる。Yとホールの音響について話し、音響のデッドなホールを作ろうとしたのではなく、むしろこういう音の響きを目指してホール作りをしたのかねぇということで落ち着く。ムジークフェラインで素晴らしい音響効果を体験したあとだけに、ガスタイクのデッドな響きが印象的。

コンサートは12時過ぎに終了。さてお昼ご飯。といってもガスタイクの近くに店はあまりないので、中心街へ戻ることに。トラムに乗って中心街へ。さすがにマックは嫌だね、ということでビルの中にあるイタリア料理を食べることに。久しぶりにスパゲッティが食べたくなった。味はなかなか。ウェイトレスのおばさんも愛嬌がある。「コーヒーをお願い」と言ったら、「コーヒーといっても色々種類があるけど・・・あれこれ」と身振り手振りを交えながら話す。Cはカフェラテを頼む。なかなかおいしいカフェラテであった。スパゲッティはお腹が空いていたので、ガッツリと腹にたまりそうなカルボナーラ。これもなかなかおいしい。

食後、ホテルに戻りチェックイン。部屋はなかなか広め。今日あたり、そろそろ洗濯しないと下着が足りなくなってくる・・・ということで夜、洗濯をすることに決定。さて、観光再開。Yが言っていたBMW博物館に行くことに。ところがこのBMW博物館、少し中心街から遠い。しかも開館時間を見たところ17:00まで、と書いてある。そんなに時間がない。ということで急いで地下鉄に乗ってBMW博物館へ向かう。

カールス・プラッツ駅まで出て、そこから地下鉄U3に乗り終点のOlympiazentrum(オリンピアツェントルム駅)まで行く。その駅から徒歩5分程度。ちなみにこのオリンピアツェントルム駅の近くには、1972年に開催されたミュンヘン・オリンピックの会場跡オリンピック公園がある(こっちには行かなかったが)。

BMW本社ビル

オリンピアツェントルム駅から出ると、いきなり目の前にBMW本社および工場が目に入る。このBMW本社ビル、通称4気筒といって確かに4気筒エンジンの形になっている。とりあえず開館時間には間に合った。でも博物館を見る時間は1時間くらいしかない。入場料は学生2ユーロ。この博物館の内部はらせん構造になっていて、1階から4階まで歩いて昇っていき、車やエンジン、ポスターなどが年代ごとに展示されている。入り口でヘッドフォンを受け取ったが、このヘッドフォンが全然役に立たない。シェーンブルン宮殿の音声ガイドはなかなか良かったのに、BMW博物館のヘッドフォンは接触不良。世界のBMWなんだから、もう少しちゃんとして欲しいものだ。このBMW博物館、見終わっての感想。「車好きには良いが、それほど興味のない人にはあまり面白くない」。CもYも車は好きだが、あくまで車の内部構造等に興味があるのではなく、車を運転する対象として好きなだけ。そういう人にはあまり面白いとは言えない。

いまいち不完全燃焼のままBMW博物館を後にする。オリンピック公園も「ただの公園だろう」ということで、行かなかった。

さてミュンヘン市街へ戻ってきて、今晩の夕食について検討。今日はコンサートを午前中に聴き終えているので、夜は時間をフルに使える。それならば、ビアホールに行こう!と、ビアホールを求めてノイハウザー通りへ。何軒か店を見ていき、この店が良さそうだということで扉を開くと・・・中に日本人観光客2名(女性)。しかも手には『地球の歩き方』・・・コラコラ、店の中に入ってまで『地球の歩き方』を持って読む必要ないだろ{^^;}

その日本人2人組が前で待機しているので、CとYも進めない。このままで埒があかないので、強行突破。店の中へ入り、おじさんに「食事したいんだけど・・・」と英語で話し掛けると、そこの席につけ、とあごでしゃくって合図。なかなか怖そうなおじさんだ。この店の看板おじさんという感じが滲んでいる。テーブルについたは良いが、メニューも何もない。ビールの種類も分からないので、メニューとドリンク・メニューを持ってきてもらった。

まぁミュンヘンだからビールはおいしいだろう、という先入観のもとCはWeiβ Bier(ヴァイス・ビール)を頼む。食べ物はソーセージの盛り合わせと、サラダを2つ。そのうち1つはキャベツの酢漬けで、これはミュンヘン名物。しかも値段も1.5ユーロとめちゃくちゃ安い。ビールが来た。すごい長細いグラスだ。一口飲んで・・・うまい!すごい滑らかな舌触り。日本にはないビールだ。Yの頼んだビールもおいしいようだ(Yが何を頼んだか忘れてしまった)。しかもソーセージもおいしいし、酢漬けのキャベツもなかなかあなどれない。ビールがどんどん進む。このビア・ホール(名前は忘れてしまったが)、なかなか大きくて流しもいる。CとYが座ったのは店の入り口から伸びている通路の席。ここはどうやら常連さんの席らしくて、観光客とかは中のほうの席に座っている。ちなみに奥の席では流しがしきりにギターで伴奏をして歌っている。日本の歌も何曲か歌っていた。日本人観光客が他にもいたんだろうか。うちらの隣を見ると、真っ赤な顔をしたおじさんが2人。先ほどから動いていないようだが・・・ただ酔っているだけなのか?そこへ、もう1人のおじさん登場。何やら赤ら顔のおじさんに説教を始めた。机を平手でバンと叩いたので、ビックリ。別に喧嘩をしているわけではなさそうだ。それにしても、ドイツ人はビールをやたら消費するので、酒には強いと思っていたが、それは大きな誤り。弱い人はどこの国でも弱い!Yと至った結論である。その後、Cはピルス・ビールともう1杯、頼んで合計3杯。Yは2杯。Yはすぐに顔に出る方なので、もう赤ら顔になっている。こんな状態で夜、洗濯できるのだろうか・・・

大満足でビアホールを後にする。ホテルに帰ってきた後、テレビを何気なく見ているとM-TVという音楽紹介番組があった。日本でいうミュージックステーションのようなものではなく、プロモーション・ビデオをひたすら流しつづけている番組。そこへ指揮者のズービン・メータによく似たおじさん登場。もちろん歌手、といってもちょっと年を食っているが。その歌のタイトルが良い。「SEX BOMB」。またプロモーション・ビデオが良い。1つだけ言っておくと、決して怪しい番組ではなく普通の音楽番組。ちょっとプロモーション・ビデオがいやらしいかな、というぐらい。2人とも酔っているので、このプロモーション・ビデオに大ハマリ。旅行に来て、初めて抱腹絶倒。

余韻の冷めぬまま、風呂に入り、洗濯。自分の手で洗濯するなんて何年ぶりだろう。しかも手揉み洗い・・・洗ったのは良いが、干すところがない。仕方なく、ベランダおよびクロークの中に干す。明日、部屋の清掃に来た人ビックリするだろうなぁ・・・なんて思いながら就寝。

3月3日のコンサート・レポート
ミュンヘン・フィル、ガスタイクアッサー・フィッシュ(指揮)、アレクサンダー・ギィンディン(ピアノ)

Program
チャイコフスキー(1840~1893) 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 Op.32
セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943) パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
カール・ニールセン(1865~1931) 交響曲第5番 Op.50

チェリビダッケが鍛え上げたミュンヘン・フィル。また音響がデッドで有名なガスタイク。まずビックリしたのはチューニングを何回もやること。確か4回ぐらいやった。これもチェリビダッケの影響なんだろうか・・・演奏が始まり、音響がデッドなことを痛感した。反響はほぼなく、ステージの音が直接耳に届くだけ。NHKホールも音響が良くないが、それと同じぐらい(でもガスタイクはわざと音響をデッドにした気がする)。演奏は全体として可もなく、不可もなく。2曲目のピアニスト・ギィンディンがアンコールを2曲もやってくれたこと、とチューニングの長さが印象に残った(コンサート評じゃないですね・・・)。

☆参考URL
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ガスタイク

3/4-モーツァルトの生地・ザルツブルグ-ミュンヘン~ザルツブルグ~ミュンヘン

Cが寝相が悪く、寝言が多いことは前に触れた。この日の朝、Yが「Cさん、寝ているときに"負けたの~?"って言ってましたよ。何に負けたんですか?」と言われた。どうやらCは夢の中で何かに負けたらしい。まったく夢の内容を覚えていないので、分からない。そうか・・・負けたのか・・・

今日は予定ではザルツブルグ観光に出かける日。Yと相談してザルツブルグに行くか、それとも旅行に来てゆっくり休憩がなかったので、ホテルでゴロゴロしているか、と悩んだ末・・・体に鞭打ちザルツブルグへ行くことに決定。朝食を取った後、ミュンヘン中央駅へ行き、初めてICE(Inter City Express -都市間超特急-)に乗る。ICEは日本の新幹線のような感じ。列車の内部は新幹線よりも広い、といっても乗ったのが1等車だからかもしれない(CとYは1等のユーレイルパスを持っていたので、ほとんどの列車は1等に乗ることが出来た)。

おとといはパリからドイツを経由してウィーンへ。その間、深夜にザルツブルグも通過している。そして昨日はウィーンからミュンヘンへ。このときも深夜にザルツブルグを通過している。ザルツブルグは通算3回通ったことになる。3回目にして初めて下車。

車窓

ミュンヘンからしばらくすると、のどかな田園風景。いくつか町を通過していくが、かならず町ごとに大きな教会がある。日本にも神社や寺があちこちにあるが、町1つに教会1つ、しかも町の中央に目立つ形で建っているのには驚いた。写真はICEの中から見える風景を撮ったものだが、窓に心霊写真のようにCの姿が写ってしまった・・・・

ザルツブルグへ到着。思っていたよりも大きな町だった。もっとこじんまりした町だと思っていたが・・・地図を片手に歩き出す。好例の地図を見る方向が逆。いきなり反対方向に歩いていた。気を取り直して歩き出す。ちなみに、ザルツブルグの観光する場所は中央駅から少し離れたところにある。普通の観光客であればバスに乗って移動するだろう。しかしCとYは徒歩!健脚を披露、といっても誰に披露するわけでもないのだが・・・

ミラベル庭園

ザルツブルグ中央駅の前を走るライナー・ストラッセ(Rainerstraβe)をドンドン進んでいくと、まずザンクト・アンドレー教会が見える。その対面にはミラベル宮殿と保養公園。このミラベル宮殿の中へ進むと、ミラベル庭園。ここは「ドレミの歌」の舞台となったらしい。今は冬なので殺風景だったが、春・夏になればきっと花が満開で綺麗なんだろうなぁと想像する(事実、『地球の歩き方 ウィーンとオーストリア』を見ると、綺麗な庭園風景の写真が載っていた)。

続いてザルツァッハ川沿いにモーツァルテウム、州立劇場へと向かう。ザルツァッハ川沿いの風景は絶品。川の流れも穏やかで、その川の対岸には教会が・・・ため息の出そうな良い眺め。しばらく歩くと、モーツァルテウムが。これが・・・と思うぐらい小さな劇場だった。少しガッカリ。そしてホンの少し歩いたところに州立劇場も。こちらも・・・小さい。ガッカリ。

州立劇場はマルカト広場の入り口にある。マルカト広場には三位一体教会やモーツァルトの家がある。さっそくモーツァルトの家へ。ちなみにモーツァルトの生家はザルツァッハ川の対岸にある。このマルカト広場にあるのはモーツァルト一家が1773年から1787年まで住んでいた住居。どちらも入場料が必要だが、モーツァルトの家でセット券を購入することが出来た。値段は学生割引で7ユーロ。ここでも音声ガイド用のヘッドフォンが渡される。ちなみに日本語。日本人観光客の多さが伺える。昨日のBMW博物館の例があったので、ヘッドフォンにあまり良い印象をもっていなかったが・・・やはり。ここの音声ガイドもなかなか音声が入りづらい。どうやら音声がよく入る方向があるらしく、ちょっとでも頭の方向を変えると音声が途絶えてしまう。もう少し何とかならないものか・・・でも展示品などについては、非常に興味深く見ることが出来た。モーツァルトの使っていたピアノ。よく知られた肖像画。自筆譜など。あとモーツァルトの生涯について簡単にまとめたビデオ上映を見ることが出来たが、非常に分かりやすくて良かった。続いてモーツァルトの生家へ。ザルツァッハ川を渡り、対岸の大通りゲトライデガッセ(Getreidegasse)沿いにあるが、入り口が分かりづらい。周りのお土産屋や飲食店に飲み込まれているような形。目印は建物に"Mozart Geburtshaus"と書いてある黄色(黄土色というべきか)の建物で、オーストリアの国旗(赤・白・赤)が垂れ下がっていること。ここはモーツァルトの生家であると同時に、中世の一般的な家庭がどういうところで暮らしていたかも分かる。展示品はモーツァルトの使ったヴァイオリン、自筆譜など色々あるが、ちょっと期待はずれ。モーツァルトの家の方が楽しかった。

さて続いては音楽祭会場(フェストシュピールハウス)でも見に行くか、と歩き出す。まぁランチ・タイムも近いことだし、昼飯を食べるところも探しながら。さて歩いていって着いたところはレジデンツ広場。観光用の馬車が並んでいる。山の方を見ると山のうえにホーエンザルツブルグ城砦が見える。ランチ、ランチ♪と探したところ、中華料理屋発見。久しぶりだし、中華も良いか。しかもランチメニューがある、よし決定。中に入るとあんまり客がいない。でも入ってしまった、ランチメニューを頼む。飲み物には、Yはお茶、Cはザルツブルグ・ビールを頼む。ビールが来たが、生ぬるい!これがザルツブルグ・ビールの飲み方なのか知らないが、これじゃおいしくない。ガマンして飲む。さてランチが来た。Yは野菜炒め、Cは白身魚のあんかけを頼む。ご飯は2人で1つの皿で盛ってきた。このご飯が・・・・マズイ・・・一応、米どころのN県生まれのCにとって、この米のまずさは耐えられない。が、食べないとお腹が空くので、あんかけをご飯に絡めて食べる。まぁ絡めれば、それなりにいける。それにしても不味かった。Y曰く、「パリ~ウィーン間で出たパンの方がまずい」。がCにとれば、こちらのご飯の方が不味かった。

食後、レジデンツ広場から大聖堂を横目にキャピテル・プラッツ(Kapitelplatz)に出ると、おおっとチェスだ。しかもでかい。縦横5メートルぐらいの盤があって、その上を人間が大きな駒を持ってチェスを打っている。ギャラリーも結構いた。しかしCとY、チェスを知らない。のでどちらが優勢なのか全く分からない・・・しばらくキャピテル・プラッツでブラブラしていると、バックパッカーと思しきお兄さんが「郵便局がどこにあるか知りませんか?」と聞いてきた。残念ながらザルツブルグに来たのが初めてなので分からない、と回答。それにしても観光客と見えるCに郵便局の位置を聞いたのはなぜだったのか・・・?さて音楽祭会場は・・・と探してドームプラッツ(Domplatz)に行くと何かCM撮影らしい。人だかりができている。オーストリア(またはドイツ)では有名人なのかなぁ~と思ってみているも、撮影は進まず脇を通り抜けていく。大聖堂を背に進んでいくと、通りに・・・・大きなウンコが。どうやら馬のウンコのようだ。それにしても通りのど真ん中にするこたぁないだろ。。。。

音楽祭会場(フェストシュピールハウス)は、大聖堂からすぐそば。でも予想していたよりもあっさりとした建物で拍子抜けした。ちなみにザルツブルグ音楽祭は毎年7月下旬から8月いっぱいにかけて行われる。ちなみに、20世紀の大指揮者であるヘルベルト・フォン・カラヤンはこのザルツブルグ生まれ(1908年)で、1989年ザルツブルグの自宅で亡くなっている。

さて、そろそろ時間もなくなってきたことだ。最後に「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となり、マリアがいたノンベルク修道院でも見ることにする。しかし、地図を頼りに行けども行けどもノンベルク修道院は見えてこない。よく地図を見たらキャピテル・プラッツのところから山の方へ伸びている道から行くとのこと。電車の時間が迫ってきたので、ノンベルク修道院に行くのは断念。まぁ、またの機会に。ちなみに『地球の歩き方 ヨーロッパ』によれば、このノンベルク修道院を起点にして、ザンクト・ペーター教会といった映画の舞台へ行くことが出来るようだ。今度行く機会があったら、是非とも行きたいものだ。

帰りも電車の時間が迫っているが、徒歩で頑張る。結局、電車到着の15分前ぐらいに駅に到着。ウィーンにいた際、オーストリアのタバコを買い忘れていたので、駅の売店で「オーストリアの一般的なタバコはありますか?」と懸命にドイツ語で聞いたところ、3種類ぐらい挙げられて、分からなかったので「それ」と指差して買った。買ってはみたものの・・・何と巻きタバコ用の葉だ。こりゃ、タバコを巻く紙がなければ吸えないではないか・・・

ミュンヘン中央駅到着後、2人でそれぞれ個別行動をして、後で中央駅で待ち合わせることに。Cはバイエルン国立歌劇場の近くにあった葉巻ショップで、お土産用の葉巻を購入しに行く。ウィンドウを眺めながらどれにしようか、どれにしようかと迷っていたが結局買わずに、バイエルン国立歌劇場のチケット売り場へ行って今日のコンサートについて聞いてみることに。チケット売り場のおばさんは野村沙千代にそっくり。う~ん、メガネまで似ている・・・でも非常に親切に答えてくれた。チケットはまだあるらしい。また後で来ます、と言ってチケット売り場を後にする。時計を見ると・・・なんと待ち合わせの時間まで5分ぐらいしかない!こりゃ急いで中央駅に戻らなければ!!

結局、待ち合わせの時間に5分ほど遅刻して到着。Yは既にいた。中央駅の店で今晩の夕食を購入。今日は夜にコンサートがあるから、飲食店へは行けない。よって駅で買ったサンドウィッチとフライドポテト、ジュースで夕食。昨日との差が激しい。

食後、スーツに見をまといバイエルン国立歌劇場へ。夜になるとバイエルン国立歌劇場はライトアップされ、正面に設置されている輪が光る。『地球の歩き方 ドイツ』などの写真には輪は取り付けられていない。この輪は最近取り付けられたようだ。それにしても、何の意味が込められているんだろうか・・・

チケットはまたしても学生割引で格安で手に入った。しかも1階席、がぶりつきの最前列。こりゃメータにかぶりつきだ。ちなみにプログラムはマーラーの交響曲第9番、だけかと思っていたら現代曲をマーラーの前にやるらしい。プログラムを買ったが、バイエルン国立歌劇場のプログラムはかなり簡素。うちのサークルのプログラムよりも簡素。開演まで会場内をブラブラする。ウィーンでは小澤征爾指揮のオペラが見れなかったのでシュターツ・オーパー(国立歌劇場)には入れなかった。よって歌劇場に入るのは、ここバイエルンが初。それにしても歌劇場は派手だ!シャンデリアがまずキラキラまぶしいぐらいの光を放っている。部屋の調度品も豪華だし。有名な指揮者の銅像も何体かある。これまでバイエルン国立歌劇場の音楽監督になった人の銅像だ。ブルーノ・ワルター、カール・ベーム、ハンス・クナッパーツブッシュ、クレメンス・クラウスなど。もちろんホールの中も素晴らしい。歌劇場なのでステージを囲むように半円形の形になっている。

さてコンサート開始。1曲目。なぜかメータがマイクを持って話し始めた。もちろんドイツ語。途中で何回か笑わせるようなことを言っているようで、会場は笑いに包まれる。そこへ作曲者登場。なにやらこれから演奏する曲について解説している。それが15分程度続いただろうか。メータが、まだしゃべりたそうな作曲者にそろそろ時間、ということを告げてようやく演奏へ。さて演奏はというと、申し訳ないがああいうのをクラシック音楽と呼べるのかどうかかなり疑問。まず楽器の使い方を間違っている。詳しくは3月4日のコンサート・レポートに譲るが・・・

インタミをはさんで席へ戻ってくると、Yの隣に日本人のマダムが。「あれ、こんな人いたっけな~」と思っていたらYに話しかけている。このマダム、何とメータの追っかけ!メータが振るところにほとんど付いて行くらしい。インタミが終了して、マーラーが始まる。実は第9番は通して聴いたことがない。オケの技量は決してうまいものではないが、メータの熱い棒にこちらも乗せられる。なるほどいい曲だ、特に第4楽章は感動した。

コンサート終了後、トラムに乗って帰ろうとしたら先ほどのマダムが。そんなわけでこのマダムと中央駅まで10分ほど話すことになった。話を聞けば聞くほど、このマダムただものではない!まず、今日のこのコンサートを聴いたら明日の朝、日本に帰る。そして3日後イスラエルでメータが振るので、イスラエルに行くのだという。その間、3日間仕事をするという。一体、何の仕事をしているのか?どうやって、そんなにメータにお近づきになったのかというと、何回も何回もしつこく楽屋に行ったそうだ。そうしているうちに、メータも「君がいると調子が出る。ぜひコンサートにはいてくれ」と言うほどになったという。また、メータがミュンヘンで振るときに大病を患って、ミュンヘンの病院に入院した。この病気はかなり厄介なもので、かなり死の危険性があったらしいが、このマダムの病気を知ったメータが病院に手紙を送り、このマダム奇跡的に全開したらしい。医者は「まさに奇跡だ」と言った。う~ん、すごい。追っかけの凄まじさを知った。というより、良い勉強になった。こういう人もいるんだなぁ、という。

ザルツブルグの美しさ、バイエルン国立歌劇場の華麗さ、そしてマダムのすごさ。なかなか密度の濃い1日であった。

3月4日のコンサート・レポート
バイエルン国立管@バイエルン国立歌劇場ズービン・メータ(指揮)

Program
ペーター・フライ(1964~) Two, 0 and 1
グスタフ・マーラー(1860~1911) 交響曲第9番ニ長調

学生席で取ったら、ガブリ寄りの桟敷席、ではなく1列目。メータが目の前。1曲目は分けの分からない現代音楽。バイオリンを琴のように弾いていた。作曲家の意図が読めない・・・2曲目はマーラーの交響曲第9番。国立歌劇場オーケストラということで、オケの技量はそれほどでもないが、メータの熱血指揮にグイグイと引っ張られて、熱い演奏。といっても、あまりマーラーを聴かないNなので、それ以上の感想は・・・

