青木杏樹

作家。noteは不定期更新。日本推理作家協会会員。変格ミステリ作家クラブ会員。 ※お仕…

青木杏樹

作家。noteは不定期更新。日本推理作家協会会員。変格ミステリ作家クラブ会員。 ※お仕事のご依頼・ご相談は aokianjyu20181122@gmail.com までお願いします。 生存確認用としてふわふわとtwitterもやってます。

最近の記事

【予告】エッセイ集が販売されます(受注生産予約受付は終了しました)

noteやSNS、文学フリマ大阪などで頒布していた、サスペンス・ミステリー作家青木杏樹の過去と未来と現在のエッセイ集が出ます。 確実に手に入れたい方や、遠方の方。 ネットでご購入を検討されている方。 11月20日(月)~11月26日(日)まで、書泉オンラインさんでご予約いただきますと、確実にご購入いただけます。 【ご予約サイト】※ご予約受付中 ※予約期間は終了しました。たくさんのお申込みありがとうございました! 【装丁・金額】 B6版(青年コミックサイズ) 142頁

    • 高田馬場で綱渡り作家のロックなトーク&サイン会がありました。

       芳林堂書店高田馬場店さんのご厚意で、5月7日(日)に読者さんと交流ができるイベントを開いていただきました。  ご存じのとおり、青木杏樹は覆面作家です。経歴を明かしたり顔出しができない理由はたくさんあるのですが、1番の理由は、作品が主役であってほしいという考えからで、わたしは「作品の裏方」でありたいという思いからです。特にわたしの名前が表紙に掲載されるような長編小説の場合、担当編集者さんをはじめイラストレーターさんやデザイナーさんといった、たくさんの方が関わって1冊の本をひ

      • 『純黒の執行者』完結巻。トークショー、サイン本など各フェア情報📘そして別れた編集者さんへ。

        青木杏樹という作家が、「売れない作家」から、「ほんの少しだけ売れる作家」のきっかけとなった作品『純黒の執行者』の完結巻が4月25日に発売となります。 初動売り上げの悪さから、一度は打ち切りになった作品です。わたしは持っているシリーズがすべて打ち切りと言われ、仕事を失いました。 ところが読んでくださった皆さんの口コミでじわじわと広まり、本当にたくさんの方がお手に取ってくださって、発売して約1年で作家人生初めての重版ラッシュを経験しました。 (『始末屋』以外はすべて三刷り以上重版

        • ちいさな勇気。繋がる希望。高田馬場の書店さんに「看板」がつくまでの一年間

          あれは2022年の1月24日のことでした。 たまたま大きな仕事が終わり、ひと段落して数日ぶりにTwitterを開きました。わたしは普段あまりTLを追えていないので(主に生存確認に使っているので投稿したらその前後ぐらいしか見ないのです)、うーん……たまにはTLをゆっくり見ようかなとスワイプしました。 「それ」はふと目に留まりました。 どなたかがRTされたツイートでした。 高田馬場駅ちかくにある、芳林堂書店高田馬場店さんのTwitterアカウントで、1月21日に「うちには看板

        【予告】エッセイ集が販売されます(受注生産予約受付は終了しました)

        • 高田馬場で綱渡り作家のロックなトーク&サイン会がありました。

        • 『純黒の執行者』完結巻。トークショー、サイン本など各フェア情報📘そして別れた編集者さんへ。

        • ちいさな勇気。繋がる希望。高田馬場の書店さんに「看板」がつくまでの一年間

          4月21日に新刊『女王の番犬』(マイナビ出版ファン文庫)が発売されます

          春ですね。昼間はぽかぽかあたたかくて夜は冷えます。寒暖差で体調をくずしやすいのでみなさんご自愛ください。 さて、4月21日にマイナビ出版ファン文庫さんから、中世風ファンタジー・ミステリー小説『女王の番犬』が発売されます。 懐かしい集英社コバルト文庫や講談社X文庫ホワイトハートをならべながら、「いつかこういうものを書きたい」というお話から始まり、まさか実現するとは夢にも思わず……この企画のためにご尽力いただきました編集さんならびに関係の皆様に深く御礼申し上げます。 「あの頃

          4月21日に新刊『女王の番犬』(マイナビ出版ファン文庫)が発売されます

          名もなきアンサンブルがボイスドラマになります!

          昨年、第19回北区内田康夫ミステリー文学賞・特別賞をいただきました「名もなきアンサンブル」が通算4回目の公演を迎えます。 舞台役者の光と闇を描いた今作。 さまざまな役者さんに演じていただき、演劇好きのわたしとしてはこれ以上ない喜びです。 そして今回はなんと、北区内田康夫ミステリー文学賞主催の北区さん協賛で、スタジオ収録・音声編集されて、ボイスドラマとして2022年3月以降に配信されることになりました。 演出を担当されるのは、第1回の生配信朗読劇「名もなきアンサンブル」で

          名もなきアンサンブルがボイスドラマになります!

