子どもの限界を決めてしまう親たち①

赤ちゃんとして産まれてきた時、「この子は絶対にプロスポーツ選手にはなれない」「この子の偏差値は60以上はならない」など、1人ひとりの子どもの限界は決まっているのでしょうか?

人間も動物ですので、親から遺伝された能力はあるでしょう。また、先天性の病気やハンディキャップがあれば、ある程度の限界はあるのかもしれません。しかし、それ以外の場合での可能性は限りなく広がっていると私は思います。

では、運動が得意な子、絵が得意な子、勉強が得意な子などの子どもの個性はいつどこから出てくるのでしょうか?

確実にプロスポーツ選手になる方法などは私にもわかりません。ただ、保育士として数百人の子どもを見てきて、「それは◯◯には出来ないから止めておきなさい」と言った禁止の言葉をよく使う保護者の子どもは、怖がりで運動面の伸びはよくない傾向がありました。


例をあげてみると、3歳児のR君は公園に行くと、ジャングルジムの1段目から上には上がろうとしませんでした。他の子は上まであがって楽しんでいたので、R君にも「もっと上まであがってみたら」と言うと「お母さんがこれより上は危ないからダメって言った」と。

3歳児のこの時点で、R君と他の子どもたちで差が出来てしまっているのです。

そしてお母さんの許可が無ければ、「やってみよう」「挑戦しよう」と言う意欲すら無くなってしまっているのです。

もし、R君のお母さんが"危ないからやめなさい"ではなく、"危なかったら助けてあげるからやってみなさい"だったとすれば、R君の可能性はもっと広がっていたのではないでしょうか?

子どもの安全を守るのは親の役目ですが、子どもの能力が上がれば上がるほど危険は無くなり、能力が低ければ低いほど危険は多いのです。

交差点を飛び出さない、信号を守るなどの命に関わるようなルールは大切ですが、転んで怪我をする、よそ見をしていてぶつかるなど、子どもが今後、自分で怪我を回避するために必要な経験もあるのです。

可愛い子どもを守るための行動が、子どもが成長するチャンスを奪うことにならないようにしたいものです。

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