和菓子の魅力
数年前まで、和菓子はほとんどアウトオブ眼中(死語?)だった。
あんこなんて、すすんで食べようと思ったこともなかった。大げさに言えば、洋菓子はどんなときでもごちそうで、和菓子はちょっと地味な感じ、とすら思っていた。
けれど、いつからだろう?
和菓子は少しずつ私の脳内を侵略し始めて、気が付けば洋菓子と和菓子が同列、いや、すこし和菓子が上回るようになっていた。
特に数年前、身体が絶不調で大好きだったチョコレートが食べられなくなった時に、あんこは私の救世主になってくれた。
草餅や桜餅、季節の苺大福に水まんじゅう、ぼたもちにおはぎ、お値段がお手頃なみたらし団子やゴマ団子。旅行先でみつけたあんバターどら焼きや温泉饅頭。
一昔前はさっぱり興味がなかったのに、今ではどれも魅力的に思える。
引っ越してきたばかりの時は、近所の和菓子屋さんにも用はないと思っていたけれど、ここ3年ほど月に1回は足を運ぶようになった。
そして、和菓子欲が増していくにつれていよいよ自分でも作りたくなってきた。
となれば、やるしかない。
甜菜糖のあんこを用意してもち米を炊き、お彼岸が近い時には夫と一緒におはぎを作ったり、ネコの形に整えたしらたまを茹でてみたらし餡をかけて、顔を書いた「みたらしにゃんこ」を作ったり。
最近でいうと、遊んだゲームの影響で無性に食べたくなって、米粉でどら焼きも作った。
それまで家で和菓子を作ろうと思ったことはなかったのだが、一度挑戦してみるとそれほど難しいことはなく、結構おいしいものが作れることがわかった。
豆乳と片栗粉でつくる豆乳もちに、あずきをいれた牛乳寒天。思い立った時に家にあるもので、意外とお手軽にできるのだ。
一番うれしかったのは苺大福!
ここ数年は季節になると和菓子屋さんで苺大福を買うのが楽しみなのだけれど、結構いいお値段だし、まあまあ大きいのが多いから、一度にそんなに食べられない。
けれど自家製ではお正月に余った切り餅や白玉粉を使って、好きなイチゴのサイズでたっぷり作ることができる(食べ過ぎには気を付けないと!)。
子供時代は<ケーキより和菓子>なんて大人が言っているのをきくと「まさか!ショートケーキ以上においしいものなんてある!?」
と思っていたのに、今では目の前にショートケーキと草団子を並べられたら、どちらの方が好きか即答できる自信がない。
どうやら夫も、そうらしい。大好きな糠漬けとの相性も抜群だしね。
年々、私と夫の心を魅了していく和菓子。
時には四季を感じさせてくれる日本人の心に根付いた最高の甘味だ。
***an
おまけ
お気に入りの有機玄米よもぎ餅。あんこと合う
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