☆参考URL
バイエルン国立管弦楽団
バイエルン国立歌劇場

3/5-都会なフランクフルト-ミュンヘン~フランクフルト

ミュンヘンはビールの都であり、バイエルン州の州都。そして人口も約13万人でベルリンやハンブルクに継ぐ大都市。次なる訪問都市はフランクフルト。ドイツの金融・商業の中心地。

普段どおりに起床し、朝食。ミュンヘンはビールもおいしかったけど、ハムもおいしかった。この朝食ともお別れか・・・と思いながら、ハムをガッツリ食べる。食後、乾いた洗濯物をたたんで、荷物整理。だんだんとコンサート・プログラムなどが増え、荷物が膨らみはじめてきた。

何とか荷物を詰めてチェック・アウト。ミュンヘンからフランクフルトまではICEに乗る。1等車に乗り込むと、前の方に4人組の日本人がいる。観光客かビジネスマンか・・・一応、格好は観光客だが・・・ミュンヘン中央駅を出発すると、この4人組買ってきたワインを取り出して、車掌さんにワイングラスを頼んでいる。良いのかなぁ~と思いつつも、自分達もジュースを買って持ち込んでいるんだから同じことかな、と思った。ミュンヘンを出発してから、Yはすぐに寝る。Cは寝ようと思うもYが寝てしまったので起きている。久しぶりに読書でも・・・と三木清の『人生論ノート』を開く。この『人生論ノート』は"・・・について"と題した小論文から構成されている。最後から2つ目の"旅について"を熟読。読みにくい文章だけど、言っていることは含蓄がある。なるほどなるほどと思いながら読み進める。ふと前の方を見ると、ドイツ人ビジネスマンのおじさんがパイプをふかしている。まるでクレンペラーが持っているようなパイプだった。いいなぁいつかはパイプの似合う男になりたいものだ、と一人想像に耽る。ミュンヘンとフランクフルトは、ICEで約3時間半。さすがに長いので、Cもいつしか眠りに落ちる。

ICE

フランクフルト中央駅に到着。ちなみにフランクフルトという都市はドイツに2つある。有名なフランクフルトは、Frankfurt am Main(フランクフルト・アム・マイン)でマイン河畔のフランクフルトで、もう1つのフランクフルトはベルリンの近く、ポーランドとの国境近くにあるFrankfurt an der Oder(フランクフルト・アン・デル・オーデル)でオーデル河畔のフランクフルト。今回訪れたのは、もちろんマイン河畔のフランクフルトの方。

フランクフルトのホテルから

フランクフルトのホテルは駅から60mのところで近い。ICEから降りて中央駅構内を歩いていると、ミュンヘンとは違って様々な人種がいることに気づく。ドイツで1番大きな空港がフランクフルトにあるからだろう。あと駅の周りには失業者らしき人がウロウロしていた。駅から道路へ出ると、いきなり小銭を両替してくれと言うおばさん。もちろん無視したが、もしもこれに応じると人の財布に手を突っ込んで小銭を持っていってしまうらしい(『地球の歩き方』に書いてあった話)。パリで痛い目にあっているので、こういう人は平気で無視できるようになっている。

さてホテルは、と探すまでもなく駅から出たら目の前にある。どうやらビジネスマンのお客が多いようだ。フロントにはスーツを着た人が数名いる。チェックインして部屋は・・・至って普通。ホテルのベランダからフランクフルトの町並みを見ると写真のような感じ。手前側が中央駅で、奥の方が新市街。ビルが林立している。駅前のうっそうとした暗い感じの町と、この新市街の綺麗な町。相反する町がくっついている、フランクフルトはこんな印象を持った。

さ~て観光に出かけるk、といってもフランクフルトはそれほど観光するところはない。まずはアルテ・オパー(アルテはドイツ語で"年老いた、古い"という意味なので、アルテ・オパーは"旧歌劇場"という意味)へ。中央駅の地下鉄へ行き、まずは1日乗車券を購入(4.35ユーロ)。ちなみに今日はアルテ・オパーでピアニスト・ポリーニのピアノ・リサイタルがある。ピアノをやっているYはぜひ聴きたいようだ。アルテ・オパーにつくと、なるほどなかなか旧歌劇場という名前にふさわしく美しい建物。『地球の歩き方 ドイツ』によれば、このホールはコンサートホールでオペラはもっぱらマイン川近くにあるシャウシュピールハウスでやっているらしい。また第2二次世界大戦中に破壊され、戦争後市民の献金等で再建されて現在の建物になっている。建物のモデルはパリのオペラ座(オペラ・ガルニエ)。チケット売り場でポリーニのチケットについて聞いたら「売り切れ」。Yは諦めきれず、夜にダフ屋を探して買うつもりらしい。

アルテ・オパーからビル群の方へ向かって歩いていく。ビル群を抜けると歩行者天国のツァイル(Zeil)に出た。ウィークデイ(火曜日)だというのに、人通りが多い。ツァイルにはデパートやマクドナルド、そしてHMVなどがあった。HMVに入りクラシック音楽フロアーへ行って見たが、値段は日本とそれほど変わらない。

マイン川

一応、ツァイルを一通り見た後に脇道へ入って、マイン川へ。マイン川はフランクフルトの西30キロほどのマインツあたりでライン川と合流する。川岸を歩いていると、古いドイツの町を歩いている気になるが、ふと町の方を見ると巨大ビル群。なんとも対照的な風景だ。マイン川を下っていき、次なる目的地はシャウシュピールハウス。すぐに見つかったが、これはアルテ・オパーと違って近代的な建物。オペラだけでなく、バレエの上演もさかんにされている。シャウシュピールハウスの対面には欧州統合通貨ユーロを統括する欧州中央銀行があった。その中央銀行の前の広場にはでかいユーロ・マークのモニュメントが建っている。これだけでもヨーロッパ一の金融都市フランクフルトを実感できる。

さて、そろそろ昼飯を食べなくては。フランクフルトのメインストリート・カイザー通りの1つ脇の通り(Taunusstraβe)にあるイタリア料理屋ヘ。普通のピザではつまらないので、Cはハワイ・ピザを注文。出てきたのはピザにパイナップルの切り身を乗せたものだった。味は悪くない、値段も結構リーズナブルだし。

食後、1回ホテルに戻る。そろそろインターネット・カフェでも行きたいなぁ、と思っていたところ。このホテルではインターネットが出来る、とテレビの案内に書いてある。"詳細はフロントまで"と書いてあるので、フロントまで聞きにいったが、フロントの対応は冷たい。でも分かったことは、部屋に設置してあるテレビではインターネットはできないということ。しょうがない、さっきツァイルで見つけたインターネット・カフェでも行くか、と決心。

再び行動開始。Yはアルテ・オパーに行くのでスーツに。Cは今晩のコンサートは行かないことにしていたので、そのままの格好。まずはツァイルへ行き、夕食。夕食といっても昼食のピザを午後3時ごろ食べていたので、軽めの夕食。ドイツでよく見かけるファースト・フード店NORDSEE(ノルトゼー)に入ることに。Cはここでフィッシュ &チップスを注文。イギリスでは食べなかったので、ここでイギリス気分を味わう。このNORDSEEという店、ドイツ各地にある魚料理のチェーン店で『地球の歩き方』にはテイクアウトも出来る、セルフレストランとあったが、うちらが入ったのは完全にファースト・フード形式の店だった。

食後、Yはアルテ・オパーへ、Cはインターネットカフェへ。インターネットを1時間弱やって、ホテルへ戻る。まだYは戻っていない。さ~て、テレビでも見るか、と思ったがそろそろHなビデオでも見たい時期に差し掛かってきた。このホテル有料チャンネルがある(11ユーロ)。これは見るしかない、と見始めて数分もしないうちにYが帰ってきた。Yの話によれば、ダフ屋もいなかったらしい、完全な敗北。またアルテ・オパーの前で乞食にお金をせびられたが、その乞食が非常に礼儀正しく、「お金をくれませんか?」と英語でYに話したところ、「私は貧乏な日本の学生なんで、あげるお金はありません」と答えた。すると、その乞食は「どうもありがとうございました」と礼儀正しく、礼までしたらしい。う~ん、そんだけ礼儀正しく乞食が出来るのなら、仕事も出来るんじゃないかな~とYと頭をひねる。

結局、この日はコンサートがなく有料チャンネル(ヨーロッパではBLUE MOVIEという)を楽しんで寝た。

3/6-城下町ハイデルベルグ-フランクフルト~ハイデルベルグ~フランクフルト

ハイデルベルグ。確か記憶によれば浦沢直樹氏の『モンスター』で始めに登場する舞台がハイデルベルグの古城だった気がする。そのハイデルベルグは、フランクフルトから急行で1時間弱。ザルツブルグも綺麗だったが、このハイデルベルグもザルツブルグに負けず劣らず綺麗だった。

7時半に起床し、朝食へ。このホテルの朝食は全体的に塩辛い。ハムにしてもソーセージにしても全部しょっぱい。それに朝食時に気づいたが、このホテル結構日本人も多く泊まっている。ビジネスマン風の人もいるし、夫婦(あるいはカップル)もいる。今晩は夜行列車でチェコのプラハへ行くので、荷物をまとめる。

ドイツ国鉄(D-Bahn:ディー・バーン)

朝食後、フランクフルト中央駅から急行(IC)に乗ってハイデルベルグへ向かう。ICEを除き、ドイツの列車は電気機関車が客車を引っ張っている(写真参照)。赤い車両がドイツ国鉄(D-Bahn:ディー・バーン)の目印。

ハイデルベルグ駅は、予想通りの小さな田舎の駅といった感じ。駅からはハイデルベルグ城は見ることは出来ない。駅前のインフォメーションで地図をゲットし、さっそく歩き出す。ここでも普通の観光客ならハイデルベルグ城のふもとまでバスやトラムで行くだろう。しかし、2人は健脚を披露する。が、ここはちょっと遠かった。駅から伸びる通りをずーーーーーっと歩いていき、ビスマルク広場に出たら、そこからハウプト通りをずーーーーっと歩いていくとハイデルベルグ城に着くのだが・・・・CとY、どこで道を間違ったか、1つ脇の道をひたすら歩く。歩いていくと途中で日曜大工屋(ダイクマやビバホームのような店)を発見。そうそうバッグに取り付ける南京錠もう1つ欲しいんだよね、とYと話していると、Yが南京錠らしきものを店内に見つけたようだ。そこで南京錠を求めて、店に入る。

ハイデルベルグの雑貨屋さん

入ってみたが、なかなか見つからない・・・・店内を彷徨うこと30分ほど。ようやく発見。2人で一番安い南京錠(5ユーロ)を購入。ハイデルベルグまで来て、なぜ南京錠と自ら疑問を感じつつもハイデルベルグ城目指し、再び出発。

ハイデルベルグ城目指して

歩けども歩けども城は見えない。しかも観光客の姿もない。これは道を間違えているな、と感じつつも地図で見ると、自分達が進んでいる方向からも行けるので、地図を信じて進んでいく。石畳の坂道(写真)を上っていくと、ケーブルカーの駅(シュロス駅)が見えてきた。駅にインフォメーションも併設されているが、冬季は休業・・・ここでちょっと休憩と思ったら・・・

ハイデルベルグ城からの眺め

もう眼前にはハイデルベルグ城がある。ハイデルベルグ城はあちらこちら破損しているが、それがより一層、城の持っている神秘的な雰囲気を引き立てている。これまで見てきた建築物や美術館は立派な建物であったが、ハイデルベルグ城は壊れているところで、より一層の情緒が醸し出されている。完成当初はすごい立派な城だったことが容易に想像できる。ハイデルベルグ城からの眺めが、また素晴らしい。ネッカー川とそれに架かる橋。絵になる。

城の内部へ入るには1ユーロ。せっかくだから、と入ってみる。さらに城の中に入るためには、さらにガイドツアーに参加しなければならないので、こちらはパス。城に入ってテラスに出る。このテラスからの眺めも絶品。城の中には土産物屋と、あとはワインの大樽があるぐらい。城の雰囲気を満喫して、ハイデルベルグ城を後にする。

次はハイデルベルグ城の全体を写真に撮るために、ネッカー川岸に行くことに。正面の入り口から降りていく。この正面入り口から降りていくと、たくさんの観光客とすれ違う。やはり正規の観光ルートとはずれていたのか・・・それにしても、この坂はきつい。傾斜25度ぐらいの坂が150メートルほど続く。足の弱い人には無理だろう・・・

ネッカー川から見るハイデルベルグ城

さて山を降りてマルクト広場へ。教会の前の広場ではテントを張って野菜や果物、またジュースや軽食を売っている。それを横目に見ながら、ネッカー川に架かるカールテオドール橋(アルテ橋)へ。行ったときは修理中。でも、この橋からハイデルベルグ城を望むと・・・美しい。本当にうっとりするほど美しい(写真だとその美しさを捉えきれていないが・・・)。ネッカー川岸の散歩道にある椅子で一休み。いや~、本当によく歩いている。ネッカー川の流れを見ながら、ふと顔を上げればハイデルベルグ城。幸せなヒトトキ。

さて、帰ろう、ということになりYはバスに乗ることを主張。歩きすぎてちょっと疲れていたCも同調。バス停に行って時刻表を見ると・・・あと20分ほどバスは来ない・・・{;;}それならば、歩いた方が早い。ということで、再び歩き始める。市街地である対岸の通りを見ると頻繁にバスが来ている。どうやら、こちらの通りはバスがあまり来ない通りらしい。やられた・・・

そろそろ昼飯のことも考えなくてはいけない。かなり歩いてようやくテオドール・ホイス橋に着く。この橋を渡ってしばらく行くと、町の中心地ビスマルク広場に出る。ビスマルク広場の近くにあったスーパーに入り、飲み物でも買おうとしたが、パンとかも売っている。そこで、このスーパーで昼食を買い、電車の中で食べることに決定。Cはパンを3つほどと水にジュース、そしてアイスを買った。スーパーから出て、アイスを食べながらハウプト通りを駅へ向かって歩く。気分は完全にハイデルベルグっ子(と自分では思っていた)。

駅についたときには足はヘトヘト。ちょっとした段差でつまづいてしまうほど、足があがならくなっていた(ちなみに2つ年下のYは平気だった)。電車が来て中で昼食。パンをポロポロこぼしながら食べた。これまた乙な昼食だった。

フランクフルトに戻ってきて、フランクフルト放送響のコンサートが行われるアルテ・オパーへ。今日のコンサートはユーゲント・コンサートらしく、コンサートへ来ている人の格好な皆なフランク。うちらも今日はスーツではなく普通の格好で聴く。チケットは相変わらず安く10ユーロ弱。ホールの中に入ると、外見とは裏腹に近代的なホール。日本でいえば錦糸町の近くにあるすみだトリフォニーを髣髴とさせるつくり。今日のプログラムはマーラーの交響曲第7番、別名"夜の歌"。日本人はクラシック音楽にあだ名をつけるのが大好きだ。有名なのではベートーヴェンの交響曲第5番"運命"。この"運命"という呼び名は日本以外では使われない。ベートーヴェンの交響曲の中で名前がついているのは、第6番の"田園"と第9番の"合唱"のみ。今晩演奏されるマーラーの"夜の歌"も、第2楽章と第4楽章がNacht Musik(ナハト ムジーク、つまり夜の歌)というところからきている。

さて今晩のシェフは、フランクフルト放送響の黄金時代を築き上げたエリアフ・インバル。Yは1回NHK交響楽団に客演したときにマーラーの交響曲第2番"復活"を聴いたことがあるが、Cは初のインバル。楽屋からインバルが出てきた。予想よりも背がでかい。指揮っぷりも前にN響アワーで見たまんま。背筋をピンと伸ばして、お腹を突き出して振る。さて、演奏はというと・・・これが予想に反して下手・・・詳細は3月6日のコンサート・レポートに譲るが、この下手さには参った。まぁ後半に行けば行くほど良くなってきたのが救いだが、かつて黄金時代を築き上げた名コンビの演奏とは思えなかった。これならば昨日のメータ &バイエルン国立歌劇場管弦楽団のマーラー交響曲第9番の方が良い。

かなり不満足に会場を後にする。寝台列車の出発が午後11時27分なので、まだまだ時間はたっぷりある。まずは中心街ツァイルへ。夕食を食べようと思うが、閉店時間のことを考えマクドナルドで済ますことに。マクドナルドでCは普通にバリューセットを。Yはダブルマックバーガー2つのバリューセット。なぜかこの2つのバリューセットが同じ値段。今フランクフルトのマクドナルドではダブルマックバーガーを1つ頼むと、もう1つ付いてくるというサービス期間中。しまった、それにすれば良かった・・・マクドナルドで列に並んでいると、またおばさんが小銭を崩してくれと言ってきた。小銭は持っていない、と返答するが次第にむかつき始める。今度、そういうやつがいたら怒鳴りそうだ。それに比べて、昨日Yがアルテ・オパーの前であった乞食は礼儀正しかった。そういう人なら、考えても良いけど。とりあえず、外国に行ったらこういう風に"小銭を両替してくれ"という人は無視すべし!

食べ終わった後、通りに出るも、さすがに夜の10時を過ぎるとフランクフルトといえども人通りは少ない。インターネットカフェにより、少しインターネットをやった後にフランクフルト中央駅へ。やばいかなり時間が余っている。しかも結構冷えてきた。う~ん、暇だ。じゃ、まず体を温めようということで駅の売店でWeiβ Bier(ヴァイス・ビール)を頼む。ミュンヘンでおいしかったので、ここでも頼んでみたが、ミュンヘンで飲んだものとは少し味が違う。味自体違うのかもしれないが、ビアホールという雰囲気がより一層味を引き立てていたのかもしれない。体を温めるというより、むしろ冷たいビールを飲んで寒くなってしまった。ビールを飲みながら、駅構内の人物観察をしていると、列車が出発するまでの間みんなテレビの前に集まってニュースを見ている。このテレビ、新宿アルタや渋谷のハチ公口のところにあるような大きなテレビで、その周りに30名ほどの人が群れを成している。列車が出発すると、その群れがきれいさっぱりなくなる。

さ~て、まだ暇だ。それでは書店に入って体を温めよう。書店で立ち読みをしながら、暖房の恩恵にあずかる。あとこれから行くチェコのガイドブックがないか探してみる。というもの、Yが持って来た『地球の歩き方 ヨーロッパ』にはチェコが入っていない。どうやらチェコはヨーロッパ扱いされていないようだ(ギリシャやハンガリーは入っているのに)。でもチェコのガイドブックは見つからない。あとこちらの書店に来て気づいたこと。こちらではハリー・ポッターはあまり置いていないが、ロード・オブ・リング(指輪物語)はどこの書店でも見かける。日本でも映画が公開されたばかりだが、ロード・オブ・リングの人気の高さを思い知った。と反面、ハリー・ポッターって実はそれほど人気がないのかなぁと疑問に思った。

何とか時間をつぶしにつぶして列車が到着。今回乗る寝台列車はチェコ国鉄の寝台。大荷物をコインロッカーから出して、ガラガラと音を出しながら引っ張っていく。寝台列車は1番先頭にあった。車掌さんにチケットを見せたのだが、この車掌がドヴォルザークにそっくり。ドヴォルザークが車掌になれば、きっとこんな感じになるはずだ。2人で大ウケしながら電車に乗ると、もう1人の車掌登場。こちらが本当の車掌のようだ。こちらは夏木ゆたかに似ている。そんなくだらないことを考えながら、指定のコンパートメントへ行くと、あらら?なぜか先客が?こりゃ、おかしいぞと、Yが車掌に言いに行く。どうやら先客の人が間違っていたらしい。やっと落ち着いた。はぁ~、寒かった。

チェコ国鉄はそんなに汚くもないが、きれいとは言えない。列車の中を見ると、長い年月使ってきたことが伺える。やることがないし、あとさっき飲んだビールのおかげで眠気が・・・ということで出発してほどなく就寝。

であったが、深夜に夢の中でドアがドンドンと叩かれている。Yが声を掛けてきた。おっとこれは夢ではないらしい・・・寝ぼけ眼でドアを開けると、そこには軍服らしき制服を来た女性。あぁ、ドイツとチェコの国境なんでパスポートチェックか・・・とりあえず、チェックが完了して再び眠りに・・・・

3月6日のコンサート・レポート
フランクフルト放送響@アルテ・オパーエリアフ・インバル(指揮)

Program
グスタフ・マーラー(1860~1911) 交響曲第7番ホ単調「夜の歌」

マーラーの交響曲全集、ブルックナーの交響曲全集とリリースし、全盛期を演出した指揮者エリアフ・インバルとフランクフルト放送響の組み合わせ。しかも曲はマーラーの交響曲ということで、名演を期待したのだが・・・何とも・・・調子が悪かったのかな?始めの第1、第2楽章は崩壊するかとビクビクしながら、聴いていた。後半になるにつれて、何とか持ち直してきたが・・・やはり全盛期を演出した指揮者でもちょっと離れてしまうとダメなものなのだろうか・・・?

