見出し画像

蒸し返しダンサーに

本文

「あのさ、この前もここ難癖付けてたよね」

始まった。
通称「蒸し返しダンサー」の嫌味的指摘。




何でこんな奴のマネージャーになったんだろ。

初めて会ったときはしっかり者で努力家。
そういうイメージだったのに。


どおりで誰もマネージャーをやりたがらないわけだ。



「あの、次の大会のことですけど…」
「ああ、あれね、そのためにシューズ新調したいからこの後付き合ってよ」


放してもくれやしない。



「知ってるんだよ?俺がレッスン生の頃、お前が自転車で知らない人はねたの」





とんでもない記憶魔に捕まってしまったようだ。
スマホの画面を見せられながら、うなずくことしかできなかった。



そして今日も従う。


参加企画

クリエーターとして活動していくために、よりよい機材などが必要でございますわ。 ぜひご支援の程、お願い申し上げますわ。