大変だけど、つらくない

娘が生まれて半年が経ちました。
6か月を過ぎた娘は、いとも簡単に寝返りをし、さらに手と足を使って方向転換をする。首を真後ろに傾けたりぐいっと振り返ったりして母の姿を探すようになり、隠れてお菓子を食べている姿を見られてしまう。大きな声を出したり、おっぱいやミルクを飲んだ後はいっちょ前に「はぅあ~」と満足気なため息をつく。

おっぱいに手を添えて全力でかぶりつくがむしゃらな姿に、毎回少しだけぐっときてしまう。これはさすがに写真やムービーには残せない、わたしだけが知る娘の顔だ。飲み終わったら満足そうに母の顔を見て、静かに微笑む。か、かわいすぎるだろうが。乳首の痛さも気にならないよ。
こうしたひとつひとつの動作や表情を決して忘れたくないと、強く思う。

娘がおなかにいる時、悪阻がひどくて点滴に通い、毎日ベッドで過ごす日が何か月も続いた。同じ会社の先輩ママや同僚ママ、割と高齢出産のため後輩ママなんかもいるのでみんな気持ちをわかってくれて心強かったけれど、何人かのママから、

生まれた瞬間からもっと大変になるから。覚悟したほうがいいよ。

というようなことを言われた。「今しかない、ひとりの時間を少しでも楽しんでね。」という意味だったと思う。それはみんなのやさしさから出た言葉なんだけれど、わたしはネガティブに受け取って、少しだけ暗い気持ちが心に積もった。

えー、そんなに大変なの…やだ…とめちゃくちゃびびりながらその日を迎え、なんだかんだありながらゴロンと娘が生まれた。

お世話の日々が始まったわたしの感想は、「あれ?大変だけど、つらくなくない?」というものだった。

みんな驚かさないでよ、びびったじゃんと。むしろ悪阻のほうがつらかったわ。いや、パワハラとか長時間労働のほうがつらかったわ!

確かに出産はマジで痛かった、産んだ直後も縫った会陰が激痛で歩くのもままならない、1ヶ月経っても体調は悪いままで、夜は眠れないし情緒もまるで不安定。それに加えて、娘が母乳を飲めない日々、わたしの乳首は切れる日々。ぐらぐらのメンタルで里帰り中は両親とよく喧嘩した。確かに大変だ。

でも、なんと、出産してからのすべての日々は、直後のメンタルぐらぐらの時期も含めて、その一瞬一瞬がとんでもない幸せで溢れているのである。辛い痛みや眠れない夜も、なぞの倦怠感も家族とのいざこざも、大変だ。大変だけれど、この、かわいいかわいいわたしたちの娘のためならどんとこい!つらくなんてないよ!なのである。

そして今、「ああ、私は娘に会うためにここまで生きてきたんだな!」くらいに穏やかなようなハイテンションなような、人生で一番幸せな毎日を過ごしている。

……もちろん、これから娘がどう成長するか、わからない。とんでもなく大変でつらい日々がやってくるかもしれない。「ほんとだね、やってらんない!つらいわ!」と叫ぶ日が来るかもしれない。でも今のところのわたしがおもうことは、こんな感じです。

「大変」は「つらい」って思ってたら、違った。

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

子どもの成長記録

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?