☆参考URL
フランクフルト放送交響楽団(現hr交響楽団)
アルテ・オパー

3/7-ビビエザビエラリィ-プラハ

タイトルのビビエザビエラリィというのは、2人が覚えた唯一のチェコ語。意味は日記を読んでいけば分かります。

プラハ中央駅に到着したのは午前8時過ぎ。いや~、深い眠りに落ちているときに無理やり起こされたことと、昨晩フランクフルト駅で飲んだビールのせいで頭が重い。さて、プラハに到着して、まずやることは・・・換金。チェコはユーロ圏内ではない。チェコ・クローネという通貨を用いている。CもYもイギリス・ポンドが余っていたので、ポンドをクローネに換金する。

そんでもって次にすることは、地下鉄の1日乗車券を購入する。チェコ語は2人とも全く知らない(当たり前か)。しかも会話集なるものも用意していない。ので、インフォメーションで1日乗車券について聞き、自動発券機で購入。値段は70クローネ。日本円にすれば400円弱ぐらいだろうか。一応、チェコではドイツ語表記(もちろん英語表記もあるところはある)もあるので、ドイツでしばらくいたので、少しは分かった。チェコの地下鉄は路線が3つしかない。そのうちのラインAの終点DEJVICKA(デヴューシカ駅)の近くに今晩泊まるホテルがある。それにしても、チェコ語全く分からず・・・車内放送もまったく分からない。ドアが閉まる直前に「・・・・ビビエザビエラリィ」と言っているのだけが聞き取れた。2人で、「おそらくドアが閉まります。ご注意ください」と言っているんだろうなぁ、と想像する。

終点に着いてツ上に出ると、目の前にホテルが。チェコ風のホテルというよりも、いわゆる普通の良いホテル。まだ朝の10時前だったが、フロントで聞いたらもう部屋は用意できるとのことなのでチェックイン。部屋に行きくつろぐ。これまでの旅の中で一番良いホテルかな。ベッドが気持ち良い。Cは朝からずっと頭が痛かったので、ベッドで横になる・・・その横でYはチェコの地図を見て観光プランを練っている。そのうち・・・・寝てしまった・・・

2時間ぐらい寝ただろうか。起きたら12時半ぐらいになっていた。あたりを見回すがYはいない。どうやら1人で観光に出かけた模様。Cもせっかくチェコまで来て、ベッドに横になっているのはもったいないので起きる。まずは地図を持ち、Yへの置き手紙を残して出発。

とりあえず今晩のアシュケナージ指揮 &チェコ・フィルのコンサート・チケットを手に入れる必要があるので、国民劇場を目指して出発。観光も兼ねるので、DEJVICKA駅から3つ目のSTAROMETSKA(スタロームスカ駅)で降りる。長~いエスカレータで地上へ出て行く途中、あれ反対側のエスカレータに乗っているのは・・・Yではないか!!観光途中のYに偶然にも、この駅で出会う。いや~、プラハは狭いな、なんて一人感じた。実はこの駅の近くにあるルドルフィウムというところが今晩のコンサート会場であったが、そんなことは露知らず、まずはヴルタヴァ川岸を歩いていく。運悪く雨が降ってきた。傘をさしながらの観光は、この旅行中初。

プラハ城

川の対岸の小高い丘にはプラハ城や聖ヴィート大聖堂が見える。それを横目に歩いていくと、立派な橋が見えてきた。カレル橋で、橋の途中に何体も銅像が飾ってある。どうやらキリスト教と関係のある銅像のようだ。また橋の上には露店がたくさん並んでいる。絵を売っている店もいれば、アクセサリーを売っている店もある。しかし雨が強くなってきたので、みんな商品にビニールをかぶせる作業で忙しそう。この橋では多くの日本人観光客とすれ違った。東欧は日本人に人気がある国のようだ。

しばらく歩いていく。まったく目的もなく裏道を歩いていく。目的といえば、最終的に国民劇場に着くこと。なんとか国民劇場に到着。ようやく雨も少しおさまってきた。さて、今晩のチケットは・・・とオフィスに置いてあるプログラムを見たが、載っていない。ここはオペラ座でコンサート会場ではないらしい。はて、それではどこでチケットを買うんだろう?と疑問に思いつつも、観光再開。今度はドヴォルザーク博物館に行こうと決めて、地図を頼りに突き進む。途中でいろんな建物があったが、チェコ語で書かれた地図のためにどういう建築物か分からない。でも、裏道を歩いてばかりいたので、プラハの町の様子を少しは知ることが出来たと思っている。チェコは民主化の前、というよりも冷戦下ではソ連の傘下であった。これまで訪問してきた都市はいずれも旧・西側諸国。初めて旧・東側諸国へ来たわけだが、まず印象として全体的に町がくすんでいる。くすんでいる、と書くと失礼だが、西欧とは異なり町全体の色が褪せている、と言った方が適切かな。どことなくレトロな感じを受けた。もちろんミュンヘンとかも似たような感じの町並みなのだが、プラハとは異なり、明るさを感じた。

結局、歩いてみたがドヴォルザーク博物館を発見できず・・・断念して、ホテルへ帰ることに。その途中、スーパーで昼食を購入。サンドウィッチに菓子パン、サラダに水を購入。結構買いすぎてしまった。

ホテルへ帰るとYがいた。Yにチケットを買えなかったことを告げると、ルドルフィウムの場所を聞かされて愕然・・・あぁ~、目の前を通っていたのに・・・Cはプラハでお土産を買おうと決めていたので、スーツに着替えてYより1歩先にホテルを出る。もう1度同じ駅STAROMETSKA(スタロームスカ駅)で降りて、ルドルフィウムに向かう。チケット・オフィスへ行くとおばさんがいる。チケットはあるかと聞くと、あるが一番高い席しかない、と言う。490クローネの席。他の席がないのでは仕方ない、と購入。ちなみに490クローネといっても日本円にすると、2000円前後。一番良い席で2000円前後である。

チケットを買ったので、あとはお土産探し。またカレル橋近くに行ってブラブラする。カレル橋の上の露店はもう店じまいの時間。しょうがない、他の通りへ行くか。カレル橋のたもとにお土産物屋通りがある。ここに行ってみるが、あまり良いのがない。今度はカレル橋近くの大通りを渡って、町の中心街へ行ってみる。ここもお土産物屋が数多く並んでいる。土産物を見ていると、ほぼボヘミアン・グラスと宝石系の2点が主流であることに気がついた。ボヘミアン・グラスは聞いたことはあるが、なぜ宝石?と不思議に思う。結局、ボヘミアン・グラスで出来た(と思われる)ネックレスを購入。

さて、お土産物も買ったし・・・とルドルフィウムに行くには時間がありすぎる。まだ開演の1時間以上前だ。またしても暇を持て余す。しょうがない、川岸でタバコでも吸っているか、と近くのベンチで腰掛けてタバコを吸うがじっとしていると寒い。それならば、と散歩を始める。ルドルフィウムからあまり離れないように、近くをぐるっと1周する。すると、川の対岸にカジノ発見。しばらく歩いていくと、ヒルトン ホテル発見。その斜め対面にもカジノがある。結構、プラハではカジノが多いようだ。Yに後で聞いた話でも、町の中心街にカジノが結構あったらしい。さ~て、1周してしまった。まだ時間がある。が、とりあえずロビーには入れるので、ロビーで時間つぶし。

Yが来た。さて、会場内に入るか、と思ったところで前に日本人男性2名がいる。その2人が入り口の係員に何か言われている。格好はいわゆる普通の旅行者の格好。周囲の人はほとんどが正装しているというのに・・・Yと一緒に眉をひそめる。

中に入ると結構日本人がいる。Yも「東欧は日本人に結構人気がありますからね」という。なるほどねぇ~。それにしてもコンサート見に来るときぐらいはちゃんと正装(までいかなくても)出来ないものか・・・Cがプログラムを買って(25クローネ)、Yもプログラムを買おうとする。これまでウィーンやドイツでやってきた方法では、プログラムを買うときにさりげなくチップも一緒に渡す。つまり25クローネだったら、30クローネ渡して「ダンケ シェーン」と言うと、5クローネはチップとしてあげるよ、ということになる。Yはこれまでと同様にチップ込みでお金を渡して、プログラムを受け取り、去ろうとしたところ・・・プログラムを売っているおばさんが、ビックリ仰天!「あなたお釣り忘れているわよ」と大急ぎでお釣りをYに渡した。チェコではチップという概念があまり浸透していないようだ。それにしてもYはプログラム売りのおばさんに悪いことをしたものだ。あんなにビックリしていたから、きっと寿命が2~3年縮んでしまっただろう・・・

ドヴォルザーク・ホールに入ると、正面のステージの上の席には、さっき入り口のところで係員の人に言われていた2人が。服装がなっていないので、強制的にあの席になったのかなぁとYと話す。でもきっとそうだろうな、というのは普通の席のほうは空きがあったから。しかも、チケットを買いに行ったときに、「もう席は一番良い席しか残っていない」と言われていたので、あのステージの上の席があるはずがない。しかもその2人組以外に客はほとんどいない。ということは、普通には解放されていない席ということ。やはり、コンサート(特にオペラ)は服装を考えていくようにしたものだ。

コンサートが始まり、アシュケナージ登場。何と!!背が小さい。思ったよりもはるかに小さい。アシュケナージってこんなにちいさかったのか・・・さて演奏はというと、さすが現在の首席指揮者アシュケナージが振るだけあってアンサンブルが強固。決してパワーがあるとはいえないが、滋味あふれる名演であった。

コンサートご夕食へ。プラハの町は危ない人も少なそうなんで、まぁ夜出歩いても大丈夫だろうということで、町の繁華街へ。歩いていると、店の前に写真入りのメニューが置いてある店発見。これならチェコ語が分からなくても、オーダーできる、とこの店に決定。入ってメニューを見て、サラダとピザ、それを2人で分けてメインディッシュはCがムール貝の焼いたもの、Yが白身魚の焼いたものをオーダー。Cは貝が大好きなんで良かったが、いかんせん貝なので量が少ない。ちょっと失敗。Yは出てきた白身魚に大満足。かなりご満悦。おそらく石鯛かなぁと予想する。Cのムール貝もなかなか。さて、食後コーヒーを頼んでお会計。領収書を持ってきてもらってビックリ!846クローネとある。2人の持っていた紙幣の合計金額が850クローネ。危ない、危ない・・・あやうくチェコで皿洗いをするところであった・・・

チェコ滞在はこの1日だけであったが、コンサートにしても食事にしてもなかなか充実したものだった。

3月7日のコンサート・レポート
チェコ・フィル@ルドルフィウム・ドヴォルザークザールウラディミール・アシュケナージ(指揮)、ラウラ・ミッコラ(ピアノ)

Program
シベリウス(1865~1957) 交響詩「エン・サガ」 Op.9
ラウタヴァーラ(1928~) ピアノ協奏曲「夢の贈り物」
シベリウス(1865~1957) 交響曲第5番変ホ長調 Op.82

まずコンサートホールに入ると、入り口で日本人らしき2人組が守衛さんに止められていた。何やら服装がちょっとラフすぎたようだ(その後、2人組はオケの背後の席に通されていた)。チェコ・フィルなのにプログラムは北欧系。まぁ指揮がアシュケナージだから。アシュケナージが出てきた・・・かなり背が低い。写真でしか見たことがなかったが、写真で見ると大きくは感じられないが、そこそこの身長(170~175cm)はあるかと思っていたのだが・・・演奏は日本で言えばNHK交響楽団のようなものか(現在のN響はこの時のチェコフィルよりもヒドイと思うが)。全体のバランスがよく、可もなく不可もない演奏。2曲目のラウタヴァーラのピアノ協奏曲はピアニスト・アシュケナージに捧げられた曲で、NAXOSからCDが出ている。そのNAXOSのCDのピアニストが今回演奏したミッコラだった。曲も現代曲といっても、それほど聴きにくくなく、一言で言えば良い曲であった。

☆参考URL
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ルドルフィヌム・ドヴォルザークザール

3/8-殺風景なドレスデン-プラハ~ドレスデン

プラハで泊まったホテルは☆☆☆☆(4つ星)だけあって、ベッドのふかふか感が非常に気持ちよかった。かなりぐっすりと眠ることが出来た。難を言えば、Cは固い枕が好きなので、このホテルのふかふか枕ではちょっと寝にくかった、ということ。

昨晩のYとのミーティングにより、今日はプラハ10:44発の列車でドレスデンへ行くということを決定していた。さて、10:44分発なので、8:00ごろ起床。朝食後、部屋で出発に備えて荷物整理。CがYに「ところで電車って、10:44発だよね」と聞いた。Yは一応確認の意味で、時刻表を取り出して見てみると・・・・なんと10:44発の列車はなかった。

なんで間違えたかというと、始めは8:44分発の列車で行こう、と話していたが、それではあまりにも早すぎるのでもう1本後の列車にしよう、と2人で話していた。Yが時刻表を見たら、8:44発の次は12:44発。44分発で、8と12。偶数で4の倍数だったので、10:44発の列車もあると思い込んだらしい。

まぁ、そんなわけで一気に2時間ほど余裕ができた。Cはゆっく~りと荷物整理。これまであまり考えずに荷物を詰め込んでいたのを、少し考えて整理し、少しでもバッグの膨らみを回避しようと努力。でも結果は芳しくなく・・・

1時間ほど、ベッドに横たわりうだうだしていたが、やることもないので、プラハ中央駅に行くことに。もう"ビビエザビエラリィ"も聞けなくなるのか・・・さみしいなぁ~{^^;}

プラハ中央駅に着いて、駅前のベンチで一休み。乞食らしき人もいれば、明らかに未成年だろ~というプラハ少年・少女がタバコをふかしている。どこの国でも未成年者の喫煙は絵にならない。昨日の雨天がウソのように、空は晴れ渡り、太陽がまぶしいくらい。本を読もうと思っても、太陽がまぶしすぎて読めない。手をかざして日よけにして読もうと試みるも、それほど効果上がらず、断念。

ウダウダしていたら時間が経過し、列車の発車30分前ぐらいになった。ホームに行き、列車の到着を待つ。列車が来た・・・今回のドイツへの旅もチェコ国鉄。チェコ国内はユーレイルパスが使えないので、2等車のコンパートメントに乗る。5人分の席にCとY、2人で座っていたが、しばらくして一人の青年が入ってくる。旅行者と言うには荷物がないし、かといってチェコ人っぽくもない。何だろう、このお兄さんは?

さて、出発したがすぐ次の駅で停車。この電車は各駅停車らしい(といっても、チェコ~ドレスデン間にはそれほど多くの駅はない)。この駅で、もう1人ロン毛のお兄さんがコンパートメントに入ってきた。プラハ中央駅で乗ってきたお兄さんは危険を感じないが、今回乗ってきたお兄さんは少し危険な香りがする。Cが寝てしまった後も、Yはこのロン毛のお兄さんが心配だったらしく起きていた。

起きると、そろそろチェコとドイツの国境。国境近くの駅でロン毛のお兄さんは降りた。ドイツ行きの列車はずっ~と川の岸を走っている。しかも、所々で工事をしているらしく、トロトロ運転。それにしても、この川の風景、日本のどこかでも見たことがあるような・・・感じがする。

さて、もう国境間近。パスポートのチェックに来た。フランクフルトから夜行列車でチェコ国内へ入国した際は、深夜に1回パスポートのチェックがあった。今回もパスポートチェックは1回なのかな~と思っていたら大間違い!来るは、来るは、何回もパスポートチェックに来る。しかも、2回ぐらいチェコの国境警備隊の人がチェックに来て、ドイツに入国する際に、また2回ぐらいチェックに来た。合計4回もチェックを受けた。チェコはヨーロッパ共同体(EU)には加盟していない。だから非EU諸国から、EU加盟国への入国は厳しいようだ。

パスポートチェックを何回もしている間に、プラハ中央駅から乗っていたお兄さんが英語で話しかけてきた。ちょっと聞き取りにくい英語。話を聞いてみると、このお兄さんフランス人で、英語の教師だという。それで、目的はしっかりと聞き取れなかったが、いまベルリンに行く途中とのことだった。このフランス人のお兄さん、サルトルの本を読んでいた。う~ん、すごい本を読んでいるもんだ。CもYも本を読んでいた。Yは資格試験用の本を読んでいて、Cは三木清の『人生論ノート』を読んでいた。Cの読んでいた本について話すと、このフランス人青年が興味をもったらしく、どういった項目があるのかと聞いてきた。Cが「旅について、個性について、死について、偽善について、仮説について・・・」と言っていくと、「ちょっと待った。メモを取りたいんで、もう1回言ってくれ」と言う。しょうがない、自分の持てる単語力を総動員して言ってみるか、と決心。何とか2、3項目言えなかっただけでほぼ全項目について、英語で説明できた(と勝手に信じている)。

途中駅まで15分遅れで走っているので、「こりゃドレスデン到着は20分ぐらい遅れるかな」とYと話していたら・・・なんと定刻どおりにドレスデン中央駅に到着。これにはCもYもビックリ。ヨーロッパの列車ダイヤは多少の遅れを計算して作っているのか、それとも途中の遅れを挽回しようと必至にスピードを上げたのか?でも、それほどスピードアップしたとは感じなかったので、やはり列車のダイヤに多少の遅れを含んで組んでいるんだろう、と推測。

ドレスデン中央駅の周辺

ドレスデン中央駅を出てビックリ。駅の周りに何もない。というか現在、開発中だった。地下鉄、地下街を作っているらしく大きな穴が掘られていた。駅からバッグをガラガラと引っ張って歩くこと10分弱。ホテルに到着。今回はIBIS BASTEIというホテルに泊まるのだが、ドレスデン中央駅の前にはIBISホテルが3つもある。そのうちの1つが今日泊まるBASTEI。同じような建物が3つ並んでいて、いかにも"東ドイツ"的な印象を受けた。そういえば、ドレスデンが旧東ドイツ側で訪問した初めての都市だ。どちらかというと、町の印象はチェコに近い。もちろん、統一後、開発が進み、中央通りにはきれいな建物がたくさん並んでいたが。

チェックインして部屋へ入ろうとしたが・・・鍵が開かない。このホテルの鍵はなかなか開けにくい。何とか部屋へ入る。これまた質素な部屋。というか、極端に機能的な部屋。泊まれればOKだろう、という感じだった。シャワー室も湯船がなく、ただトイレとシャワーの間に仕切りがあり、カーテンで水が漏れないようにしているだけ。まぁ、ヨーロッパに来て湯船に浸かることもないので、別に湯船は必要ないのだが・・・

ゼンパーオーパーとエルベ川

さっそく、スーツに着替えて、観光アンド今晩のチケット探しへ。まずは中央通りをエルベ川の方へと進んでいく。この中央通りはフランクフルトのようにきれいに整備されていたが、雰囲気が全然違う。ちょっと廃れている。まぁウィークデイだから当たり前と言えば、当たり前か。ドンドン歩いていくと、エルベ川へ来た。エルベ川のすぐそばにオペラ劇場のゼンパーオーパーが建っている。それにしても、ドレスデンという都市は非常にゆとりのある都市計画がされている。写真ではちょっと分かりにくいが、ゼンパーオーパーの前には、少し小さめの運動場ぐらいの広場があるし、道の広さもこれまで訪問してきた都市よりもかなり広い。旧東ドイツだから、戦車とかも通行できるように広く作ってあるのかなぁ、と勝手に想像してみる。

とりあえず、今晩のコンサートチケットをゲットしなくてはドレスデンに来た意味がなくなる!ということで、ゼンパーオーパーへ向かう。ゼンパーオーパーの前に来たのは良いが、チケット売り場が全く分からない。正面ではなさそうだ、じゃ側面に行ってみるか・・・と行ってみたが、ここにもチケットオフィスらしきところはない。う~ん、これは聞くしかない。近くに燕尾服を着たおじさんがいる。きっと劇場関係者だろう。果敢にもドイツ語で、チケットオフィスの場所を聞く、「Wie ist die Tageskasse?」。Wie ist ~ ?は「~はどこですか?」と聞く言い方。Tageskasseはチケット売り場(Abentkasseでも通じると思う)。dieは冠詞なので、Tageskasseが男性名詞か、女性名詞かも分からないので、適当にdieでごまかす。一応、ドイツ語が通じたらしい。おじさんはドイツ語で説明してくれた(当たり前か・・・)。身振り手振りから、劇場から少し離れたところにある、というニュアンスが伝わってきた。どこだどこだ、とあたりを見回すと、それらしき小さな建物発見。直行してみると、建物の近くにダフ屋がいる。ここがチケット売り場だろう、と中に入り列に並ぶ。今度ドイツ語で受付の人に話すと、ドイツ語で返されるのが目に見えているので、英語で尋ねる。あれれ?どうやら、今晩のオペラのチケットはここでは買えないようだ。というより、当日券はやはり劇場で売り出されるようだ。

しょうがない、まだ開演まで時間があるから、夕飯でも食った後に並ぶか。近くにバーらしき店発見。行ってみると、ブラジル料理○○のように書いてある。店の中の雰囲気は良さそうだったので、ここに決定。劇場に近いのも良い。少しお腹が空いていたので、腹にたまる料理にしようと考え、CもYもパスタを頼む。さて、料理が出てくると・・・そうか、パスタはこっちか・・・パスタというとすぐにスパゲッティを想像してしまうが、ここでは正真正銘のパスタ(マカロニのようなもの)が出てきた。しかも、創作料理的でイチゴがパスタの上に乗っている。見た目も料理の鉄人(フジテレビ)でフレンチの鉄人・坂井が作ったような鮮やかさだった。味もまぁまぁ、ビールもおいしいし(ミュンヘンには負けるが)。

少しチップもはずんで(それほどはずんでいないけど・・・)、店を後にする。さて、劇場へ。さっきのパスタ、量が少ないと思っていたがなかなか腹にこたえている。お腹が重たい。劇場の正面へ行くと、ダフ屋がたまっている。とりあえず、ダフ屋は無視してチケット売り場を探すが、これまたない。今度は入り口に立っていたお兄さんに、「Wie ist die Tageskasse?」と聞いた。言ってしまった後に気づいたが、ドイツ語で聞いてしまった!!お兄さんは、当然ドイツ語で返答する。あぁ~、分からない~。恥をしのんで、「Please speak English!」と言った。ドイツ語を聞き取れないのであれば、素直に始めから英語で聞くべきだと痛感。ドイツはほとんどの所で英語が通じるので、ドイツ語に自信がある人以外は英語で尋ねるのが賢明!!

