見出し画像

格闘技は健康にいいのか

 今日も今日とて柔術が楽しい。秋です。ようやく涼しくなってきました。柔術日和ですね。柔術に向いてる季節は、春秋>夏>冬って感じです。寒いと関節も筋肉も固くて動きが悪いです。今はちょうどいいですね。

 先日、X(旧ツイッター)で「サウナは体に悪い」という記事が回ってきました。大半の人の感想が「まあそりゃそうだよね」
 ということで今日の記事は格闘技は健康にいいのか、について。やってる人には「まあそりゃそうだよね」な内容ですが、良かったらどうぞ!
 医学的見地もなく、ネットや本、個人的な体感と人から聞いた話をまとめただけですが、参考程度にはなるかと思います。


結論。トータルでは健康になる

 「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

この定義が自分は気に入っています。

 格闘技は肉体的にはデメリットも多いですが、ストレス発散として心に良いです。ジムにいると仲間がいて居場所ができて社会的に満たされる側面もあります。

 身体的な健康のデメリットを上回るメリットが多いため、格闘技をやるとトータルとして健康になるのではないでしょうか。自分の周りでも格闘技やっている人は多少のケガはあれど、いきいきとしてる人が多い気がします。

 生存者バイアス的な部分もあるかもしれません。「格闘技をやるから健康になるのではなく、健康だから格闘技ができる」的な。でも自分のまわりでは、体が強くない人が楽しく健康に格闘技を楽しんでいるのをたくさん見てきました。バイアスだけではないと感じます。

 以下の項で、細かく書いて言います。長文が苦手な方はここでやめてくださいな。ありがとうございましたm(_ _)m

1.「体」にはよくない(身体的健康)

 格闘技をやってる人は分かっていると思います。格闘技は体によくない。「相手を壊すことをゴールにしているスポーツ」なので当然といえば当然。改めて考えるとやばいことやってんな。

メリット
 
運動不足解消、肥満防止、ストレス発散、体力向上など、体にいい部分もあります。ほどほどでやればいい運動です。

打撃系
 打撃格闘技(ボクシング、キックボクシング、フルコン空手)はキャリアの長い選手はみんなボロボロです。脳へのダメージは計り知れません。

組技系
 では、組技は安全か。というとそんなことはありません。サブミッションによるケガ、関節、骨、腱の摩耗によるケガがあります。
 自分は「柔術家三種の神器」と呼んでいますが「首・腰・膝」は、程度の差こそあれみんな痛めています。

総合格闘技
 MMAは強度の高い格闘技なのでみんな怪我してます。あらゆる方法で相手を壊そうとするスポーツが体にいいわけがない。脳へのダメージはボクシングより少ないって意見もありますが。。。

減量(水抜き)
 体にいいと思ってやっている人はゼロです。みんな分かってる。以前、お医者様に聞いたら「水抜きは自殺行為」と言ってました。

これなら大丈夫。ライトな格闘技
 ぶっちゃけ、スパーリング(組手、乱取り)のない格闘技は比較的安全で体にはいいでしょう。試合のない武道やキックボクササイズは健康運動として最適です(←悪意はありません)

体への健康の意識が高まる
 ここまで書いたように、格闘技は体によくありません。格闘技なんかしないで、ジョギング、ウォーキング、ストレッチ、適度な筋トレのほうが「体」にはいいでしょう。でも、格闘技をしていると健康への意識が高まり、知識が付きます。格闘技をやることで健康になるというより、格闘技をやるために健康を目指すようになります。これは格闘技の大きな効果です。
 自分も日々の格闘技の練習をするために、睡眠、食事、関節・筋肉のケアなど、回復とコンディショニングを意識してます。

逆転現象の話
 
20代~30代は何もしなくても健康な人が多いです。むしろスポーツをやっている人の方がケガが多くて不健康です。しかしこれが40歳を越したくらいから逆転して何も運動をしていない人はどんどん体力が落ちて不健康まっしぐら、スポーツをやっていた人の方が元気になったりします。体力は貯金なので若いころの運動は大事です。

2.「心」にはいい(精神的健康)

