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知財業界でコンサルタントとして独立する⑧-値段はどうやって決めたのか?-

「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

「知財業界でコンサルタントとして独立する」シリーズ第8弾、今回は値段・プライシングについて取り上げます。

知財業界の中でも特許調査・分析サービス中心に活動してきましたので、あくまでも特許調査・分析を中心とした話になります。

値決めをする際に考えたこと

まず、独立起業して値決めをする際に考えたことを列挙します。

  • 他社サービスと比較不可能にする(難しくする)

  • 安くしない(ただし高すぎないようにする)

他社サービスと比較不可能にする

1点目の「他社サービスと比較不可能にする(難しくする)」というのはなんだ?と思われるかもしれませんが、分かりやすく言えば、イーパテントのみしか価値提供できないようなサービスにしようという想いがこもっています。

たとえばコンビニやスーパーに行けば、様々な種類のインスタントラーメンが置いてあります。インスタントラーメンという商品カテゴリで比較可能な状態であり、どのようなプロセスを経て購入されるかといえば、

  • 商品として優れているか?(おいしいか)

  • 価格は合理的か?(安いに越したことはない)

などを頭の中で考えてから、「よし!買おう」となるわけです。

特許調査・分析サービスについても基本的には同じようなプロセスを経て、依頼・発注につながると思うのですが、似たようなサービスを提供している企業があれば、当然相見積もりで比較・検討されてしまうわけです。

じゃ、どうすれば他社と比較されないか?といえば、イーパテントでしかできないようなサービスにすれば、比較不可能で当社のみに依頼せざるを得ない状況を作り出すことができると考えました。

「イーパテントでしかできないようなサービス」というのは、私自身が言っても説得力がなくて、クライアントが「イーパテントでしかできないよね」と感じていただく必要があります。

そのあたりの話は値決めやプライシングからは外れますが、4年ほど前に「スナックのざきなどを通じた知財分野における情報発信について-知財系 もっと Advent Calendar 2020-」としてまとめているのでご興味あればご参照ください。

安くしない(ただし高すぎないようにする)

次に「安くしない」です。

私は安売りというのが大嫌いなのですが、かといって、高すぎてはクライアントに選んでもらえません。

結果的に、どうしたかというと「1時間30,000円(税別)」で、工数ベースのチャージにすることにしました。

工数ベースのチャージはNGB、ランドンIP時代からやってきたことなので、実は変わりません。

ただ、「他社サービスと比較不可能にする(難しくする)」という点では、イーパテントで独立起業した際に、特許調査(先行技術調査、無効資料調査、侵害防止調査)はやらないと決めていたので、特許分析・コンサルティングで、工数ベースのチャージで他社と比較できるか?という形にしました。

もちろん、比較はできると思うのですが、特許調査(先行技術調査、無効資料調査、侵害防止調査)に比べると、特許分析・コンサルティングというのはあまり相場観はないと感じていて、個別プロジェクトごとに費用が大幅に変動するので、結果的に「他社サービスと比較不可能にする(難しくする)」ことができると考えていました。

この考え方が良かったのかどうかは分かりませんが、とりあえず7年間無事に決算を終えて8年目に突入しているので、大きく間違っていたということはなさそうです。

結局値決めで重要なポイント

結局のところ、値決めで重要なポイントは

  • クライアントの視点

  • 対競合の視点

なので、3Cに落ち着くと思います。

あと、特許分析・コンサルティングのようなサービス業の場合、上述の通り他社サービスとの比較検討がなかなか難しいので、クライアントの要望に対する柔軟な対応も結構重要だと考えています。


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