技の「装備スロット」と「カードゲームのデッキ」の話(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。今日はツイッターで面白いコメントをいただいたので自分なりに考えをまとめてみました。
テレビゲームの装備スロット、カードゲームのデッキのような感覚で自分の柔術の技術体系を作っていくといい感じです。
技の「装備スロット」「カードデッキ」という考え方
柔術の技は無数にあります。そのすべてをハイレベルに使いこなせれば最強ですが、現実的ではないです。上達を目指すときも、試合を考えるときもあるていど自分のやる技を絞るのは大切です。
自分のオリジナルデッキ、オリジナルの装備フォルダを作るように、自分の柔術を作っていきます。
ひとつの技しかないと相手は技を読めるので防がれやすいです。組み合わせて使うのが大事です。自分の得意技や連携が取れる技で装備スロットを作っていきます。
スロットは多けりゃいいってもんではない
組み合わせると強いなら、装備スロットを増やせばいいのでは?と思いますがそう単純ではないです。多すぎても自分の狙いと反応が分散して技の質が落ちてしまいます。スロットの数は個人差がありますがとりあえず3つくらいが妥当だと思います。
初心者はどんどん増やそう
白帯青帯はスロットが埋まっていないのでどんどん技を増やしましょう。クローズドなら腕十字しかない人が十字絞めを覚えて組み合わせるとパワーアップします。デラヒーバでスタンドアップスイープしか知らない人が後方へ倒すアタックやベイビーボロを知ると相手はやりづらいです。
装備スロットの埋め方、デッキの作り方
1.得意技から中心にスロット、デッキを組み立てる
自分にとってしっくりくる技があればそれと連携の取りやすい技を選ぶといい装備スロット、デッキができます。クローズドからの腕十字が得意な人が十字絞めやバックテイクを装備すると強くなります。
初心者の頃は自分に向いているのかしっくりくるのか分からないことが多いです。体型から向いてそうな技を選ぶもよし、かっこよくてやってみたい技をやるもよし、とりあえず片っ端から試してみましょう。
2.相手のリアクションを中心に組み立てる
重心の位置、組手、距離、など考えられるリアクションごとの技をスロットに入れておくと最終的にポイントや一本を取れます。
装備スロットの切り替えとフローチャート
シチュエーションごとの装備スロットがありますが、実際は絶えず状況が変化します。変化したらすぐにスロットをチェンジします。例えばデラヒーバから足をまたがれたら、「デラヒーバ」→「リバデラ」にスロットを切り替えます。そのスロットのチェンジのスピードを速くしましょう。
苦手な形(スロットが少ない、装備がショボい)から、すぐに得意な形(スロットが充実、装備が強い)に移行するのも有効です。例えば「ハーフ」→「フルガード」、「スパイダー」→「ワンレッグX」など。
フローチャートの分岐が必要以上に多いと意識が散ってしまいます。格闘技において意識が散るのはよくない事です。(※)なので、自分の取る選択肢(装備スロット)は3つくらいに絞っておくほうがいいです。
まとめ すべては模倣から始まる
クラスや教則で技(装備)を増やしつつ、ベストの装備スロット、デッキを作っていき最終的に自分だけの自分至上最強のデッキを目指します。
とはいえなかなか自分の装備スロットを作るのは難しいです。自分に合うものはやる中で見つけていかねばなりません。しかし、一つ有効な方法として「模倣をする」というものがあります。これは加古拓渡先生が言っていました。自分のやりたい技を使っている選手や道場の人がスパーで使っている技(装備、カード)は、そのやりたい技と相性がいいことが多いです。例えばスパイダーのスイープが得意な人のスパーを見てたら三角もよく取っている的な。模倣しつつ自分に合うものを残して自分の装備スロット、デッキを作っていきましょう。
また、王道の技のコンビネーションの装備スロット(いわゆるカードゲームのスターターキット)を使うのもいいです。しかし多分スターターキットでずっとカードをやる人は少ないでしょう。最初の導入としてはいいですが、やっていく中で自分にしっくりくる形を見つけていきましょう
自分の柔術を作っていくうえでこの記事が参考になればうれしいです。
2024/2/2 アンディ
もし、良いと思ったら投げ銭をいただけたら嬉しいです。柔術の教則購入や遠征費用に使わせていただきます。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?