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詩人を語る。

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私が気になる詩人さんについて忖度一切なしで書いています。
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記事一覧

どうしてもりんさんについて書きたいんじゃ。

どうしてもりんさんについて書きたいんじゃ。

ミックスナッツ、はちみつ、冷凍ブルーベリー、ハウスみかん、ブラックコーヒー。
モデル気取りかいっ的しょってる朝食をいただいた後、ベタ座りでちゃぶ台みたいな机でこれを書いてる網野です。おはようございます。

岡山出身だからタイトルを芸人の千鳥口調にしてみた(どうでもいい)
それより、もし私のnoteを日曜気にして下さっている人がいたとしたら思うかもしれない。
え?先週の予告は?エピソード1は?はい、

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霊語り(ものがたり)から詩が生まれる  ー詩人を語る。藤井貞和

霊語り(ものがたり)から詩が生まれる  ー詩人を語る。藤井貞和

         
 藤井貞和は詩人として遅咲きだったと言える。今では現代詩を真剣に書いていれば彼の詩を知らない人はいる?と個人的に思っているが世間とはズレがありそうだ。太宰治の今は亡き次女津島佑子が人生の最後に選んで共に暮らした男と書いた方が分かる人が多いだろうか。

とにかく、彼が世に名を知られるのは自身のライフワークとも言える源氏物語論からだと思われる。大学時代から詩の活動を盛んに行っていた

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詩人。東淵修(掃除夫のおっちゃんの目)

詩人。東淵修(掃除夫のおっちゃんの目)

東淵修の作品について、ずっと何かよい表現がないか考えていました。

そして私なりの答えを見つけました。

もう10年以上前になりますか

私は1年ほどグリコのパートをしていました。

オフィスグリコってご存知ですか?グリコのお菓子をメインに飲み物やアイスをリヤカーみたいな荷台に載せて、雨の日も風の日も暑い日も寒い日も、往復一時間くらいかかる指定のオフィスまで(大体一日10箇所以上)ゴロゴロ牽いて持

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言葉の影、影を踏むー谷川俊太郎さんの言葉に触れてー

言葉の影、影を踏むー谷川俊太郎さんの言葉に触れてー

2016年にSNSの限定公開で書いた日記をアップします。

(第5回福岡ポエイチ谷川俊太郎さんを迎えて)

旅をすると美術館に行きたくなる。いつかこの目で見ようと夢見ているのはバーゼル美術館所蔵、ココシュカが描いた「風の花嫁」だ。ココシュカが上塗りに次ぐ上塗りをした絵で門外不出どころか少しでも動かすと剥がれ落ちてしまう恐れもある作品だと言われている。

私も実行委員を務めさせてもらった福岡ポエイチ

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詩人 唖の王、盲目の王ー吉増剛造ー

詩人 唖の王、盲目の王ー吉増剛造ー

吉増剛造について書くのは今回が初めてではない。

所属している関西の同人誌で何年も前、試論社から刊行された彼の詩集『何処にもない木』についておよそ評論にいたってない文章を書いている。

「彼の詩は会員制倶楽部のようだ。重いドア、微かな声、意識的に反復するリズム…。しかし微かな声だと侮ってはいけない。あでやかにメイクしマニキュアを施した指で重いドアを押し開くと、首が痛くなりそうなほど上を見上げた滾り

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詩人 氷見敦子は時代に殺されたのか

詩人 氷見敦子は時代に殺されたのか

彼女にとり憑いていたのは女の姿をした水の化身ではなく「時代」ではなかったのかと、今あらためて思う。

彼女の名前を一度も福岡の詩人から聞かない、それがきっかけだった。

氷見敦子(ひみ・あつこ)。

大学在学中に『荒地』同人でもあった中桐雅夫に出会い本格的に詩を書き始める。8年後、4冊の詩集と1冊の詩画集を遺し他界。死後6年を経て思潮社から『氷見敦子全集』が刊行される。享年30歳で詩のキャリアも短

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