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掌編小説

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【掌編小説】 黄泉

【掌編小説】 黄泉

 そこは、ただただ暗かった。左右を見ると畑がひろがっているらしかった。前方には森林がそびえたっているらしかった。畑と空、木々と空の境界があいまいで、灯りという灯りは月灯りしかなかった。
 生温かい微風が横切った。その微風が心細さを増長させた。
 私は歩いた。地面が確かにあるものと信じて。一歩々々たしかに歩を進めるものの景色は変わらず、本当に進んでいるのか自信がなかった。
 私はどこに向かっているの

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