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立ち技で最も大切な要素は○○(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。先週久々に週5で練習しました。調子に乗ると怪我したり、風邪ひいたりするので気を付けます。先週は体調もよかったので頑張ってみました。今週は試合があるので抑えていきます

 今日は立ち技の話。柔術の立ち技迷子になっている方(かつての自分がそうでした)は参考にどうぞ!



 上記の記事はスタンドからの立ち回りをまとめたものなので良かったらどうぞ。イラストとまとめだけでもイメージがつかめると思います。

1.立ち技で最も大切な要素は「テイクダウンされないこと」

 立ち技と聞いて一番最初に思い浮かぶのは何でしょうか。柔道スロー的な背負い投げや足技か、レスリング的タックルか、もしくは柔術的テイクダウンのアンクルピックか。多くの人はテイクダウンを想像すると思います。しかし私が考える立ち技で最も重要なことは「テイクダウンされないこと」です。

2.立ち技での選択肢は2つ

パワポのクオリティの低さは目をつぶってください。。。

 スタンドになった時の選択肢は2つです。テイクダウンするか引き込むか

①テイクダウンをとる(+2P)
②引き込む、飛びつく(0P)
③引き込みを待つ(0P)
④テイクダウンされる(-2P)
※例外 ⑤スタンドサブミッション、スタンドバックテイク

③はダメ(次項で説明)④は論外。⑤もあまり現実的な選択肢ではありません。

3.なぜ、引き込みを待つのがダメなのか

①相手に勝負を任せる(相手に主導権を渡す)消極的なメンタル
 
相手に勝負を任せる(相手に主導権を渡す)のは、相手をやっつけることを目的とする格闘技において最大の悪手です。
 私が以前やっていた日本拳法では、「試合開始したら相手より先に一歩前踏み込んで構えろ」と言われました。あれも主導権をとるためのものだったのだと思います。また、カルペディエム芦屋の岩崎先生もブログで「引き込みを待つような消極的な戦いはするな」と書いておられました。

②ルールとして引き込み待ちは合理的ではない
 テイクダウンと引き込みは先に動作を開始した方が優先されます。雑に言うと先に動いたほうが有利なのです。こちらが待っていることで相手は引き込みもテイクダウンも両方仕掛け放題です。また、立ち技で展開を作らないことはストーリング(戦意の欠如)の反則を取られます。
 このようなルールから、引き込みを待つという行為は合理的ではないのです。

IBJJFルールブック日本語版2022 引用↓(読まなくてもいいですが、読むと勉強になります)

4.1.10   項目4.1(テイクダウン)に記載されている通り、対戦相手がガードに引き込む前に、先にテイクダウンの動作を開始した競技者には、テイクダウンの2ポイントまたはアドバンテージが与えられる。
4.1.11   対戦相手がガードに引き込む動作を開始した後にテイクダウンの動作を行った競技者には、テイクダウンの2ポイントまたはアドバンテージは与えられない。
4.1.12   競技者が相手の下衣(ズボン)を掴んでいる状態で、対戦相手がガードに引き込んだ場合、下衣(ズボ ン)を掴んでいた競技者は、トップポジションを3秒間維持した場合、テイクダウンの2ポイントが与えられる。      
注︓競技者が相手の下衣(ズボン)を掴んでいる状態で、対戦相手がガードに引き込んだ際に、対戦相手が宙に浮いたままの場合、競技者が3秒以内に対戦相手の背中をマットに着け、3秒間トップポジションを維持する事によりテイクダウンのポイントが与えられる。

IBJJFルールブック日本語版2022 (jbjjf.com)

4.テイクダウンは練習するべき(知っておくべき)

テイクダウンのメリット(流し読みでOK)
・ポイント先取できる
・選択肢が増える
・テイクダウンを警戒させれば、引き込みもしやすくなる
・テイクダウンされにくい(先制されづらい)
・試合開始はスタンドから。最初から主導権を取れる
・(トップが得意なら)パスをすぐに狙える、体重を使って相手を削れる。
・スタンド再開になっても即得点のチャンスになる。
・時間が残り数秒でも得点できる
・テイクダウンできない人が多いので、スキルとして希少価値が高い。(少しできるだけで優位に立てる)
・SJJJF(ASJJF)ルールのサドンデスの時に有利
・引き込みがマイナスポイントになるADCCルールで有利
・カッコイイ

テイクダウンはカッコイイ

 テイクダウンは多くのメリットがあります。そしてなにより、テイクダウンをできることでテイクダウンをされなくなり、引き込みもしやすくなります。こちらの選択肢が増えて、主導権を取れるのです

