「今昔物語集」 源頼信 (2)
今昔物語の巻二十五には、源頼信の話が三つありますが、ある種恐ろしいのが平貞道が出てくる話です。はたして「侍の心構え」「自負」とはどのようなところにあるのか、考えさせられる話です。
平貞道は相模国碓氷の出身で、碓氷貞道とも呼ばれ、源頼光の郎党として仕えていました。渡辺綱を筆頭に、源頼光四天王といわれた武士の一人です。あと二人は平(卜部)季武、坂田金時で、平季武は巻の二十七、「産女にあひし語」に出てきます。坂田金時は巻の二十八「紫野見物の語」に貞道、季武とともに出てきます。