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娘のなまえの由来

「あら、かわいいね~!お名前は?」
「素敵なお名前!どうしてそうつけたの?」

というあたたかな声かけを、娘が生まれてからたくさんしてもらいました。
なまえの由来は、母子手帳の裏表紙にも書くところがあって、将来娘が読んでくれるかもしれないから書いておこう!と思いながら生後7か月が経ってしまった…ので、ここに残しておこうと思います。

娘の名前には「詩」という漢字をつけました。
単純に好きな言葉であることと、もうひとつは、詩人に詳しいわけではないけれど、小学生の頃に、当時国語の教科書に載っていた谷川俊太郎の「朝のリレー」という詩が好きだったから。大人になってからも、その一節を思い出してはワクワクするくらい。
夫も「いいね」と賛成してくれました。

カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている


「朝もや」ってきれいだろうな。
私もいつか、早起きしてバスを待って、高校や大学に通うのかな。
そして私みたいな子どもが世界中にたくさんいて、みんなそれぞれの場所でじぶんの時間を生きてるんだな。会ったことはないけれど、すっごく遠くに、おんなじ気持ちの人がいて、おんなじように悩んだり、時たま起こる悲しいできことを乗りこえたりしてるんだ。

眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりとうけとめた証拠なのだ

小さい私は、まるで大きい何かに包まれているような感覚を、世界の子どもたちとみんなで手を繋ぐような感覚を、この詩を読むたびに感じて、それはそれは、安心した。



言葉には力があって、自分の言葉で誰かを傷つけることもできるし、誰かの言葉がどん底から救ってくれることもある。

だから、娘には、たくさんのすてきな言葉を知ってほしい。それを使って、じぶんの気持ちを、自由に表現できる人になってほしい。

そして、たとえば詩をかくように、
世の中の美しいことも悲しいことも、自分の目で見て感じられる、できればそれを大切な人に伝えられる、そういう人でいてほしい。

そうしたらね、どんなことがあっても、きっと大丈夫だよ。

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