さて英語で再び答えてくれたお兄さん。なになに、中央の扉の前で待っていると、当日券が売り出される、と言っている。Danke shone!とドイツ語でお礼をいい、中央の扉へ。確かに何名か人が並んでいる。それじゃ、待つか。ダフ屋が盛んに声を掛けてくるが、無視。20分ほど待った後、中央の扉が開いておばさんが、列の先頭の何名かを扉の中へ導いて、扉を閉じようとした。ちょっと待って!とおばさんに「チケットありますか?」と聞いたら、売り切れ・・・・{;;}何のためにドレスデンまで来たんだ~!!このままでは、ドレスデンに来た意味がないではないか!!Yと相談。これはダフっても、見るしかない。ちなみにドレスデン国立歌劇場(正式にはザクセン州立歌劇場)は、音楽之友社から出版されている『オーケストラのすべて』のトップ・オーケストラの項に入っている名門オケ。これは聴くしかない。ということで、ダフることに決定。

ダフ屋のお兄ちゃん(おじさん)と交渉開始。ちくしょー、しっかりと定価が分からないように、値段のところを修正液で見えないようにしている。2人で50ユーロでいい(1人25ユーロ)と言うので、まぁオペラで25ユーロなら良いか、ということで交渉成立。50ユーロを払って、チケットを受け取る。さて、チケットを見てみると・・・・原価13ユーロ・・・{;;}ほぼ2倍の金額で買わされた・・・う~ん、もう少し粘るべきだったかな~。ダフ屋との交渉は初めてだったので、少し粘りが足りなかったことが反省点。

さて、ゼンパーオーパー内へ。歌劇場はバイエルン国立歌劇場に続き2つ目。バイエルン国立歌劇場はこれでもか!というぐらい豪華だったので、こちらも・・・と期待したが、それほどの感動はなかった。全体的に照明が暗い感じ。もちろん、ゴージャスな雰囲気が漂っていることに間違いはない。さて、うちらが買った(ダフった)チケットの席は、席としては1番ランクの低い席(立見席を除いて)。一番最上階へ行かなければいけないのだが、行けない・・・階段が見つからない・・・2階あたりをウロウロして、右往左往。プログラムを販売しているお姉さんに聞く。ようやく入り口が分かった。ここゼンパーオーパーは内部構造が複雑(というより、ランクの低い席は行きにくい)。ようやく席を発見。おぉ、心配していたがステージ全体は見えるぞ。Yと安心。25ユーロもチケット代に費やしてしまったので、今日はプログラム購入は控える。節約節約・・・

今日の演目は、プッチーニの歌劇『トスカ』。CはYに「『トスカ』なら見たことあるよ」と開演前に話していた。が、勘違いをしていた。トスカとリゴレットを取り違えていた。見たことがあるのは、リゴレットであって、トスカではなかった。いや~、オペラ通のレコ芸編集委員Mに言ったら怒られそうな間違いだ。上述の理由により、初めて聴いた(見た)トスカ。ストーリーを全く知らず、プログラムもない。この状態ではオペラの内容を把握することはかなり困難。どちらかというと、オケピットにいる指揮者に注目していた{^^;}(今日のコンサート・レポートはオペラなのでありません)。

インタミ中にゼンパーオーパー内を探検。おっとCD売り場がある。CDを見ていくと・・・安い!ここは安かった。もちろん、すべてのCDが安いのではなくて一部のCD(ユニバーサル・クラシックのエロクエンス・シリーズやEMIのRED LINEシリーズ)がフランクフルトのHMVよりも1~2ユーロほど安い。といっても、ここでCDを買うと荷物になるので、購入しなかった。

オペラ終了後、再び中央通りを通って、ホテルへ戻る。が、人通りがほとんどない。夕方もそれほど人がいるとは思わなかったが、夜になるとほとんど人がいなくなる。店も閉まっているし・・・ドレスデンの人は夜が早いのかな?

ドレスデンももっと楽しむところがたくさんあるのかもしれないが、ドレスデンに着いた時間が遅かった。結局、オペラ終了後もホテルへ直行し、何もせずに就寝。

3月8日のコンサート・レポート
ザクセン州立歌劇場管弦楽団@ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オーパー)カエターニ(指揮)

Program
ジャコモ・プッチーニ(1858~1924) 歌劇「トスカ」

Nはオペラにはまったく疎いので、ノーコメント。悪くはなかったと思う。

☆参考URL
ザクセン州立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)
ドレスデン国立歌劇場(ゼンパー・オーパー)

3/9-ドイツの首都ベルリンへ-ドレスデン~ベルリン

昨日は夕方にドレスデンへ着き、オペラを見たぐらいで観光もしなかった。というより、ドレスデンはこれまで訪れてきた都市に比べて少し殺風景で観光するところ、というには魅力が欠けていた(今までインパクトの強いところばかり訪問したためかもしれない・・・)。ということで、ドレスデンから速やかにベルリンへ向かうことに決定。

朝食はいたって普通。もうこういうセルフサービスの朝食に慣れてきた。朝食中、学者風の人をたくさん見かけた。ドレスデンで今、学会でもやっているんだろうか、と少し気になった。研究室にいるときのクセが・・・

朝食後、部屋に戻ってさ~て荷物整理をして駅へ行くか、と思っていたら・・・またしても鍵が開かない。今度は本当に開かない。う~ん、困ったと弱り果てているところへ部屋を清掃しているおばさんが来てくれた。おばさんがやったらいとも簡単に開いた。お礼を言って、ようやく部屋に入れた。

ドレスデンからベルリンへの

荷物をまとめて、中央駅へ行く。10:16発のIC(今回はICEではない)でベルリン・オスト・バーンホフ(ベルリン東駅)へ。今回乗ったICはちょっと古めの車両。外見からしてかなり年季が入っている。中に入ると・・・おぉ~、これまでの新しい車両の豪華さとは違い、レトロで高級感溢れる感じ(ドイツ国内ではユーレイルパスが使えるので、久々の1等車)。ICEの1等車も乗り心地がよいが、こちらも椅子が気持ち大きくて、ゆったりとしており、非常に眠気が誘われる。結局、2人とも眠る・・・

ベルリン・オスト・バーンホフに到着したのは12時過ぎ。今晩泊まるホテルは、この駅から少し離れたところにあるアレキサンダー駅。とりあえず、オスト駅の構内を探索して、ベルリンの1日乗車券を探す。DB(ドイツ国鉄)のオフィスがあったので、そこでYが1日乗車券について聞いて、購入。ちなみに、ベルリンでは駅のプラットホームに券売機が置いてあり、券売機の脇には刻印機が置いてある。1日乗車券等を購入したら、その刻印機で使用開始時刻を刻印すればO.K。

まだSバーンがどのルートを走っているか分からなかったが、アレクサンダー駅まではどの電車に乗っても着くようだ。Sバーンに乗ること10分弱。アレクサンダー駅に着いた。今晩泊まるホテルはアレクサンダー駅の目の前で、ベルリン一高いビル。ベルリン一高い、といっても東京にある高層ビル程度。ドイツだけではないが、ウィーンなど昔の建築物が多く残る都市では建築基準法のような法律で、建物の高さ等が制限されているようだ。昔ながらの景色を残そうとする国民意識は見習う必要がある。日本、特に京都では古都の風景を守る、というよりは生活の豊かさを優先しているために、京都に似合わない駅とかを建てている。国民性の違いを痛感。

ホテルに着いたは良いものの、チェックインに手間取る。というのも、このホテルには3泊するのだが、1、2泊目を予約した旅行代理店と、3泊目を予約した旅行代理店が違うことを、フロントの人がいまいち理解してくれないらしい。結構、時間がかかっているのでタバコを吸って待っている。ようやく終わったらしい。まだ部屋は空いていないので、荷物だけ預けてベルリン観光へ出かける。まずは遠いところから行こう、ということでベルリン・ツォー駅(Zoo)へ。ツォー駅の近くには、戦争時に破壊されたままの形で残っているカイザー・ヴィルヘルム記念教会やベルリン・ドイツ・オペラがある。アレクサンダー駅から国鉄で行けば近かったのだが、Sバーンに乗ってしまったため各駅停車で20分強かかった。まず駅から出ると、Uバーンの入り口のところで乞食数名が警察官に尋問されている。う~ん、結構ツォー駅周辺も危ないのかな~(『地球の歩き方 ドイツ』を見たら、ツォー駅周辺で危ない目にあった人の談話が載っていた)。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会は駅から歩いて数分のところにある。非常に目立つ建物なので、迷うことはないと思う。『地球の歩き方』に書いてある通り、戦争時に破壊されたままの形(もちろん教会としての原型は留めている)で建っている。中に入ると、戦争時の写真があり、焼け野原に残っているカイザー・ヴィルヘルム教会の写真等が展示されている。ちなみにカイザー・ヴィルヘルム記念教会の対面に不思議な形をした建物があるが、これも教会らしく、中に入ると非常にきれいなステンドグラスがあった。

ベルリン・ドイツ・オペラ

さて、次はベルリン・ドイツ・オペラへ。地図で見ると劇場はツォー駅から結構離れている。が、ここは2人の健脚を披露、とばかりにトットと歩き出す。歩き出したは良かったが、やはり遠い。これは歩く距離ではない。普通はツォー駅からUバーンに乗れば2駅目でベルリン・ドイツ・オペラにつく。しかも、劇場の入り口と直結しているので、非常に便利。ベルリン・ドイツ・オペラに到着したが、それほど感銘をうけるような建物ではない。まぁ、昔からある劇場ではないからなぁ~。ちなみに今晩はここでヴェルディの歌劇『椿姫』が上演される。コンサート予定ではこのオペラを見る予定となっている。チケット・オフィスに行ってみたが、やはり当日券の売り出しは開演1時間前。なので、今度は徒歩ではなくUバーンに乗ってツォー駅まで戻る。

さて、そろそろランチタイムも過ぎて、お腹が空いてきた。いい店はないかな~と通りをブラブラしていると、ウィーンでもあったバイキング形式の店を発見。こういうところは実際に食べ物を見て選べるし、自分の好みに合わせて取ることが出来るので便利。さっそく入店。店の中の雰囲気はウィーンの店とそれほど変わらない。さて選びに行くか、と皿を取っていろいろと取っていく。モツァレラ・チーズ、好きなんだよね~と皿へ、さて飲み物は・・・やっぱりビールかな、とビールを注ぐジョッキを選んでいたところ、店員の人が来て「入れてあげるわよ」と言って、大ジョッキにビールを入れてくれた。いや~、昼間っから大ジョッキで飲もうとは思っていなかったんだけど・・・{^^;}レジの所で、実はモツァレラ・チーズが別料金だったことを知ってショック。こういう店では、皿にいくら盛っても皿単位で○○円というのと、今回のモツァレラ・チーズのように別料金なのが混ざっているので、要注意。でも昼間から大ジョッキのビールはさすがにつらかった・・・・

さて昼食も食べてお腹を充たしたところで、次の目的地はベルリン・フィルの本拠地フィルハーモニー。フィルハーモニーはポツダム広場から歩いて10分ぐらいのところにある。Uバーンに乗ってポツダム広場駅(Potdam Platz)で降りる。ポツダム広場はベルリンの中心部に位置し、昔は一番の繁華街だったというが現在は建築中の建物があり、それほど昔の繁栄振りは伺えない。歩いていくとSONYの文字が目に入ってきた。SONYビルらしい。う~ん、すごいなソニーは。ベルリンにもこんなビルを持っているのか。ちなみにヨーロッパでよく見た日本のメーカーの名前は1番にソニー、次に日立だった。ホテルにある電気機器のほとんどはフィリップスだったが・・・

フィルハーモニー

ソニー・ビルを通り抜けて行くと、写真で何回か見たことのある黄色の建物。「あれがフィルハーモニーかな」とYと話していたが、それにしては何かしょぼい感じが・・・実は正面へ周ってみると、果たしてこれがフィルハーモニーであった。自分の中のフィルハーモニー像がガラガラと崩れた(中に入ったら良かったが)。

フィルハーモニーを見て少し凹んだ状態で、次はコンツェルトハウスへ。ホテルでもらった地図を見てコンツェルトハウスの位置は分かるのだが、最寄駅の名前がわからない。え~いままよ、と「ここの駅で降りれば近いはず」とYに根拠のない自信をもって言う。さて、どうだろう?その名前を言った駅で降りたら、なんと大正解!!地上に出てすぐ目の前にある建物がコンツェルトハウスだった。コンツェルトハウスの左右にはフランス・ドームとドイツ・ドームがある(どちらも一見しただけでは違いがよく分からないが・・・)。コンツェルトハウス、フランス・ドーム、フランス・ドームの3つに囲まれて広場がある。広場の端のほうで木琴を叩いているおじさんがいる。流しで木琴か・・・なかなかいないよなぁ~、木琴って。

帰りはコンツェルトハウスからホテルまで歩くことに。距離にして2.5キロほどといったところか。ブランデンブルク門から続く通り(--通り)に出て、ホテルの近くに立っているテレビ塔を目指して歩き始める。まず見つけたのがフンボルト大学。この大学は様々な著名を輩出した有名大学。フンボルトとフンコロガシを勘違いしてしまい、Yに「フンボルトって、フンコロガシの研究をした人だよね」と言ってしまった。続いて見えてきたのが、ベルリン国立歌劇場(シュターツオーパー)。ロビーの中に入ってみた。プログラムを確認したら、今日は『セビリヤの理髪師』(ロッシーニ作曲)を上演するらしい。でもこのベルリン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場やゼンパーオーパーに比べると、さらに滋味という印象を受けた。というよりも、周りの建物が目を引く建物ばかりなので、シュターツオーパーが映えないせいかもしれない。

ベルリン大聖堂

さらに歩いていくと、次はベルリン大聖堂が見えてきた。こちらもツォー駅の近くにあるカイザー・ヴィルヘルム記念教会に劣らず観光客が多い。中に入ろうと思ったが、あまりにも人が多くて列が進まなかったので、中に入るのを諦めた。

通りを歩きながら気づいたこと。ベルリンはまだ発展途上中で、色々なところで工事が行われていた。ドレスデンのところでも、中央駅前に何もなく、大規模な地下街を建設するために大きな穴が掘られていたことは先日の日記に書いた。が、ベルリンもこんなに工事しているところが多いとは思わなかった。1990年に東西ドイツが統一して、はや12年。現在でも変化を続ける都市の姿の裏に、アメリカvs旧ソ連の冷戦構造を少し感じた。

通りをトコトコ(とかなり長いが・・・)歩いて、ようやくアレクサンダー駅へ到着。さ~て、スーツへ着替えてベルリン・コンサート・ツアーの初日へ。今日の予定はベルリン・ドイツ・オペラの『椿姫』(ヴェルディ作曲)なので、Uバーンに乗りベルリン・ドイツ・オペラ駅へ。劇場へ着くとダフ屋がいない。さてはもう今日のチケットは売り切れか・・・?と思ってチケット売り場へ行くと、まだ値段の高い席(72、60ユーロ)が残っているという。50ユーロぐらいまでなら・・・とCは考えていたので、今日のこのオペラは見るのをやめる。Yは悩んでいたが、見ることに決定。

さてベルリン・ドイツ・オペラを後にして、どうしようかと思案にくれ・・・行った先は・・・フィルハーモニー。当初考えていたのは、コンツェルトハウスへ行って、明日見る予定のベルリン放送響(ブルゴス指揮)を見るというプランだったが、2回見るのであればベルリン・フィルの方が良い、と考え直して、フィルハーモニーへ行った。

このシリーズのベルリン・フィルは本当はギュンター・ヴァントが振る予定だった。が、2月14日にヴァントが御年90歳で亡くなったので、指揮者はセミヨン・ビシュコフに変更。プログラムもブルックナーの交響曲第6番からチャイコフスキーの交響曲第6番"悲愴"へ変更となっていた。フィルハーモニーへ着くと、正面玄関の入り口にダフ屋が4、5人いる。う~ん、ベルリン・フィルだと毎回こんな感じでダフ屋がいっぱいいるんだろうか?正面玄関を入り、当日券売り場へ行くと長蛇の列(20名ぐらい)。う~ん、買えるんだろうか?とりあえず、並んでいるということは、チケットが買えるということだ。諦めずに並んで待っていると、ダフ屋(見た目で明らかに15歳ぐらい)が声を掛けてきた。40ユーロでどうか?と言う。「40じゃ高い。35ぐらいにならないか?」と言うと、その若造「35か。まぁ、良いよ」と言った。でも、まだ並んでいれば買える可能性もあるので、「やっぱりいいよ。並んで待ってみる」と言った。さて、列はなかなか進まない。そろそろ開演まで30分を切った。後ろに並んでいた人が「チケットはあるんですかね?」と英語で聞いてきた?「分かりませんね」と答える。それにしてもちっとも列が進まない。しばらくすると、受付のお兄さんが何か前の方で、列に向かって言っている。先ほど声を掛けてきたお兄さんが、その受付の人が言っていることを聞きに行ったようで、「チケットはもうないらしいですよ。買うのであれば外にいるダフ屋から買うしかないですね」と教えてくれた。さて、ここで考える。ダフってチケットを買い、今晩コンサートを見るか?それとも、今日はコンサートを我慢して、明日ベルリン・フィルを結局見るんだから、明日まで待つか?悩んだ挙句、ベルリン・フィルをフィルハーモニーで見る機会なんて、そうそうあるものではない!と納得し、ダフってチケットを買うことに。さて、外へ出てダフ屋と交渉。もうコンサート開演までそれほど時間がないからダフ屋も焦っているんだろうか?値段がえらく安い。40ユーロの席を45ユーロで売る、と言っている。ようはダフ屋のリベートはたったの5ユーロ。これなら買いだ!ということで即決。45ユーロでベルリン・フィルを聴くことになった。

購入した40ユーロの席はランクB。さて時間もないので、早く席へ行かなくては。ロビーへ入り、まずビックリしたのがコンサートへ来ている人の服装が様々であったということ。しっかりと正装している人もいれば、ジーパンで着ている人もいる。また音大の学生か分からないが、非常にポップな格好をしている女の子もいる。これには驚いた。フィルハーモニーの構造は非常に複雑で、ホールへの入り口が細かく分かれている。自分の席の入り口がなかなか分からない。まるで迷路だ。途中でプログラムを持っているお姉さんがいたので、「よし、プログラムを買うついでに、どこから入れば良いのか聞こう」と決意。財布を用意して、お姉さんへ近づく。あらら、プログラムを差し出してきた。「いくらですか?」と聞いたら「無料です」との答え。これは嬉しい!ベルリン・フィルはプログラムを無料で配布していた。ヨーロッパ・オケ巡りの旅でプログラムが無料だったのは、ベルリン・フィルのみ。

お姉さんから入り口を聞いて、ようやく席を発見。なかなか良い席だ。ステージの正面。ホールの中に入ると、写真で何度も見たフィルハーモニーが目の前に広がっている。感動の一瞬。フィルハーモニーの構造はガスタイクをより複雑にした感じ。さてガスタイクの音響はかなりデッドだったが、フィルハーモニーはどうかな?

コンサート終了。ちょっぴり期待はずれ・・・というより、期待しすぎた自分が悪かったのか?ホテルに戻って、部屋で待っているとYが帰ってきた。Yはご満悦の様子。『椿姫』はかなり良かったらしく、話し方が興奮している。

部屋からベルリンを眺めると、やはりベルリンは広い、と痛感。これまで訪れてきた都市とは規模が違う。旅行前に立てたプランでは明日はハンブルクへ。でも、ハンブルクは遠い、ということで2人で行くことは却下した。まぁベルリンもまだちゃんと見ていないし。明日もベルリンをしっかり観光しよう。とりあえずブランデンブルク門とベルリンの壁は見なくては、と考えながら就寝。

3月9日のコンサート・レポート
ベルリン・フィル@フィルハーモニー・グロッサーザールセミヨン・ビシュコフ(指揮)、ソフィー・コッホ(メゾ・ソプラノ)

Program
マグヌス・リンドバーグ(1958~) Feria for Orchestra
モーリス・ラヴェル(1875~1937) シェエラザード
チャイコフスキー(1840~1893) 交響曲第6番ロ短調 Op.74

Yはベルリン・ドイツ・オペラに椿姫を見に行った。2日後にベルリン・フィルを見に行く予定になっていたが、Nは2回ベルリン・フィルを見に行くことを選ぶ。ダフ屋で40ユーロでチケットを購入。席はステージを前方から眺めることの出来るB席。なかなか悪くない席。リンドバーグの曲は、やはりいまいち意味・意図が分からない。まだ現代曲にハマルには早いのかな・・・?2曲目、シェエラザード。てっきりリムスキー・コルサコフのシェエラザードかと思っていたが、それではチャイコの悲愴とメインが2曲になってしまう。ラヴェルの歌曲であった。アルトのコッホはなかなかの声量。オペラを見ないので、有名な歌手かどうかは知らないが、今後アルト歌手として有名になりそうな気がする。さて、メインのチャイコフスキーの悲愴。指揮者はギュンター・ヴァントの急逝により、セミヨン・ビシュコフ。見るのは初めてであったが、非常にエネルギッシュ(というよりアブラギッシュ?)な指揮者であった。曲が始まる。全体のバランスは悪くない。が、弦のツヤがいまいちない。専門的な用語で説明できないが、弦の音がカスれている。管は全然悪くないのに・・・第2楽章最初のホルンはやはり上手い。ムラヴィンスキーのCDでよく聴いているが、やはり生でうまいホルンソロを聴くと、「良いなぁ~」と改めて感じる。第3楽章に入り、ビシュコフの指揮がかなり大振りになってきた。オケもかなりノっている。第3楽章が終り、緊張感が残っていたところで・・・いきなり拍手が・・・!?観客が曲が終わったと勘違いし、拍手をしてしまったらしい。ちょっと場がしらけてしまったが、第4楽章。緊張感はそのまま持続していた。全体として良い演奏であったと思うが、指揮者の意図がどこまで反映されていたかは見えなかったような気がした。

☆参考URL
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フィルハーモニー・グロッサーザール

3/10-有名オケのダブルヘッダー-ベルリン

ベルリンには3泊。ミュンヘンの2泊以来、久々の連泊かつ初の3連泊。さてベルリン2日目・・・恐れていたことが・・・・Cの寝相が悪いことはすでに述べたが、これまであまり被害は出なかった(多少Yの方へ侵入して、眠りを妨げたこともあったらしいが)今日の朝は起きたら、目覚し時計が置いていたテーブルの下に落ちている。しかも8時に目覚ましをセットしておいたのに、鳴らなかった・・・起きたらなんと9時半近く。それもそのはず、目覚まし時計は落ちたときの衝撃で、電池が時計から飛び出ていた。あらら・・・とうとうやってしまった・・・

起床が大幅に遅れたので、予定がくるった。本当は今日の午前中にブランデンブルク門やベルリンの壁を見る予定だったが、それは中止。とりあえず、朝食後(朝食が遅いので、昼食はなし)2人でツォー駅まで行き、個別行動をすることに。Yはショッピングへ、Cはインターネットカフェへ行くことに。ホテルではベルリンの地図や地下鉄マップがまとまった観光ガイドがなかったので、インターネットカフェへ行く途中でベルリン観光ガイド(英語)を買う(結構、役立った。ちなみに地下鉄の路線図は大きな駅の自動券売機のところに置いてある。これには気づかなかった{;;})。Cが行ったインターネットカフェは50セントで出来るということを昨日確認していた。さて実際、50セントでやってみると、ログオン時間が28分と出た。しかもウィンドウ1つの処理につき28分なので、ウィンドウをどんどん開いていくと、一気にログオン時間が減ってしまう。これに最初気づかずに、自分のサイトへ行ってウィンドウをどんどん開いていったら、いつのまにかログオン時間が減っていた。結局、28分ではなく正味20分弱しかできなかった。でも、ここのインターネットカフェは安いと思う。しかも、入り口の自動券売機でチケットを買い、パスワードナンバーをもらうだけで、あとは空いているパソコンにログオンするだけ。非常に簡単なシステム。

結局、個別行動は1時間弱しかなかったので、インターネットカフェでほとんど時間を使い果たした・・・待ち合わせ場所へ行く。まだYは来ていないので、先ほど買ったガイドブックを読んで待つ。5分ほどしてYが来た。結局、ブラブラしただけでほとんど何もしなかったらしい。というよりも、今日は日曜日。日曜日は店はほとんどお休み!これにはビックリ。開いている店の方が少ない。

さて、本日1つ目のコンサートであるコンツェルトハウスのベルリン放送響へ。コンツェルトハウスのチケット売り場へ行き、簡単にチケットをゲット。しかも1階のかなり前の方の席。開演まで時間があるので、ベルリン交響楽団の50周年記念ブースへ行く。そこでは50年間の歩み、首席指揮者の変遷などが掲示してあり、演奏の録音を聴けるコーナーもある。4つある試聴コーナーの2つをYとCで占領して、聴いていた。Cが聴いていたのはヘルビッヒ指揮のブラームス交響曲第2番第4楽章(第2番で最も好きな楽章!)。名演、とまではいかないがオーソドックスな演奏で安心して聴けるものだった(悪く言えばつまらない演奏)。

さて時間になったので、コンツェルトハウスの中へ入る。ベルリンのホールといえば、フィルハーモニーとコンツェルトハウスなので、昨日フィルハーモニーに行ったCはもうこの2つのホールを制覇!コンツェルトハウスは、オーソドックスなホールで、ムジークフェラインのグロッサー・ザールの構造に似ているかもしれない。ムジークフェラインの天井を高くして、照明を明るくし、さらに座席をゆったりさせた感じがコンツェルトハウス(分かりにくいか・・・?)

