見出し画像

コストの観点から考える知財情報の収集・分析のあり方

「知財情報を組織の力に🄬」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

本記事は技術情報協会「適正な知財コストの考え方と権利化、維持、放棄の決め方」(2024年5月)に寄稿した論考です。

本記事を通じて、後発参入時の特許情報や技術情報の収集・分析方法について習得していただければ幸いです。

はじめに

知財情報収集・分析に限らず、コストパフォーマンス(コスパ)を追求することはビジネスを行う上で重要である。最近はコスパだけではなく“タイパ(タイムパフォーマンス)”1)というキーワードも登場している。知財情報収集・分析を行う人材は労働の対価(人的コスト)として給与をもらっているので、コスパを追求することと同時にタイパを追求することも必要となる。

本節では、コスパ・タイパを踏まえた知財情報収集・分析について、「情報収集・分析の目的の明確化と仮説構築」、「データベース・ツールの見極めとテクノロジーの活用」、「スピードと品質」の3点から解説する。


1.       情報収集・分析の目的の明確化と仮説構築

1.1 目的の明確化の重要性2)

ネットサーフィンなどで特に目的なく情報に触れることもあるが、ビジネスの現場においては、情報収集・分析を行う際、何らかの目的がある。目的を明確にせずに情報収集・分析作業を行ってしまうことは目的地を決めずに旅行に出かけるようなものであり、時間も無駄にしてしまい、結果として人的コストを含めた様々なコストを無駄にしてしまう。そのため情報収集・分析を行う際、まず目的を明確にすることが重要である。

ここから先は

5,712字 / 8画像

¥ 500

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは情報収集費用として有効活用させていただきます!