 散々、格闘技が体に悪いといった後ですが、「心」にはいいです。自分はブラック気味の前職でメンタルはボロボロでしたが、格闘技で心のバランスを取っていました。 

メンタルへの影響
①格闘技をしている間は他のことを忘れられる(マインドフルネス)
②エクササイズ的・達成感・格闘技自体の面白さによるストレス発散
③孤独の解消

幸せホルモン的なドーパミン、セロトニン、エンドルフィンとか出てる。たぶん。

①格闘技をしている間は他のことを忘れられる(マインドフルネス)

 メンタルがやられてると趣味をしても心ここにあらずになってしまうことが多いです。本を読んでも、映画を見ても頭に入ってきません。飯を食っても味がしません。「明日の会議の資料どうしよう」「取引先から電話くるかも」とかそんなこと考えてしまうのです。
 その点格闘技は強度の高い運動は最高です。首を絞められそうになっているときに仕事のことなんて考えられません。「今目の前のことに集中している状態」(いわゆるマインドフルネス)ができます。仕事でメンタルがやられてしまう人は休日も終業後もプライベートな時間も仕事で頭がいっぱいになっている人が多いです。わずかな時間でも仕事から完全に離れることが大事です。

②エクササイズ的・達成感・格闘技自体の面白さによるストレス発散

 エクササイズによってストレス発散できるのはご存知の通り。成長を感じられる格闘技は達成感もあります。そして何より格闘技自体が楽しいのです。ドゥスポーツとしての格闘技の面白さはやってる人にしか分かりませんが最高です。

③孤独の解消

 孤独はメンタルによくありません。ジムには仲間がいるので孤独になりづらいです。次の項で詳しく説明します。

「道場は俺にとっての教会・カウンセリング」

 これはインスタか何かで海外の柔術家が言っていたのですが、例えとしてしっくりきます。心の健康を保つためにジムは最適です。
 仕事でどんなにしんどい日でも、ジムに行ってスパーリングして帰ったら「大変だったけど悪くない一日だったな」と思って布団に入れます。

3.社会的健康にいい

 先にも書きましたが、ジムには仲間がいます。自分が大好きな言葉「格闘技は最高のコミュニケーションツール」。格闘技を介することで人とつながることができます。
 「第三の場所(サードプレイス)」としてのジムがあることで、人とつながることができ、仕事と家庭以外の場所で自分の居場所を持つことができます。心身の健康だけでなく、人とのかかわりの中で生きることが健康として重要です。 
 自分も格闘技をやっていなかったら接点をもたなかったような人たちと、格闘技を介することで交流を持つことができました。そしてそれは自分の人生を豊かに健康にしてくれています。

まとめ

 最初に結論を書いた通り、トータルでは格闘技をやることで健康になる人は多いと思います。「健康になること」を「人生を豊かにすること」と言い換えるとイメージしやすいかもしれません。

 また、上を目指す一部の人間は強さ最優先になります。格闘技に限らず、本気でトップを目指す人にとってのスポーツは健康にいい事ばかりではありません。ダメージ・ケガのリスク覚悟で強度の高い練習をして、地獄の減量を乗り越えて、死ぬ気で試合しないとトップでは勝てません。無理なく勝てるならだれも苦労しないのです。トップを目指す人は、格闘技で健康を壊す人も少なくありません。まあ、これは一部の人の話として。

健康に格闘技を楽しむには=格闘技で健康になるためには

・ケア、コンディショニング、食事、睡眠を大事にする。
・けが予防のための筋トレをする
・ウォームアップを大事にする
☆適度に休む。
☆自分の体力に合った強度を選ぶ。
☆無理しない。無理に耐えない。投げられる。タップする。
☆無理な減量しない。水抜きしない
☆打撃のガチスパを控える

☆の項目は、トップを目指す選手は選ばないことが多いかもしれません。

 最後に。
 トップを目指す人の価値観が、「健康<強さ」となることはあります。
 しかし一般の人が「健康に楽しくやる」というのは「強さを目指さない」ということではありません。健康は大事にして、その上で強くなることを目指しましょう。そこはあるていど両立できます。格闘技をやっているのなら強さを目指した方が楽しいです。大会で優勝するだけが強さではありません。自分の中での最高到達点を目指しましょう。昨日の自分よりうまくなろうと一生懸命やった方が楽しいし、自分の人生をゆたかにしてくれます。

2023/10/3 アンディ





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?