ホールに入る前にプログラムを買った。何人か建っている人の中から非常に感じの良いおばちゃんから買ったのだが、値段を聞き間違えてしまい、0.2ユーロほど安い値段で購入してしまった・・・おばちゃんごめんなさい、というより何で気づかなかったんだろう?

今日のプログラムはファリャの恋する魔術師、現代作曲家によるチェロ協奏曲、最後にブラームスの交響曲第3番というプログラム。ミュンヘン・フィルやバイエルン国立管弦楽団、フランクフルト放送響など、これまで聴いてきたドイツのオケでは実はドイツ作曲家の音楽を聴いていない。ベルリン放送響によるブラームス3番が本場もののオケによるドイツ人作曲家の音楽の初体験。ブラームスは楽しみだ~。でもプログラムをよく見ると、メインの曲は1番始めに演奏するファリャのようだ。というのは、今日の演奏はラジオ放送用の演奏も兼ねているらしく、今晩20:00から放送される予定です、と書いてあった。「ちょっとせきでもしてみるか」とYと冗談交じりに話す。

コンサート終了後、外へ出ると流しのおじさん2人組がいる。しかも、ヴァイオリンとバスという組み合わせ{^^;}初めて見たぞ、こんなコンビは。でも、バスのおじさんがうまい。これは結構すごいぞ。立ち止まって1曲聴いていく。さすがにタダ聴きもよくないだろう~ということで、50セントユーロを帽子の中に入れてきた(50円ぐらいなんだけど・・・)

さて、それではフィルハーモニーへ。Cは昨日フィルハーモニーへ行って、当日券が買えずダフ屋から買ったという経験を生かして、早めに行く。フィルハーモニーについたが、さすがにまだ人が5人ぐらいしかいない。そりゃそうだ、まだ開演1時間半前だ。待っているが、寒い。かなり寒い。冷え切ってしまったが、ようやくメインエントランスの扉が開いた。今日は確実に当日券が買えそうだ。順番が来て、どこの席が余っているか聞いたところ、一番良い席(52ユーロ)とオーケストラの後ろの席(8ユーロ)が余っているという。Cは昨日B席で見たので、今日はちょっと変えて、オケの後ろで聞きたい。8ユーロ席をゲット。Yがチケット売り場のおばさんに学生割引がないか?と聞いたら、ある、という。なんと52ユーロのA席が半額の26ユーロになるという。学生割引恐るべし!Yは当然のことながらA席を半額でゲット。昨日当日券が余っていたら、A席半額で見れたのに~

さて席が違うので、ロビーを一通り探索した後に個別に席へ向かう。ベルリン・フィルを間近に見れる、こんな機会はあんまりないだろうな。このオケ後ろの席はPodiumと呼ぶ。本当にオケが目の前にある。サントリーホールにもオケ後ろの席があるが、フィルハーモニーのこの席はメチャクチャ近い。手を伸ばせばティンパニに手が届きそうだ。

開演まであと5分ぐらいだが、私の斜め前に座っている家族がベルリン・フィルのティンパニ奏者と仲良く話している。ん?何だろう、この人は?実は日本人の有名なティンパニストなのかな~と思いながら、その光景を見ていた。演奏開始。

結果だけ書くと、昨日のコンサートより良かった。まぁ目の前で見たという視覚効果も手伝ったかもしれないが・・・

コンサート終了後、今日はバスでアレキサンダー駅まで。2階建てバス。2階に行ったが、狭い!日本人のCとYでも狭いと思うぐらいだから、ドイツの人は相当狭く感じているんではないだろうか?ホテル到着後、着替えてホテルのロビーで夕食を取るか。ホテルの1階ロビーにあるレストラン(というよりバー)へ。ウェイトレスのお姉さんは非常に目鼻立ちがくっきりしていて、イタリア人かスペイン人と推察される。まずはビールを頼み、サンドウィッチにタコスを頼む。ビールはなかなか。やっぱり日本のビールとは違う。でもミュンヘンのビールとも違う。ビールを飲み終えて、次はカクテルへ。これもなかなか。タコスの中に入っている赤ピーマンらしきもの、これは赤ピーマンか?それとも唐辛子か?と疑問に思いながら食べてみたら・・・唐辛子だった。Cは辛いものは大丈夫なので、平気な顔して「これ辛くないよ」とYへ薦めて、Yも食べる。Yは非常につらそうだ・・・まぁ、確かにかなり辛い方だろう。ビールを盛んに飲んでいる。そうこうしているうちにカクテルもなくなり、次はワインへ。ビール→カクテル→ワインと滅茶苦茶な飲み方。飲み方を知らない酒飲みだなぁ~と思いながら飲む。

今日はCの寝相が悪かったために、ポツダムに行けなかった。明日は行くぞ、と誓いつつ、目覚し時計を自分の近くから離した位置に置いて就寝。

3月10日のコンサート・レポート①
ベルリン放送響@コンツェルトハウス
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)、ミヒャエル・ザンデルリンク(チェロ)

Program
ファリャ(1876~1946) バレエ音楽「恋は魔術師」
レナード・バラダ(1933~) チェロ協奏曲第2番「ニュー・オリンズ」
ブラームス(1833~1897) 交響曲第3番ヘ長調 Op.90

かつてベルリン放送響の常任指揮者であったブルゴス。数日前にフランクフルト放送響のかつてのシェフ・インバルとの演奏があまりいただけなかったので、今日のブルゴス &ベルリン放送響のかつてのコンビも・・・と思っていたが。1曲目は初めて聴くファリャ。ラジオ放送も行われているということで、非常にエネルギッシュな名演であった。実はファリャは初めて聴いたが、スペイン音楽に開眼させてもらえるような演奏だった。ただあのブルゴスの簡素な指揮から、あれだけのダイナミックな演奏が紡ぎ出されるとは・・・指揮者は振り方だけではないとつくづく感じた。2曲目はアメリカ作曲家による、ジャズを取り入れたチェロ協奏曲。ウィーンで聴いたクラリネット協奏曲よりもジャズ的な要素は薄かったと思う。3曲目のブラームス。1曲目のファリャがかなりの熱演だっただけに期待していたが・・・あらら・・・1曲目がウソのような演奏。泡の抜けてしまったビールとでも言おうか。全体として悪くはない演奏なのだが、いまいち何かが足りない。ちょっと物足りなかった。といっても、ファリャの良さを分かっただけでもかなり収穫のあるコンサートだった。

☆参考URL
ベルリン放送交響楽団
コンツェルトハウス

3月10日のコンサート・レポート②
ベルリン・フィル@フィルハーモニー・グロッサーザール
指揮者・ソリスト・Programは3月9日と同一

昨日に引き続きベルリン・フィル。昨日は当日券は並べば買えるものとたかをくくって買えずに、ダフ屋から買うことになったので、かなり早い時間から並ぶことにした。普通の席ではつまらないので、買った席は・・・オケの真後ろの席(真後ろと言ってもサントリーホールのP席のようなところではなく、手の届くところにティンパニがあるような、本当にオケの真後ろの席)。チケット代も1000円かからず!さて、演奏は昨日とあまり変わらない。弦は相変わらずカスれている気がした。ただチャイコフスキーの悲愴第3楽章で拍手が起きることはなかった(笑)。NとYが座った隣に親子らしき3人組が座っていたのだが、この親子、どうやらティンパニ奏者と知り合いらしい。談笑していた。しかも、演奏中もティンパニ奏者は、ティンパニが休みの時にその親子とコミュニケーションを取っていた。演奏に集中しろ~と言いたかったですな(笑)。

3/11-プレトニョフ・・・-ベルリン~ポツダム~ベルリン

1日予定がずれて、今日はポツダムへ。あと今日のコンサートはベルリン・ドイツ交響楽団のプレトニョフ・ピアノ、ケント・ナガノ指揮が楽しみだ。でもチケットはあるかな~?

ポツダムにも行かなければいけないが、ブランデンブルク門やベルリンの壁など、まだベルリンで訪れなければいけないところがたくさんある。いつもどおり、8時ごろ起床し、朝食。その後、国鉄D-Bahnでポツダムへ。アレクサンダー駅からポツダム中央駅まで約30分。意外に遠い。Yは寝不足らしく、電車に乗った後すぐに就寝。

さて、ポツダム中央駅に到着。結構、さびれている。駅から外へ出てみたが、う~ん何もない、というのが第1印象。とりあえず、歩くか。駅の案内板を見てサンスーシー宮殿の方へ歩き出す。ポツダムは川や湖に囲まれた非常に綺麗な都市。まだベルリンのように都市化の波が押し寄せていないようだ。

ポツダム中央駅から少し歩き、ハーフェル川を渡るとニコライ教会が見えてきた。これまで教会や大聖堂をたくさん見てきたので、これぐらいの教会だとビックリしなくなってきた。う~ん、すれているな、と思いつつ・・・あれ、ニコライ教会の隣にある建物の屋根に"ぬらりひょん"が!まさかね~、とYと話しつつ、近くに寄って見てみると、実は大きな球を背負った人の像だった。でも、見ようによっては"ぬらりひょん"に見える{^^;}。

通りを歩いていくと、インフォメーションセンターがあった。中に入りポツダムの観光地図を探す。だが、あまり良い地図がない。仕方なく、Yの持っている『地球の歩き方 ヨーロッパ』に載っている地図で我慢。

さて、ポツダムというと見所は2つある。1つはサンスーシー宮殿。もう1つは第2次世界大戦のポツダム会議が開催されたツェツィーリエンホーフ宮殿。サンスーシー宮殿は、ポツダム中央駅から見て西北西の方向にあり、ツェツィーリエンホーフ宮殿は北にある。さて、どちらへ行ったものか?とYと相談。サンスーシー宮殿はあまりにも有名だから、まずはツェツィーリエンホーフ宮殿に行ってから、サンスーシー宮殿に行こうと決定。この決定を後で後悔することになる・・・・

ポツダムは上記2つの観光スポットぐらいしかないため、町全体は結構閑散としている。しかも、注意したいのはサンスーシー宮殿もツェツィーリエンホーフ宮殿もポツダム中央駅からかなり遠い所にある、ということ。ここでも2人は電車代をケチり、徒歩でツェツィーリエンホーフ宮殿を目指す。しかし、歩き始めて後悔。遠い!というか、歩く距離ではない。ポツダムへ行く人は、是非トラムかバスを利用することをオススメする。歩くところではない。

歩き始めて、カレコレ45分ぐらい。ようやく新庭園の入り口に着いた。ツェツィーリエンホーフ宮殿はこの新庭園内の一番奥に存在する。新庭園は湖に面しており、非常に心休まる公園だ。観光客もサンスーシー宮殿の方ばかり行っているためか、ほとんどいない。町の人が犬の散歩をしたり、高校生ぐらいのカップルがデートをしていた。この新庭園もバカで買い。入り口からツェツィーリエンホーフ宮殿までは1.5キロぐらいはあろうか。行けども、行けどもツェツィーリエンホーフ宮殿は見えない。諦めかけたところでようやく発見。

ツェツィーリエンホーフ宮殿

ツェツィーリエンホーフ宮殿。宮殿という名はついているが、どちらかというと屋敷といった感じだ。ホーエンツォレルン家の最後の王子ヴィルヘルムが家族とともに住んでいた。また上で書いたように、ここは1945年7月17日~8月2日に開かれたポツダム会議の開催場として有名。ポツダム会議はご存知の通り、第2次世界大戦後のドイツの戦後処理および日本を無条件降伏させるためのポツダム宣言を発表した会議。アメリカはルーズヴェルト、イギリスはチャーチル、ロシアはスターリンと蒼々たるメンバーが集まった会議である。ただ、ちょうど昼休み中で中には入れなかった。まぁ、当時の雰囲気を楽しんだだけ。

ポツダムの町

さて、時計を見たらもう12時はとっくに過ぎている。この後にサンスーシー宮殿に行くとなると・・・・ブランデンブルク門とかが見れなくなる。じゃあしょうがない、ということでサンスーシー宮殿は行かないことに。あぁ~、有名なサンスーシー宮殿には行かずに、マイナーなツェツィーリエンホーフ宮殿を見るためにポツダムへ来たのか~。ヘコむ・・・サンスーシー宮殿が見れなかった代わりに、中央通りからブランデンブルク通り方面を写真におさめておく。写真の奥の方に写っているのが、サンスーシー宮殿の入り口・ブランデンブルク門。

かなり歩いた。10キロぐらいは歩いたのではないだろうか?ツェツィーリエンホーフ宮殿までの行きは良いが、帰りはつらい。ツェツィーリエンホーフ宮殿が予想よりもそれほど・・・という感じだったので、気が抜けているせいもあるだろう。ポツダム中央駅に到着。ホームに降りて電車を待つが、待てど暮らせど来ない。20分ぐらいは待っただろうか。ようやく電車が来た。いや~、疲れた。Yはすかさず眠りに落ちる・・・

戦勝記念塔ジーゲスゾイレ

ツォー駅に到着。一旦、ホテルに戻ってからブランデンブルク門に行っても良いが、ホテルに戻ると出てくるのが億劫になるだろうと踏んで、そのまま行くことにする。ツォー駅からS-Bahnに乗って1駅、Tiergartenに着く。この駅から6月17日どおりに歩いていくと、戦勝記念塔ジーゲスゾイレがある。この6月17日通りも長い。ジーゲスゾイレは見えるのに、歩いても歩いてもつかない。ようやく着いたが、ジーゲスゾイレは道路に囲まれていて、塔の近くには行けない。はて?どこから行けば近くに行けるのか?と思案に暮れていたところ、近くに何やらドラゴンクエストで出てきそうな妖しげな地下道への入り口が。入ってみると落書きが・・・う~ん、これは怪しい。とりあえず、危なそうな奴がいたらすぐに逃げるぞと、Yと確認してダンジョンへ侵入。暗い。もう少しライトを点灯して欲しいものだ。歩いていくと、ジーゲスゾイレの方へ地下道が伸びている。そうか、この地下道がジーゲスゾイレへ行くための地下道なのか。写真は地下道から地上へ出る途中で、ジーゲスゾイレをバックにして撮ったもの。

戦勝記念塔ジーゲスゾイレ。戦勝、という言葉がついているが何の戦勝かというと、デンマーク戦争(1864年)、対オーストリア戦争(1866年)、対フランス戦争(1870~1871年)の勝利を記念しての塔だという(『地球の歩き方 ドイツ』より)。頂上は展望台になっており、歩いて上まで行けるが、そこまでは登っていかなかった。

ジーゲスゾイレから、さらに6月17日通りを歩いていくとブランデンブルク門に当たる。ジーゲスゾイレからブランデンブルク門までも遠い!本当にこれは遠い!!6月17日通りの周囲は森が広がっている。ヨーロッパの都市が非常に落ち着いて見えるのは、東京のように超高層ビルがないのもあるが、都市と森林がうまく調和しているからだろう。

ブランデンブルク門が見えてきたが、何か様子が変だ・・・・あれ、ブランデンブルク門に幕がかかっている。近くに行って分かった。現在、ブランデンブルク門は改修中・・・裏から見ても、表から見ても幕がかかっているので門は見えない。トホホ・・・あと、これも本に書いてあったことだが、ベルリンの壁というのはもうほとんど見れないらしい。ブランデンブルク門はベルリンの壁の1部だったが、門の両脇に壁の残骸らしきものは見当たらない。Yと、そういえばここでバーンスタイン指揮ベートーヴェン第9が演奏されたんだよね、と話す。ドイツが統一した際、このブランデンブルク門の前で東西両ドイツからオーケストラ、合唱団を組織して、統一記念にベートーヴェンの第9を歌った。そのライブ録音は現在ドイツグラモフォンから発売されている。確か1800円ぐらいで売っていると思う。

せっかく、ブランデンブルク門に来たのに、ブランデンブルク門は改修中だし、ベルリンの壁ももうない。さて、ここらでトラベラーズ・チェック(TC)を換金しに行くか。YはTCを多めに持ってきていたので、そろそろ現金が尽きてきた。TCを換金したいと前々から言っていた。Yがメンデルスゾーン・バルトロディー駅の近くにTC換金の手数料が無料のベルリン国民銀行(ベルリン・フィルクス・バンク)があるというので、ブランデンブルク門近くのウンター・デン・リーデン駅からメンデルスゾーン駅へ。

メンデルスゾーン駅へ着いた。目の前にベルリン国民銀行がある。さて、行ってみると・・・・開いていない!!ここは窓口じゃないのかな~と歩いて歩いて行くと・・・あった、窓口らしきところが。しかし、日本の銀行窓口とは勝手が違う。英語で「TCを換金したいんですけど」と言ったら、「良いですよ」と言ってくれた。CはあまりTCを持ってきていないので、残りのTC全てを現金に替えた。

よくよく考えると、まだ昼食を食べていない。あとメンデルスゾーン・バルトロディー駅から結構歩いてきたので、ポツダム広場近くまで来ていた。ポツダム広場近くの大きなショッピングセンターがあったので、その中にある店でランチを食べた。何料理だろうか・・・アフリカ系といえば、アフリカ系だが・・・まぁ、味はおいしかったのでO.K。さて腹も充たしたところで、ホテルへ戻る。

今晩のケント・ナガノ指揮、プレトニョフ・ピアノのベルリン・ドイツ交響楽団は昨日コンツェルトハウスのチケット売り場に掛かっていたチケット一覧表では"売り切れ"と書いてあった。あんまり期待せずにコンツェルトハウスへ向かう。まぁ、チケットがあれば良いし、なければないで、ナイトライフを楽しめばよい。

コンツェルトハウスに着くと・・・、おぉ~夕焼けが綺麗だ~。さっそく写真を撮る。多分、この写真は旅行中一番の出来栄え♪さて、コンツェルトハウスへ行くと、ダフ屋がいない。さては売れすぎでダフ屋もいないのか?中へ入ると、まだ開演45分ぐらい前なので、それほど人はいない。コンツェルトハウスのチケット売り場は2つ、入り口から入って左右の2つあるが、まず右のチケット売り場へ行く。おばさんに「今晩のコンサートのチケットはありますか?」と聞いたら、「ここじゃないよ」と対面のお姉さんを指差した。そこで、そのお姉さんの所に行って聞いたら「ここじゃないわよ」と、さっきのおばさんの隣のチケット売り場を指差した。そこへ行ったら「ここじゃないわよ、こっちの売り場じゃなくて、向こう(入って左側)のチケット売り場よ」と・・・このヤロ~、たらいまわしにしやがって。Yはブチ切れ。最初のチケット売り場のおばさんに中指を立てる。

反対側のチケット売り場へ行くと、前のお兄さんがチケットを買っている模様。中をのぞくと・・・あれ、チケットあるじゃん。残ってる♪残ってる♪やった~、チケットをゲット。17.5ユーロ。ちょっと高いな。でも、まぁケント・ナガノとプレトニョフが見れるんだから、良いか。

チケットを手に入れたが、まだ時間が余っているので、外に出て夕涼み。Cがベンチに座って、Yがブラブラしていると興奮して戻ってきた。「来てください」と言う。はて、何だろう?と付いて行くと、今晩のコンサートのプログラムが貼ってある。ピアニストの欄を見ると・・・あれ!プレトニョフじゃない!!おのれ~、プレトニョフ、キャンセルか~。というわけで、今晩のコンサートのピアニストは変更になっていた。でも、生でチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を聴く機会なんてあるもんじゃないから、我慢我慢。

