見出し画像

バカ野郎!ひとりにしないでよ。アメリカで夫に先立たれた妻のバイブル(1)

  • 青天の霹靂な出来事

幸せなら手をたたこう♪ 幸せなら態度で示そうよ〜。
さあ、みんなで手をたたこう♪ パン・パン♩

私の人生を一言で言うとこの歌のフレーズ通りだった。本当に恵まれた日々だった。お金の心配も夫の浮気の心配もしたことがない。こんな事を言うと殴られそうだが、あえて言う。

私の夫は、ハンサムで仕事も出来る。人の好みは色々なのでこれはあくまでも私の概念ではあるが、私にとって彼は最高の人だった。金髪は歳と共に少し薄くなってはいたが、あの澄んだ青い目で目尻に皺を寄せて少年のように笑う顔が好きだった。

仕事にも恵まれていた。部下に慕われ、友人も多く、どんなに辛い時でも、いつも一生懸命。どんな時も人生を謳歌していた。したがって、彼の周りにはいつもたくさんの人が集まっていた。そんな彼だから、たくさんの女性が言い寄ってきた過去もある。(詳しいエピソードはおいおい書いていこう)
妻の私が言うのもなんだが、本当に魅力的な人だった。

しかし、そんな素敵な彼にも欠点はある。
ヤキモチ。彼は私を愛していたので、いつも異常なほどヤキモチをやいた。

そう、私は愛され妻。

こんなセリフはひろみ・郷の元妻が書いた『愛される理由』のようで叩かれる事、必須とはわかっている。でも、事実だから仕方がない。

私は、世界一幸せな妻だった。
自分の思い描いた人生を歩み、何の不自由もなく、人生を謳歌していた。

幸せなら手をたたこう♪ ……パンパンじゃなく、私の場合は太鼓でドンドン!!と叩いていた。

嗚呼、それなのに…
あの朝、いつものように彼が起き、私に優しいキスをしようとした……
その時。心臓の鼓動が停止した。

あまりにも突然で…私は我を失った。
これがわたしの辛い日々の始まりとなる。