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空を眺めた時間と自分

空に夜の色が染み込んでいく。
染み込んでゆく過程の色は素敵だ。

薄い水色に桜色、淡い黄色に、力強く濃いオレンジ色。

境目があるようでない不思議な空間。
つい目を奪われたまま、その色合いが変化していくのを眺めてしまう。

時間が流れていくのがすごく惜しく感じる。ずっとずっと眺めていたい。

そして気づけば暗い夜。
暗い夜はなんだか怖い。

その深い色に自分を全て飲み込まれてしまいそうで。
そんな理由も後付けに感じてしまうほど、感覚的な恐怖を感じる。

時は流れる。
時間が経てばまた新しい朝が来る。誰も会ったことのない新しい朝が。

さようなら今日の太陽。
会えるのを楽しみにしているよ、明日の太陽。


いつ書いたのかよく覚えていないけれど、こんな文章がメモに残されているのを見つけた。

いくつもの綺麗な空を見てきたけれど、これを書いた時の空もまたそのうちの一つだったのだと思う。

これを書いた時の私は何を空から感じていたのか。

それはもう残された文章からしか読み取ることはできない。

そこにいたのは、美しい空を見て心を動かされたのは、自分自身なのにはっきりとした言葉でその時の感情を表すことはもうできない。

どこか他人事で、読んでいて少し恥ずかしくなるような文章。

それでも言葉が私の中から溢れてきて、それがバラバラにはぐれてしまう前に、私が忘れてしまってなかったものになる前に、私が言葉たちをぎゅっとまとめておきたいと思うのです。



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