悩むよりまずはクリニック
「この歳で切除とは珍しいですね。よく思春期に受験勉強の妨げになるからと、親御さんがお子さんを手術に連れて来られることが多いんですが」
四十代半ばぐらいに見える彫の深い顔立ちで恰幅のいい医師が、しげしげと私の方を眺めながら言った。私は気恥ずかしさを憶えて、視線を医師の目線から外して下に落とした。白衣の下に薄ピンクのシャツを着ているのが透けて見えて、なぜか目が離せない。
「なにか今頃、切除しないといけないようなことがあったんですか」
「いや、そういう訳では」咄嗟に言ってしまう。