危機に現れた天使 パイサーン師
ある男性がいました
その人は70歳でロメロという名でした
病気が重くなり昏睡状態になってしまったのです
入院し一カ月経とうとしていました
何をしても反応しなくなってしまったのです
ロメロは一人で居ました
子供も一緒にはおらず
妻はもう亡くなっていたのでした
しかし犬が一匹いたのでした
この犬というのは
病気になる前から一緒にいたのでした
ロメロが昏睡状態になったとき
この犬が一緒にいました
病院はこの犬がロメロと一緒にいることを許したのでした
おかしな感じです
なぜならば
この犬が一緒にいたからといって
何かの役に立つわけでは無かったからです
もしも
子供であったり孫であったならば
見守る事に役に立ったでしょう
しかしこの犬がどれほど役に立ったのかはわかりませんでした
なぜならば
ロメロは完全に昏睡状態であったからです
昏睡状態とは
何も分からない何も感じない状態であると理解されています
しかしこの犬が
寄り添っていることはいささか奇妙に見えました
なぜならば
犬は何の手助けをすることも出来ないからです
話をすることもできません
邪魔であり
病原菌をもたらし熱を引き起こすかもしれません
犬のえさについて話すまでもなく
病院にとっては負担になる事ばかりですが
病院はその犬がロメロと一緒にいることを許したのでした
そして一月が経ちました
するとロメロは意識を取り戻し始めたのです
ロメロが一言目に発した言葉は
「白い天使はどこにいるんだい?」
というものでした
「朝から晩まで自分に耳元で『大丈夫だよ、大丈夫だよ』とささやいてくれた白い天使はどこにいるんだい?」
それを聞いた看護婦はわけが分かりませんでした
あるいは、微笑んだだけかもしれません
なぜならばロメロが言う白い天使というのは
そばにいた犬の他には誰もいなかったからです
犬は友人のようにいつもそばに寄り添って寝たり座ったりしていました
犬は話すことはできませし
吠えることもしませんでした
しかし
ロメロが昏睡状態だったとき
ロメロには白い天使が観えたのでした
それはこの犬と同じ白い色だったのです
もしもこの犬のことを
別の表現でいうのならば
心の念を送ったといえるでしょう
犬が心の念をロメロに送ったのです
愛情を持ち合って引き合っていたので
犬はロメロに念を送ったのでしょう
ロメロもこの犬と長い間親密であったので
犬の念を感受することができたのでしょう
ですから
白い天使というニミット(相)を作り出したのでしょう
その天使は
毎日毎日、昼も夜も
ロメロの事を励ましつづけていたのです
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これは興味を引く話です
なぜならば昏睡状態の人は
何も感受しないのではなく
感受する事が出来るということだからです
昏睡状態の人が観ることができ、聞くことが出来るという話を
他にもたくさん耳にすることがあります
その中の話しはあたかも夢の出来事の様でありますが
そこには本当の事も含まれているのです
この犬の話ですが
ロメロが昏睡状態の時に
ロメロの心に思いを届かせることが出来たのです
これはとても興味を引く話です
なぜならば
もしも犬にできるのであれば
人間にもこのことが出来るからです
子供、孫、夫、妻が具合が悪い時
それを看病する時に
それが昏睡状態の人であれそうでない状態であれ
たとえ口に出して話し合わなかったとしても
良くなりますようにと願うだけであっても
病気の人はそれを受け取り知ることが出来うるのです
受けとった後
それが天使になったりその他の見た目になるかは
受けとる人それぞれなのです
仏歴2567年4月21日 朝の説法 パイサーン師
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