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「ふわふわらいどおん」

(雨が降りだす。)

男・あ。

男 語り・(口を開けて空をぼーっと眺める。)空から何か降ってくると口を開けてしまう。雨でも…(雪が降る)雪でも…(雷が落ちる)

(口の中に雷が。)

雷様 声・こちらに来なさい。

(雷の光に口を開けたまま連れてかれる。)

雷様 声・ふわふわらいどおん

(雲の上につく。雲の上にはソファーやテレビや机や扉がある。)

雷様・今日から君が暮らす場所だ。

男・…え?

雷様・ゆっくりしていきなさい。

男・帰りたいです。

雷様・それはできない。

男・なんでですか?

雷様・君は今、雷を飲み込み身体に電力が溜まった状態。触っただけで周りに危害を加えてしまう。

男・そんな。

雷様・だが、その溜まった電力を放出すれば、また元の暮らしに戻れる。

男・どうすれば?

雷様・まあ、せっかく来たんだ。一緒に飲もうや。

雷と男・乾杯!

男・うまー!!!!

雷様・雨を雷で割ったお酒だ。雪の氷を入れてな。

男・いくらでも飲めますね。(グビグビ飲む。)

雷様・いい飲みっぷりだな。

男・普段何してるんですか?

雷様・何もしていない。このふわふわな雲の上でのんびりしてる。たまに君みたいな子が来るがな。

男・僕みたいな子が。へー。

雷様・でもあれだな。口開けて空なんて見てなかったら来ないですんだのにな。

男・まあ、ここはここでいいところですね。

雷様・そうかそうか。それはよかった。

男・あ。どうしたら帰れるんですか?

雷様・まあ、飲め飲めー。

男・なんで教えてくれないんですか?

雷様・すぐ帰れる帰れる。

男・本当ですか?

雷と男・乾杯!

(雷様と楽しい時間を過ごす。)

雷様・飲み過ぎだな。

男・そんなことないですよー。うっ…ちょっとトイレ。

雷様・おー。あの扉の奥だ。

(扉を開けると雷の子分みたいな方達に背中をさすられてる人が沢山いる。)

雷1・おー。大丈夫か。じゃあ、君はここで。

男・この人たちは一体?

男1・オエー。(口から雷が出てる。)

雷2・もう大丈夫だ。送って帰ろう。

雷1・君みたいな人だよ。口開けて雷飲み込んじゃったんだ。出さないと戻れないからさ。(背中をさする。)

男・オエー。(口から雷が出てる。)

雷1・あと2回ってところだな。(背中をさする。)

男・これ僕って、この人たちの雷を飲み込んでたんですか?オエー。(口から雷が出てる。)

雷1・そうそう。あんまいいもんじゃないだろう。まあ、口開けて空見るのはやめといた方がいいよ。(背中をさする。)

男・はい。やめときます。オエー。(口から雷が出てる。)

雷1・もう大丈夫だな。送って帰ろう。

(扉を開けて雷様のところに。)

雷1・この方もう大丈夫です。

雷様・それはよかった。じゃあな。もう来るんじゃないぞ。

男・はい!!(笑顔)

雷様・よし、じゃあ行くぞ!(雷様が太鼓を叩くと瞬間移動して元の場所に。)

男・すごい。戻ってこれた。

(雨が降り出す。)

男・あ。

(口を開けようとするがやめる。)

男・いけないいけない。

あめがとう◎