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この二ヶ月の所感と備忘録 -3



あくびがうつるくらい そばにいたのに

 僕の人生に切り離せないものが、言葉を綴るという事です。思えば小学4年生の頃。好きな漫画、好きな小説の真似をして、文章を書き始めました。何も考えず、ただそれがカッコ良いと思っていたのか、ただ母に見せたかっただけなのかもしれません。
 良い文章なんて書けないし、世界観もなければ景色もありません。そこに物語性もなければ、完結すらしないのです。
 けれど、僕はあれから16年書き続けました。何がそんなに楽しいのか僕にもわかりません。いわゆるライフワークなのか、それとも癖になっているだけなのか、僕と文章の関係は何もわかりません。
 今、文筆だけでなく他の媒体のクリエイティブ作品も創るようになり、表現も多様に出来るようになりました。
 それでも、やはり綴る事は辞めないのです。言葉を失う季節がやってきても、それでもまたこうして書き始めるのです。今日の文章は、一昨日の文章とは全く違う文体なのに、何故か手が止まらない。滔々と言葉が溢れてくるのが心地よい。不思議な感覚。それを辞めることは出来ないのです。



夜行バスは行き先の名前を隠して

 これまでの僕の言葉は、やけに遠回りで、何かに怯えているようでした。僕が何より怖かったのは、あなたに届ける事です。あなたに届ける事で、あなたを無視できなくなるのが、とても怖かったのです。
 けれど、それはただあなたを受け取らないからでした。あなたは「ほら」と、当たり前のように手のひらいっぱいの僕の大切を差し出しているのに、それを見ているだけで受け取らないのです。

 だって、それを受け取ってしまったら、僕と貴方が違う存在である事を認めてしまう事になるから。あなたは僕ではない。だから貴方は僕に、贈り物が出来る。それを認めてしまう事が、とても怖かったのです。

 でも今は違います。この文章は、あなたが読む為に、あなたに語りかけて書いているのです。今僕は "あなたに向けて" 書いているのです。あなたに届けようと必死になって書いているのです。それはただ、あなたがたくさんの僕の大切なモノをくれたからです。
 それを受け取る事を、ようやく受け入れるようになれたからです。


長いため息が 鼻歌になる頃

 こうして、穏やかな言葉を書く事を今までしてきませんでした。複雑な感情や気持ちという僕の論理を、そのままの世界で表現することに拘っていました。決して貴方には届けようとせず、ただ叫ぶだけの日々を過ごしてきました。それが僕にはとても心地よかったし、安らぎがありました。
 孤独を臨む事が、僕には安らぎでした。だって、僕は1つになりたいから。僕の中では、あなたも貴方も、みんなで1つなのです。僕という僕たちは、1つしかないでしょう?家族も友達もあなたも、星も宇宙も草も海も、1つなのだから。世界には僕たちという1つしかないのだから。僕たちは常に幸せな孤独だから。それを臨むのが、僕です。


 "孤独を臨む"
それを臨まないといけない僕は、きっと誰よりも寂しがりなのでしょうね。


ただ君の街に吹く風にのせるように


それは産まれた時から


music

"Sad number"
Laura day romance

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