外で待っているもの寒いので、コンツェルトハウスの中に入り、ベルリン交響楽団50周年記念ブースでこれまでの録音を聴いていた。ちなみにこれから聴くのはベルリン・ドイツ交響楽団で、昨日聴いたブルゴス指揮のはベルリン放送響。色々ベルリン○○管弦楽団みたいなのがあって、非常に紛らわしい・・・

さて、開場時間ちょっと前に扉の前で待機。その間にプログラムを購入。相変わらずドイツ語(そりゃそうだ)。読めないのに、ドイツ語のプログラムが増えていく・・・・昨日は1階席だったが、今日は2階席。さて、どんな席なのかな~と思っていると、お姉さんがやってきて扉を開ける。その途端、待っていた人がドォ~っと中へ入り込んでいく。なぜ、そんなに急ぐのか?と思っていたが、中に入ってすぐにその理由が判明。ここは自由席。しかも席は設置されていない。長椅子のようなところが何箇所かあるぐらい。Yと2人で「これで17.5ユーロはひどい」と文句をいいながら、良い席を探す。扉のところに早めに並んでいたおかげで、ど真ん中の席を確保。椅子もあるし。立ちっぱなしで聴かずに済む。

今日のプログラムは1曲目がチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番に、ブルックナーの交響曲第3番"ワーグナー"。しかもこの"ワーグナー"は初稿版。現在もっぱら演奏されているのは、ブルックナー自身の改訂に基づくノヴァーク版で演奏時間は約60分。しかし、この初稿版は約75分。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番とこの"ワーグナー"、何ともヘビーなプログラム。食事でたとえると刺身とステーキを一緒に食べるようなもの(ちょっと違うかな{^^;})。

チケットが取れないのを覚悟していたので、とりあえず演奏を聴けたこととケント・ナガノを見れただけで、まずは満足♪

3月11日のコンサート・レポート
ベルリン・ドイツ響@コンツェルトハウスケント・ナガノ(指揮)、ニコライ・ルーギャンスキ(ピアノ)

Program
チャイコフスキー(1840~1893) ピアノ協奏曲第1番変ロ単調 Op.23
アントン・ブルックナー(1824~1896) 交響曲第3番ニ短調「ワーグナー」 WAB103(1873年第1稿)

楽しみにしていたプレトニョフがキャンセルで、代役は若手のルーギャンスキ。Yと一緒にガックリ・・・せっかく生プレトニョフ、しかもピアニストとしてのプレトニョフが見れると思っていたのに・・・さて、ピアニストにルーギャンスキを迎えた1曲目のチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。出だしから飛ばす飛ばす。指揮者の猛烈な指揮と呼応するようにオケもガンガン。さて、ピアノが入ってきて少しはオーケストラもおさまるのかなぁ~と思っていたら、オケのボリュームがおさまる気配なし・・・(笑)。演奏としてはエネルギッシュで完全燃焼系の非常に良い演奏であったが、ピアノとのバランスを考えると、あまりにもオケのボリュームが大きすぎる。ケント・ナガノはひょっとしたら合わせものは不得意?2曲目はブルックナーの交響曲第3番。しかも1873年第1稿ということで、通常の版よりもかなり長い。とにかくヨーロッパのコンサートプログラムは意欲的というか、エネルギッシュなものが多い。日本ではこの組み合わせはないだろう~というような曲を組み合わせる。しかも、メイン曲が2つあるような、そんなエネルギーの溢れているという印象を受けた。さて演奏はというと、やはり1曲目の勢いそのままにオケをドライブしている。ブルックナーというよりもマーラーかな?ある意味ハイティンク &ウィーン・フィルのブルックナー交響曲第8番と通じるものがあった。若い時代の交響曲なので、今回のケント・ナガノのような演奏をしてもそれほどの違和感は感じない。ただ、この勢いでブルックナーの交響曲第5番とか振られると・・・どうなるんだろう・・・聴いてみたいような聴きたくないような・・・

☆参考URL
ベルリン・ドイツ交響楽団

3/12-やはり男2人だと...-ベルリン~ケルン

3日間に及んだベルリンも終り。次はドイツ最後の訪問都市ケルン。

ベルリンからケルンへは御馴染みになってきたICE(Inter City Express)。さてケルンまで結構時間がかかるので、昼食は食堂車で取ることに。乗っていた隣の車両が食堂車。荷物がちょっと不安であったが、まぁ1等車ならば大丈夫だろう、ということで荷物が視界に入る位置に陣取る。食べたのはカレー風味のリゾットのような食べ物。それほど期待はしていなかったが、期待していなかった分おいしく感じた。まぁ、チンして作っているんだろうけど{^^;}

午後2時ぐらいにケルン到着。うん、なかなか落ち着いたところだ。さて、駅から出るとビックリ!目の前にでかい大聖堂が!!これはケルン大聖堂。イギリスやフランス、オーストリア、ドイツと色々な大聖堂を見てきたので、ちょっと大聖堂を見ただけでは感動しなくなっていたが、このケルン大聖堂には感動。何よりもでかい。すごい大きい。『地球の歩き方 ドイツ』によれば、このケルン大聖堂の高さは157mで霞ヶ関ビルよりも高いという。1248年に着工して、完成したのは1880年。建築に600年もかかっている・・・すごい・・・

とりあえず、今日のホテルへ行かなくては。バックパッカー用のバッグを買ったのにガラガラと引いていく。結局、正真正銘のバックパッカーではないなぁ。石畳の上をガラガラと引いていると、荷物が言うことを聞かない。バランスを崩して倒れそうになることが何度も。道に迷いながらも、ホテル周辺へ着たが・・・ホテルらしきものが見つからない。しかも、ホモ用の店がある。「まさか、このホモ・ショップがホテルじゃないよね~」とか言いながら、ホテルを探す。住所を確かめながら探していくと・・・何とそのホモ・ショップの隣がホテル。まさか、このホテルはホモ専用なのでは?と不安がよぎる。

中に入るとなかなか歴史を感じさせる鎧が飾ってある。しかもフロントの奥にある食堂には誰のか分からない肖像画が壁一面にかかっている。う~ん、夜中に来ると肖像画の目が動きそうだ。

Yがチェックインを済ませて、鍵を受け取り部屋へ行くことに。部屋は4階にあるのだが、なぜかエレベータが3階までしかない。なぜだ?よく分からん。しょうがないので、3階から4階までは重い荷物を持って、階段をエッチラ・オッチラ運ぶ。

部屋はまぁまぁ。広からず、狭からず。今日からここに2泊だ。

さっそくケルン観光へ。ケルンはそれほど広くないし、2人で見たい施設(フィルハーモニーやオペラハウス)は歩ける範囲内なので、徒歩で観光することに。まずはオペラハウスへ。ケルンは全体的にゴチャゴチャっとしている。道もそれほど広くない。まぁ、活気が溢れている、といえば良いのだが。オペラハウスに着いたのが、あれれ・・・?予想よりも何ともない建物だ。ちょっとガッカリ。さて、次の目的地フィルハーモニーへ。フィルハーモニーはケルン中央駅の近くにあるので、先ずはケルン大聖堂から観光することに。

それにしてもでかい。本当にでかい。イギリスからフランス、オーストリア等々、多くの国で大聖堂・教会を見てきたので、ちょっとした大聖堂や教会では感動しなくなっていたが(=感覚が鈍くなってきた)、ケルン大聖堂には感動。久しぶりに感激してしまった。しかも建築に600年もかかっているといえば、その息の長さにビックリせざるを得ない。600年前といえば、日本では・・・室町時代かな?室町時代から造り始めて、やっと21世紀になって完成するなんて建物は、日本にあるんだろうか?

ケルン大聖堂の中に入ると、右方にステンドグラスがある。このステンドグラスはバイエルン王ルートヴィッヒ1世が奉納したので、バイエルン窓と呼ばれているそうだ。パリのノートルダム大聖堂や、イギリスのウェストミンスター大聖堂と比べると、鮮やかさでは劣るかもしれないが、綺麗なことに変わりはない。もしも一番初めにケルンへ来ていたら、ノートルダムやウェストミンスターがすごい小さく、ちょっと物足りなく思ったかもしれない。

さて、次は今晩のコンサートが開かれるフィルハーモニーへ。ケルン大聖堂のすぐそばに広場があるが、その広場にローマ・ゲルマン博物館が面している。ケルンの地図を見ると、このローマ・ゲルマン博物館の裏側にフィルハーモニーがある。さて、入り口は、入り口は?と探してみるも、見つからない!!なんじゃ、ココは?ローマ・ゲルマン博物館の隣に、音楽ホールらしき建物はあるのだが、入り口が見つからず、建物の周りを1周。ようやく見つかる。非常に分かりづらい(と1回行けば覚えるが)。

フィルハーモニーの前に行くと、すでに初老の女性が並んでいる。オイオイ、まだ開演約3時間前ですよ。でも今晩はイスラエル・フィルの名誉客演指揮者クルト・マズアだからなぁ~。早めに並んだ方が良いだろう。

フィルハーモニーの場所は確認した。それにしても疲れた・・・ダメだ、そろそろ年かな~。Yはまだピンピンしている。ちょっと休もう、とYへ提案。どうせ休むなら、久しぶりに甘いものが食べたい。そういえばさっきオペラハウスの近くに喫茶店があった。あそこなら、ケーキとか置いてあるだろう、ということでまたオペラハウスへ。

喫茶店に入ると、甘いものばっかり。Yはティラミスを、私はチョコレート・パフェを頼む。ケルンまで来て、男性2人でティラミス・パフェをつつくとは{^^;}パフェを食べ始めて、しばらくしたらYが何やら話し掛けてきた。「Cさん、Cさんの後ろにいる男性2人組のうち1人が、僕のことジロジロ見てくるんですが」とY。僕が「えっ?たまたまじゃないの?こっちの方を向いているから、たまたま視線が合うだけじゃないの?」と言ったら、Yが「いや、違うんです。体を曲げてこっちを見ようとしないと、見れないんですよ」。

ということは・・・その男性はYを見ようとして、わざわざ体をこちらの方へ向けている、ということか・・・それって?そう!うちらはホモに間違えられてしまった!!まぁ、よくよく考えてみれば男2人でティラミスやパフェをつついていれば、間違えるかもしれない。どうやら向こうの2人組はホモらしい。やばいぞ・・・1人づつ交換しようなんて言われたら・・・ゾ~っとする。しかも何が怖いって、向こうは食べ終わっているのに喫茶店を出て行かない、ということ。私は2人組を見れない位置に座っていたので、Y情報であるが。うちらはまだ食べている途中。まさか・・・うちらが食べ終わるのを待っているの?まさかねぇ~。でも本当にそうだったら・・・?

Yと食べ終わった後に、喫茶店を出た。うん、2人組は追ってこない。良かった、こっちの取り過ごしだったか。でもYはまだ心配な様子。チラチラと後ろを振り返る。でも、さすがに200mぐらい歩いて、来なかったのでようやく安心。

いや~、えらい目にあった。ケルンまで来てホモに間違えられるとは・・・しかもホテルの隣がホモ・ショップだから余計リアリティがある。

1回ホテルに帰って、休憩してから、着替えて再びフィルハーモニーへ。

今日のコンサートは前述したように、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団で名誉客演指揮者のクルト・マズアが指揮を振る。クルト・マズアといえば、ドイツが誇る名マエストロ。『指揮者のすべて』(音楽之友社)によれば、一時期ドイツ首相の候補にも名前が挙がったことがあるらしい。要は、ドイツへイスラエルのオーケストラが来る、そして自国の指揮者が振る、ということは、日本に例えばウィーン・フィルが来て、自国の指揮者である小澤征爾が振るようなもの。外国オケが来ればチケットは高いし、チケットも入手困難。

あまり期待せずにフィルハーモニーへ行ってみると・・・うお、すごい列が。といっても20名ぐらいだが。それでも開場45分ぐらい前。ひょっとすると、今日はコンサート見れないか・・・と心配になりつつも並ぶ。当日券売り場は、入場口の入った直後のところにある。当日券売り場の上には電光掲示板でチケットの残券状況が載っている。一番高いA席と次のB席、そして一番下のランクの席は余っているようだ。あとは、自分達の順番までチケットが残っているか。Yと話して、A席やB席だと日本円で10000円から15000円ぐらいなので、買わないことを確認。

順番が来た。チケットは残っている。やった~♪"弦のイスラエル・フィル"を聴ける。フィルハーモニーへ入る。ロビーは普通の現代的な感じ。ちょいとトイレ、と行ったが、ここではチップはなかった。いや~、やはりチップの習慣には馴染めない。ホールの中に入ってビックリ。なかなか面白い構造をしている。すり鉢の形をしていると言えば良いのだろうか。サントリー・ホールを垂直方向に引き伸ばして、もっと円形に広げた感じ。ホールの感じとしては良いのだが、お客には不親切極まりない。というのも、階段が効果的に設置されていないし、通路があまりないので、自分の席に行くまでに人の前を横切らなければならない。まぁ、うちらは立ち見席だったので、そういう困難さはなかったのだが・・・

開演前にプログラムを購入。高い!なぜか3.5ユーロもする。しかも、5ユーロ札しかないので、札で払おうとすると「お釣りはない」とお姉ちゃんが言っている。手に小銭をジャラジャラ持っているのに!要は、チップ込みで良いのか、と言いたいらしい。とりあえず私が不審な顔で見ていたら、お姉ちゃんは観念したらしく、お釣りをくれた。こういう高慢な態度の人にはチップはあげたくなくなる。

プログラムを買って高い理由が判明。今年クルト・マズアは様々なオーケストラとケルンのフィルハーモニーに演奏に来る。それがマエストロ・シリーズとか言う一連のシリーズになっている。そのシリーズのプログラムになっているのだ!ということは、見ることのない演目の解説まで含まれている。

まぁ、プログラム購入で気分を害しながらも、このホールの響きはどうなんだろうねぇ~、とYと話しながら開演を待つ。席の埋まり状況を見ると、前の方(A席やB席)には空席が目立つ。あんだけ高ければ買わないだろうなぁ~。Yと「あそこは空いているね」と移動できないか物色して見ているも、案内係の人がうろうろしているので、これは立見席のお客が移動しないようにチェックしているな。。。と感じたので、移動するに移動できない。開演2分前というところになって、案内係の若い男性が話し掛けてきた、しかも日本語で!!「空いている席に移動しても構いませんよ」と。これにはYと一緒にビックリ。2人で話していた日本語も理解していたんだろうか・・・ビクビク。

コンサート後。帰ったらホテルの前にホモがいるんだろうか・・・ちょっと不安だったが、ホテルの前にはホモはいなかった。ケルンには2日滞在なので、洗濯をする。これがこの旅最後の洗濯になるだろうなぁ~と感じながら、シャツやパンツを洗っていた。

明日はベルギーのブリュッセルへ。日帰りなのでそれほど楽しめないが、やっぱり行っておきたいので、Yを説き伏せて行くことに決定した。明日もイスラエル・フィルのチケットは取れるんだろうか・・・なんて考えながら就寝。

3月12日のコンサート・レポート
イスラエル・フィル@フィルハーモニー(ケルン)クルト・マズア(指揮)

Program
ロン・ヴィルトベルグ(1953~) オーケストラのためのラプソディー
セルゲイ・プロコフィエフ(1891~1953) 交響曲第1番ニ長調「古典交響曲」 Op.25
ドヴォルザーク(1841~1904) 交響曲第8番ト長調 Op.88

弦のイスラエル・フィル、という評判を聞いていたので弦に関しては期待していたが、かつてはバーンスタインも振ったオケ。それなりの名演を聞かせてくれるだろうと思っていた。しかも指揮は巨匠マズア。まぁ、1曲目の現代曲はすっとばして・・・2曲目からであるが、やはり弦はしっかりしている。弦だけであれば先日聴いたベルリン・フィルよりも上手いと思う。ウィーン・フィルには及ばないが、非常に瑞々しく艶やかな音で、Nが好きなタイプ。しかし!管が悪い。この弦と管のバランスの悪さは何なのだろう?弦が上手すぎるのか、それとも管が下手すぎるのか?とても同じオケとは思えなかった。マズアの指揮は簡素であるが、ここぞというときに朝の体操のような振り方をする(両手を閉じて広げて閉じて広げて、というラジオ体操にあったような振り方)。古典もドヴォルザークの第8番も弦の部分は満足であるが、全体としてはあまりいただけなかった。

☆参考URL
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
フィルハーモニー(ケルン)

3/13-ベルギーで高級ランチ-ケルン~ブリュッセル~ケルン

今日はベルギー。ベルギーと言うと何かメルヘンチックなイメージがある(勝手な思い込み?)。ケルン中央駅からベルギーのブリュッセル中央駅までは約3時間(ケルン中央駅→ブリュッセル中央駅までは普通の国鉄で行くため)かかるので、7時に起床。壁に肖像画がたくさんかかっている食堂で朝食。

起きてビックリしたのは、風呂場に結露!洗濯物を干していたのに、全然乾いていない。しょうがない、部屋の清掃に来るとは思うが、部屋の中に洗濯物を干しておこう。

ケルン中央駅発9時14分の電車に乗って一路ブリュッセルへ。乗ったのはベルギー国鉄。どこの国鉄もそうだが、喫煙スペースはだんだんと少なくなっている。ベルギー国鉄も然り。1等車の脇の方にちょっとあるだけ。たまたま4人用の席が空いていたので、Yと窓際の席に陣取る。地図で見るとブリュッセルはケルンからずーーっと西へ行った方向に位置している。しばらくすると、若い女性が2名(高校生か大学生ぐらい)が隣に座ってきた。どうやらタバコを吸いたいらしい。やはりこちらの女性はデカイ。

長電車に慣れたとはいえ3時間はやはり長い。ベルギーに入ってビックリしたのは、汚いこと。もちろんどこの国でも汚いところはあると思うが、ベルギーに持っていたイメージがガラガラと崩れてしまった。電車は切り通ったところを通っており、その両脇には住宅がある。その住宅から線路の走っている窪んだところへゴミが捨ててある。う~ん・・・ゴミはちゃんと捨ててよ~。

ブリュッセル中央駅へ到着。ここでもビックリ。まずは駅が地下にあるのだが、明りが少ない。よって暗い。次に地上へと向かうが、駅が古い、というよりやはり汚い。ベルギーってこんなところだったのかぁ~。まぁ現在改築中だったので、新しくなったらきっと良くなるんだろう。

先ずは帰りに乗るTGVタリスのチケットを買うために、Yと一緒にチケット売り場探し。あった、あった。Yがチケットを買う間に、Cは駅構内にインフォメーションがないかを探しに。と、いきなり若いお兄さんが登場。何か切羽詰っている。とりあえず、英語で話してくれ、というと、「親が交通事故か何か事故に遭った。けれども電車賃がないからくれないか」ということ。お兄さんの英語が分かりにくくて、何回も聞き返した結果、ようやく分かった。さて、どうしようか。一応、「ごめんなさい。貧乏な学生なんでお金はありません」と答えるが、「すぐ近くの駅なんで、5ユーロで良いんだ」と引き下がらない。演技が迫真だったので、本当かと思ったけど、フランスのこともあるので、何とか振り切る。

結局、駅の構内にインフォメーションは発見できず、Yのいるチケットオフィスへ。Yにそのお兄さんのことを話したら、「そりゃ、払っちゃダメですよ」と。やっぱりそうだよね、事故とかだったら、どうにかして行けるもんね。ところでYはまだ並んでいる。まだチケットが買えないらしい。というより、列が進まないらしい。ようやく順番が来た。英語でYがオフィスのおばちゃんに話し掛ける。TGVタリスでケルンまで行きたいんだけど、とYが言った。そうしたら、おばちゃんが「あなたTGVタリスに乗っても乗らなくても、ケルンまで掛かる時間は同じよ」と言った。なんじゃそりゃ{^^;}。おばちゃんは勝手知らない日本人が、TGVに乗ったほうがケルンまで短い時間で行けると思い込んで、チケットを買いに来たと思っているらしい。必死に説得している。何でチケットを買おうとしているのに、買わない方が良いわよ、と説得されるんだろう・・・?

