見出し画像

「システム思考」で、「プラゴミの新しい価値」を考える

映画から学ぶ人生の学校「AMIGOの学校」
明日開催の第4回目、テーマは
「プラスチックの新しい価値を一緒に考えてみませんか?」

今回の教科書となるのは、海洋プラスチック問題に焦点を当てたドキュメンタリー映画「プラスチックの海」です。
人類がプラスチック製品の使い捨てを続けてきた結果、海洋汚染が危険なレベルで進行してしまった、世界の海での事実を明らかにしていく内容となっています。

画像1



AMIGO HOUSEから歩いて3分の逗子海岸でも、たくさんのプラスチック片を目にします。
「プラスチックによる海洋汚染」はわたしたちの身近な問題です。
その解決策のひとつに「プレシャスプラスチック」という選択があります。


プレシャスプラスチックプロジェクト(以下PPP)とは?

特別な機械を使い、プラゴミを砕いて、溶かし、別の製品につくり変える、オランダ発のプロジェクトです。
PPPの世界では、プラスティックはゴミではなく、「大切な資源」です。
なぜならPPPの技術を使うと、捨てられていたペッドボトルのキャップから綺麗なコースターやイヤリングなど、価値のあるものへ作り変えることができるのです。

逗子にも新しくプレシャスプラスチックの拠点が開設されることになり、「これからどのようなムーブメントを起こしていくかみんなで考えること」が今回のAMIGOの学校のお題です。


テンダーさんのシステム思考


今まではゴミにしか見えなかったプラスチックのかけらが、価値のあるものに生まれ変わる、素晴らしいPPP。

実は、逗子でも2020年からPPPの活動がはじまっていました。
逗子にあるマシンを作ったのは、今回のAMIGOの学校の先生のひとり、テンダーさんです。
日本におけるPPP活動の先駆者であり、鹿児島で日本最大級のファブラボを運営する環境活動家でもあります。

テンダーさんは去年の10月に、AMIGO HOUSEでワークショップを開催してくれました。
1日目はPPPについて。
2日目はテンダーさんが物事を考える技術として使っている大切な思考法「システム思考」について。

ワークショップを体験したスタッフは、大いに魂を揺さぶられました。
テンダーさんの言葉をお借りすると、
「システム思考を学ぶと、今までとは全く違う見え方で世界を考えることができる。まるで明治維新!」

今回のAMIGOの学校で、プラスチック問題を考えるうえで大切な思考法だと考え、改めて復習してみます。



「システム思考」とは?


システムといわれると、難しい話のように感じるかもしれませんが、

ひとつの物事が変化すると、他の物事にも影響がうまれる
一時的な出来事が長期的にみると、思いもよらない結果につながることがある
という考え方です。

テンダーさんが、システムの例えとして用いたのは
「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざでした。

強風が吹くと、砂が舞って失明する人が増える。
失明した人は三味線弾きになるため、三味線を作るために猫の皮が必要になる。
猫が減ると、ねずみが増える。
ねずみが桶をかじり、桶を買い換える人が増え、桶屋が儲かる。

一見関係のないように見える「強風が吹いた」ことと、「桶屋が儲かる」ことが、実は、繋がっていて互いに影響していることに気がつきます。

このように、物事の背景には、さまざまな要因が絡み合った「システム」が存在しているのです。
物事そのものが悪いのではなく、相互関係の中で問題が生まれる。
そのことを理解し、特定の物を責めるのではなく、問題の背景にある「システム」へ適切にはたらきかけることで、問題を解決する手法が「システム思考」です。



PPPとシステム思考

では、プラスチック問題はシステム思考を使うと、どのように考えることができるのでしょうか?

テンダーさん
システム思考では、プラスチックを「ゴミ」にしない方法を考える。
「プラスチックが悪者だ!排除しよう!」という主張では、問題の解決にならないよね。
ゴミを活用できるための道具をつくると、ゴミを拾う理由ができる。そうやって、システムは変えられるんじゃないかな。

すでにあるプラスチックをゴミにするのではなく、資源として有効活用する。
PPPの思想は、とてもシステム思考的な解決策だったことに気がつきます。

テンダーさん
悪いのはプラスチックじゃないからね。
「ゴミだから価値がない」って決めているのは人間なの。
便利だから、大量生産、大量消費したあとに、やっぱりいらないって、急に悪者扱いする考え方では、問題を変えられないってわかるよね。

テンダーさんの言葉は、耳が痛い指摘でした。
何か問題が起こったときに、つい、システムの外に自分を置いてしまいがちなことに気がついたのです。
わたしも当てはまる場面があり、反省しています。

自分はシステムの一員であり、その中でどんな介入ができるのか、主体的に考えアクションを起こす必要がある。

明日のAMIGOの学校は、皆さんの知恵を借りながら「プラスチックの新しい価値」について話し合う場になればいいなあと考えています。

▼2/20開催 AMIGOの学校詳細▼

映画:「プラスチックの海」(有料)
◆現地 (CINEMA AMIGOにて)
・10時〜
・1,800円
◆オンライン
・1,500円

トークイベント・15時yより
・AMIGO  HOUSEのFacebookページにてライブ配信
https://www.facebook.com/amigohouse.zushi

▼映画予約はこちらから▼


◯テンダーさんの講座は、CINEMA AMIGOのFacebookページからライブのアーガイブをご覧いただけます。

▼テンダーさんが主宰するダイナミックラボ
https://sonohen.life/about-dynamiclabo/

 (文:志田彩佳/編集:大倉曉)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?