 また、テイクダウンの攻防はスイープの攻防に活きます。特にシングルレッグタックルの攻防は使う場面が多いです。みんなでやろう。テイクダウン。

5.引き込み一択、というスタイル

テイクダウンのデメリット(流し読みでOK)
・スパーではスペースの関係でテイクダウンの練習をするのが難しい
・スパーでは引き込むことが多いためテイクダウンの攻防が練習できない
・テイクダウンのテクニッククラスは少ない
・柔術のテイクダウンを得意としている指導者が少ない
・単純にテイクダウンのテクニックは難しい
・フィジカル、スピードによる要素がスイープに比べて多い
・立ち技の攻防はケガのリスクが高い
・難しいわりに引き込まれて使う機会がないことも多く、成功させても2Pしか入らないのでコスパが悪い(※)

※最後の項目は場合によります。

 前項でテイクダウン大事と書きましたが、語弊を恐れずいうとコスパが悪いです。身に付けるのが大変なわりに相手に引き込まれたら一瞬で無効化されます。また、向き不向きがあるので瞬発力やフィジカルや立ち技のセンスがない場合は、立ち技勝負はしない方がいいこと(立ち技に使う時間を他の技術の習得に使った方がいいこともある)もあります

 そういった選手は選択肢としては引き込み一択になります。(先ほども書いた通り「上をとりたいけどテイクダウンはできない、引き込みを待つ」はダメです)このスタイルは相手がテイクダウンを警戒しないため、引き込みの難易度が上がります。引き込み際のテイクダウンやパスをされやすくなります。気合入れて引き込まないといけません。

 また、引き込み一択のスタイルであってもテイクダウンを学んでおく(知っておく)ことが大事なのは変わりません。

6.スタイルの見つけ方

 できることならテイクダウンはできた方がいいです。でもできない場合には引き込みをします。よってスタイルの見つけ方は「テイクダウンできるかどうか」を知ることです。

テイクダウンをやるスタイルが向いている人
・MMAやレスリング、柔道をやっていて立ち技が得意
・フィジカル強い、瞬発力ある、立ち技センスがある、
・トップゲームが得意
・重量級
・下が苦手

下が苦手なら下をちゃんとやった方がいい。

引き込みスタイルが向いている人
・テイクダウンが苦手
・ボトムから試合を作るのが得意
・軽量級

まとめ 私的立ち技スタイル

 結論としては、引き込むにせよテイクダウンするにせよ自分から攻めていけって話です。以下、自分なりの具体的な立ち技の注意点やテクニックについて簡単にまとめます。

・構え
→適度に脱力。肩の力抜く。遠間からのタックルに対応できるように目線を合わせて低く構える。飛びつき腕十字されるので手を伸ばしすぎない

・テイクダウン
 →タックルでも投げでも組手重視。相手の肩、首、襟、袖、手首を取って崩す。いきなり足を取れるならそれでもいいが難しい。バックボーンがあればその投げを活かす。
 →相手が引き込みと立ち技勝負のどちらを狙っているのか、を見極める。
 →自分の引き込みを意識させてテイクダウン(アンクルピック)、引き込み際に合わせるテイクダウン(出足払い、引き込み際に足触る)をうまく使う。これらは労力が少ない。
 →柔術で使いやすいテイクダウンはダブルレッグタックル、シングルレッグタックル、アンクルピック、出足払い、小内刈り、カラードラッグからのタックル、など

・引き込み
 →できればテイクダウンと組み合わせる
 →基本は襟を取って引き込む。袖で引き込む場合は、自分から袖を取りに行くのは難しいので相手が取りに来る手を取って引き込む
 →足を触らせない

 立ち技の教則動画なども多いですが、おすすめの習得方法は、ジムにいる立ち技ができる人に教えてもらうことです。

 どういう立ち技スタイルをとるにせよ、テイクダウンされないこと、主導権を取って自分から攻めることを意識していきましょう。

2023/10/30 アンディ

追伸。初心者あるあるとダメな例

先輩:試合のプランとかあるの?
初心者:上から攻めます!スパーでもパスいけるんで!
先輩:どうやって上取るの?
初心者:ええっと、スパーではいつも相手が引き込んでくるので・・・
先輩:引き込んでこなかったらどうするの?
初心者:・・・・

相手も上取りたいかもしれない

・「テイクダウン苦手なんだよな~、相手スタンド強かったらどうしようかな~、でもワンチャン相手弱かったらテイク取れたらいいな~」
・「上取りたいな~、相手引き込んでくれないかな~」

なんとなく立ち技をやるのはNG。自分から主導権を取りに行く。

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