          これはつまらない物語でした

           わたしはヤマアラシの交尾の動画を観ていた。  売れない舞台女優を続けることに限界を感じてわたしは人生をやりなおすことにした。  選んだ第二の人生は作家だった。  三年前に純文学を書いて応募し運良くデビューしたが、まったく話題にならず初版五千部で書店から姿を消した。以来、その一冊を片手にわたしはなりふり構わず営業をかけ続け、アプリゲームのシナリオを書いたり、小劇場の脚本を書いたりして、ほそぼそと作家の仕事を続けているが、残念ながらまったく稼げていない。生活資金のほとんどは週五

          有料
          500

          これはつまらない物語でした

          文学賞受賞のお知らせ

          皆様いつも応援いただきありがとうございます。 このたび『名もなきアンサンブル』で第19回北区内田康夫ミステリー文学賞審査員特別賞を受賞しました。 受賞のことば、ならびに受賞作は、下記URLからご覧ください。 https://j-nbooks.jp/sp/novel/original.php?oKey=113 舞台俳優の光と闇を描いた本作。 ――死んでくれてありがとう。 堀内の台詞に込められた「生きづらさ」が本作のテーマです。 なにをやってもうまくいかない人生だっ

          文学賞受賞のお知らせ

          ネギとわたし

          誰もわたしとネギを止めることはできない。 遡ること半年前。 ひとりで寂しいから、なんとなくなにかを育てようかなと思い、ベランダにプランターを置きました。 とかなんとか言いつつ放置して半年たちました。 プランターには土と肥料しか入っていません。たまに洗濯物を干しに出てはつぶつぶ生えた雑草をぷちぷち抜くだけ。なにも育てずに半年たちました。ズボラ人間なので別にまぁそれはそれでたのしいなどと思っていました。 ある日、夕飯にお鍋をしたらネギが半分残りました。 わたしはプラン

          有料
          300

          ネギとわたし

          割れた貝殻で指輪をつくったあなたへ

          あなたがいなくなってからの5年間は長くて短かったように思います。 わたしの恋人が亡くなったのは10月1日でした。警察官でした。夜勤明けで疲れていたのでしょう。お風呂で寝てしまい、そのまま沈んで帰らぬ人となりました。わたしはお葬式には参列せず、お通夜の末席で静かに冥福を祈るだけにとどめました。あの人の傍に行くことはどうしてもできなかったのです。 いま思えば、わたしたちは恋人と呼ぶにはすこし違う関係だったのかもしれません。一緒に過ごすことが恋人なのであれば、きっとわたしたちは

          有料
          500

          割れた貝殻で指輪をつくったあなたへ

          自分で攻略本を作り「エストポリス伝記」のソフトを5本所持していた話

          ニーチェが残した言葉にこのようなものがあります。 「There is always some madness in love. But there is also always some reason in madness.」 恋愛の中にある狂気と理性。この言葉が好きな理由は「エストポリス伝記」が好きだからです。 わたしはレトロゲームが大好きで、幼い頃からずっといまも、一世代・二世代以上前のハードを使って遊んでいます。最近はゲームボーイを綺麗に掃除して「カエルの為に鐘は

          自分で攻略本を作り「エストポリス伝記」のソフトを5本所持していた話

          わたしのあいした店長

          わたしはすこし変わった家庭で生まれ育ちました。両親とは苗字が違います。そもそも結婚とは家同士が繋がるということですから、家の事情で子どもの境遇が変わることもあるでしょう。なので「生まれる前に既に決まっていた」そのルールに対してわたしは仕方がないことだと思っており、不平不満を抱いたことはないのです。けれど、両親とは戸籍上親子ではないので、その事実はすくなからずわたしの性格に影響していると感じています。 わたしは明るく活発的な子どもであったと思います。授業では積極的に手を挙げて

          有料
          500

          わたしのあいした店長

          うまく生きられないかもしれない

          わたしは18歳で上京しました。 手持ちの資金は、高校生のころにスーパーのレジでアルバイトをして貯めた80万円。それと養父母からの支援で20万円。合計100万円でした。 18歳で100万円も持っているなんてすごいな、これで学校の帰りに渋谷へ行って洋服を買ったり原宿でクレープを食べたりして遊べるとわたしは思っていました。 ところがアパートを借りると一気に30万円くらいなくなりました。敷金、礼金、1ヶ月分の家賃の前払い、それから不動産仲介の代金……と見積もられました。それを一

          有料
          500

          うまく生きられないかもしれない

          文房具屋のおじいさん

          2015年の春のこと。 わたしはまだ青木杏樹ではなく、ただ趣味で小説を書いている人でした。毎日毎日、400字詰め原稿用紙を20枚ワンセットを消費しては、文房具屋に買いに行きました。帰宅するとまた明け方まで20枚消費し、日が高くなる頃には買い足しに行く日々が続きました。 小説とは応募するもの、小説とは他人に読んでもらうもの、という考えがわたしにはありませんでした。 わたしの中には小さな世界がごまんとあり、その世界で生きている人たちはたえず呼吸をしていて、畑を耕し、水を飲み

          文房具屋のおじいさん

          新人作家の青木杏樹です!

          デビューして1年ちょっとの新人です。 『ヘルハウンド 犯罪者プロファイラー・犬飼秀樹』シリーズ(1〜2巻、スピンオフ発売中) 『フェイスゼロ とある殺人の行動心理記録』 などを出していただいております。(2020年6月現在) Twitterもやっています。 読者さんと交流できるツール、素晴らしいですね。良い時代になりました。でも時々長文を書きたいこともあるのでnoteを登録してみました。 Twitterはできるだけ毎日1ツイートしようと心がけておりますが、これがな

          新人作家の青木杏樹です!