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スタンドって何したらいいの?(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。今日はスタンドの話。
1.スタンドで一番大事なこと
スタンドで一番大事なことは「テイクダウンをすること」よりも「テイクダウンをされないこと」です。
◎テイクダウン(+2P)
〇引き込み(0P) 下になる
〇引き込みされる(0P) 上になる
✖テイクダウンされる(-2P)
自分が上を取りたいなら引き込みされるのはOKです。下を取りたいなら引き込みされるのは好ましくない形になります。
2.テイクダウンされないためには
2-1 足を触らせない
いろいろなテイクダウンはありますが、テイクダウンされないためのシンプルな方法は「足を触らせないこと」です。
足を触られるとタックルされますし、ルール上「足を触られた上体で引き込んでもそれは引き込みではなくテイクダウンとみなされて相手に2P入る」のです。
4.1.12 競技者が相手の下衣(ズボン)を掴んでいる状態で、対戦相手がガードに引き込んだ場合、下衣(ズボ ン)を掴んでいた競技者は、トップポジションを3秒間維持した場合、テイクダウンの2ポイントが与えられる。
注︓競技者が相手の下衣(ズボン)を掴んでいる状態で、対戦相手がガードに引き込んだ際に、対戦相手が宙に浮いたままの場合、競技者が3秒以内に対戦相手の背中をマットに着け、3秒間トップポジションを維持する事によりテイクダウンのポイントが与えられる。
2-2 低く構える
足を触らせないためにはどうするか。とりあえず低く構えましょう。具体的には相手と目線を合わせる、もしくは足を前後にして相手の目線よりやや低く構えましょう。相手が柔道の様に体をがっつり起こしている状態ならめちゃくちゃ低く構える必要はありません。
右構えでも左構えでもどちらでもいいです。一般的には右利きは右構え(右足前)ですが、打撃系出身のひとは左足前が多いです。作りたい組手や得意なタックルの形によって選びましょう。
3.「今のはテイクダウン?引き込み?」
先に動作を開始した方が優先
「引き込み際にテイクダウンを合わせる」という言い回しを聞いたことがあると思います。「今のは引き込み?テイクダウン?どっち?」と思ったこともあるでしょう。
その答えは「先に動作を開始した方」です。
Aが足をひっかける
Bは引き込む
といった場合。Aの足をひっかける動作が先だったら、テイクダウンで2P入ります。Bの引き込みの動作が先だったら引き込みとみなされノーポイントです。引き込みを開始していたらそのあとに足をかける動きをしてもテイクダウンにはなりません。
ただ、どちらが先に動作を開始したか、は審判の判断によるものなので絶対的な基準があるわけではないところに注意が必要です。
4.1.10
項目4.1(テイクダウン)に記載されている通り、対戦相手がガードに引き込む前に、先にテイクダウンの動作を開始した競技者には、テイクダウンの2ポイントまたはアドバンテージが与えられる。
4.1.11
対戦相手がガードに引き込む動作を開始した後にテイクダウンの動作を行った競技者には、テイクダウンの2ポイントまたはアドバンテージは与えられない。
4.テイクダウンする or 引き込む
4-1 「相手が引き込むのを待つ」はなし
どちらを選ぶかの基準は「テイクダウンできるかどうか」です。できなければ引き込むしかありません。
「相手が引き込むのを待つ」のはナシです。相手に試合の主導権を渡す消極的な姿勢では勝てません。テイクダウン勝負を仕掛けに行った結果相手が引き込むのとは違います。これは岩崎正寛先生も同様のことを言っていました。
4-2 テイクダウン
テイクダウンもたくさんあるので、詳しくは書けないですが、大まかに分けると3つ
①「袖襟の組手を作る柔道系テイクダウン」
②「足を触るレスリング系テイクダウン」
③「引き込みのフェイントを使ったり、相手の引き込みに合わせる柔術独自のテイクダウン」
となります。実際は①②も柔術にアジャストしていかないと使うのが難しいです。クラスや教則で習ったり、スパーで試しつつ自分の得意を見つけていきましょう。
4-3 引き込み
引き込みのポイントをいくつか
・絶対足は触れさせない
→足を触られたらもう引き込めません(足触られた状態で引き込むと2P取られてしまう)。
・テイクダウンのプレッシャーをかける
→引き込みしか狙わないと相手にテイクダウンを合わされやすい。できることならテイクダウンのプレッシャーをかけたいところ。
・組手を意識する
→ベストは襟袖や両袖を取った組手で引き込みたい。難しければ袖か襟どちらかを
→襟を取るときはブロックされないように、一気に飛び込む。
→袖を取るときは、こちらから取ろうとしても手は動くので難しい。相手がこちらの襟を取りに来る手を取ると取りやすい
→相手が防御して袖も襟も取れないなら、肩の道着をつかんだり、ズボンを掴んでもいい。
・テイクダウンを合わされたと感じたらすぐ立つ
→相手のテイクダウンと自分の引き込みの動作のどちらが早いか微妙なときは、テイクダウンの2Pを取られるかもしれません。その時はすぐ立ちましょう。アドバンテージだけで済みます。
5.まとめ まずはしっかり構えましょう
とりあえずしっかり構えましょう。構えが一番大事。そして心構えも大事。
試合は立ちから始まります。気持ちと構えをしっかり作りましょう。
「アレ?スパーだとなんとなくどちらかが引き込んでるよな、スタンドどうやってやればいいのかな」
「できれば上取りたいけど、テイクダウン難しいしなー、引き込んでくれないかなー」
「普段は引き込みから攻めるけど、相手が弱そうだったらテイクダウンできるかも。ワンチャンテイクダウンとれないかなー」
上記のような消極的な気持ちやハンパな気持ちではいけません。引き込むにせよテイクダウンを狙うにせよ、心も体もしっかりと構えましょう。
2024/5/29 アンディ
以前、似たような記事を書いてました。今回改めて立ち技についての考えをまとめられたので満足です。
立ち技で最も大切な要素は○○|柔術哲学(アンディ) (note.com)
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