ぺーポー先生

『鶏と卵問題はすでに解決済み。現実があるから言葉があるのではない、言葉があるから現実が…

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『鶏と卵問題はすでに解決済み。現実があるから言葉があるのではない、言葉があるから現実があるのだ!!』(byぺーポー先生)Career:新聞記者→雑誌編集者→web編集者

最近の記事

死刑制度①被害者感情への過度な共感

殺人事件が起きた! 被害者のことを考えると身につまされる思いだ… 殺したやつはさっさと死刑にしちまえ!! 死刑を語るにはこんな思考停止というか無反省な考えが蔓延している。日本の中で大きなテーマであり、それなのに関心度が非常に低いのが、死刑制度だと思う。死刑制度は、(いま思いつく限りだと)憲法議論と肩を並べるくらい日本の土台的な要素と考えている。 お断りしておくと僕は、明確な死刑廃止派だ。論理的な根拠は少なからずあるが、「国という想像の共同的でしかありえない架空の存在ご

    • 5分でざっくり分かる『村上春樹の変遷』~結局、何から読めばいいの?

      〈〈~こんな人に向けて書きました~〉〉「村上春樹が今更…という人にはどれから読めばいいか分かる」 「村上春樹を何冊か読んだけど、次はどれを読めば…」 村上春樹の全小説を最低2回読んだことがある。慣れてしまえば、他の作家よりも非常に整理されていて、それぞれの意図も分かる。ざっくりと解説してみたい。 村上春樹の作品群は、デタッチメント(1979~1995年)、コミットメント(2002~)に大きく分けられる。今回は2017年の『騎士団長殺し』以降の新たなフェーズについても分析

      • 文章力を身につける最良の方法|キャリア10年で得た答え

        文章がうまくなることをこれまでの人生で、それなりに重要な事項として位置づけてきた。プロということであれば、記者・編集者として10年近くだ。仕事でもそうだし、プライートでも本を読むことが好きで「どうやったら文章がうまくなるか」「文章がうまくなりたい」と常々考えてきた。 先の投稿では、文章に向き合う際の意識の在り方として、「文章力を語りづ来る要素それぞれに目を配り、個々の完成度でなく、バランスこそが最良の文章だ」と気ままに提案した。 この考えに賛成するもしないももちろん自由だ

        • 言葉から「私」の在り処を探る。言葉とは何か?考えたことある?

          「世界はない」を言葉から考えるに続く第2段。 言葉の力強さをうたった広告やメディア、SNSの投稿は多い。たとえばこんな具合だ。 ・言葉に救われた ・この言葉があったからやってこれた ・言葉に後押しされた 確かにその通りだろう。言葉とはなにか?について、上記で述べた結果としてでなく、本質的な機能としてそれなりの答えを持っている人は少ないように思う。 言葉には、なぜ力があるのか? 言葉でなければいけないのか? 言葉じゃなくてもいいのではないか?  たとえば、写真や音楽で

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          シェアリングエコノミーは社会システムを変える? 【想像力爆発シリーズ】

          いろいろなビジネスモデルが登場するなか、シェアリングエコノミー(共有経済)にはとりわけ注目している。シェアエコ×○〇のビジネスの開拓はあらゆる部分で進んでいて、若年層を中心に市民権を得ているように思う。シェアエコはもっと根本的な社会の基盤そのものを変えるんじゃないかとさえ思っている。 自分の考えの整理とともに、シェアエコの可能性を探ってみたい。SF的に想像力を爆発させた論理展開にご注意。 シェアできないものはない?かつて戦争や争いは、モノを備蓄することから始まったといわれ

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          "超"文章力教室|書き方は決まっていないけど、文章力の本質を見極めよう

          「一文は短く」 「体言止めは使わない」 「主張→原因→具体事例」 「いいたいことを先にする」 「読みやすい・分かりやすい文章」 こういうのを見る度に、まじでうるせえって思う。確かに上記のような文章の書き方のノウハウは間違っていないのだろう。じゃあ、これの言う通りにやれば文章はうまくなるか? 基本的には難しいだろう。 というか、こういうノウハウを「文章が根本的に上手くなる至上のメゾット」として扱う人は、なんというか違う位相で文章を見ている気がしている。というか、危険

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          紙とWebの違い①| 提供するニーズの大きさ

          紙媒体の記者や編集者を8年ほど経験して、30歳を機にWebメディアに転身したわけだけど、思ったより戸惑いや困難な部分はない。 コンテンツの本質的な部分は同じだからと、言うは易しだが、Webメディアの選考では「紙とWebの違いは?」と馬鹿の一つ覚えのように質問された。 その度に、ネットで紙とWebの違いを調べたりした。まぁ紙とWebの違いをWeb記事からしか見られないのも不思議な話だけど。 いまになって思うとそれほど腹落ちする記事に出会ったことがなく、まだ紙臭さが残る今だ

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          「世界はない」を言葉から考える

          これから身辺雑居や書評的なものを乱雑に書き連ねていくが、まずは「世界はない」ってよく哲学で言われる論説というか主張について、自分なりに考えてみたい。 記憶に新しいのが、マルクス・ガブリエルの「なぜ世界は存在しないのか」。これは僕も読んだけど、内容はよく覚えていない。これから書くことは、ガブリエルの意見も入っている気もするけど、本当によく覚えていない。 僕がこれから書く「世界はない」っていう話は、記号論が好きなのでそのエッセンスが多分に含まれていると思うが、どの主義やどの学

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