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相手が喜ぶことをする

「お客さんが喜ぶことをしてればビジネスは間違いないよ」

昨日、転職前に現職の社長と話す機会がありました。
その時に言われたのが、この言葉でした。

情けは人の為ならず
利他即自利

このような「利益を他人に与える行動は巡り巡って自分の利益になる」という諺です。

例えば、営業でモノを売る時、

  • 「これが今月のノルマなんです。なんとか買って貰えませんか?」

  • 「この商品の代わりにこっちを使えば、より効率よく仕事できますよ」

この2人からなら、どちらから商品を買いたくなりますか?

大抵の人は後者で、前者は自分のことばかり考えていそう、と思うでしょう。

当たり前の話ですが、モノを購入する時、人はお金と交換でモノと「それに付随するメリット」を買います。

前者の場合、「相手からの借り」という特徴があります。
買う側がいつも無理を言ってしまって相手を振り回してしまっているなら、「この機会に今までの借りを返せる」と喜んでそのメリットを享受するために商品を買うでしょう。

そういう意味では「そろそろ貸しが溜まってきたし、返させてあげるか」と敢えてこちらが借りを作る形でお願いをする、というのも相手が喜ぶ行動に成り得ます。

それにもし、少しばかり見当違いだったとしても、「自分のことを想ってしてくれた」というのは存外悪い気はしないものです。

もちろん、メリットばかり享受してこちらに何の見返りもない搾取してばかりの人、俗に「テイカー(Taker)」と呼ばれる人もいます。

そういう人との対応は考える必要がありますが、その対応も周囲の人には見られています。
その対応次第では、こちらが別のところでメリットを受けることも出来るでしょう。
(今パッといい例は思い浮かびませんが)

昔、父に座右の銘を聞いた時

「利他即自利」

と答えられたことがありました。
その時は、意味を調べてもピンと来ず、「変な座右の銘だな」と流したのですが、今になってその言葉の重みがわかってきました。

うちは自営業で、父はその2代目社長なのですが、父の代になってから売上は急に伸び、地域でも必要不可欠なお店になっていると思います。

売上が大きくなることの是非は置いておいて、相手のことを想って行動するその「利他の精神」が非常に働いた結果なのではないかと思っています。

ちなみに、現職の社長は「結婚もそう」と仰ってました。
「俺、家族が喜ぶことしか考えてないもん」と。

結婚に限らず、人間関係全般において「自分のことは置いておいて、相手が喜ぶことをする」というのは、その人間関係をより強固にすると同時に、巡り巡って自分自身に幸福をもたらしてくれます。

大事なのは「見返りを求めない奉仕行動」こそが「利他」である、という点です。

見返りを求める行動は意外と透けて見えて、
「この人、見返りが欲しくてこんな行動しているんだな」
と思われてしまいます。

「利他即自利」という言葉が、昔はピンと来なかったのもそれが理由で、
「何か見返りを求めて他人に優しくしてるみたいで嫌だ」
というのを感じたからでした。

でも、利他によって得られる利益というのは「与えたその人自身から返ってくる利益」ではなくて「いつかどこかから巡り巡って返ってくる利益」だと気付きました。

「この人が喜ぶことをすれば、いつか巡り巡って自分が困った時とかに返ってくる」
そう分かっていれば、相手が喜ぶことに労力を割くためのハードルは下がり、そして相手自身に見返りを求めないので、人間関係は円満になるでしょう。

ある意味、利他とは投資なのです。
投資である以上、怪しいものに投資せず、手堅いところを長期保有することで、多少の値動きがあっても向上していくものです。

これから僕もよりビジネスの深いところに携わっていくことになります。
僕も「利他即自利」を胸に刻んで、この人生を歩んでいきます。

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