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【自己開示のススメ】原体験を語ることは、まだ見ぬ自分に出会うこと

こんにちは。ギャプライズの坂口(@anna161102)です。

先日から弊社では株式会社ENERGIZE様のご支援のもと「VISION (RE)MAKING PROGRAM」という会社のビジョンを真剣に練り直すという壮大なプロジェクトを行っています。

毎回かなりの長丁場で、マネージャーを中心に白熱したディスカッションとともに進めていくこのプロジェクト。

会社のビジョンを作る、という新卒という立場なら信じられない貴重な機会に
部長(@kamatec)の粋な図らいでオーディエンスとして参加させて頂いています。

私が特に印象的だったのは第1回で、それぞれの人生に影響を与えた出来事を発表していく場面でした。

ひとりひとり、当たり前ですが全く違う体験をしているにも関わらず、価値観に共通点があったり、反対に全く新しい価値観があったり、と非常に発見が多く興味深かったのです。

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ひとりひとり歩んできた人生は異なる

いまの「私」をつくっているものはなんだろう?


なんだか哲学的で難しい話になりますが、「私」という人間の思考と行動はどのように形成されているのでしょうか?

以下にご紹介する論文は心理学におけるアイデンティティ(自己同一性)論の第一人者のエリクソンの論説を基に人格形成と他人からの承認の関係を考察したものになります。

一人の重要な他者からの承認、多数多様な重要な他者からの承認、共同体や社会からの承認へと、〈私〉は人生のあらゆる機会や関係性をとおして自己形成を練り上げていく。(…中略…)
 自己形成と他者承認のはざまに人間的な関係的出来事が生起し、それをおして、共同体や社会の承認文化が練り上げられていく。
『自己形成・他者承認・承認文化の形成』中村麻由子・岩川直樹(埼玉大学紀要 教育学部 2010)

(この論文内での「人間的な関係的出来事」が今回扱う「原体験」に近い概念でしょう。)
つまり、この論文においては「いまの私」を形成しているのは
「他者承認と、他者との出来事」とのこと。

…話を難しくしてすみません。
アカデミックな自己形成についての概念はこの辺までにしまして…。

私の考える「私を構成するもの」は
他者を含む環境・先天的な特性・(原)体験
の3つの要素です。

ここまで話が長くなりましたが今回は、原体験にまつわるお話です。

原体験って、なんだろう

げん‐たいけん【原体験】 
その人の思想が固まる前の経験で、以後の思想形成に大きな影響を与えたもの。
出典:デジタル大辞泉(小学館)

原体験とは、その人の思想形成に強烈な影響を与える出来事だと言えるでしょう。

なので、すべての行動や体験が必ずしも原体験になるものではないのです。

ちょうどこのようなツイートを見かけましたが、「採用面接」という今後の付き合いがどうなるかも知り得ない状況の際には
センシティブな内容が含まれる原体験を必ずしも語れる状況とは限らない、ということは留意しておきたいものです。

※今回は既に所属している組織・仲間に原体験を伝えていくという想定で、執筆しています。

原体験を共有することで起こりうる変化

原体験を共有するということで、何が変わるのでしょうか?
定性的なものなので、なかなか目に見えての変化は難しいかもしれません。

しかしながら、あなどることなかれ、このような影響が期待できます。

①原体験というセンシティブにもなり得る話題を共有することで、
相互の信頼は高まる
②「原体験」という相手の過去を知ることで、相手の言動の説得力も得ることができる

これらは、日頃の人間関係の衝突の原因になりやすい
「なんであんな行動(言い方)をするのだろう!理解できない!」
といったモヤモヤを解消する手助けになります。

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こんな状況は避けたい…

例えば、ものすごく挨拶に厳しい人がいるとしましょう。

その人の過去の原体験を探っていくと、挨拶について、ものすごく悲しい思い・あるいは嬉しい思いをしたのかもしれません。

そうすると、「ただ口うるさく挨拶について注意してくる人」から
「大きな想いがあって、挨拶を大切にしている人」
というイメージの変化が起こり得ると思いませんか?


原体験を開示した側のメリットとは

「そんなことを言われたって、原体験を共有するのは恥ずかしい思いをするだけで自分のメリットが無いじゃないか。」

と思われる方もいるかもしれません。

しかし、原体験をアウトプットをし、他者からの意見も取り入れることで
自己理解を深めることをもできるのです。

自己理解を深めると、セルフ・コントロールの能力も向上する可能性が高いです。
結果的にありのままの自分を受け入れる事ができることができ、自己肯定感が上がる、とも言えます。

また、相手から自分への理解が深まることによって、自分自身への共感性が高まることも期待できるのです。
そうすると、自分自身の考えに対して、全く理解がされない、という状況は減るはずです。かなり社会生活がスムーズになりますね。

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このように上司と肩を組めるようにもなるかも…?

おわりに

ここまで、原体験を開示し共有することの魅力をお伝えしてきました。

自分の内なる部分にまつわる話を開示する、というのは勇気のいる行動で、とてもハードルが高いものとは重々承知ですが
ほんの少しでも、自分の原体験を仲間に開示してみよう、と思って頂ければ幸いです。
今回もお読み頂きまして、ありがとうございました。

※自分の原体験の振り返り方については以下の記事からどうぞ。



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