おばちゃんとやりとりして10分ぐらい。チケットを買うことに決まったが、どうやらおばちゃんまだ機械の使い方をマスターしていないらしい。奥から責任者っぽいおじさんが、おばちゃんに指導している。謎は解けた、なぜ列の進みが遅かったか。1つは、おばちゃんが機械の使い方に習熟していないため。もう1つはおばちゃんが非常に親切、というかおせっかいなために話が長くなるため。まぁTGVタリスのチケットに関しては、本当に親切心で言ってくれたんだろうから、嬉しいのですが・・・

チケットも手に入れ、あまり時間はないがベルギー観光へ。駅の外へ出ると霧雨。傘が必要なような、要らないような微妙な降り。Yの持っていた『地球の歩き方 ヨーロッパ』のベルギーの欄を見ながら、観光開始。

ブリュッセル公園

トコトコ歩いていくと、ロワイヤル広場へ。そこにたどり着くまでどっち方向に歩いているのか皆目見当がつかなかった・・・ロワイヤル広場について現在位置が分かったので、じゃブリュッセル公園へ行こう。ブリュッセル公園はそれほど広くはないが、非常に整っている。ジョギングをしている人がたくさんいる。これは会社員が昼休みを利用してジョギングしているんだろうか?それにしても、晴れていればなぁ~。雨が降っているとせっかくの風景も~。王家博物館を背にブリュッセル公園を歩いていくと噴水が。それではまずブリュッセルで写真を1枚。写真の奥の方向に王家博物館、王宮がある。それと逆の方向に国会議事堂がある。Yは国会議事堂を背に写真を取った。今、考えると国会議事堂を背に取った方が良かった・・・

国会議事堂の前を通り過ぎて、次に向かうはサン・ミッシェル教会。それにしてもベルギーの道は分からん。まるで城下町。ドイツやフランスの道が非常に大きくて、まっすぐな道が多かったので、余計ベルギーの道がクニャクニャに思える。サン・ミッシェル教会はケルン大聖堂とは違い、真っ白な綺麗な教会。でもいわゆるフツ~の教会。教会の前に乞食がいた。お金をせびってきたがやらない。何やら非常に機嫌が悪そうだ。お金をもらおうというのなら、もう少し態度を改めたほうが良い気がする。

サン・ミッシェル教会から、今度は王立モネ劇場へ。感激も少なく、続いてグラン・プラスへ。グラン・プラスというのは、町の中央広場のようなところで、市庁舎・ブラバン公の館、王の家に囲まれている。『地球の歩き方』によれば、世界で最も美しい広場と賞賛されているらしい。確かにおとぎ話の中に入ったかのような感じになる不思議な空間。晴れていれば、もっと綺麗だったんだろうけど・・・

さてブリュッセルといえば・・・小便小僧、というのが定説らしい。僕は知らなかったが。小便小僧なんて見てもねぇ~と思ったが、せっかくブリュッセルまで来たんだし、ということで見に行った。やはりどうってことない、普通の小便小僧だ。クリスマスとかイベントシーズンになると綺麗に着飾るようだが、行った時は特別なシーズンではないので、何も着ていなかった。

そろそろお腹が空いてきた。『地球の歩き方』に"聖カトリーヌ教会の近くにはおいしいレストランが多い"という記述を信じて、聖カトリーヌ教会へ向かう。聖カトリーヌ教会は聖カトリーヌ教会で歴史を感じさせる造りで、中に入っても人は2名程度しかいない。観光客でごった返していないので、ゆっくり教会の中の雰囲気に浸れた。

さて、昼食場所を探すか。教会を出ると池を中央にして左右に道が走っている。その左右の道沿いにカラフルなレストランが並んでいる。多分どこに入ってもそれほどハズレはないだろう。あとドイツ語もフランス語も出来ないから、定食(コース)があるレストランが良いね、ということで教会近くのカワイイレストランに入る。あれれ・・・入るとお客さんは誰もいな~い。失敗したか?と思ったが、さすがにコートまで預けては出るのは気が引ける。

コースの料理を2人分頼む。ワインを飲んでも良かったが、Yがあまり飲みたくないとの言うので、水で我慢。料理は全3品で、25ユーロ。日本円にすれば3000円弱。お昼からゴージャス気分。前菜のかまぼこのようなのもおいしかったし、メインの鶏肉(かな)が良かった。海の幸がおいしいブリュッセル、とガイドブックには書いてあったんだけどなぁ、何で肉だったんだろう。まぁいいやおいしかったし。

大満足でレストランを後にする。レストランを出て、レストランを写真に取ろうとして中央の池の所へ行ったら・・・・ベチャ。む、この感触は・・・あぁ~~またもフンを踏んでしまった。レストランで味わった優雅な気分が、一気に冷めた。

さてと、TGVタリスはブリュッセル南駅(来たときは中央駅)へ行って乗るので、時間はあるけど南駅へ向かうか。しかし、数分もしないうちにトイレへ行きたくなった。しかも2人とも。レストランで行っておけば良かった・・・しょうがない、帰り道の途中でトイレのありそうなデパートでも探すか。

王立モネ劇場近くにデパートがあったので、トイレを探して入ろうとしたら・・・Yが止めた。どうしたの?と聞くと、中に変な男とおばあさんがいるという。しかもトイレの中でたむろっているらしい。なるほどトイレ使用者からお金をせびっているわけか。じゃ、いいや駅まで我慢しよう。

中央駅から南駅までベルギー国鉄に乗る。南駅は・・・新しい。非常に近代的な広~い駅。何でこっちが中央駅ではないんだろう?でも、ユーロスターやTGVなど高速新幹線は南駅発着らしい。なるほど納得。さてとトイレ探し。あった、あった。中に入る・・・と、いたよ。お金を取る人が。もういいや。払ってやろうじゃないの。でも見た感じトイレの清掃員ではない。一体何者なんだ。でも25セント・ユーロだからいいか。

どうもトイレに入るぐらいでチップを払わなければいけない、という風習には馴染めない。

TGVタリスの出発には、まだまだ時間があるので駅の構内で買い物。ベルギーと言えば!ゴディバ。今、気づいたがGODIVAをカタカナで書くと非常にかっこ悪いなぁ~。お土産にゴディバを1つと、名前を聞いたことがない会社のを1つ買う。日本でも普段ゴディバなんて買わないんで、日本よりも高いのか安いのか分からない。

TGVタリス

駅でウダウダして時間が経つ。ようやくタリス到着。今回はユーレイルパスが乗車券のみ(ドイツのICEなどは特急券も込んであるので、1等車に乗れる)なので、2等車。やはり2等は狭い、な~んて贅沢すぎる愚痴をYとこぼす。でも狭いことは確か。中はユーロスターとあまり変わらない。違いは1等と2等のスペースの広さぐらいだろう。切符売り場のおばちゃんが言ったように、2時間半ちょっとはかかった。確かに国鉄で3時間とそれほど掛かる時間は変わらない。

ケルン中央駅へついて、まずはフィルハーモニーへ。今日はイスラエル・フィルの2日目。指揮者は昨日に引き続きクルト・マズア、演目はメンデルスゾーンの交響曲第3番"スコットランド"とムソルグスキーの"展覧会の絵"。昨日もチケットは手に入ったので、今日も入るだろうと予想して行ったら、手に入った。昨日と同じく一番安い立見席。でも良いや、聴ければ。

コンサート後、帰り道途中でビールを買ってホテルへ。このビールがなかなかイケル。今日でドイツも最後か。明日はオランダだ。

3月13日のコンサートレポート
イスラエル・フィル@フィルハーモニー(ケルン)クルト・マズア(指揮)

Program
メンデルスゾーン(1809~1847) 序曲「ルイ・ブラス」 Op.95、交響曲第3番イ短調「スコットランド」 Op.56
ムソルグスキー(1839~1881)(編曲:セルゲイ・ゴルトシャコウ) 展覧会の絵

昨日に引き続きマズア &イスラエル・フィル。昨日の曲はまだそれほど管が前面に出ている曲ではなかったが、今日のメインはムソルグスキーの展覧会の絵。これはゴマかせない。1曲目はメンデルソゾーンの序曲であったが、初めて聴いた。なかなか良い曲。2曲目のスコットランドは第2楽章が好きで、この第2楽章は満足の行く演奏だった。さてメインの展覧会の絵。テンポはどれくらいかなぁ~と思っていたら、始まった。かなり早い。すごい早い。Nは遅い方が好きなので、このテンポはちょっといただけなかった。管は頑張っていたが、やはり所々アラが目立つ。演奏の密度はそれほど濃くなく、かなりあっさりとした仕上げ方だった。マズアはドイツ系指揮者ということで勝手に重い演奏だろうという思い込みがあったのだが・・・

3/14-やっぱりコンセルトヘボウは違う-ケルン~アムステルダム

今日はオランダ、アムステルダムへ。7時15分に起床して、朝食後、ゆっくりと荷物整理。コンサートも16回聴いて、さすがにプログラムとかも増えてきた。バックのバランスが崩れないように、考えながら荷物を入れていく。

ライン川

ホテルを出て、ライン川へ向かう。フランクフルトに流れていたマイン川は、このライン川の支流。マイン川も汚かったので・・・やはりラインも汚い。でも河畔に立つと、なにかロマンティックな感傷に浸れる。これが旅愁なのかな。

10時15分のICEでアムステルダムへ。運転席の後ろ、つまり運転席が丸見えの席に座ろうとするが、果たして座っていいものか迷って、車掌さんに聞いてOKをもらってから座る。なるほどこれがICEのコクピットか。それにしても1等車は乗客が少ない。これじゃ赤字だろうな。昨日のタリス(2等車との違いはあると思うが)とは大違い。

運転席後ろの席にも飽きた、というよりCがタバコを吸いたくなったので、喫煙室のコンパートメントへ。5人用のコンパートメントを2人で占有。ゆったりと足を伸ばしてリラックス。そのうち、ウトウト。寝ている間にドイツ-オランダ国境を越えたらしい。オランダに入っていた。オランダに入って目に入ったのが、オランダ国鉄の電車の色。青と黄色のツートンカラー。これはスゴイ。派手というのを通り過ぎて、この配色にしたオランダ国鉄を褒めたくなる(褒め殺し?)。

オランダというと風車、という勝手な思い込みがあったが、電車から風車は見えず。でも窓から見える風景は、ドイツともフランスとも、イギリスとも違う。何となくオランダ、というと説明になっていないが、何となくオランダとしか表現のしようがない・・・

アムステルダム中央駅へ。Yが「東京駅はアムステルダム中央駅を真似て造ったんですよ」と言う通り、あの煉瓦造りの建物。さてとりあえず1日乗車券を求めに、駅前にある市内交通機関の案内所GVBへ。観光客がたくさんいる。チケットは買ったが、今日泊まるホテルはトラムで行くよりも、歩いた方が近いというので、ゴロゴロと荷物を転がしながら歩いていく。駅からまっすぐ伸びているダムラーク大通りの1つ隣の道を歩いていくと、何とかホテルを発見。ホテルへ入ると、いきなり若い女性2人が鼻歌混じりに踊っている。何だここは・・・?と不思議に思っていたら、そのうちに1人が受付のお姉さんであった。う~ん、オランダ人は陽気だ。

チェックインを済まして、エレベータで上がる。このエレベータは受付でもらったカードを持っていないと乗れない仕組みになっている。まぁアムステルダムというと"飾り窓"であるから、そういうところの配慮なのかも。部屋に入ってビックリ!狭い!しかも、なぜか窓際とバスルームの壁が斜めになっている。外側の壁は別に傾斜した屋根になっていないので、何らかの意図で壁を斜めにしたんだろうが、狭い部屋が余計狭く感じる。おかげで1回頭をぶつけてしまった。

さて手荷物を持ってアムステルダムの町へ。とりあえず歩いて行けるところに、町の中心部とも言うべきダム広場があるので、最初はそこへ。近くに王宮と新教会がある。広場には人がたくさんいる。人も多いが、ハトも多い。ダム広場から中央駅へと向かう。ダムラーク大通りにはいろんな店がある。途中で中華料理屋の前を通りかかったとき、ボーイさんが"ニーハオ"と僕の顔を見ながら、言ってきた。呼び込みのボーイらしいが、なぜ中国語?どうやら中国人に間違えられたらしい・・・

中央駅前の乗り場からトラムに乗り、とりあえず市庁舎方面へ向かう。アムステルダムの町は、町の中に運河が通っている。高い建物はなく、町全体は非常にこじんまりした感じがした。

市庁舎近くで降りたが、いまいちどこに市庁舎があるのか分からない。オランダに関しては2人とも勉強不足。『地球の歩き方 ヨーロッパ』に載っている地図を見ても、でかい地図しか書いていないのでいまいち方向感覚が掴めない。というわけで、ブラブラする。お腹も減ったねぇ~ということで、ランチする場所も探しながら散歩。

歩いていると、セルフ方式のレストラン発見。こういうレストランは結構便利。自分の食べたい分だけ食べれるし、しかも自分の目で食べたいものを選べるから。もちろんドイツ語かオランダ語を学んで話して、いろいろと聞きながら食事ができるのが一番楽しいとは思うが。レストランの中は何かディズニーランドを想い起こさせるような雰囲気。非常ににぎやかだが、のほほんとしている。

食後、アムステルダムといえば、"飾り窓"。ということで、後学のために(?)Yと一緒に飾り窓見学へ出かける。"飾り窓"地帯は町の中心通りダムラーク大通りから1本奥のほうへ入ったところにある。実はC、飾り窓っていう意味がいまいちつかめていなかった。が、行ってみたら納得。窓、といって普通の窓ではなくドアが窓になっている感じで、その窓にカーテンが掛かっている。カーテンが閉まっていれば、その中にいる女性はただいま仕事中ということ。飾り窓地帯を歩いていて、窓の中に下着だけの女性が立っていたり、座っていたりしてこちらを見ているときには、さすがにビックリ。飾り窓の意味を体感した。しかし、いかんせん時間帯がまだ早い。窓のところに立っている女性があまりいない。ので、Yと一緒にもう1回夕方来ようということになる。

飾り窓での興奮(?)を感じつつ、今晩のコンサートを聴くコンセルトヘボウ(コンサートホールという意味)へ行く。コンセルトヘボウはちょっと中央駅から遠い。トラムに乗って20分ぐらいかかる。今晩のコンサートは20:00から始まるから、終わるのは22:00ぐらい。帰りが少し怖い。

コンセルトヘボウ

トラムに乗っていくと途中にハイネケンビール工場が見えた。研究室でビールの大好きなH君のためにハイネケングッズでも買いたいところだが、ビール工場見学は出来ない時間だったので通り過ぎる。コンセルトヘボウに到着。コンセルトヘボウの近くには市立近代美術館、国立ゴッホ美術館、国立ミュージアムがあり、その中心に芝生の広場が広がっている。

コンセルトヘボウのチケットオフィスへ行ったが、まだチケットは買えないとの事。Yがオフィスのおばちゃんに聴いて、「1時間前に来れば当日券は買えるか?」と聞いたら、「買えると思うわよ」とおばちゃんが言ったので、Yは「We will return.」と答えた。僕は「I shall return.」って言えばカッコよかったのに・・・と言った。

Yはゴッホ美術館に行きたいと言っていたが、Cはそれほど興味は湧いていなかった。でも、どうしてもトイレに行きたくなったので、一緒にゴッホ美術館へ。こういうときに絵に浸るのも悪くない、トイレにも行けたし。絵を見終わって、1階のカフェで夕食を取る。コンサートを聴いた後だと10時過ぎなので、それからどこかへ食べに行くのも・・・と思ったので。買ったパンが甘い。普通のアップル・パイかと思ったら、周りに砂糖の溶かしたものを塗っていて、甘い物好きのCでもさすがに閉口・・・

さて1回ホテルへ戻り、スーツに着替える。いざ夕方の飾り窓へ!夕方になり、飾り窓にも明りが灯り、昼間とは空気が全然違う。怪しい雰囲気・・・また昼間にはあまり窓のところに女性がいなかったが、仕事時間にもなっているので女性の数が多くなっている。まさに飾り窓だ・・・一種いわゆるカルチャーショック。こういう職業がどうどうと認められていることにビックリする。オランダでは合法らしく、Yと一緒に「職業欄に何て書くんだろう、こういう人は」、「肉体業って書くのかなぁ~」なんて他愛のない話をしながら、飾り窓を後にする。

さて、コンセルトヘボウへ。まだチケット売り出し1時間前ぐらい。人もあまりいない。そうこうしているうちに人が増えてきたので、チケット売り場の前に並ぶ。チケットは買えた、良かった良かった。今回の旅行でどうしても聴きたかった、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の3つは聴けた。

プログラムを買ってホールの中へ。独特の造りをしているホールだ。オーケストラの後ろにも席がある。1階席はウィーンのムジークフェラインやベルリンのコンツェルトハウスと同様。1階席の周囲には、それぞれのドアの入り口に作曲家の名前が書いてある。昔はその名前のプレートの下に肖像画が掛かっていたらしい。さて、席に座っていると何か2人のおじさんがやってきて、「ここの席はうちらのだぞ」と言い出した。何?うちらのチケットもここの席になっているぞ、と言ったが、言いあってもしょうがないので係員さんを呼びに行く。呼んできたら、うちら2人に「ちょっと待っていてくれ」と言って、ステージの下にある詰め所に行った。帰ってきて、違う座席番号をチケットに書いてもらった。さて、新しい席へ行って座っていると、また来た。今度は4人組。このやろ~と同じ係員に言いに行く。「ごめんなさい」と謝ったが、怒りはおさまらない。4人組のなかのおじさん2人も怪訝な顔でこっちを見ている。見るんじゃねぇ~と睨み返す。3度目にしてようやく落ち着く。まぁ、始めの席よりも良い席だから許すか。それにしても、オランダまで来て、こんなにイライラするとは思わなかった。あるんですね、機械で座席の管理をしていてもこういうことが。

コンサート終了後、外へ出ると雨。最悪。小走りでトラムの停留所へ。寒い・・・・しかも乗ろうとしているトラムがなかなか来ない。違う番線のトラムは結構来ているのに。ようやく来て、ホテルへ戻る。あわただしかったオランダもこれでおしまい。もうちょっと風車の風景とか楽しみたかったけど、それはまたの機会に(あるのかな~?)

「飾り窓行こうか」などと冗談を言いながら就寝。

3月14日のコンサート・レポート
ロイヤル・コンセルトヘボウ管@コンセルトヘボウ
ヤン・パスカル・トゥルトゥリエ(指揮)

Program
エドガード・ヴァレーズ(1883~1965) Integrals
クロード・ドビュッシー(1862~1918) 交響詩「海」
セザール・フランク(1822~1890) 交響曲ニ短調

当初予定されていたリッカルド・シャイーに代わり、トゥルトゥリエの指揮。親が有名なチェロリストということだが、トゥルトゥリエという指揮者は知らなかった。例によって、というかヨーロッパでは現代曲もプログラムに入れるのが通例となっているようで、1曲目は現代曲。といってもヴァレーズは名前だけは知っていた(前に読売交響楽団の演奏で何かを聴いたことがある)。が、やはり分からないので、コメントは控えます。2曲目のドビュッシー。Nはあまりフランス音楽を聴かない。というのもどうも聴いていると眠くなってしまうから。例に漏れず(?)このドビュッシーも寝てしまった・・・さて楽しみにしていたフランク。ベルリン・フィル、ウィーン・フィルと並んで3大オーケストラ(シカゴ響も入るのかな?)と言われているだけあって、非常に瑞々しい演奏。トゥルトゥリエの指揮は躍動的で小刻みに跳ねている。また両足をそろえたり、小さくジャンプをして両足を広げたり、見ていて楽しい(なんじゃそりゃ)。Nはクレンペラー指揮・バイエルン放送響のCDを持っているが、クレンペラーの重厚な演奏と比べると、雰囲気が明るくオケの音が瑞々しいコンセルトヘボウの演奏の方がフランクに合っている。シャイーを見れなかったのは残念だが、今回の旅行で3大オケ全てを聴けて大満足♪

☆参考URL
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
コンセルトヘボウ

3/15-最後の訪問国デンマーク-アムステルダム~コペンハーゲン

早いものでヨーロッパ・オケ巡り旅行も、最後の訪問国デンマークへ。やっぱりデンマークは寒いかな~と2人で話す。ヨーロッパは寒い、と日本で言われてきたが、こっちはぜんぜん寒くない。せっかく持ってきたセーターとかが出番のないまま帰るのも寂しいので、デンマークで使いたいものだ。

アムステルダム中央駅

朝起きて、朝食を取り、アムステルダム中央駅へ。アムステルダム最後の写真として中央駅をバックに撮ってもらう。この日は風が強くて、寒かったので写真では厚着をしている。

アムステルダム中央駅から、スキポール空港へ。電車で約20分。2階建て電車の1階に座り、風景を楽しむ。アムステルダムしか見ていないと、オランダって結構雑多な国だな、と思うが、アムステルダムから少し離れるとそんな印象は吹っ飛ぶ。風車こそ見えなかったが、近代的な町並みながら、自然と調和した落ち着いた雰囲気。

スキポール空港へ。オランダの玄関である空港。手続きを済まして、買い物へ。Yと別々に買い物へ出かけ、Cはタバコ屋へ。タバコを1カートンぐらい買っていこうかと思って、レジのところへ持っていったら、おばちゃんに注意された。どうやらこのまま日本に帰るのでなければ、税金が余計にかかってしまうので、コペンハーゲンの空港でタバコとかは買った方が良いわよ、と言っているようだ。お土産品にかかる税金については全く無知であるので、おばちゃんの忠告に従い、タバコはコペンハーゲンで買うことに。

あとは両親へのお土産。ネクタイや植物の球根、ボールペン、モーツァルトチョコ(ザルツブルグで買わなかったので、ここで買った{^^;})などユーロを使い切る勢いで買い物をした。Yはあまり良いものがなかったらしく、何も買っていない。その後、レストランで軽食を取り、待合ロビーへ。スキポール空港はでかい。しかも、Yが取ってくれたスカンジナビア航空の搭乗ゲートはなぜかいつも空港の一番端っこ。ヒースロー空港の時も着いたゲートはかなり遠いところだった。今回も・・・遠い。本当に一番端まで来てしまった。まぁ、結構安いからゲートとかが遠いのかもしれない、と勝手な想像を膨らませる。

飛行機が飛び立つ。さらばオランダ、アムステルダム。スキポール空港からコペンハーゲン国際空港までそれほどかからない。2時間弱といったところ。飛行機がどんどん上昇して、雲の上まで来てしまい、窓から外を見ても楽しくなくなってしまったので、眠くなる。コペンハーゲン国際空港へ到着。前に着いたところとは感じが違う。実はコペンハーゲン国際空港はでかいのでは・・・前回成田から来たときには、何か田舎の空港というイメージだったが、でかい。"国際"と名前に付いているだけのことはある。

コペンハーゲン国際空港からコペンハーゲン中央駅までは電車で行く。空港を出て、すぐ地下へある電車の駅へ。降りていくと・・・あったあった、ホームだ。対面を見ると電車が止まっている。白を基調として、窓のところに紫色のラインが引かれている。オランダ国鉄NSやベルギー国鉄よりはかなりまともな配色だ。でも、電車の正面を見てガッカリ。デザインを無視した機能性重視のつくりだった。何ていうんだろう、カバの顔のような・・と言えば一番合っているかもしれない。かなり電車正面の見た目はダサい。

コペンハーゲン中央駅へ到着。さすがにデンマーク語は分からない。オランダ語ぐらいまでなら、フランス語とドイツ語を見慣れていれば、違和感はそれほどないのだが、デンマーク語だとO(オー)にラインが入っていたり、摩訶不思議な文字があり、かなり違和感を感じた。

