揺籃のうた

おはよう。朝じゃなくてもおはよう
あのね、私はね、大好きな人達がすやすやと眠って、
欲を言えば良い夢を見られればいいなと
常日頃から願っているの 本当だよ

あのね、って大好き
たくさんお話を聞かせてほしいな、
欲を言えば私だけに向かって
今日食べたご飯とか、お天気とか、
私の知らないこととか
他の女の子がどうでもいいって言うような話も聞きたい
気の利いた返しはできないかもしれないけど、
知らないことを知って忘れちゃって思い出したい

あとね、おはよう　と　おやすみ　が大好き
なによりも愛を感じるし、
あ、この人今日も生きている！
あ、この人今からちゃんと休養を取るのね！と身勝手にも嬉しくなるから

二度と目覚めないおやすみだとしても、
おはようがなくても、
きちんと挨拶をしてくれたことが嬉しいの

私は愛情深く有りたいと思う気持ちが強いの
小さな幸せを全力で愛しているの、愛したいの
上手く愛せた試しなんてないけれど
大体の人のことは最初から好きだし、
期待してしまうし
裏切られてもなかなか大嫌いにはなれない

私はすぐに大丈夫　と言うよ
何故なら大丈夫だから
無責任だね
なんにも大丈夫じゃないかもしれないけど
その言葉にイライラしてしまう人のことも
愛しているからね
私はすぐに好き　と言うよ
だって好きなんだもの
これって伝わるかな、伝えてもいいのかな
ようやく人を大好きになれたから嬉しいの
欲でもエゴでも弱さでもない好きを
あなたに捧げたいと願うくらいにね
人間である限りきっとそんなことはできないね

愛しきれない人もいるよ
それは私の大切を傷つける人
だって私、神様なんかじゃない
天使なんかじゃない
罪は、罪　絶対に許さない　
やっぱり嘘だよ

すぐに嘘って言っちゃうよ
本音を言うと
私の口癖をそのまま使ってほしかったなあ
あ、これも嘘ね全部嘘だよこれも嘘だからね
信じてよ 本当の嘘なんてつかないから

ほらこんな事考えてたら数学の授業が終わっちゃう
帰ってお昼寝でもしたいな、今寝ちゃおっかな
数学のおじいちゃん先生、
誰にも話聞いてもらえてなくて可哀想だし、
くまさんみたいで可愛くて好きだから、
やっぱやめた


今夜はあたたかくして
素敵な夢を見られますように
少女が口ずさんだゆりかごのうたが
いつまでも響きますように
身体を優しく叩く手のぬくもりが
消えませんように
あなたの好きな歌を歌いたい
悪い夢や不安や邪魔な愛は食べてあげたい
勝手に流れる涙なら舐めてあげたい
この行き場の無い愛や優しさと呼ばれるものが
かえって誰かを傷つけてしまうね
でも、それでもね
あなたには特別におもっているよ
言えなくなる前に言いたいね
おやすみ。