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30000人の皆様へ。

noteのフォロワーが30000人を超えました。

山梨県韮崎市の人口と同じくらいだそうですが、市長の立場とはほど遠く、自転車でみっともなくコケた姿を見られているのがその人数だというくらいに感じております。

人は他人の失敗が好きですから、下ネタと愚痴はSNSに一切書かないと決めている俺も、定期的にウンコ漏らした話などは書きます。その方がチャーミングだからです。

聞く人は芸能人の不倫のような失敗を求め、話す人は尊敬を集めたくて偉そうな正論を言う。これでは接点が生まれるはずがありません。

ですからコンテンツには精密な爆弾のような火薬の配合が必要なんです。俺は若い頃からマスに関わる仕事をしてきました。新聞・雑誌・交通広告・テレビやラジオCM・写真集・カタログなどを作っていたのですが、そこでわかったことは、「伝わっているのは素材だ」ということです。

20代の頃、会社の仕事とは別にアイドルの写真集をデザインする仕事をしていたことがあります。俗に言うアルバイトです。お金のためではなく、経験になるし楽しかったのでやっていました。

雛形あきこさんとか菊池桃子さん、奥菜恵さん、本上まなみさんなどです。写真集ができあがると本人をまじえて食事に行ったりするので、アイドルや女優たちは仕事の仲間であり、憧れたりファンになる存在ではありませんでした。

それはどんな相手であっても偉そうにしたり媚びたりせず、対等に接する貴重な訓練をさせてもらったと思っています。

あるアイドルの写真集を作っていたとき、編集長に「読者は写真とかデザインじゃなくて、アイドルを見ているんだよね」と言われました。目から水族館が落ちたような気がしました。デザイナーは自己顕示欲でデザインしがちですが、それは時と場合によります。アイドルの写真集に無駄なデザインエレメントは不要どころか、邪魔なのです。

相手が不特定多数の数百万人という仕事を続けていると、いかに自分がクール宅急便のように鮮度を保ってモノを運ぶかが大事だと気づきます。メディアとは水道管やトラックのような「媒介するモノ」ですから、アイドル写真集と同じでそこに自意識はいらないのです。

しかし自分が歳を取るにつれ、他人の荷物を運ぶだけじゃなくて、いつの間にか自分が素材になってきているのがわかりました。いい歳してくだらないことをしているという存在そのものが対価を生み出し始めたのです。

これはちょっと驚きでしたけど、講演してくれ番組やトークショーに出てくれと言われるたびに、俺は裏方のクール宅急便なのになあと感じますが、そんなくだらないコンテンツを見てくれている人が30000人もいてくださるという現実に、日本の将来は暗いなと感じています。

ワタナベアニ

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。