クラムボン

おはよう

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お魚さん

朝。 水色の光が私を包む。 ベッドに深く沈んでいる。 雨がぴちゃぴちゃと落ちている。 籠った音に体が揺れる。 プールの底を泳いでいるみたい。 気持ちいい。 このまま息を止めていたらどうなるかな。 ぷかぷか浮かんでいって ぷはぁ って上手に息継ぎ出来てしまうかな。 あーあ、やだな。 あの頃、水は青いと思ってた。 手で掬うと透明になって、私の肌色だけ。 丸い泡が頬を転がって消えていく。 鋭く差し込む光は水面で揺れて網になる。 今だけなら 捕まえてくれてもいいのに。 薄暗いぬる

    • 後付けの夢なんて、面白くないね

      • 漂流

        波風にまかせて流れ着いた島には、なにがあるかな やったあ。陸地に着いた。漂流の終わり。生活の始まり。 一日の半分を過ごす教室。広くて狭くて息苦しい。でもこの生ぬるい空間にあと少しだけ居続けたいと思ってしまうよ。だって大人になれないから。でも、だって、って言っちゃうから。 同調圧力に屈しないこと。それこそが正義だと信じ切っていた自分は未熟だったなと、思ったことに気が付いた。その時少しだけ大人になれているような気がしたけど、別にそんなことなかった。ただ、身体だけが大人になってい

        • ねえ、どうすればいいと思う?

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          ちっちゃくなって夢で会いに行くね

          最近あったかいね。 桜の花がぽつぽつ咲き始めても、 満開になっても緑が増えても、全部散っちゃっても、可愛いピンクの絨毯の上を歩いても、 なんだかずーっと悲しいんだ。 理由なんて考えたくないから日常に逃げる。 日常逃げだよ。 いいお天気の日、トーストをかじる、洗濯物が揺れる、柔軟剤のいい匂い、LINEが来る、小学生が走って下校する、四つ葉のクローバーを見つける、猫に会う、コンビニでアイスを買う、友達にまた明日って言う こういう小さなことを大切に大切にしてるの。 小さな幸せを見

          ちっちゃくなって夢で会いに行くね

          なにしてるの?

          忘れるのって怖い 全部大切なのに 記憶って怖い 不確か でも大好き 大切だから 感情って怖い 支配してくる 楽しいって怖い いつか消える 悲しいって怖い 永遠に続く 優しさって怖い 依存する 寂しさって怖い 求めてしまう でも大好き 貴方といられる 一瞬って怖い 追えない 永遠って怖い 掴めない 生きるって怖い 悲しいことばかり 死ぬって怖い なんにもなくなる でも大好き 大好きだよ 好きって怖い 壊れる 嫌いって怖い 治らない 大嫌い、大好き 怖いって怖い 信じ

          なにしてるの?

          揺籃のうた

          おはよう。朝じゃなくてもおはよう あのね、私はね、大好きな人達がすやすやと眠って、 欲を言えば良い夢を見られればいいなと 常日頃から願っているの 本当だよ あのね、って大好き たくさんお話を聞かせてほしいな、 欲を言えば私だけに向かって 今日食べたご飯とか、お天気とか、 私の知らないこととか 他の女の子がどうでもいいって言うような話も聞きたい 気の利いた返しはできないかもしれないけど、 知らないことを知って忘れちゃって思い出したい あとね、おはよう と おやすみ が大好き

          おやすみ

          早咲きの桜に、初めて微笑みかけることが出来た。一緒に見られたね。ねえ、さようならはいつも春だね。 真新しい病室のベッドに横たわる貴方の大きくて強い温かい手を握りながら、やけに鮮明な記憶を辿る。私にくれたもの。倉庫の屋根から伸びる大きなブランコ、ピンク色のアイスクリーム、たくさんのお人形、愛、愛、愛。夢の話をした。二十歳になったら、祖母や母も着た、あの青いお着物を着るよ。あの時こんなことあったよね、覚えてる?貴方は首を横に振った。大丈夫、私が忘れてあげないわ。ずっと瞑っていた

           一度愛し、離れてしまった人と、何事もなかったかのようにまた笑い合う。そんな風景を俯瞰して見たときに芽生えた嫌悪感が消えてくれないの。馬鹿正直に恨んだままでいたかった。 好き。嫌い。この大きなふたつの感情さえも嘘になってしまうなら、どれが真実がわからなくなるから。実際、真実なんてものはあまりないの。掴めないの。 違う。本当は、過去に囚われて人を許せない頑固な自分に嫌気が差しているだけ。世界はもっと簡単にできるのに。世界はもっと光っているはず。みえていないだけ。 可愛いあの子

          進路希望調査、やっぱハンドメイドアクセサリー屋さんって書こうかなーー♪

          ちょっとずつ他人から盗んで、切り貼りして、破かれて、縫って、自分で破いて、ずーっと私を手作りしてきたの。私がなりたい私に必死でなってきたんだから、綺麗に見えるはずよね。そう、綺麗に見えてもらわなくちゃ困るのよ。 でも手作りしてきた歴史を知ってる私には、私が薄汚れて見えるし、どうしようも出来ずに愛したいと願うしかないんだよ。愛さなくちゃ、いけないの。 汚さは、美しい。と私の大好きな人は歌っているように思う。だけど、私は本当は綺麗なままでいたかった。汚さを自覚できる知能すら

          進路希望調査、やっぱハンドメイドアクセサリー屋さんって書こうかなーー♪

          好き(随時更新)

          ピンク、いちご、透明のラメ、夢、夕立、 お花、気持ち悪い色の空、レース、光、キラキラの音、うすいカーテン、扇風機で揺れる髪、秒針、普段笑わない人が笑う、熱唱中の対向車線のおじさん、ドレスの肌触り、結婚式、意味わかんない映画、朝5時ぐらいのシャワー、放課後の図書室、CDプレーヤーがくるくる回る音、ハムスターのおなか、インコの足、プリクラ、新しい教科書の匂い、クリアな色の風船、やわらかい食べ物、女の子のほっぺた、大森靖子、彩度高めの月、小さな星、17時のお昼寝、歌詞、大丈夫じゃな

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