【詩】シャッター
にわか雨の一雫が描いた波紋
ピチョンっていう細い音に驚いて 羽ばたいたスズメ
だだっ広い池に偶然できた水の膜
たぶん、あれはミルククラウンにかなり近いカタチ
絵に描いたような入道雲が影を落とす
緑の絨毯に仰向けになった僕はそっとシャッターを切る
ピントを合わせ
彩度を整えながら
不必要に息を止めてしまう いつもの癖
スローモーションの世界が目を覚ます
一瞬にして褪せてしまう輝きを
そっと息づく 命の景色を
逃さないように
シャッター音が静寂を破った
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?