さて、コペンハーゲンに着いてまずやること。それはデンマーク・クローネに換金することと、今日泊まる宿を探すこと。デンマーク・クローネへの換金は駅構内にある両替商Forexという店でやった(『地球の歩き方 ヨーロッパ』に書いてあったところ)。このときトラベラーズチェックも一緒に換金したが、かなりチェックが厳重で電話をしてトラベラーズチェックの番号の確認をしていた。さて換金が終了したので、ホテル探し。これまではYがあらかじめ日本で予約してくれたホテルに泊まっていたが、コペンハーゲンのホテルは取れなかった。駅を出てチボリ公園のそばにある観光インフォメーションへ。行くと観光客がいるいる。整理番号チケットを取って待っていると、順番になった。受付は感じの良いおばさん。ホテル探しているんだけど、というと条件は?と聞いてきたので、これぐらいの値段で駅から近い方がいいと言う。すぐに見つかった。値段もそこそこ。駅からも近いし。すぐにO.Kで予約を入れてもらう。ホテルの予約が済んだ後に、コンサートのチケット予約について聞いてみる。このおばさんスゴイ親切で、色々とパンフレットを持ってきてくれて「今日はこんなコンサートがあるわよ」と懇切丁寧に教えてくれ、チケットを買う場所も教えてくれた。うちらが「僕たち2人は日本の学生団体の指揮者でクラシック音楽を聴きに、旅行しているんだ」と言ったら、「それじゃ、マルコ指揮者コンクールに出たら」と言った。コペンハーゲンではマルコ指揮者コンクールと言うコンクールが開かれているらしい。「もっと勉強して来ますよ(笑)」と言って、インフォメーションを後にする。

コペンハーゲンの町は非常に空間的にゆとりが感じられる。道も広いし。何といっても驚いたのが、自転車の多さ。自転車専用の側道がちゃんと整備されている。町全体が快晴の青い空に映えて非常に綺麗だった。インフォメーションで予約してもらったホテルはすぐに見つかった。真中よりも少し良いというぐらいのホテルだが、これがどうして良いホテルだ。入るとこれまた感じの良いおばさんが迎えてくれた。部屋へ行くと、アムステルダムの狭い部屋から一転広~い。天井が高く、バスルームも広い。部屋からの眺めは良くない、というよりビルに囲まれているので。荷物を置いてちょっと休憩。さてコペンハーゲン観光はどうしよう、とYと相談して、ぼんやりとホテルのインフォメーション・カタログを見ていたら、"レンタル自転車無料"とあるではないか!これは借りるしかない!即決定。準備をして1階のフロントへ。さきほどのおばさんに自転車を借りたいんだけど、というと鍵を2つくれた。おばさんが自転車のある場所を教えてくれたが、見つからない。しょうがなくもう1回フロントへ行き、自転車のありかを聞く。全然違った、場所が・・・

自転車置き場に行き、おばさんからもらったキーの番号に合う自転車を見つけた・・・ふ、古い・・これは相当な年季ものだ。Yの自転車はブレーキの効きが悪いらしいので、Cのと交換。いざ、コペンハーゲン観光へ。

自転車でコペンハーゲン観光

まずはコペンハーゲン中央駅からも見えたチボリ公園を横目に見て、クリスチャンスボー城へ。それにしても寒い。手袋が欲しいぐらい。風を切って颯爽と・・・と言いたいところだが、寒くてコートの前のボタンを全て締めないと風邪を引きそうだ。クリスチャンスボー城についてが、これといって普通の建物、現在は国会議事堂として使用されているという。続いてクリスチャンスボー城の外郭を回りながら、適当に自転車を走らせる。川(運河)を渡り、しばらく走っていると公園がある。ここで一休憩。現在位置が全くわからない。

コペンハーゲン王立劇場

最終的には人魚の像方面へ向かいたかったのだが、全然違う方向へ来ていたようだ。もと来た道を戻り、まず王立劇場へ。中に入ってみたが、何もない。チケットオフィスも空いていないし、何かパンフレットがるわけでもない。今日のコンサート予定であるコペンハーゲン・フィルが聴けなかったときのために・・と思ったが、何もないのではしょうがない、王立劇場を後にする。

続いて名前が分からないが教会へ。この教会、アメリエンボー宮殿から見える教会でベルリンの聖ヘトヴィヒ教会を彷彿とさせる丸いドーム型の教会だった。続いてその協会の正面の道を入っていき、アメリエンボー宮殿へ。中央に丸い広場があり、その広場を囲むようにして宮殿が建っている。時計の12時、3時、6時、9時の方向に道が走っており宮殿は4つの建物から成っている。それぞれの宮殿の前には衛兵が立っており、Yが写真におさめていたが、何か憮然とした表情でこちらを見ていた。

ゲフィオンの泉

次はアメリエンボー宮殿から真北にあるゲフィオンの泉へ。この同じ公園内に人魚の像もある。ゲフィオンの泉はあいにく水が出ていなかったので、ただの石像だったが、写真のようにその隣にある教会と組み合わせが何とも言えないロマンティックな感じを醸し出していた。写真では見づらいが、右下の方にゲフィオンの泉がある。ゲフィオンの泉の近くをYと一緒に散歩して人魚の像を探すが、人魚の像はもっと北の方にあるようだ。自転車のところへと戻る。それにしてもコペンハーゲンまで来て、こんな公園で男2人で歩いていたら、かなり怪しまれそうだ・・・

人魚の像を求めて自転車を走らせていったが、行けども行けども見つからない。あいにく『地球の歩き方 ヨーロッパ』にはコペンハーゲンの小さい地図しか載っていないため、正確な人魚の像の位置が分かりづらかった。懸命に探したが見つからなかったので、諦めて帰途へ。思えば結構遠くまで来たもんだ。体も思いっきり冷えてしまった。帰ったらホテル1階のカフェで温かいコーヒーでも飲もう。

帰りは帰りで、国立美術館、地質学博物館、植物博物館、そしてローゼンボー宮殿の脇を通った。通りすがりに見ただけだが、どの建物も歴史を感じさせる建物だった。それにしてもコペンハーゲンは綺麗だ。道は広いし、所々にある公園は非常に整っているし。これまで訪問してきたところで、住むとしたらウィーンかミュンヘンか、ここコペンハーゲンだろうな。

とりあえず寒さに耐えながらもホテルへ帰還。一旦部屋へ戻り、荷物を置いて1階のカフェへ。いや~それにしても寒かった。僕はラージ・サイズのカフェ・モカを頼んだら、本当にでかいのが来た。タバコを吸いつつ、Yと話して今晩のプランを練る。とりあえず自転車でチケット売り場(コンサート会場とは別のところにある総合チケット売り場)へ行ったら、「今日の分はない」と言われていた。さて、これまで何とかコンサートは消化してきたのに、コペンハーゲンで途絶えるのか?僕はもうどちらでも良かったが、Yは今日のコンサートに少し未練あり。よし、じゃあコンサート会場へ行って当日券があるかどうかは確認しに行こう、ということで落ち着く。

さていざコンサート会場へ。ホールはチボリ公園の一角にある本当に小さなホール(後で中に入って分かったが、○○市民会館といった感じ)である。当日券売り場は~?と探していると、それらしき所を発見。英語が通じるかビクビクしながら、話し掛ける。良かった通じた。英語で「チケットありますか?」と聞いたら、「ある」と言う。何と!あるではないか。あと「学生割引はありますか?」と聞くと、これも「ある」。う~ん、良かった諦めないで。チケットを手に入れて、ホールの中へ侵入。

とりあえず今日、このホールにいる日本人は自分とYだけだろう。これは確実。ホールの中に入ると人がジロジロ見てくる。まぁ、これだけ注目されることも今後ないだろうから、1度ぐらいこういうのも良い気分。インタミでトイレに行ったときも視線を感じた。

終わった後はYと苦笑。う~ん、これは笑うしかない。さて気を取り直して夕飯にしよう。

いろいろとレストランを物色したが、あまり良いところがない。始めにちょっと高級そうなところがあったのだが、結局そこにすることに。まぁ今度はチェコのようにお金がギリギリということにはならないから大丈夫だろう。1つ1つ頼むのは面倒くさいので、ディナーメニューを頼む。いやはや、またまた贅沢だ。学生の卒業旅行とは思えないほどゴージャスだ。まぁ、人生に1度あるかどうかの旅だから良いだろう。

夕食を堪能後、ホテルへ戻る。いや~、アムステルダムのホテルと違って広いので、良いなぁ。ぐっすると就寝。

3月15日のコンサート・レポート
コペンハーゲン・フィル@ティボリス・コンサートホール
シアン・エドワーズ(指揮)、ジョルダン・リイス(テノール)、ペル・ホイヤー(バス)
Program
ジャコモ・プッチーニ(1858~1924)
 Preludio sindonico
 ラ・ボエーム「Che gelida manina」
 Crisantemi for strygere
 トスカ「Gia mi dicon venal」
 マノン・レスコー 第3幕の間奏曲
 ラ・ボエーム「O Mime tu piu non torni」
 グローリア・ミサ

デンマークの首都コペンハーゲンのシンフォニー・オーケストラであるから、せめてNHK交響楽団ぐらいのレベルなのかな~と思っていた。が!ホールに入って、ちょっと不安になってしまった。というのは、コンサートホールというものではなく、○○市民文化会館の老朽化した感じだったから。曲はプッチーニの管弦楽曲集とグロリア・ミサ。グロリア・ミサは管理人が大学3年生のときに歌った曲。さて、前半は管弦楽曲集。始めてPreludio sindonico(交響的前奏曲)を聴いたがなかなか良い曲。NAXOSから出ているプッチーニ グローリア・ミサに入っているので、日本に帰ったら買って聴いてみようっと。さて後半。グロリア・ミサであるが、合唱が多い!!何人いるんだろう・・・多分100人以上はいたはず。しかも開演前に、ステージから客席の方に手を振っている・・・どうやら地元の合唱団で、家族か友達に手を振っているようだ。というわけで、合唱にはあまり期待せずに聴いていた。予想に反して、というと失礼だがキリエ-グロリアの途中までは、なんとかもっていたが、クレドからは崩壊気味。まぁうちの合唱団でやったときとそれほど変わらないかもしれないから、あまり批評してはいけませんね。

☆参考URL
コペンハーゲン・フィル(チボリ交響楽団)
ティボリス・コンサートホール

3/16-何もな~い-コペンハーゲン~オーデンセ

今日はコペンハーゲンから電車に乗り西のオーデンセへ行く。電車で約2時間半ぐらいの旅。

朝食を取った後に好例の荷物整理。もう手馴れてきた。段段と荷物が膨らまないようにするコツを会得してきた。さてチェックアウト。いや~、飛び込みで取ったホテルの割には非常に良いところだった。それにしてもこのホテル代と昨日の夕食代でかなりの出費。オーデンセでは少し倹約しないと(と言いつつ、もうデンマーク・クローネを使えるところはないから、クローネを使い切らなければいけないのだが)。

最近メールのチェックをしていなかったので、中央駅の周辺にインターネット・カフェがないかチェックしたがない。昨日ホテルを取ったインフォメーション・センターにメールをするところがあったが、値段が高いのでやめる。しょうがなく、駅構内でブラブラする。構内にあった売店でジュースを買う。このジュース、ジンジャーエールのような感じなのだが、ジンジャーエールではない。ホームに降りて、電車が来るのを待つ。暇なので乗るホームとは逆のホームに止まっていた電車の中に入って、デンマーク電車の観察。ヨーロッパの電車はドアを開けるのにコツがいる。初めてだと結構戸惑う。

そうこうしているうちに電車が来た。またまたユーレイルパスがあるので、1等車に乗る。いや~、1等車は広くていい。しかもデンマークの1等車にはジュース、コーヒーが置いてあり、セルフで飲むことが出来る。あと水も置いてあったので、Yと一緒に2本づつもらう。

コペンハーゲンからオーデンセへ向かう車中で

窓からの風景は平和そのもの。ちなみに写真はコペンハーゲンのある○○島とオーデンセのある△△島(島の名前が読めないので・・・)の間あたりで、線路の両脇は海。津波が来たら電車ストップだなぁ~なんて考えていた。

さて、長い電車の旅も終り、オーデンセへ到着。ホームに降りたら、いきなり大声で叫ぶ人が!何かうちらが怒られているのか?と思ったら違った。カップルの男性の方が女性を何か呼んでいるようだ。それにしても声がでかすぎるぞ、もうちょっと小さくても聞こえるだろう、おかげで寿命が1ヶ月ぐらい縮んでしまった。

さて、駅から出てみると・・・・何もな~い。長閑(のどか)、とはオーデンセのような町のためにある言葉だろう。まぁ管理人の住んでいるところも人に言わせれば長閑と言われるのだが。小さいときにイメージしたヨーロッパの町はこんな感じだった。

さてホテルへは徒歩だが、それほど遠くないところにあった。なかなか良いホテルだ。部屋もでかい・・・が、なぜかベッドはダブルのようなツイン(ベッドは2つなのだが、それがくっついているのでダブルのように見える)。これだけ部屋が広いなら、ツインの部屋のベッドはもうちょっと離してくれよ{;o;}

さて、ちょっと出かけたいのだが・・・鍵が閉められない!これは困った。2人でドアの前で四苦八苦。何か他の人から見ると相当怪しいだろう、この姿は。まぁ昼間に堂々とドアの前で鍵をいじくっている泥棒はいないだろうが。結局、Yがフロントへそのことを言いに行ったら、「後で閉めておきますから、どうぞ外出してください」とのこと。まぁ、人が少なそうだし大丈夫だろう、と外へ出る。

オーデンセの名所といえば、まずは童話作家アンデルセンの生まれた家。あとは作曲家カール・ニールセンの博物館と生家。とりあえず、オーデンセまで来たのはコンサートがあるから。そのコンサートを求めてホールへ向かう。が、ホールの場所が分からない。いったん駅まで戻って、地図を確認。ホールへ向かう。ホールはニールセン博物館のすぐ脇にある。日曜日ということで博物館は閉まっている・・・コラ、確かに観光シーズンじゃないが、やっていても良いだろう!ホール正面へ向かうと、すでにコンサートは開始されている。はぁ~、コンサートを求めてオーデンセまで来たのに・・・

しょうがない。それじゃ、アンデルセンの生家かニールセンの生家に行こう、とYと話す。アンデルセンの生家は、ホールのすぐそばにあった。これまた休館。おいおい{^^;}じゃ、ニールセンの生家か、と思って地図をたぐるも生家は地図に書いてある範囲外のところにあるらしい。とてもじゃないが、歩ける距離ではないようだ。それでは、オーデンセの町を堪能しよう、と散歩開始。

トコトコ歩いていくと、おっとスーパーが。今日は日曜日。店もあんまりやっていないし、デンマーク語は分からないし、ということで今晩はこのスーパーでお酒とおつまみ等を買って、ホテルの自室で夕食にする。ワインもあり、ビールもあり、サーモン・・・いろいろ買ってしまった。なぜ男同士でオーデンセまで来て買い物・・・?向こうの人はちょっと勘違いしているんだろうなぁ、やっぱり。このスーパーも5時に閉店。追われるようにして店を出る。こっちの人は日曜日はきっかり休むらしい・・・

店を出た後、さて散歩と思って地図を片手にオーデンセ巡り。う~ん、おそらく人生でオーデンセをこんなに散歩することは、もう(おそらく)ないだろうなぁ。管理人は少しは方向感覚に優れていると思ったが、やはり見知らぬ土地。迷った・・・地図を見るも、現在位置を把握できず。まぁ、だいたいの方向さえあっていれば着くだろう、と散歩続行。とまぁ、かれこれ2時間ぐらい歩いてホテルに帰ってきた。

オーデンセ やることもなく 男2人。ちょっと字余りだ。とりあえず、ホテルの部屋で2人だけの宴会開始。おっとワインを買ったのは良いが、ワインオープナーがない。Yに頼んで、ホテルのフロントでもらってきてもらう。何という嫌な客だ・・・(結局、次の日ビール瓶を5本ぐらいとワインを1本ぐらい部屋に置いていった)

ちょうど酔いも回ってきた頃、なぜか「ボーリングがしたい」ということになり、地図でボーリング場を探すと・・・あった!ちょっと遠いが。さて歩けるかどうかホテルのフロントで聞いてみる・・・と、歩けるということに。まぁ20分ぐらいだから、何とか歩けるだろう。酔いも回っているので意気揚揚。それにしても現在時刻8時半。この時間から町に繰り出すのも、な~んて心配は酔っ払いには不要。

地図を頼りにボーリング場を目指す。歩いて歩いて歩いて・・・着いた。さてボーリング場へ入ってみると、とりあえず奇異な目で見られた。そりゃそうだ。地元民しか来ないようなボーリング場に、しかもこんなシーズオフの時に、さらにこんな時間(9時過ぎ)にいるなんておかしい。フロントですぐ出来るか?と聞いたら「2時間ぐらい待ってもらう」とのこと。2時間は待てない。

地図にはもう1つのボーリング場が書いてあったので、また地図を頼りにもう1つのボーリング場を目指す。それにしても、まさに酔っ払いのなせる技。しらふじゃとてもじゃないが思いつかない、オーデンセまで来て夜にボーリングをやろうなんて。結局、もう1つのボーリング場もダメだった。

さて、行きはよいよい帰りはつらい、で帰りの足取りは重い。何とかホテルに到着。それにしても、オーデンセは良い。とりあえず、こんな時間に外出しても身の危険は感じなかった、というより外にいる人が少ない。人が住んでいるのか?と思うぐらいに人気を感じなかった。

ホテルに戻ってもやることなし。テレビを見つつ、風呂に入り就寝。結局、最後の最後でコンサートが聴けなかった・・・

3/17-いざ帰国-オーデンセ~コペンハーゲン~成田

長かったヨーロッパ・オケ巡りの旅も終りに近づいてきた。オーデンセからコペンハーゲン国際空港まで電車で行き、あとは一気に成田へ。

いつもと変わらぬ朝食を取り、荷物整理。いや~、それにしてもオーデンセは落ち着いた所だった。今度来るときは定年後にゆっくりと1週間ぐらい滞在したいものだ。

ホテルでチェックアウトし、オーデンセ駅へ。駅の売店で買い物。ジュースを買ってレジへ行き、買おうとしたらレジのおばさんが親切に「これが5クローネだよ」と教えてくれた。いまいちデンマーク・クローネには慣れなかった。

オーデンセからコペンハーゲンまでの電車からの風景は、昨日見たばっかりだが、心が落ち着く。汚れを感じさせない、清潔感にあふれた風景。そういえば昨日の時点でカメラのフィルムがなくなってしまったので、写真はもうありません(結構フィルムを買ってきたつもりなんだが・・・やはりデジカメは良いなぁ~とつくづく感じた旅行でした)。

コペンハーゲン国際空港に到着。早めに搭乗手続きを済ませて・・・って思ったら、なかなか列が進まない。なぜだ?と思っていたら、どうやら荷物を運ぶベルト・コンベアが故障したらしい。受付のお姉さん(というよりおばさんかな)が荷物を手で後方へ運んでいる。なかなか笑える光景だ{^^}荷物があふれてしまったので、このチケットをもってあちらの方へ荷物を持って行ってください、と言われてそこへ荷物を運び、ようやく重い荷物から解放された。

さ~て、あとは買い物♪ユーロが結構余っているので、使い切らなくては。コペンハーゲン国際空港内のショッピングストリートには店が多いが注意が必要!というのは、全ての店が免税店ではないから。全部免税店なのかな、と思って案内図を見ていたら免税店は2、3店しかない。というわけで、家族へのお土産等は普通の店で買い、お酒・タバコなどを免税店で買うことに。

日本に持ち込むときに、タバコ何箱以上とか、お酒は何本以上とかで税金を払わなくてはいけないので、そういう手続きの面倒くささを除外するために、税金を払わずに済む最大数を購入。といっても、それほどガツガツ買ったわけではないのだが。タバコはマルボロのカントリーヴァージョンといって少し箱のデザインがかっこ良いもの(ドイツのタバコがあれば、買いたかったのだがなかった)。お酒は好きなバランタインの12年と訳の分からないデンマークのブランデー(ウィスキー?)。さて、会計と50ユーロ札を出して払おうとすると、なんとレジのお兄ちゃんが「50ユーロじゃ釣りがない」という。なに~!!つりぐらい用意しておけ~!!でも、しょうがないので、財布の中を探してみるもない。しょうがない、ここは・・・クレジットカード。人生初のクレジットカードの使用がコペンハーゲン国際空港っていうのも、格好良いかも♪

何はともあれ"買い物してユーロ使い切るぞ計画"は見事に計画倒れ・・・

さて、あとは飛行機に乗って帰るだけ。帰りは偏西風に乗るからか、行きよりも少し飛行時間が短い。まぁそれでも12時間近くあるのだけど。行きと違い普通のエコノミーの席。やはり狭い。これはエコノミー症候群になる人の気持ちが分かる。寝るにもちょっとスペース上きつい。眠気もそれほど催さなかったので、映画を見る。

タイトルは忘れてしまったが、北欧の映画で主人公は新聞社に勤めるキャリアウーマン記者の物語。ある殺人事件を追っていくうちに、殺人事件に巻き込まれてしまう。最後は助かるのだが。なかなか面白かった。英語(デンマーク語か英語のどちらか)で聞いていたので、全てを理解できたわけではないが、ストーリーは楽しめた。もう1つは子供が主人公の映画。これは途中から見たので、いまいちストーリーが分からなかった。

まぁ、とりあえず飛行機に乗っている時間は長い。でも考えてみれば12時間ちょっとでヨーロッパに着いてしまうのだからすごいものだ(と、流体力学を学んでいる学生の言うことではないか{^^;})。

途中は省略し・・・

成田へ到着。午前10時半ちょっと過ぎ。晴れている。行ったときよりも少し暑く感じた。いや~日本だ。何とか無事に帰ってこれた。成田エキスプレスに乗って新宿へ。途中の風景を見て・・・う~ん、日本だ。落書きもないし。

初の海外旅行で8カ国も周るなんて、なかなか出来ない体験をしたものだ。それにしてもコンサートもよく聴いた。あれだけ世界の有名オケを連続して聴ける機会もそうそうないだろう。とりあえず、ながきに渡りました"ヨーロッパ・オケ巡りの旅"旅行記はこの辺で・・・

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